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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
尿道閉塞(尿石症)
2019年02月16日 (土) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院



数日前から様子がおかしく、トイレに行くがおしっこが出ていないようだ・・・ということで来院された猫(♂)ちゃん。



身体検査でチェックすると、膀胱がパンパンに膨れ上がっています。



ぐったりとして元気もなく、高熱が出ています。



直ぐに詳しく調べてみると・・・



20190215tah01.jpg



尿道に数珠繋ぎになった尿石が・・・



がっちりと詰まってしまって、これではどんなに頑張ってもおしっこはでません。



血液検査では腎臓の数値が上昇し、重度の急性腎不全に陥っていました。



急いでこの尿結石を摘出しなければ命にかかわります。



とはいえ、こんな尿道の奥にあるものを真っ向勝負で取り出すわけにはいきません。



まずは尿道カテーテルと呼ばれる「管」を使って尿石を膀胱に押し戻します。



単純にカテーテルを挿入しても、尿道にがっちりと詰まった尿石は簡単には動きません。


カテーテルに注射器を取り付けて、生理食塩水を勢いよく流し、水流の力を利用して尿石を押し戻してやります。



20190215tah02.jpg
   


無事に膀胱に押し戻すことができました。



膀胱に押し戻すことができれば、あとは通常通りの膀胱切開術です。



20190215tah03.jpg



膀胱は重度の炎症を起こしており、赤黒く変色してしまっています。


正常であれば歯茎の様な健康的なピンク色~赤色をしているはずです。



これだけ酷い炎症を起こしていると、切開・縫合後に傷が上手くふさがらず壊死してしまう心配もあります。



20190215tah04.jpg




レントゲンに写っていた写っていた3~4mmの大きさの尿石のほかにも、細かな尿石がびっしりと。




こいつはちょっと予想外。



大きな尿石を一個とりだすなんてのは簡単ですが・・・こんな細かな尿石を一つ残らず摘出するのは一苦労です。



オス猫の尿道はとても細く(特にペニスの先端が細い)、1~2mmの小さな尿石でも命とり。



1mmにも満たないような小さな尿石でも、取り残してしまうとそれが後々大きくなって、再び尿道閉塞を起こす可能性は十分にあります。



ピンセットやスプーンでとりきれないものは、なんども膀胱内を洗浄して洗い出します。



もう十分だろう!と5回くらい思うまで入念に洗ってから縫合・閉腹です。




尿石症は猫ちゃんの来院理由でもトップ10に入るくらい多い疾患です。



特に冬場は飲水量が減るためか、泌尿器系のトラブルが多くなる傾向にあります。



前述したようにオス猫の尿道はとても狭く、ほんのちょっとした尿石や、膀胱炎の際にでた小さな血餅(血の塊)などでも詰まってしまうほど。



放置すると確実に命にかかわります。



なんどもトレイに行くがほとんど出ていない・・・


おしっこをするときに苦しがる様子がある・・・



そんな時は、なるべく早め早めに動物病院を受診していただくことが大切です。



さて、今回手術した猫ちゃんですが・・・



心配していた膀胱壁の壊死などもなく、すっかりと回復して元気に退院していきました。


町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院