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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
卵巣嚢腫と子宮蓄膿症
2019年04月26日 (金) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院




※手術中の写真がございます。苦手な方はご注意ください。




オリモノが続いている・・・ということでご来院いただいたわんちゃん。





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陰部から膿状のオリモノが・・・




子宮蓄膿症です。



中高齢の未避妊犬に多い疾患で、子宮内に細菌が感染し、膿が溜まってしまいます。



重篤な感染症で、放置すると多臓器不全から死に至る病気です。



治療の基本は手術での子宮摘出です。



さいわい、このわんちゃんはまだ全身状態が落ち着いていたので、十分にゆとりをもっての手術となりました。




・・・が、ちょっと手術中に苦労することが・・・





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子宮に膿が溜まっているのはもちろんですが・・・卵巣が巨大化しており、当初予定した切開範囲では腹腔外に取り出すことができませんでした。



急遽、切開を広げて摘出。



術前の超音波検査で「単なる子宮蓄膿症とは違って見えるな・・・」とちょっと違和感を感じていたのですが・・・



その違和感の正体は、この巨大化した卵巣でした。



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正常な小型犬の卵巣は米粒くらいから小豆くらいのサイズ。



今回の症例は、子供の握りこぶしくらいありそうです。



右の卵巣は小さく見えますが、これでも正常の何倍もの大きさです。



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悪性腫瘍の可能性もあるので、切除した卵巣は検査所へ。



幸い、診断は「卵巣嚢腫」。



「卵巣嚢腫」は卵子が排卵されないまま卵胞が巨大化した状態のことをいいます。



悪性腫瘍ではありませんが、ホルモン分泌の異常から、子宮蓄膿症の引き金の一つになる場合があります。



中高齢の未避妊犬では、子宮や卵巣の疾患が珍しくありません。



発情の周期がおかしかったり、オリモノが多いようなときは、早めの受診が大切です。



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本日のわんにゃんドック
2019年04月18日 (木) | 編集 |
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わんにゃんドックのご紹介です 



本日ご紹介するのは、トイプードルのふう太くん 




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カメラ目線バッチリですね 




三月に2歳になったばかりのふう太くん、わんにゃんドックAで健康診断です 



当院では、皆様のご愛犬・ご愛猫の健康管理の一助として、定期的な健康診断「わんにゃんドック」をお勧めしております 




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歯周病治療 Jちゃんのケース
2019年04月13日 (土) | 編集 |
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重度歯周病治療の症例です。



ミニチュアダックスのJちゃん。



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重度の歯石付着。


この歯石を除去してみると・・・



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歯肉は壊死し、歯根部まで歯石が入り込んでいます。



この歯は抜くしかありません。


わんちゃんの下顎臼歯は歯根が2本に別れているので、そのままズボッと抜くわけにはいきません。


歯を歯根ごとに分割してから抜歯します。



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無理な力をかけると下顎骨骨折の危険があります。


必要に応じて歯肉切開、下顎骨の切削を行いながら抜歯を行います。



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重度の歯周病では、歯根の奥、下顎の骨のところまで汚れが入り込んでいるので、抜歯後は入念な洗浄が必要です。



そして、反対側の処置へ。



反対側は犬歯にも重度の歯周病が・・・


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わんちゃん・ねこちゃんの犬歯の歯根は、皆さんが想像するよりもずっと太く、奥まで入り込んでいます。


これを安全に抜歯するには、歯肉を切開し、歯槽骨(顎の骨の歯を支えている部分)を削って「力の逃げ場」を作ってやらなければなりません。


無理やりに抜こうとすると下顎骨骨折を引き起こします。



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犬歯を抜いた後。こんなに大きな穴が開くくらい、奥まで歯根が入り込んでいるのです。



抜歯後は綺麗に洗浄してから縫合です。



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ボタン電池の誤飲
2019年04月06日 (土) | 編集 |
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ボタン電池の誤飲事故です。


興奮して呼吸が荒い状態だったので、レントゲンがブレていますが、胃の中にはっきりとボタン電池が。



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症例は体重28kgの大型犬。



このくらいの大きさの電池ならウンチにでてくるから平気かな?・・・と思ってしまいますが・・・



ボタン電池は危険なんです!



インターネットやTVのニュースなどでも度々話題になっているようなので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。



アルカリ電池は胃の中に入ると放電し,胃の中の胃酸で被覆されている金属が腐食され,電池の中にあるアルカリ性の物質が流れ出て胃の壁を損傷することが警告されてきました.

  最近多用されているリチウム電池は放電能力が高く,電池の寿命がきれるまで一定の電圧を維持する特性があります.このため誤って飲み込んだ時は消化管の中で放電し,電気分解によりマイナス側にアルカリ性の液体を作ってしまいます.

アルカリ電池のように金属被膜の腐食によって電池の内容が流出するのではなく,電池の外側にアルカリ性液が生成されるわけです.金属被膜の腐食には時間がかかりますが,放電によって危険な液体ができるため,リチウム電池では30分から1時間という非常に短時間でも消化管の壁に潰瘍を作ってしまうことが報告されています.
日本小児外科学会HPより抜粋





こんな実験も・・・



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     国民生活センター資料より



今回の症例が誤飲したのは、リチウム電池でしたので、急いで処置を行わなければなりません。



早速、催吐処置を行います。


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催吐処置で吐かせたボタン電池。


誤飲からおよそ2時間経過ですが・・・新品の電池がすでに腐食しています。


リチウム電池の誤飲の怖いところは、「吐かせておしまい」とはいかないところ。



電池がこれだけ腐食しているということは、胃内の粘膜にもかなりのダメージがあるはずです。



最悪、重度の胃潰瘍から胃穿孔を起こし、致命的な腹膜炎を併発する可能性もあるのです。


しばらくは慎重な経過観察が必要です。


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