町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
本日のわんにゃんドック
2014年08月30日 (土) | 編集 |
久しぶりにわんにゃんドックのご紹介です



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ウエルシュ・コーギーのななちゃんです 




6月に11歳になったばかりの女の子 



普段は別の動物病院さんで診療を受けているななちゃんですが、いままで精密な健康診断を受けたことが無いということで、当院のわんにゃんドックにお越しいただきました 




もともと、慢性的な外耳炎や皮膚炎を患っている等の問題はございましたが、基本的な健康状態には大きな問題はなし 



飼い主様にも、検査結果にご満足・御安心いただけたようで何よりでした 



当院では、大切な愛犬・愛猫の健康管理の一助として、定期的な健康診断「わんにゃんドック」をお勧めしております 

重度の角膜潰瘍 その後・・・
2014年08月29日 (金) | 編集 |
前回ご紹介した、角膜潰瘍の猫ちゃん。



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野良ネコとのケンカで、眼球に深刻な傷を負った猫ちゃん。



失明の危険もある状態でしたが・・・


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1か月にわたる、飲み薬と点眼薬の治療の甲斐あって、ここまで奇麗に回復しました。



傷の合った部分が、少しスリガラス状に曇ってますね。


もう少し時間がたてば、この部分も改善すると思われますが、完全に元通り透明に戻るということは難しそうです。



こういった治療も、普段から飼い主様と猫ちゃんの間に信頼関係がしっかりしていれば、毎日4~5回の点眼治療もスムーズに行えますが・・・



以前も少しお話ししたことがありますが、飼い主様が目薬をしようとしても暴れて嫌がるようなワンちゃんや猫ちゃんでは、治療が上手くいかずに失明する危険が高まります。


普段元気なうちから、眼を触ったり、口を触ったりしても嫌がらないようにしつけをしておくことが大切です。

重度の角膜潰瘍
2014年08月25日 (月) | 編集 |
「眼を怪我したみたい」



ということで、来院された猫ちゃん。



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写真は左眼。


角膜に酷い傷ができています。角膜潰瘍と言う状態。


傷はかなり幅が広くなり、段差ができています。この傷の中央部はデスメ膜という角膜の内側の膜が露出してしまっています。


このデスメ膜が見えるほどの傷と言うのは、かなり深い傷。



もう少しで角膜に穴があいてしまうほどの状態で、失明の危険もある非常に重度の角膜潰瘍です。



この猫ちゃんは、外出自由の生活をしているので、お外で野良ネコとケンカをして眼を傷つけてしまったようです。



そこに、相手の猫ちゃんの爪のバイキンから感染症を起こしてしまったことで、傷がここまでひどくなってしまったようです。




抗生物質の投与、点眼薬などの集中的な治療で、なんとか傷はふさがってくれましたが、治った部分は白く変色して傷跡が残ってしまいました。



猫ちゃんのケンカに限らず、ワンちゃんもお散歩中に顔を草むらに突っこんで臭いをかいでいるときなどにも目を傷つけることが良くあります。


また、ワンちゃんではブルドック系の鼻ペチャ犬種は特に眼を傷つけやすいので注意が必要です。



眼球は非常にデリケートな部分です。



病気・傷害の程度によっては、数日放置するだけで失明につながることも珍しくありません。



眼脂や充血、眼が開きにくいなど、わずかでも異変を感じたら、なるべく早めに受診していただくことが大切です。





エチレングリコール中毒のニュース
2014年08月22日 (金) | 編集 |
ご覧になられた方も多いと思いますが、東京都大田区内で猫の不審死が続く事件があったそうですね。



現場近くの公園に、エチレングリコールが混入された猫の餌のようなものが置かれていたそうで、どうやらそれが原因ではないかということです。



すでにニュースでも報道されていますが、エチレングリコールを摂取すると、運動失調、嘔吐、低血圧、痙攣、腎障害などの症状を引き起こし、死にいたることも多いとされています。



エチレングリコールには甘みがあるそうで、猫は好んで口にする習性があるといわれており、中毒を扱った書籍では、「車の不凍液に含まれているため、日常的に発生がみられる」というようなことが書いてあったりします。



私自身の経験では、過去に一例だけ、猫ちゃんで疑わしい症例がありました。



数日前から食欲がなく、ぐったりとしているということで来院された猫ちゃんです。



来院時には、すでに重度の腎不全を起こしており、様々な手を尽くしましたが、どうにも救命できなかった症例でした。



外出自由の猫ちゃんで、外でどのように過ごしているか全く解らないという状況でしたし、当院にいらっしゃるのは初めてだったので、もともとの健康状態が解らなかったため、確定診断には至りませんでしたが・・・


飼い主様のお話では、数日前までは全く健康にしていたのに、急に様子がおかしくなったということだったので、エチレングリコール中毒の可能性も疑った症例でした。



エチレングリコールは、車の不凍液の他に、一部の保冷剤や、インク、ペンキ、墨汁などにも含まれている場合があるそうなので、そういったものを常備されているご家庭では注意が必要ですね。



なんにせよ、今回は故意に混入された可能性が高いようですから、はやく犯人が捕まってほしいものです。

熱中症
2014年08月18日 (月) | 編集 |
お盆休みを挟みましたので、思いのほかブログの更新が滞ってしまいましたね。



さて、少し時期を逸した感はありますが、「熱中症」についてです。



最近では、ニュースなどでも頻繁にとりあげられていますので、皆様も良くご存知かと思います。



炎天下にさらされたり、高温多湿の環境に長時間おかれることで、体温が異常に上昇することで発症します。



軽度の熱中症であれば、めまいや吐き気、頭痛といった症状がみられますが、体温さえ適切に下げることができれば元通りに回復することができます。



ですが、42~43℃を超える高体温が持続すると、全身の臓器に致命的な障害が及び、命を落とす場合もあります。





熱中症の危険性は犬種によっても違ってきます。



ブルドッグやパグ犬のような、ハナペチャ犬種では、呼吸での体温調節が苦手であるため、特に熱中症を起こしやすいので注意が必要です。

また、シベリアンハスキー、バーニーズマウンテンドッグ、サモエド等の保温性の高い毛皮を持った犬種も注意が必要です。


これらの犬種では、普通のワンちゃん、人間が平気な気温でも熱中症を起こす危険があります。



熱中症を予防するには、日差しが強く、気温の高い時間のお散歩を控えるようにしていただいたり、冷却効果のあるベスト等を身につける、こまめに水分補給を行うといった一般的な注意を行っていただくことが大切です。



また、熱帯夜には、夜間でも熱中症に陥る危険がありますので、できる限りクーラーのきいた室内で過ごさせてあげるようにしてください。(クーラーの設定温度は28~29℃程度で十分です)



万が一熱中症と思われる状態に陥ったら、すぐに体に水をかけて冷やしてください。


ただし、体を冷やす際に、極端に冷たい氷水などを使ってしまうと、体表面の血管が収縮し、体温が下がりにくくなるので注意が必要です。むしろ、ややぬるいくらいの通常の水道水で十分です。



体を濡らした後は、さらに効率よく体温が下がるように、扇風機で風を当ててあげたり、クーラーのきいた部屋ですごすようにします。
※低体温を防ぐために、体温が39度台に下がった時点で、積極的な冷却は中止し、様子を観察します。



体温が40度前後の軽い熱中症であれば、この程度の対処で大丈夫ですが、体温が42度を超えるような重度の熱中症の場合は、体を冷却しつつ、すぐに動物病院で集中的な治療を行う必要があります。



42度を超える高体温が1~2時間以上続くと、突然の心停止がおこるという実験データもあるそうですから、様子がおかしいときは早め早めに対処をすることが大切です。



実は、今回、このタイミングで熱中症についてとりあげたのには理由がありまして・・・



お盆休み前に、屋外で飼育されている大型犬が熱中症で担ぎ込まれたのです。



長毛種の大型犬で、飼い主様も普段から熱中症には気をつけていらっしゃったようなのですが、その日はたまたまご家族が起床されるのが遅く、飼い主さまが眼を覚ました時には、すでにグッタリとし、今にも呼吸が止まりそうな状態だったそうです。



急いで治療を行いましたが、病院に来院された時点で心肺停止状態。



体温計がエラー表示になってしまうほどの重度の高体温(43度以上)に陥っており、残念ながら救命することができませんでした。



病院に来院されたのは朝の9時頃でしたから、熱帯夜の影響に加えて、日の出からの僅かな間の急激な気温上昇で致命的な高体温に陥ってしまったものと考えられます。



このように、ほんの数時間の事で、命を奪うこともある熱中症。



皆様方には、あらためてご注意いただければと思います。




咳がでる
2014年08月08日 (金) | 編集 |
「咳が出る」



というのは、心臓疾患の代表的な症状であります。



その原因の一つが、先日もお話しした「肺水腫」



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心不全により血液循環に滞りが生じることで、肺内部に水分がしみだしてきてしまいます。


そのため、咳や呼吸困難が生じます。プールで水が肺に入ってきた感じをイメージしていただければ解りやすいですね。



心不全時の咳の原因は、他にもございます。



そのひとつが、拡大した左心房による気管圧迫。



心不全に陥った心臓は、血液循環の異常から心臓内に血液が過剰に貯留してしまいます。



その結果、心臓が水風船のように大きく膨らんでしまいます。


心臓(特に左心房と呼ばれる部分)が膨らむと、その真上にある気管が圧迫されてしまいます。


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黄色い線で示した部分が気管。拡大した左心房に圧迫され、つぶれている様子が解ります。




正常な心臓と気管
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このように、気管が物理的に圧迫を受けることで咳が出てしまいます。



首を圧迫して気管を押すと、咳が出るのと同じことですね。



同じ「咳」という症状でも、このように原因が微妙に異なることがあるので、しっかりとそこを見極めて治療を行うことが大切です。

ホウ酸ダンゴ 2
2014年08月07日 (木) | 編集 |
さて、ホウ酸団子を食べてしまったワンちゃんの続きであります。


市販のホウ酸ダンゴのプラスチックケースを咬み砕いて、中のホウ酸ダンゴをペロリと食べてしまったワンちゃん。


前回も記載した通り、ホウ酸の経口致死量は、成人で15~20g。幼児で5~6g。乳児で2~3g。



今回、ダンゴを食べてしまったワンちゃんの体重は約9kg。



食べてしまったダンゴに含まれるホウ酸の量はおよそ5g
※市販ホウ酸ダンゴの商品説明によると、団子1個10グラムに50%量のホウ酸を含むと記載あり。


幼児の経口致死量が5~6gということは、9kgのワンちゃんでもほぼ致死量と考えられます。


ホウ酸中毒を中和するような効果的な解毒剤と言うのは存在しません。


そのため、ホウ酸ダンゴを誤食してしまった場合は、とにかく早急に吐き出させつつ、点滴投与し中毒物質の排泄を促すくらいしか手だてがありません。



ホウ酸の吸収は非常に早く、消化管から1時間以内にほとんどが吸収されてしまうそうです。



一方、ホウ酸の排泄は非常に遅く、正常な人では12時間で50%、48時間で70%、中毒量のすべての排泄には1週間近くかかってしまうそうです。



ホウ酸中毒を起こすと、下痢や嘔吐の他に、消化管出血、脳神経症状をきたし、最終的には死に至ります。


肝障害や腎障害をおこす可能性もあります。



前述のように、ホウ酸を中和させるような解毒剤は存在しないため、誤食から1時間以上が経過してしまい、中毒症状が発現してしまった場合は、できる限りの治療を行いつつ、持ちこたえてくれるのを祈るしかないのです。




幸い、今回の症例は、誤食後すぐに飼い主様が病院に連れてこられたので、誤食から1時間以内に治療を始めることができました。



治療開始後も、目立った中毒症状を起こすことなく、翌日には無事に退院することができました。



ですが、もし、飼い主さまが誤食に気がつくのが遅れていたり、誤食に気づいたとしても、「ちょっと様子を見ようかな・・・」と病院に来るのが遅れていたら・・・



この症例は助からなかったかもしれません。



実際に、過去の報告では、ホウ酸団子を誤食してから飼い主様が様子を見てしまい、下痢や嘔吐が始まってからあわてて病院に連れて行ったものの、すでに手遅れ・・・ということもあったようです。

ホウ酸ダンゴ 1
2014年08月04日 (月) | 編集 |
皆さん、「ホウ酸ダンゴ」ってご存知ですか?



私自身は使用したことが無く、あまりなじみが無いのですが・・・



ゴキブリ退治用品の一つですね。



昔ながらのゴキブリ退治で、ゴキブリ退治用品コーナーなどで普通に販売されていますが、ご家庭で手作りされる方も多いようですね。



小麦粉・砂糖・ホウ酸・タマネギなどを混ぜ合わせて団子状にします。


味付けのために、焼き肉のタレなどを使用することもあるようですね。



ホウ酸そのものは薬局で購入できます。



とまあ、日本人の生活に割と身近な「ホウ酸ダンゴ」でありますが・・・



これがワンちゃんにとっては、重大な危機を及ぼす可能性があるのです。



ホウ酸は、ゴキブリを死にいたらしめることができるくらいですから、大量摂取すれば、人間や動物にとっても危険な毒物になります。



ホウ酸の経口致死量は、成人で15~20g。幼児で5~6g。乳児で2~3g


一般的なホウ酸ダンゴのホウ酸含有量は、団子1個に5~10g前後
※市販ホウ酸ダンゴの商品説明によると、団子1個10グラムに50%量のホウ酸を含むと記載あり。


てことはですよ・・・市販のホウ酸ダンゴたった1つで、幼児・乳児が死に至る危険があるということなのです。



もちろん、市販のホウ酸ダンゴは、プラスチックのケースに閉じ込められていて、人間が間違って食べるのはほぼ不可能と思われます。
※ゴキブリはプラスチックのケースの隙間から入り込む構造です。



このプラスチックは非常に頑丈で、ペンチやニッパーを使わないと破壊できないくらい。



・・・なのですが・・・




ワンちゃんは違います。



強力なアゴのチカラでプラスチックのケースくらいならバリバリと咬み砕いてしまうのです。




とうことで、先日、市販のホウ酸ダンゴを食べてしまったというワンちゃんが緊急来院いたしました。



ケースをボロボロに破壊し、中のお団子をペロリと食べてしまっていました。



症例は、体重9kgの中型犬。



人間の致死量のデータから類推すると、ほぼ間違いなく致死量です。



ホウ酸中毒は、毒素を中和するような効果的な解毒剤はありません。



可能な限り早急に吐き出させ、体内からの毒素の排泄を促すために点滴治療を行い、あとは中毒症状が出ないことを祈るしかないのです。



続く・・・