町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
じゃがいも
2016年10月29日 (土) | 編集 |
今日は獣医療とは関係のないお話しです。



毎年、この時期になると我が家には北海道から美味しいジャガイモが届きます。



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北海道の八雲というところから・・・



こちらは、私が学生時代に牧場実習でお世話になったお宅からであります。



牧場実習と言うと、当時の獣医学生にとって一大イベントの一つであります。(今の学生さんはどうでしょう?)



2年生の夏休みに、北海道各地の牧場で2~3週間ほどの実習を受けるのですが・・・


どんな牧場に行くことになるかは運次第。


大きな牧場に数人でお世話になるケースもあれば、個人の牧場に一人でお世話になるケースも。


朝から晩までハードスケジュールの牧場もあれば、比較的のんびりとしたペースでの牧場もありと・・・様々であります。


「○○牧場はめちゃくちゃハードで○○先輩は途中で逃げ出したらしい・・・」なんて噂も飛び交っていたり・・・



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当たり前なんだけど、驚いたのが・・・乳牛は妊娠しているので、実習中に何度も出産がありました。
生まれた子牛にミルクをあげる仕事はなかなか楽しい経験でした。




私がお世話になったのは個人経営の牧場さんで、乳牛だけではなくグラジオラスというお花の栽培もされていて、朝晩は牛舎の仕事、日中はお花の出荷作業と、なかなか大変な一日でした。


実習終盤にはジャガイモの収穫もありましたね。





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ショベルカーにのって大量の堆肥を移動する仕事なんてのもやりました。
周囲に誰もいない空き地で、ショベルカーを乗り回し、歌を歌いながら堆肥の山に突っ込む作業は最高に楽しかったですねぇ





毎日休みなく続く牧場の仕事は大変でしたが、牧場主の御家族皆さん、とても気さくな御一家で、まるで息子のように可愛がっていただきました。




実習中に現地の夏祭りでスリッパ飛ばし競争に出場して優勝したのもいい思い出(笑)



実習終了後も、毎年このようにジャガイモをいただいたり・・・



大学5年・6年の夏休みにバイクツーリングで北海道を訪れた際には、泊めていただいて御馳走していただいたり・・・



一番嬉しかったのが、私が病院の開業準備をしているときに、東京に出てくる用事のついでにサプライズで訪れてくださったこと。




牧場実習から20年近くが経ちますが、今でもこうやって北海道と東京と離れた場所で家族ぐるみのお付き合いさせていただくなんて嬉しいことです。








軟骨異栄養性犬種
2016年10月17日 (月) | 編集 |
先日診察したシーズ犬のレントゲン写真。



まだ5~6歳と比較的若いワンちゃんですが、右前脚を痛がるということでした。



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レントゲンで診てみると、右肘の関節の隙間が左に比べて狭くなっています。



変形性関節症(骨関節炎)です。



「変形性関節症」とは、簡単な言い方をすれば慢性の関節炎。


関節への体重や運動による損傷、加齢による変化などによって、関節軟骨や関節構造が傷んでしまった結果に生じる疾患です。


「変形性関節症」が進行すると、関節軟骨がすり減ってしまったり、関節周辺の骨が変形をおこしたりして、痛みや可動域の減少が生じます。


一般的には高齢になってから問題になる疾患なのですが・・・



症例のワンちゃんは5~6歳と比較的若いワンちゃんですが、なぜこのように若い年齢で発症してしまったのでしょうか?



それは、シーズー犬という犬種の特徴が関わっています。


下の写真は、同症例の前足のレントゲン写真なのですが・・・



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腕が大きく湾曲してしまっています。



シーズー犬や、ダックスフンドのような足の短い犬種は「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれています。



「な骨異栄養性犬種」は遺伝的に軟骨の形成・成長に異常があります。そのため、手足の骨の成長異常が生じ、結果としてあのような足の短い体型になるのです。


今回のワンちゃんも、手足の骨格の成長異常の為、写真のように腕の骨が大きく湾曲してしまっているのです。



つまり、あのように短くなった手足と言うのは、シーズー犬やダックスフンドにとっては正常なことですが、犬と言う種族にとっては奇形であり、病気の一種なのであります。



このように骨が湾曲してしまうと、当然ですが肘関節の関節にも歪みが生じます。その歪みが原因で、今回のように比較的若い年齢で「変形性関節症」を発症してしまったものと考えられます。




シーズーやダックスのような足が短い犬種、パグやブルドックのように鼻ペチャの犬種・・・



人間の都合で品種改良されてきたワンちゃん達。


一般的には「かわいい!」「ブサカワ!」といって注目される独特の外見ですが・・・


その裏には、このような人間の都合で歪められた骨格が原因で発症する病気も少なくないのです。

涼しくなってくると・・・
2016年10月11日 (火) | 編集 |
朝晩すっかり涼しくなって、秋らしい気候になってきましたね。



冷え込みが厳しくなってくると増えてくる疾患が下部尿路疾患。


膀胱炎や、尿石症などです。



一般的には、涼しくなると飲水量が減ってくるために尿が濃縮するので、尿結晶ができやすくなり、下部尿路(膀胱~尿道)のトラブルが起きやすくなるといわれています。



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膀胱炎の症例の尿検査顕微鏡画像。
ストラバイト尿石の結晶と、細菌が出現。



尿石は、尿中のミネラル分が濃縮→結晶化することで発生します。



尿石の結晶化には食物中のミネラル分や、遺伝的な体質、飲水量、排尿回数など様々な要因があります。


ワンちゃん、猫ちゃんではシュウ酸カルシウムという結晶と、リン酸アンモニウムマグネシウム(ストラバイト)と呼ばれるマグネシウム系の結晶が多くみられます。



ホウレンソウなどアクの強いお野菜にはシュウ酸が多く含まれるそうで、尿石の原因になる場合があります。



また、小魚はカルシウムもマグネシウムも含んでいるので、にぼしなどをオヤツ代わりに与えているワンちゃん・猫ちゃんでストラバイト結晶が出現することが良くあります。



ちょっと意外なのがお豆腐。お豆腐にはニガリ(マグネシウム)が含まれているので、ストラバイト結晶の原因になることがあります。




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尿石症の症例のレントゲン写真。丸で囲んだ部分が膀胱内の結石。
△印は尿道内の尿石。



顕微鏡レベルの小さな結晶の場合は、食事療法などで治りますが、数ミリ以上の大きな尿石になってしまうと手術が必要になります。(尿石の成分によっては、大きな尿石でも食事療法で溶ける場合もあります。)



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こんなに大量の尿石になると、すべてを取り除くのはす~~~~~っごく大変です。




膀胱炎や尿石症は、適切な食事管理や、こまめな飲水(ドライフードをふやかす、散歩中に積極的に水を与える等)、こまめな排尿(散歩回数を増やす、猫トイレ砂をこまめに掃除する)など日常の管理である程度は予防できる疾患ですから、ぜひ飼主様には気をつけていただきたいところです。