町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
歯周病治療 Rちゃん 3
2013年10月28日 (月) | 編集 |
さて、新たに左の頬にも欠損部分が見つかったRちゃん。




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左上の犬歯に発生した歯槽膿漏の影響で、頬の肉が壊死・欠損してしまっています。




この部分も抜歯して治療します。



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穴の周辺の頬の肉が炎症を起こして、赤く変色しています。




困ったことに、犬歯周辺の歯肉も壊死してしまっていたので、抜歯した穴を塞ぐのに十分な歯肉が確保できません。



通常なら、頬の粘膜を移植して塞ぐことが可能なのですが、今回はその頬の粘膜も壊死しているような状態。




とはいえ、このまま大穴をあけたままにするわけにはいきませんから、何とか周辺の歯肉・粘膜に都合をつけて縫合。



そもそもの問題であった右頬も、何とか傷を塞いで手術終了。



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抜いた歯は合計14本。



麻酔開始から合計260分(4時間20分)の長時間の手術でした。



途中、不整脈が出て心配な状況もありましたが、麻酔の覚醒はスムーズ。



翌日の食欲も問題なしでしたが・・・



ただ、ここで後ろ足に原因不明の麻痺が発生。



飼い主様のお話では、もともと後ろ足の歩き方におかしいところがあったそうで、麻痺した足も、関節を曲げ伸ばししようとすると、膝関節にやや歪んだ手ごたえがあります。



どうやら、もともとあった後肢の障害が、全身麻酔の影響でさらに悪化してしまったようです。



高齢動物で、長時間の麻酔後に手足が萎えてしまい(体力・筋力の問題で)、うまく立てなくなることは時々経験するのですが、通常は数日から1~2週間リハビリをすれば元通りに歩けるようになります。




今回のRちゃんでも、術後から後肢の曲げ伸ばし運動や、起立訓練などのリハビリを自宅でおこなっていただいているのですが、もともとの後肢の不具合のためか、思うように回復してくれません。



Rちゃん本人も、前脚だけで歩くのに慣れてしまって、自分の意思で後ろ足を使おうとしてくれないため、余計にリハビリの効果が出ない状態になってしまっています。



筋肉というのは、動かそうとする意識(神経の刺激)が無いと、急激に機能が低下してしまうのです(廃用委縮といいます)。




これについては、大きな心配事・課題として残ってしまいましたが・・・




肝心の頬の皮膚欠損、歯周病についてはうまく治ってくれました。



頬の傷は、流石に一度の縫合では完全にはふさがらず、3回ほど部分的な再縫合が必要でしたが、抜歯治療をおこなったおかげで、お口を嫌がらずに触らせてくれるようになったため局所麻酔だけで縫合処置をおこなうことができました。



手術前は、頬に触れることができないくらいに激しく噛みついてきていたのがウソのようです。



術前

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術後1カ月
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術前
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術後1カ月
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