町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
良いお年をお迎えください^^
2013年12月31日 (火) | 編集 |
さて、あっという間に大晦日ですね



当院も、本日で2013年の診療も最終日です。



来年は1月4日から診療開始です。数日間、ご不便をおかけいたしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。 



さて、年末年始は、御親戚、ご友人等たくさんのお客様がいらっしゃると思いますが、そういったときは、食べ物にまつわるトラブルが多くなります。



いつもは食べないようなものを食べて下痢したとか、食卓にあった食べ残しを食べてしまった等々・・・




先日のクリスマス前後にも、そういったトラブルでご来院いただくケースが多数ございましたので、皆様ご注意くださいね



それでは、皆様良いお年をお迎えください 

膀胱結石 2
2013年12月27日 (金) | 編集 |
さて、大きな膀胱結石ができてしまったワンちゃんの続きであります。



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前回、お話ししたように、結石の成分によっては、食事療法で結石を溶解することも可能であります。



今回のワンちゃんでは、尿検査の結果から、食事療法で完治する可能性もあると考え、1か月ほど内科治療を続けたのですが・・・



残念ながら、結石が溶解することはありませんでした。



そうなると、当然ながら手術で摘出するしかないわけで・・・



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膀胱内にボコッと石の塊が二つあるのが見た目にも解りますね。




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メスで、膀胱を切開します。



膀胱切開時に漏れ出た尿で、腹腔内を汚染しないように、膀胱の周囲を生理食塩水を含ませたガーゼで覆っています。





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今回のように、大きな尿石は取り出すのが簡単。




こんなふうに、細かな尿石が無数に形成される場合もあるのですが・・・



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昨年末に手術を行った別症例の尿石。



こういった症例では、すべての尿石を残さずに摘出するのは、とても大変なのであります。





さて、これが今回摘出した尿石です。



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摘出した尿石は、検査所で成分の分析をおこないます。



その結果によって、今後の予防方法も変わってくるのです。




尿石の発症には、そのワンちゃんの体質や、食生活など様々な要因が関わっていますので、どの食事が良いとか悪いとか、一概には言えませんが・・・



ただ、煮干し等の小魚類はマグネシウムを豊富に含んでいるため、マグネシウム系の尿石の原因となることが多いようです。




また、豆腐などを食べているワンちゃんでもマグネシウム系の尿石がみられることが多いように感じます。




にがりに含まれるマグネシウム成分が原因になるのか? それとも、高タンパク食がマグネシウム系の尿石のリスクになるそうなので、大豆タンパクが原因なのかもしれません。



また、カルシウム系の尿石では、シュウ酸(ホウレンソウなどに多く含まれる)や高カルシウム食が原因となります。



いずれにせよ、基本はバランスの良い食生活を送っていただくことになりますので、それぞれの年齢に合わせた適切なドッグフードを与えつつ、あまりあれこれとオヤツ類を与えないようにすることが大切ですね。

膀胱結石 1
2013年12月23日 (月) | 編集 |
膀胱結石の症例です。



今年の春先に、「おしっこに血が混ざる・・・」ということでご相談を受けた女の子のワンちゃんです。



その時は、ちょうど発情中で、発情による出血の可能性もあったため、「発情終了後も症状が続くようなら詳しく検査をしましょう」ということで経過観察をしていただいていたワンちゃんですが・・・



それ以来、特にご相談もなかったので、私もすっかり忘れていたのですが、この秋になってやっぱり血尿が続くということでご来院いただきました。



流石に、発情終了から数カ月もたっていますので、発情出血というわけはありませんから、詳しく尿検査などをすすめると・・・



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膀胱内に大きな結石が2個。



大きな膀胱結石です。




膀胱結石は、その結石の主成分によって、いくつかのタイプに分類されます。



ワンちゃんで多いのは、「ストラバイト」と呼ばれるマグネシウムを主成分とした尿石と、「シュウ酸カルシウム」というカルシウム系の尿石であります。



膀胱内の尿石が、どういったタイプの尿石かを確定するには、尿石そのものを取り出して分析をしなければなりませんが・・・



尿検査のデータなどからある程度推測することも可能です。



今回のワンちゃんでは、ストラバイト尿石の可能性が高いと考えられました。





さて、膀胱結石の治療は、基本は外科手術での摘出ですが・・・




結石の中で、唯一ストラバイト尿石は食事療法で結石を溶解できる可能性があるのです。




そこで、今回のワンちゃんも、まずは膀胱炎を緩和する投薬と、食事療法で経過をみることとしました。




ただ、途中であまりにも膀胱炎の症状がひどい場合は、早めの摘出手術も考えなければいけませんし、食事療法も1カ月程度試しても改善がない場合は、やはり摘出手術が必要になります。



さて・・・このワンちゃんはどうなったかというと・・・




つづく

本日のわんにゃんドック
2013年12月21日 (土) | 編集 |
本日ご紹介するのは、MIX犬のきなこちゃん 




今年で9歳の女の子です 




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2011年に初めて当院にいらしていただいてから、毎年、わんにゃんドックを受けていただいております 




今年は、「口臭が気になる」ということで、歯周病治療をおこなうための、麻酔前評価もかねてのわんにゃんドックでした。




きなこちゃんは、昨年も歯石クリーニングをしており、その後も飼い主様がしっかりと歯磨きを継続してくださっているので歯石はそれほど目立たないのですが・・・



どうも、きなこちゃんは歯肉炎をおこしやすい体質のようで、歯磨きが困難な奥歯の部分で歯周病が進行してしまっているようです 



正確な評価は麻酔をかけてからになりますが、おそらく抜歯治療ということになりそうですね~ 

犬猫の歯科疾患
2013年12月19日 (木) | 編集 |
2013年も、残すところあとわずか。



クリスマスも近づき、院内もすっかりクリスマスの装いに・・・



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さて、本日は、当院が循環器診療と並んで力を入れている、歯科治療についてのお話しです。




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このブログでも頻繁に症例をとりあげさせていただいていますが、ワンちゃん・猫ちゃんでは歯周病がとても多く、「3歳以上の犬や猫は、もはや歯周病である」と言われるほど。



犬や猫の口腔内は、アルカリ性であるため、歯垢が歯石に変化しやすく、そのために歯周病にかかりやすいと考えられています。


歯周病の発症には歯垢・歯石の付着が大きな関わりを持っています。



歯垢は、唾液中の糖タンパクが歯の表面にペリクルという膜が形成し、そこに細菌が付着するところから始まります。



歯垢は単純な食べ物のカスではなく、唾液中のタンパク質や、細菌類、炎症細胞などたくさんの成分が含まれており、これが歯肉を刺激し、炎症を起こすのです。



歯垢は、唾液中のミネラル成分を吸収し、歯石へと変化します。



そのスピードは、犬では歯垢付着から3~5日、猫では約1週間と言われています。



歯石が形成されると、歯の表面がザラザラになり、新たな歯垢が付着しやすくなります。



歯石が新たな歯垢を呼び、それがまた歯石に変わり・・・と悪循環が続くわけです。



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そうして、歯肉周辺の炎症はどんどんとひどくなり、歯肉はおろか、アゴの骨まで壊死してしまい、歯はグラグラの状態になってしまうのです。


ただ、これを逆に考えれば、最低でも歯石が形成される前に、歯垢を除去してあげれば、ひどい歯周病にはならずに済みます。



もちろん、理想は毎日の歯磨きですが、最低でもワンちゃんで2~3日に1度、猫ちゃんで1週間に1度でも歯を磨き、歯垢の付着を減らすことができれば、ずいぶんと歯周病の進行が軽減されるのです。




ところで、歯周病が発生しやすいワンちゃん・猫ちゃんの口腔環境ですが・・・



実は、虫歯の発生は非常に少なく、私も実際に診療で虫歯を見たことはありません。



特に、猫ちゃんでの虫歯の発生は今のところ世界的にも確認されていないそうです。



ワンちゃん・猫ちゃんでは、歯の構造が人間と異なる為、虫歯菌が活動しにくいことと、口腔内の環境がアルカリ性(人では弱酸性)であること、唾液に含まれる酵素の違いなどによって、虫歯になりにくいと考えられているのです。


本日のわんにゃんドック
2013年12月17日 (火) | 編集 |
本日のわんにゃんドッグは、9歳のお誕生日をむかえたばかりの「ちゅんさん」君 




ヨークシャーテリアの男の子です。




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最近では、ヨークシャーテリアやマルチーズ、シーズーなど長毛種のワンちゃんでも、短く毛をカットしている子が多い中で、ちゅんさん君はとっても素敵なロングヘアー  



お手入れは大変ですが、やっぱりシルキーでつややかな毛はヨーキーの魅力ですよね 



ちゅんさん君は、以前の血液検査で肝臓の数値に異常値がみられたということで、今回はわんにゃんドックCで詳しく調べることになりました。



結果、レントゲンや超音波検査での明確な異常は認められなかったものの、やはり肝酵素の数値に異常が認められたため、慎重に経過観察をおこなうこととなりました。




当院では、大切なワンちゃん・猫ちゃんの健康管理の一助として、またすでに疾患を抱えている場合は、その精密検査・経過観察として「わんにゃんドック」をお勧めしています 





12月15日は・・・
2013年12月15日 (日) | 編集 |
本日、12月15日は、当院にとって特別な一日です・・・




ちょうど、5年前の今日、谷口動物病院は開院いたしました 




あれから、あっという間に5年です。



その5年間の間に、たくさんのワンちゃん・猫ちゃんの治療を行い、元気に、笑顔でお家にお返ししてきました 




それと同時に、同じくらいたくさんのワンちゃん・猫ちゃんとの別れも経験してきました ・・・



そして、大切な愛犬・愛猫を亡くされた飼い主様が・・・



「新しい子がお家に来たので、健康診断に行きますね




と、再び当院にお越しくださることもたくさん・・・ 



「ワンちゃん・猫ちゃんの健康管理を通じて、人とペットの懸け橋に・・・」



という思いで、この病院を開業して5年。




その思いを共有してくれるスタッフに支えられ、ようやく自分の思い描いた診療体制になってきました。




とはいえ、私の気持ちとしては、「5年という節目」というよりは、完全に「通過点」。



まだまだ理想の診療のためには、設備も充実させなければいけませんし、人員も増やしていきたい。



10年目までに、もっともっと充実した医療体制を整えるために、まだまだ沢山のハードルがございます。



ということで、5年間を振り返るという気持ちよりは、次の5年をどう過ごすか?の方が気持ちのなかで大きいのであります。



まずは、来年早々には検査部門・手術部門でそれぞれに大きな設備投資行う予定。



手術の安全性を高め、検査の精度・効率を高めることで、今まで以上に診療の質を高めていこうと考えております。



今後も、スタッフ一同、 笑顔と思いやりを大切に、質の高い獣医療を皆様にご提供できるように努力してまいります。



今後とも、よろしくお願いいたします 




ところで、スタッフの皆から、5周年のプレゼントをいただきました




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中身は・・・



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病院のイメージに合わせた、ハンドソープのディズペンサーと傘立て




「安心して診療を受けていただくには、待合室で気持ちよく過ごしていただくことも大切」という、私の考えを、よく理解してくれてる3人ならではのチョイス 




本当にありがとう



軟口蓋過長症
2013年12月13日 (金) | 編集 |
パグ犬やフレンチブルなどの鼻ペチャ(短頭種)のワンちゃんで、ちょっと興奮したり、運動しただけで、ゼェゼェ・ガァガァと息苦しそうに呼吸する様子を見たことありませんか?




ブルドッグ



こういったワンちゃんでは、「軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)」の疑いがあります。



「軟口蓋」というのは、上あごの奥の方の柔らかな部分のこと。



正常より長く垂れ下がった「軟口蓋」が、気管の入り口を塞いでしまうため、呼吸障害がでてしまうのです。



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インターズー社 クリニックノート vol92より
クリックで拡大



ブルドッグやパグなどの、鼻ペチャ犬は、鼻と顎の骨は変形して短くなりますが、その内部の軟部組織(舌や軟口蓋など)のボリュームは正常犬と変わりません。



そのために、舌や軟口蓋などの軟部組織が狭い空間で圧迫されるような形になるため、「軟口蓋過長症」のような、解剖学的な呼吸障害が発生しやすくなるのです。



例えて言うと、お弁当のおかずの量(軟部組織の量)は変わらないのに、お弁当箱のサイズ(鼻・顎骨のサイズ)が小さくなった状態であります。



お弁当箱(骨格)が小さくなった分、おかず(軟部組織)がギュッと押しつぶされて、内部の隙間(=空気の通り道)が狭くなってしまうわけです。




こちらが、「軟口蓋過長症」のワンちゃん。


ピンセットでつまんでいるのが、過長した「軟口蓋」です。


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大きな舌や、垂れ下がった軟口蓋のせいで、喉の奥の空間が全く見えません。



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透明の気管チューブが気管に挿入されているのですが・・・


周辺の軟部組織に埋もれてしまっています。



ちなみに、正常犬では、この部分はこう見えます。



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奥に見えるのが気管の入り口。この部分に気管チューブを挿入します。



これと比べていただくと、先ほどのワンちゃんの息苦しさが容易に想像できると思います。



「軟口蓋過長症」のワンちゃんでは、日常的な呼吸困難による精神的・肉体的ストレスも大きな問題ですが・・・



全身麻酔をかけて手術をおこなった際にも大きな問題が生じます。



全身麻酔をおこなうと、体の筋肉が弛緩します。そのため、喉周辺の軟部組織も、普段よりも垂れ下がるようになってしまいます。


麻酔中は気管チューブを挿入して呼吸確保できるから良いのですが、問題は麻酔から醒めて、気管チューブを抜いた直後。



麻酔からある程度醒めたものの、まだ呼吸する力が弱いような段階の時に、自分自身の垂れ下がった「軟口蓋」や軟部組織によって気管が閉鎖されてしまい、窒息死してしまう危険があるのです。



今回のワンちゃんは、膀胱の手術のために全身麻酔を行なったのですが・・・


上述の通り、麻酔後の窒息死の危険があったため、過剰な軟口蓋を切除し、気道を確保する手術を同時におこなうこととなりました。


こちらが、過剰な軟口蓋を切除した後の様子。



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切除前の写真よりは、気管チューブの周りに空間ができているのが解ると思います。



短頭種の呼吸障害は、軟口蓋だけではなく、その他の軟部組織による圧迫も原因になりますので、軟口蓋を切除しただけで正常犬のように呼吸できるようになるわけではありませんが・・・



それでも、この手術で、息苦しさはかなり改善されるはずです。


これが、切除した軟口蓋。


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横幅2cm、縦1cm程度。


軟口蓋は、食べ物や水を飲み込む際に、鼻の方に吸い込まないようにするための壁としての重要な働きがあるため、切除しすぎもいけません。



この手術のおかげで、麻酔後の呼吸状態も問題なく、元気に回復してくれました。




今回の症例では、膀胱の手術の際に同時におこないましたが、呼吸障害の改善だけを目的に切除をおこなうことも、もちろん可能です。




パグちゃんや、フレンチブルちゃんなどで、ガァガァ、ゼェゼェ息苦しさに悩んでいらっしゃる方は、ぜひご相談くださいませ。



肺水腫
2013年12月10日 (火) | 編集 |
こちらは、ある心臓病のワンちゃんのレントゲン写真。



今年の4月頃のものです。



そもそもは狂犬病ワクチンの接種にお越しいただいたワンちゃんなのですが、その際に心雑音が聴取されたため、精密検査をさせていただいた時のものです。



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真ん中に丸く写っているのが心臓。その左右の黒い部分が肺です。



この時点で、初期の「僧帽弁閉鎖不全症」と診断。



内服薬での治療と、定期検診をお勧めしていたのですが、飼い主様がご高齢でお一人暮らしであったことと、飼い主様ご本人も体調を崩されて、その後、ご来院いただくことができていませんでした。



それが、先日、8カ月ぶりにご来院されました。




「しばらく前から咳がひどく、苦しそう」




ということ。



レントゲンを撮影してみると・・・



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お解りいただけるでしょうか?




上のレントゲン写真と比べると、左側(本人にとっては右肺)の肺が白くなっています。



心臓そのものの大きさも、大きくなっているようです。




「肺水腫」です。



先日も、別の症例でお話ししましたが、「肺水腫」は心臓病が進行し、心不全状態に陥った時の症状の一つ。



心臓の循環機能が低下することで、肺の中に水分がしみ出てきてしまうのです。



肺の中にしみ出てきた水分が、レントゲン上では白い影として写るのです。



当然、肺の中で正常なガス交換ができなくなるため、呼吸困難を起こします。




4月の時点では、まだほとんど症状も見られないような初期の心臓病だったのが、たった8ヶ月の間に、命にかかわる段階まで進行してしまっていました。




今回のワンちゃんの場合は、飼い主様も治療を続けたいというお気持ちはありつつも、ご自身の体調の問題などで、思うようにご通院いただけず、このような事態になってしまいましたが、4月の段階から継続的な治療ができていればと強く思わされた症例です。

本日のわんにゃんドック
2013年12月06日 (金) | 編集 |
こちらは柴犬の高峰(タカミネ)君です 



先月7歳になったばかりの男の子です 




わんにゃんドックのAを受けていただきました。



プレゼンテーション1



とても穏やかな性格のワンちゃんで、お預かりしている間も、特に騒いだりする様子もなく、とても良い子ちゃんでした 




ただ、レントゲン撮影で、仰向けにされるのはちょっとビックリしていたみたいですね 




検査の結果、大きな病気はなかったですが、食生活に係わる問題がいくつかございましたので、生活習慣の見直しをしていただくようにお願いをいたしました 




ワンちゃんも、5歳を過ぎると、そろそろ中年と言われるような年齢になってきます。




日頃から、適切な食生活、適度な運動など注意して過ごしていただくことが大切ですね 

平板破折再び
2013年12月02日 (月) | 編集 |
少し前に、「固いものを齧って奥歯がわれてしまったワンちゃん」をご紹介しましたが・・・




今度はもっとひどい割れ方です。



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ご覧のように、歯が真っ二つ。



このワンちゃんも、飼い主様が良かれと思って、歯磨きのためのオモチャを与えていらっしゃったそうなのですが・・・



ちょっと固すぎたみたいです。



当然、ここまで割れてしまうと抜歯せざるを得ません。



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割れた破片を取り除いたところ。


歯髄(歯の中心部で神経や血管が存在する部分)が壊死して、黒く変色してしまっています。



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いつもお話しするように、この部分の歯は根っこが3本にわかれており、がっちりとアゴの骨に固定されています。



抜歯するには歯肉を切開し、歯槽骨(アゴの骨の一部)を削って処置します。



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最後は、歯肉をしっかりと縫い合わせて終了。



このブログでも度々とりあげていますが、ペットショップ等で歯磨き目的で販売されているオモチャやオヤツ類は、総じて「固すぎる」傾向にあります。



飼い主様からしたら、がっちりとして固い物ほど、良く噛んで、歯が奇麗になりそうな気がするものです。



販売する側も、その飼い主様の心理に合わせて、よりがっちりとした固いもの開発・販売する傾向にあるようです。



ですが、実際にそれが歯の健康に良いのかちゃんと考えてくれてるのでしょうか?




獣医師の間では、もう10年近く(もしくはそれ以上前から)前から、固すぎるオモチャで歯が割れる事故(特に豚耳が多い!)が問題視されており、私も、こうやってブログや診療時のお話しを通じて皆様に情報発信を続けてきたのですが・・・



こうして同じような事故が短期間で続くと、まだまだ飼い主様への情報提供が不足しているんだな~と思い知らされます。



と同時に、ペットフード業界・ペット用品業界でも、こういったトラブルについて、「どのくらい把握していて、真剣に商品開発に反映しようとしているのだろう?」と疑問におもってしまうのです。