町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
くしゃみと口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう) 1
2014年11月18日 (火) | 編集 |
「1年くらい前から、くしゃみ・鼻水が治らない・・・」



と言うことで、ご来院いただいたワンちゃん。



いくつかの病院で診察を受けたそうですが、なかなか原因がハッキリせず、投薬で一時的に症状は緩和するものの、完全に治ることはなかったそうです。


御心配された飼い主様は、いろいろとインターネットでお調べになられたそうで、「ひょっとして、歯周病が原因なのでは?」



・・・と当院にご来院いただいたそうです。



くしゃみをするときの様子をビデオで見せていただくと・・・



どうやら鼻の奥に違和感を感じて、くしゃみをしたり、鼻をすすったりしている様子です。



たしかに・・・歯牙疾患が疑われるようなくしゃみの仕方です。



そこで、レントゲン撮影をしてみると・・・



20141118tah01.jpg
左右は同じ画像。前歯と犬歯の部分に歯周病があり、口腔鼻腔瘻を形成しているようです。
黄色く線で囲んだ部分の骨が溶けてしまい、鼻孔とつながっている様子が解ります。
※口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)・・・歯周病が進行し、口腔内と鼻腔内を隔てる部分が壊死し、穴があいてしまった状態。





こうなってしまうと、お口の中の唾液や、場合によっては食べカス等が鼻の穴の中に侵入してきますので、常に鼻がムズムズしたような感じがし、くしゃみをしたり、鼻をすするといった症状が続きます。




さて・・・それにしても、このワンちゃん。



なぜ、ここまで歯周病が進行しているのに、ほかの病院さんで診断がつかなかったのでしょうか・・・?



実は、このワンちゃんの歯は、見た目がとても奇麗なのです。



20141118tah02.jpg


20141118tah03.jpg


上の写真は、歯周病治療の写真なのですが・・・ご覧のように、わずかに歯石がみられるものの、とても奇麗なように見えます。


このワンちゃんの飼い主様は、とても健康管理に気を使っていらっしゃる方で、歯磨きもしっかりとおこなっていたようです。


そのため、一見すると歯がとても奇麗に見えるため、くしゃみの原因として、歯周病の可能性が見過ごされてしまっていたようです。




たしかに、歯の表面はとても奇麗ですが・・・



実は、歯周病で一番大事なのは、歯周ポケットの状態です。



いくら歯の表面が奇麗になっていても、歯と歯茎の境目である「歯周ポケット」に歯周病が発生してしまうと、奥へ奥へと、歯の根っこの方に向かって病気が進行していくのです。



鼻腔瘻_ページ_1



そのため、今回のワンちゃんでも、表面上の歯は奇麗に見えても、歯周ポケットの内部で知らず知らずのうちに歯周病が進行し、口腔鼻腔瘻を形成するまでになってしまっていたのです。



これをしっかりと治療するには、全身麻酔下での抜歯治療が必要になります。



つづく・・・