町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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超音波検査で見えてはいけない臓器
2014年03月22日 (土) | 編集 |
先日は、超音波検査で数ミリサイズの小さな腫瘍でもみつかりますよ~



なんてことをお話ししましたが・・・


本日は、超音波検査で「見えてはいけない」臓器についてであります。



超音波画像は、白黒の画像の濃淡で、組織の構造を描出します。


その際に、周辺組織と目的の臓器の色合いに差があればあるほど、ハッキリと臓器の形状を観察することができます。

たとえば、下の写真。


睾丸の超音波画像ですが、睾丸とその周辺の脂肪組織の色合いにハッキリとした差があるので、睾丸の構造が解りやすくなっています。


20131116tah04.jpg
濃いめのグレーの部分が睾丸。睾丸の表面の白く輝いている部分が睾丸の被膜。
被膜の外側の、明るめのグレーの部分が脂肪組織。



ただ、臓器の中には、周辺の脂肪組織との色合いの差が少なく、正常な状態では観察が難しい臓器があります。



その代表が、「膵臓」です。



正常な膵臓は、超音波画像上では周囲の脂肪組織との色合いの差が少ない為、超音波でハッキリとした形状をとらえるのが難しいのであります。



なので、変な話ですが、「ハッキリと見えなければ、膵臓は正常」と判断するわけです。



逆に、ハッキリと膵臓の形が見えるときは、そこに何らかの異常がある可能性が高いわけです。



20140321tah01.jpg
嘔吐と食欲不振を主訴に来院された猫ちゃんの超音波画像。
ハッキリと膵臓の形状が描出されています。


超音波検査が無ければ、「嘔吐と食欲不振」といった漠然とした症状に対して、「とりあえず胃薬と吐き気止めで様子を見ましょう」なんて事になってしまいますが・・・


このように、超音波検査で膵臓の異常をとらえることができると、そこに照準を合わせた的確な治療を施すことができます。



他にも、正常な状態では「見えてはいけない」部分があります。



「総胆管」。



20140321tah02.jpg
GBと書いている袋状の部分が胆嚢。そこから右に伸びる管状の部分(CBD)が「総胆管」。
こちらも嘔吐と食欲不振を主訴に来院した症例の超音波画像です。



「胆嚢」は胆汁という消化液をためておく袋状の器官です。「総胆管」は、胆嚢から消化液を十二指腸に運ぶための管。



「総胆管」は正常な状態では非常に細い為、超音波検査でハッキリと描出することはできません。



上の写真の症例は、「総胆管」の出口に異常があるため、消化液の流れが悪くなり、「管」がパンパンに膨らんでしまった状態なのです。


この症例の場合は、「総胆管」の異常に対して考慮した治療を行わなければ、吐き気や食欲不振を改善することはできません。



超音波画像って、一見すると「一体何が写ってるんだろう?」と訳のわからない画像に見えますが・・・



しっかりと「見えなくてはいけない物」と「見えてはいけない物」を把握して観察していくと、体内の臓器のことが手に取るように解る、とても有用な検査なのであります。