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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
ボタン電池の誤飲
2019年04月06日 (土) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院



ボタン電池の誤飲事故です。


興奮して呼吸が荒い状態だったので、レントゲンがブレていますが、胃の中にはっきりとボタン電池が。



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症例は体重28kgの大型犬。



このくらいの大きさの電池ならウンチにでてくるから平気かな?・・・と思ってしまいますが・・・



ボタン電池は危険なんです!



インターネットやTVのニュースなどでも度々話題になっているようなので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。



アルカリ電池は胃の中に入ると放電し,胃の中の胃酸で被覆されている金属が腐食され,電池の中にあるアルカリ性の物質が流れ出て胃の壁を損傷することが警告されてきました.

  最近多用されているリチウム電池は放電能力が高く,電池の寿命がきれるまで一定の電圧を維持する特性があります.このため誤って飲み込んだ時は消化管の中で放電し,電気分解によりマイナス側にアルカリ性の液体を作ってしまいます.

アルカリ電池のように金属被膜の腐食によって電池の内容が流出するのではなく,電池の外側にアルカリ性液が生成されるわけです.金属被膜の腐食には時間がかかりますが,放電によって危険な液体ができるため,リチウム電池では30分から1時間という非常に短時間でも消化管の壁に潰瘍を作ってしまうことが報告されています.
日本小児外科学会HPより抜粋





こんな実験も・・・



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     国民生活センター資料より



今回の症例が誤飲したのは、リチウム電池でしたので、急いで処置を行わなければなりません。



早速、催吐処置を行います。


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催吐処置で吐かせたボタン電池。


誤飲からおよそ2時間経過ですが・・・新品の電池がすでに腐食しています。


リチウム電池の誤飲の怖いところは、「吐かせておしまい」とはいかないところ。



電池がこれだけ腐食しているということは、胃内の粘膜にもかなりのダメージがあるはずです。



最悪、重度の胃潰瘍から胃穿孔を起こし、致命的な腹膜炎を併発する可能性もあるのです。


しばらくは慎重な経過観察が必要です。


町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院