町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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肝生検
2014年04月14日 (月) | 編集 |
「肝臓の数値が高い」



人間でも、健康診断の時などに、割と良く聞くことではないでしょうか?



肝臓は、病気になっても、なかなか症状が現れず、明らかな症状があらわれたときには、かなり病状が進行していることも珍しくないため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。



そのため、定期的な健康診断でチェックをおこない、異常値が出た場合は、慎重に経過を観察する必要があります。



ワンちゃん・ネコちゃんでも同様で、わんにゃんドックや、手術前の血液検査などで、偶発的に肝臓数値の異常が見つかることも珍しくありません。



ただ、肝臓の数値は、食生活や、肥満など、生活習慣の影響を受けることもあります。



そのため、元気・食欲などの一般状態に問題がなく、数値の異常も軽度で、超音波検査などでも明らかな異常が見当たらない場合は、食生活等を改善しつつ、数か月ほど様子を見ていきます。



ですが、生活習慣等を改善しても、3~4カ月以上にわたって正常値の2倍・3倍といった値が続く場合は、「肝生検」が必要になります。



「肝生検」というのは、肝臓の組織の一部を外科的に採取し、肝臓組織を顕微鏡で観察する検査のこと。



20140414tah01.jpg
肝組織採取の様子



肝臓の組織を採取するには、当然、全身麻酔下で開腹手術をおこなって採取します。
※腹腔鏡が利用できる施設では、腹腔鏡で採取することも可能です。



全身麻酔、開腹手術ということで、動物にとって負担の大きな検査になるので、獣医師にとっても、飼い主様にとっても、実施するタイミングが難しい検査ですが・・・



ただ、超音波検査や血液検査では得られない、肝臓組織そのものの情報を得ることができるので、慢性肝炎などの確定診断には欠かせない検査になります。




負担の大きな検査ではありますが、診断さえつけば、明らかな肝障害が発生する前に、病状を正確に把握し、治療を開始することができるので、大変に重要な検査なのです。




当院では、この1年の間に、肝生検によって、1歳と4歳の2頭の若いネコちゃんを胆管肝炎と診断いたしました。



どちらのネコちゃんも、特に元気や食欲には全く問題なかったのですが、避妊手術前の血液検査や、わんにゃんドックでたまたま肝臓の数値に異常を見つけた結果、最終的に診断に至った症例です。



ネコちゃんの胆管肝炎は、それほど症例の多い疾患ではありませんが、若いうちから徐々に肝臓に炎症が進み、最終的には肝硬変に至ってしまうような疾患です。


まだ若い年齢のネコちゃんで、肝臓疾患を疑い、全身麻酔で肝生検をおこなうというのは、飼い主様にとっては簡単な決断ではなかったと思いますが、こうして早期に診断をすることで、的確な治療をはじめることができるのです。