町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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縫合糸反応性肉芽腫と、それに伴う無菌性脂肪織炎 2
2014年02月10日 (月) | 編集 |
さて、先日の続きであります。


「縫合糸反応性肉芽腫」を発症し、手術で原因となる「縫合糸(絹糸)」を摘出、一見落着のはずが、炎症が再発・悪化してしまったイタリアングレーハウンドのワンちゃんであります。
※詳しくは先日のブログをご覧ください→click


20131222trtah01.jpg
2013年12月22日 当院での初診時の様子



先日もお話しした通り、「縫合糸反応性肉芽腫」は、血管の結紮に使用した「縫合糸」に対する過敏反応の一種。
※「絹糸」を使用した場合に発症することが多い。


体内に存在する縫合糸周辺に激しい炎症を起こし、「肉芽腫」と呼ばれる大きな腫瘤を形成します。


治療するには、手術で「肉芽腫」ごと体内に残存する「縫合糸」を摘出しなければなりません。


こちらのワンちゃんも、手術で「縫合糸」を摘出しましたので、問題なく治るはずだったのですが・・・
※今回のケースも「絹糸」が原因でした。



術後2週間ほどたった2013年12月11日頃に、炎症が再発。



抗生剤の再投与などで治療をおこなうも、炎症が治まる様子はなく、日毎どころか、一時間ごとにどんどんと炎症が広がるような様子だったそうです。



見る見るうちに悪化していく傷口に途方にくれた飼い主様が、当院にいらっしゃったのが12月22日。
※初めにしこりを発見してから、当院で4件目の動物病院とのことでした。


その頃には、激しい炎症で皮膚が壊死・脱落し、ところどころ穴があいてしまった状態でした。



さらに、詳しく身体検査をすると、本来の傷口以外にも異常な炎症を起こしている部分が認められました。



20131222trtah02.jpg
鼻の周りに異常な炎症が生じ、茶色いカサブタが付着しています。




20131222trtah03.jpg
足の裏にも炎症とカサブタ。



20131222trtah04.jpg
肛門周囲にも炎症とカサブタ。



そもそも、「縫合糸反応性肉芽腫」は、体内に存在する「縫合糸」という「異物」に対して体の免疫機能が拒絶反応を示し、過剰な炎症を起こすことで発症すると考えられます。
※手術用に使用する縫合糸は、本来は体内に存在しても大きな問題を起こさないはずなのですが、ごく少数の動物で、このような過剰な炎症反応が起きるのです。



どうやら、このワンちゃんの体内では、原因となった「絹糸(異物)」が取り除かれたにもかかわらず、異常をきたした免疫反応が暴走を続け、全身で激しい炎症反応が続いているものと考えられます
※免疫機能の異常による、「無菌性脂肪織炎」と考えられます。


この炎症には、細菌感染は関与していませんので、いくら抗生物質を投与しても炎症が治まることはありません。



暴走した免疫反応を押さえるような治療が必要になるのです。



つづく・・・