町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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免疫介在性溶血性貧血 2
2013年09月03日 (火) | 編集 |
さて、前回の続きです。




「免疫介在性溶血性貧血」。




20130902tah01.jpg



「貧血」とだけ聞くと、それほど重症のイメージはわかないかもしれませんが・・・



「免疫介在性溶血性貧血」は、極めて進行が早く、死亡率も高い病気です。



「免疫」というのは、動物が生まれながらに持った防御機構の一つで、本来は、細菌やウイルスの感染から体を守るための機能です。


この「免疫」に異常が生じ、自分自身の血液細胞を破壊してしまうのが「免疫介在性溶血性貧血」です。



上の写真にある3番の小さな赤血球は、破壊作用を受けた赤血球で、「球状赤血球」と呼びます。


「免疫介在性溶血性貧血」では、急激に血液細胞が破壊されるのですが、体はそれに対応し、大急ぎで新たな血液細胞を作り出そうとします。



この時に発生するのが、1番の大型の赤血球、「多染性赤血球」です。



つまり、上の写真は、「血液の急激な破壊」と、それに対抗した「急激な再生」を示しているわけです。



「再生」を上回るスピードで「破壊=溶血」が進行すれば、致死的な貧血に陥ります。



また、「免疫介在性溶血性貧血」に陥った動物の血液は、「血栓」ができやすくなります。



これらの「血栓」が、重要な臓器の血管を詰まらせてしまうことも、この病気の高い致死率に関係しています。



治療には、ステロイド剤を中心とした、「免疫抑制剤」を使用します。



異常を起こした「免疫」の働きを抑制することで、血液破壊の進行を抑えるわけです。



ただし、「免疫抑制剤」は、異常な免疫を抑制するだけで、完全に正常に戻すわけではありません。



そのため、一生投薬が必要になることもありますし、いったんは治ったように見えても、またいつ再発するか解らないということもあるのです。



それほど多い疾患では無いですが、前回も記載したように、ダックスフンドやマルチーズ、ラブラドールなど、人気犬種に多い病気ですので、ちょっと注意が必要な病気であります。