町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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くしゃみと口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう) 2
2014年11月20日 (木) | 編集 |
さて、鼻水とくしゃみが治まらないということで、「口腔鼻腔瘻」と診断したワンちゃんの続きです。
前回はこちら⇒click



それまでの症状の経過と、レントゲンの画像から「口腔鼻腔瘻」を疑い、抜歯治療を行いました。
※口腔鼻腔瘻・・・重度の歯周病により、口腔内の病変が鼻腔内にまで広がり、口腔内と鼻腔内が貫通してしまった状態。







20141118tah02.jpg



飼い主様が歯磨きを頑張ってくださっているおかげで、歯そのものはとても奇麗な状態です。



ですが、こんなに奇麗な状態でも、見えない歯周ポケットの奥では、歯周病が確実に進行しているのです。




残念ながら、こちらのワンちゃんの歯周ポケット内では、重度の歯周病が進行していました。



20141118tah07.jpg



処置を始めると、すぐに鼻の穴から血がでてきました。



お口の処置をしているのに、鼻から血が出てくるということは、やはり口腔鼻腔瘻が存在するということです。






20141118tah04b.jpg


右上顎の犬歯を抜歯。
黄色い線で、犬歯の位置を描いています。
黄色い字で「鼻孔」と書いてある部分は、本来は骨と歯肉でふさがれていなければなりません。



犬歯の内側に重度の歯周病が生じたため、この部分の歯肉や骨が壊死してしまい、鼻の穴まで貫通してしまったのです。



20141118tah05.jpg



同じく、左上顎の犬歯。


このように、左右の犬歯の内側の根っこ部分に「口腔鼻腔瘻」が生じていたために、くしゃみや鼻水で悩まされていたのです。



それにしても、症状とレントゲン写真からある程度の病状は推測していましたが・・・



ここまで大きな穴があいてしまっているとは・・・予想以上に酷い状態でした。



20141118tah061.jpg



抜歯した部分は、歯茎の肉や頬粘膜をやりくりして、しっかりとふさいでやります。



犬歯は無くなってしまいましたが、これで長い間悩まされたくしゃみや鼻水とはオサラバです。




前回の記事にも書きましたが、「歯の表面の見た目の汚れ」と、「歯周病の進行度合い」は必ずしも一致しません。



今回のワンちゃんのように、とても奇麗に歯磨きをしていても、歯周ポケットの内部で知らず知らずのうちに歯周病が進行していくことも珍しくないのです。



とはいえ、今回のワンちゃんのように、ここまで見た目の歯の奇麗な状態と、実際の歯周病の進行度合いにギャップがある症例は、私にとっても初めての経験でした。



経験上、ミニチュアダックスは、このようにパッと見た歯の状態に比べて、歯周病の進行度合いが酷い症例が多いように思います。