町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
膀胱炎の原因色々
2017年02月28日 (火) | 編集 |
季節はすでに春ですが・・・


今日は冬場に多い疾患の一つ、膀胱炎についてです。


寒くなってくると、飲水量が減りがちになるため、尿が濃縮し、尿石症や膀胱炎などのトラブルが起きやすくなると考えられています。



特に、猫ちゃんに多いのですが、血尿や頻尿(トイレに何度も行く)、場合によっては尿道閉塞を起こすこともあります。






膀胱炎の原因として多いのは・・・



まずは、細菌感染による膀胱炎。



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青い小さなツブツブが細菌。
中央の大きな細胞は「好中球」。炎症が起きたときに出現する細胞です。







細菌感染による膀胱炎は高齢のネコちゃんに多い傾向があります。



次に多いのが、「尿結晶」による膀胱炎。



尿中のミネラル分が結晶化し、その刺激によって膀胱炎が起こります。



結晶は時間が経つと大きくなっていき、肉眼で見えるような「結石」にまで成長することもあります。



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シュウ酸カルシウム結晶





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リン酸アンモニウムマグネシウム



尿結晶は原料となるミネラル分によっていくつかの種類がありますが、ワンちゃん・猫ちゃんで多いのはカルシウム系の結晶である「シュウ酸カルシウム」と、マグネシウム系の結晶である「リン酸アンモニウムマグネシウム」です。



「リン酸アンモニウムマグネシウム」は「ストラバイト」という名前で呼ばれることが多いですね。



いずれの原因による膀胱炎でも、症状は共通です。


初めに述べたような血尿や頻尿、もしくは排尿中の痛み、気張っても尿がポタポタとしか出ない・・・といった症状です。


オス猫はペニス先端の尿道が狭くなっているため、単純な膀胱炎から尿道閉塞を起こすことも珍しくなく、放置すると命にかかわることもあります。



上記のような症状がみられた際には、元気・食欲に問題が無くても、なるべく早めに動物病院を受診されることをお勧めいたします。


本日のわんにゃんドック
2017年02月14日 (火) | 編集 |
先日行ったわんにゃんドックのご紹介です 



まずはオス猫のノラ君 



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ちょっとご機嫌斜めで笑顔で写真撮影とはいきませんでした・・・



ノラ君は今年で8歳になるのですが・・・



実はノラちゃん、もともとは野良ネコちゃんで、交通事故で怪我をしたところを今の飼主様に保護されて現在に至ります。

当時の様子①

当時の様子②

当時の様子③

当時の様子④



当時の事故の影響で骨盤に変形があり、慢性的な便秘に悩まされてはいますが、基本的には元気で健康そのもの 

ちょっとご機嫌斜めではありましたが、こうして元気な姿を見せてくれるのは嬉しいものですね 



そして、こちらはメス猫のみーちゃん 



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可愛らしい三毛ネコちゃんですね 



この子もノラちゃん同様に、現在の飼主様に保護された猫ちゃんであります 


みーちゃんも当時は、まだ1歳になるかならないかくらいでしたが・・・



こうやって、何年もたっても診察を担当させていただけるのは、ありがたいことですし、感慨深いものです 



当院では、皆様の大切な御愛犬・御愛猫の健康管理の一助として、定期的な健康診断「わんにゃんドック」をお勧めさせていただいております 




本日のわんにゃんドック
2017年02月07日 (火) | 編集 |
本日ご紹介するのはイタリアングレーハウンドのタラちゃんです 




今年で5歳になったばかりの男の子です 




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ちょっと緊張してしまって、耳を後ろに伏せてしまっていますね 




今回は、まだ5歳と若い症例ですので、わんにゃんドックAでの健康診断となりました。



当院では、検査項目によってわんにゃんドックA・B・Cの三つの健診コースを設定しております。



どのコースにするかは、飼い主様のご予算の御都合もあるかと思いますが・・・一つの目安として



わんにゃんドックA・・・0~5歳くらいまで



わんにゃんドックB・・・5~10歳くらいまで



わんにゃんドックC・・・10歳~



というような感じでお勧めさせていただいております。



健康診断の頻度としては、最低でも年に1回。10歳を超える御高齢のわんちゃん・ねこちゃんではできれば年に2回位をお勧めしております。



人間よりも寿命が短いわんちゃん・ねこちゃんでは、老化の進行も早く、1年で進む老化は人間の3~5倍という感覚でいて下さい 



そういったことを考えると、年に1回の健康診断と言うのは、本当に最低限。



予算、時間が許せば、年に2~3回はお勧めしたいところなのであります。


人間とは違い、言葉をしゃべることのできないわんちゃん・ねこちゃんでは、病気の兆候を見逃しがちです。



明らかな食欲不振や、元気消失が認められた頃には、すでに病気が進行していることも珍しくありません



大切なご家族の一員であるわんちゃん・ねこちゃんの健康のためには、定期的な健康診断が欠かせません 




消化管内異物
2017年02月03日 (金) | 編集 |
数日前から吐き気が続いている・・・


と言うことでいらっしゃったワンちゃん。



まだ3歳と比較的若く、内臓疾患などは考えにくい年齢です。



このように、比較的若い年齢のワンちゃんで吐き気が続く場合は、消化管内異物の可能性を考慮しなければなりません。



さっそくレントゲンを撮ってみると・・・


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黒く見える部分は消化管内のガス



背骨の左側にどうも不自然な形の消化管ガスが・・・



他の部分の消化管内ガスと違って、なんだか長方形に見えるような・・・



この位置は、小腸から盲腸につながる部分で、消化管内異物が詰まりやすい部分です。これはどうもアヤシイ・・・



そこで、超音波検査で確認です。



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う~ん・・・やはり、あやしい。なんだか四角い人工物のように見えます。



とはいえ、これだけを根拠に開腹手術に臨むには心もとないので、造影剤を投与して再度レントゲン撮影。



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造影剤を投与して数時間後。



やはり、人工的な異物のようです。思った通り、小腸から盲腸につながる部分に閉塞しているようです。



症状が数日前から出ていることと、初めのレントゲン撮影から5~6時間たっても移動していない事からすると、この異物が自然に排泄される可能性は極めて低いと考えられます。


自然排出の可能性にかけて様子を見ることもできますが・・・


閉塞が長期にわたると、その部分の消化管に血流不全が生じ、壊死を起こす危険があります。


最悪の場合、致死的な腹膜炎を起こす可能性もあるのです。


今回の症例は、症状の発現からすでに数日が経過していますので、これ以上様子を見るのは危険と判断。



開腹手術を行うこととしました・・・


・・・


・・・のですが・・・



手術直前に最終確認のレントゲン撮影を行ったところ・・・



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なんと、検査開始から何時間たっても全く移動しなかった異物が、スルリと盲腸をこえて結腸まで移動していました。



ここまで移動すると、後は便として排泄されるのみ。



なんと、なんと・・・土壇場で手術回避となりました。


造影剤の投与が刺激になるのか、時々消化管内異物の症例でこういった事が置きますが・・・まさか手術直前で流れるとは・・・強運の持ち主??



さて、この異物・・・飼主様にレントゲンを見ていただいたところ・・・



「2~3カ月前にイタズラしていた信玄餅のタレの容器だと思う・・・」



とのこと。



なんと、数カ月間の間、胃の中にあった空容器が、今になって消化管閉塞を起こし、なおかつ、手術直前のギリギリのタイミングで閉塞を乗り越えて結腸に到達したようです。


不消化性の消化管内異物の場合、時々こういったことがおこります。


異物は、胃の中にあるうちは単純な食べ物と同じですから、特に吐き気などが生じる場合はありません。
(刺激性、中毒性が無い場合に限ります)


ただ、それが胃の出口や腸に詰まってしまったときだけに、吐き気の症状が出ます。


ある程度の大きさの異物になると、胃の中で消化されることもなく、かといって胃の出口を通過することもなく、何カ月も胃の中に存在することがあるのです。



そうした異物が、ある日、無理やりに胃の出口を通過して腸に詰まってしまうと、今回のような事が起きてしまうのです。



数日後、飼主様が御連絡がありまして、無事に信玄餅の空容器はウンチと一緒に出てきたそうです・・・