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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
ドラマ監修裏話 「僕とシッポと神楽坂」 第三話
2018年10月27日 (土) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院



たい焼きがとても美味しそうだった「僕とシッポと神楽坂」 第三話です。



今回の第三話。脚本家さんが、一話・二話とは違う方なのですが、気が付きましたか?



初めに脚本を読んだときにも感じたのですが、お話全体のテンポや雰囲気がちょっと違ってくるものなんですね。



今までドラマを見るときに脚本家が誰なのかって特に気にしたことはありませんでしたが、そんなところに注目して観るのも面白いものですね。
※よく聞かれるのですが、1話2話を担当された脚本家の谷口さんと私は、親戚ではありません。

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さて、今回のお話は徳丸先生大活躍のお話でしたね。



扇屋の千津さんと、愛猫のカナメちゃんが登場するお話で、原作では第2巻に登場するエピソードです。



神楽坂の再開発や、高齢者の一人住まい、高齢者とペットの問題など、複数のテーマが上手くまとまった人情味あふれるお話で、私も好きなエピソードです。


劇中でカナメちゃんは「肝臓腫瘍」が見つかって、コオ先生のもとで手術をおこなうことになります。


コオ先生は千津さんにカナメちゃんの手術を勧めますが・・・

余命いくばくもない自身のこと。

ご主人との思い出の詰まった自宅をどうするか?

そして、一人残されるカナメちゃんのことはどうするのか?

沢山の悩みを抱えた千津さんは、初めは手術に難色を示します。

そんな千津さんも、コオ先生の「虹の橋の話」に勇気づけられて手術を決断します。




肝臓は腹腔内最大の臓器で、外側左葉・内側左葉・外側右葉・内側右葉・方形葉・尾状葉の6つの部分(葉)に分かれています。

「肝門部」というのは、それら6つに分かれた肝臓の中心部分で、各種血管が集中している部分。

肝臓に腫瘍ができたとしても、腫瘍が一部分(一葉)に限局していて、開腹手術でアプローチしやすい部分であれば比較的簡単に切除ができます。

ただし、腫瘍が複数の部分(葉)にまたがって存在していたり、「肝門部」のようにアプローチが難しい部分になると手術の難易度は格段に上がってしまいます。

今回のカナメちゃんは、この「肝門部」に近い部分に腫瘍ができてしまったという設定です。



第一話で、コオ先生は脾臓摘出術を一人で行いましたが、今回の手術はそうはいきません。

そこで、徳丸先生や堀川君の協力を得て手術に挑みます。



ドラマとして盛り上げるには、「手術の難易度が高く、徳丸先生や堀川君など総力を結集して挑む!」というのが望ましいのですが

実際には、それだけ難易度が高い手術であれば、事前にCT検査をおこなってもっと詳細に腫瘍の状況を調べておくのが理想ですし、機材面でも「坂の上動物病院」の古い設備では不安が残ります。

スタッフの面でも、失礼ながら引退した徳丸先生と、いまだ学生である堀川君のサポートで十分なのか?という心配もあります。
※このエピソード、原作ではナルタウン動物病院で詳しい検査をしたのちに、坂の上動物病院に転院して来たということになっていますし、手術時には外科のスペシャリストである先輩獣医師を筆頭に現役獣医師の3名のサポートがありました。



さらに、このようなケースでは悪性腫瘍であることがほとんどで、手術が成功しても長期生存はなかなか難しいのが実情です。

コオ先生が千津さんに伝えたように、「手術が成功すれば5年、10年も・・・」とは伝えにくい状況です。

そういったあたりは、どの程度リアリティを追求するのか、お話としての見せ場をどの程度優先するのか、助監督さんと相談しながら話を詰めていきました。


あと、今回の第3話に限ったことではないのですが、脚本に合わせたレントゲンや超音波画像を用意するのがなかなか大変です。

特にワンちゃんでは、出演するワンちゃんの犬種と一致したレントゲンを準備するのはとても大変。

ワンちゃんの場合は犬種による体格差や骨格の差が顕著なので、手に入るレントゲンの犬種・体格が大きく異なってしまうと使えません。

今回のカナメちゃんも、出演している猫ちゃんはほっそりとしてスリムなネコちゃんなのですが、レントゲンは肝臓腫瘍のためにお腹が張り出しているので、よく見れば別のネコちゃんであることがばれてしまいます。




ところで、今回の第3話。ちょうど子供たちの夏休み中だったので、家族で撮影見学をさせていただいておりました。

コオ先生達がかなめちゃんのレントゲンを診ているシーンや、トキワさんがコオ先生の携帯を見ようと追いかけているシーンをちょうど撮影していましたよ。

撮影現場はとても和やかで、コオ先生役の相葉さんを中心に、とても和気あいあいとした雰囲気でした。

ダイキチ役のアトムくん、オギちゃん役のミーちゃん、カナメちゃん役のナツメちゃんも、沢山のスタッフさんが出入りする中でも、一切騒ぐことなく、落ち着いてケージの中で出番を待っていたのがとても印象的でした。

特に、今回のお話はカナメちゃん(ナツメちゃん)の演技が秀逸でしたね。

術後に目覚めるシーンや、千津さんの手を優しく舐めるシーンなど素晴らしい演技でしたね。

脚本を読んでいる段階では、麻酔後の様子など、ちゃんと演技できるのかなぁ・・・?と半信半疑でしたが、さすが役者ですね!



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