町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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臼歯破折
2014年05月30日 (金) | 編集 |
今までにも、何度かとりあげてきたことですが、とっても大事なことですので、再びとりあげます。


臼歯の破折事故です。


20140529tah01.jpg


こちらの写真は、狂犬病ワクチンの際の身体検査で、臼歯破折が見つかった症例です。



写真中央の奥歯(臼歯)が割れて、黒く変色しています。良く見ると、歯茎の色も他の部分にくらべて黒っぽくなっています。


黒っぽく見えている部分は、歯髄といって、歯の中心部分です。


ここまで破損した歯は、抜かなければいけません。


飼い主様は、歯が割れていることには気がついていらっしゃいませんでした。


いったい、いつ? なぜこんなことになったのでしょう?


原因は「豚の耳」などに代表される、かた~いオヤツ。


飼い主様は、お知り合いから「歯にいいのよ!」と勧められて与えていたそうです。


声を大にしていいます。


飼い主様のお知り合いの方には申し訳ありませんが、これは大間違いです!


豚耳等の固すぎるオヤツは決して与えないでください!!



このような、固すぎるオヤツを与えていて、今回のように歯が割れてしまう事故が多発しています。


それも・・・悲しい事に、皆さん歯の健康に良いと信じて与えての結果なのです・・・



20140529tah04.jpg
反対側の奥歯も割れて、歯髄が見えてしまっています。


我々獣医師の間では、もう10年も前から豚耳での歯の破折事故が問題視されており、私も機会を見ては、このようにブログにとりあげたり、診察の際に飼い主様にお話をしたりするのですが・・・



我々獣医師の啓蒙活動が不十分なのでしょうね。いまだにペットショップ等で当たり前のように豚耳が販売され、固いものを咬ませるのは歯の健康にいいと思われている方が多いのが現状です。



もちろん、ある程度の固さのあるものを咬むことで、物理的に歯の表面を磨く作用があるのは事実です。



ですが、豚耳のように、極端に固く、咬みちぎりにくい物を与えてしまうのは危険です。



なんとなく、「ワンちゃんの歯は丈夫」というようなイメージがあるようですが、実際にはそんなことはなく、人間の歯とそれほど構造、強度自体は差はないと思われます。


ですので、人間が思いっきり噛んで、「これは歯が割れちゃいそう」と思うような程固い物は与えない方が良いのです。



ちょっと想像してみてください。カッチカチに乾燥した、豚耳の分厚い部分を、思いっきり噛んだら・・・


「歯が割れちゃうかも・・・」と思いませんか?



人間の場合は、「ひょっとしたら歯が割れるかもしれない」と想像することができるので、自然と力加減をしますが、ワンちゃんはそうはいきません。


何の遠慮もなく、力の限り噛みつきます。



そして、運悪く豚耳の最も固い部分を、力任せに噛みついた結果、ご覧のように歯が欠けてしまうのです。



20131202tah01.jpg
こちらは昨年12月の症例。



このような事故を防ぐためにも、このブログをご覧いただいている皆様には、ぜひ、周りのワンちゃん友達の皆様にも、こういった危険性について話を広めていただければと思います。