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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
肥大型心筋症
2019年03月05日 (火) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院



6歳 アメリカンショートヘアの女の子。



健康診断の際に、心臓の雑音が聴取されたので精密検査です。



ネコちゃんの心臓の異常となると・・・


第一に疑うのは「肥大型心筋症」




アメリカンショートヘアやペルシャなどに多い心臓病で、心筋のタンパクにかかわる遺伝子の異常が原因と考えられており



心臓の筋肉(左心室壁)が徐々に分厚くなることで、心臓の収縮・拡張に異常が生じます。


心臓は血液を全身に循環させるポンプとして働いています。


左心室壁が異常に分厚くなると、十分に膨らむ(拡張)ことができなくなります(拡張不全)。


左心室に拡張不全が生じると、心臓内に血液を十分に吸い込むことができないので、いくら頑張って血液を送り出そうとしても、必要な血液量を送り出すことができなくなってしまいます。



一般的なネコちゃんの心臓の筋肉の厚みは4~6mm程度。



20190305tah01.jpg
青丸で囲った部分が心臓の筋肉の厚み。



この猫ちゃんの心臓の筋肉の厚みは7mmを超えていました。


左心室の拡張不全が生じると、心室内に取り込めなくなった余剰の血液は、心房内に貯留します。


結果、左心房拡大となります。


20190305tah02.jpg
左心房の大きさを計測する際には、中央にある大動脈の直径と比較します。




正常なネコちゃんであれば、左心房の大きさは大動脈の直径の1~1.5倍程度ですが・・・



この猫ちゃんでは大動脈径5.8mmに対して、左心房の大きさは20.0mmと3倍もの大きさになっています。



重度の左心房拡大が認められました。


肥大型心筋症で左心房拡大が重度になると、左心房内に停留した血液内に「血栓」が生じます。


この血栓は、体の主要な動脈に詰まることがあり、肥大型心筋症の大きな問題の一つとなります。


ネコちゃんの肥大型心筋症の怖いところは、かなり重症化するまで飼主様が気が付くような症状が現れないところ。




ネコちゃん自身は、疲れやすさや、息苦しさなどの症状を感じていても、もともとネコちゃんというのは丸まって寝ていることが多い動物ですから、飼い主様が気が付くことは困難なのです。


そして、「呼吸困難」などの目に見えてわかるような症状が出た時には、すでに病状は重くなってしまっているのです。



どんな病気でもそうですが、一見健康そうに見えても、定期的な健康診断は大切です。




町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院