町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 10«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »12
ホウ酸ダンゴ 2
2014年08月07日 (木) | 編集 |
さて、ホウ酸団子を食べてしまったワンちゃんの続きであります。


市販のホウ酸ダンゴのプラスチックケースを咬み砕いて、中のホウ酸ダンゴをペロリと食べてしまったワンちゃん。


前回も記載した通り、ホウ酸の経口致死量は、成人で15~20g。幼児で5~6g。乳児で2~3g。



今回、ダンゴを食べてしまったワンちゃんの体重は約9kg。



食べてしまったダンゴに含まれるホウ酸の量はおよそ5g
※市販ホウ酸ダンゴの商品説明によると、団子1個10グラムに50%量のホウ酸を含むと記載あり。


幼児の経口致死量が5~6gということは、9kgのワンちゃんでもほぼ致死量と考えられます。


ホウ酸中毒を中和するような効果的な解毒剤と言うのは存在しません。


そのため、ホウ酸ダンゴを誤食してしまった場合は、とにかく早急に吐き出させつつ、点滴投与し中毒物質の排泄を促すくらいしか手だてがありません。



ホウ酸の吸収は非常に早く、消化管から1時間以内にほとんどが吸収されてしまうそうです。



一方、ホウ酸の排泄は非常に遅く、正常な人では12時間で50%、48時間で70%、中毒量のすべての排泄には1週間近くかかってしまうそうです。



ホウ酸中毒を起こすと、下痢や嘔吐の他に、消化管出血、脳神経症状をきたし、最終的には死に至ります。


肝障害や腎障害をおこす可能性もあります。



前述のように、ホウ酸を中和させるような解毒剤は存在しないため、誤食から1時間以上が経過してしまい、中毒症状が発現してしまった場合は、できる限りの治療を行いつつ、持ちこたえてくれるのを祈るしかないのです。




幸い、今回の症例は、誤食後すぐに飼い主様が病院に連れてこられたので、誤食から1時間以内に治療を始めることができました。



治療開始後も、目立った中毒症状を起こすことなく、翌日には無事に退院することができました。



ですが、もし、飼い主さまが誤食に気がつくのが遅れていたり、誤食に気づいたとしても、「ちょっと様子を見ようかな・・・」と病院に来るのが遅れていたら・・・



この症例は助からなかったかもしれません。



実際に、過去の報告では、ホウ酸団子を誤食してから飼い主様が様子を見てしまい、下痢や嘔吐が始まってからあわてて病院に連れて行ったものの、すでに手遅れ・・・ということもあったようです。