町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
肺水腫
2013年12月10日 (火) | 編集 |
こちらは、ある心臓病のワンちゃんのレントゲン写真。



今年の4月頃のものです。



そもそもは狂犬病ワクチンの接種にお越しいただいたワンちゃんなのですが、その際に心雑音が聴取されたため、精密検査をさせていただいた時のものです。



20131210tah01.jpg



真ん中に丸く写っているのが心臓。その左右の黒い部分が肺です。



この時点で、初期の「僧帽弁閉鎖不全症」と診断。



内服薬での治療と、定期検診をお勧めしていたのですが、飼い主様がご高齢でお一人暮らしであったことと、飼い主様ご本人も体調を崩されて、その後、ご来院いただくことができていませんでした。



それが、先日、8カ月ぶりにご来院されました。




「しばらく前から咳がひどく、苦しそう」




ということ。



レントゲンを撮影してみると・・・



20131210tah012.jpg



お解りいただけるでしょうか?




上のレントゲン写真と比べると、左側(本人にとっては右肺)の肺が白くなっています。



心臓そのものの大きさも、大きくなっているようです。




「肺水腫」です。



先日も、別の症例でお話ししましたが、「肺水腫」は心臓病が進行し、心不全状態に陥った時の症状の一つ。



心臓の循環機能が低下することで、肺の中に水分がしみ出てきてしまうのです。



肺の中にしみ出てきた水分が、レントゲン上では白い影として写るのです。



当然、肺の中で正常なガス交換ができなくなるため、呼吸困難を起こします。




4月の時点では、まだほとんど症状も見られないような初期の心臓病だったのが、たった8ヶ月の間に、命にかかわる段階まで進行してしまっていました。




今回のワンちゃんの場合は、飼い主様も治療を続けたいというお気持ちはありつつも、ご自身の体調の問題などで、思うようにご通院いただけず、このような事態になってしまいましたが、4月の段階から継続的な治療ができていればと強く思わされた症例です。