町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
本日のわんにゃんドック
2013年03月29日 (金) | 編集 |
わんにゃんドックのご紹介です 



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トイプードルのあずさ君 




2歳になったばかりの男の子です




昨年もわんにゃんドックを受けていただいており、今回は2回目の健康診断です 




今年は「わんにゃんドックC」で、詳しく検査させていただきました 





結果、特に問題なく、飼い主様にも一安心していただけました 

東洋眼虫
2013年03月25日 (月) | 編集 |
こちら、角膜を損傷したワンちゃんの目の写真。




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黒目の一部が白く濁っています。



これは、角膜(目の表面)に傷がついた後の治りが悪い状態。



角膜に傷がついた場合、ほとんどの場合は1週間程度で元通り透明に治るのですが、中には、このように治りが悪いケースがあります。



その様なケースでは、逆さまつ毛が角膜を刺激していたり、ワンちゃん自身が目をこするために治りにくくなっていたり、別の目の病気を併発していたりと、何かしらの要因があって治癒遅延を起こしているものなのですが・・・




今回のワンちゃんは、寄生虫が原因で傷の治りが悪くなっていました。




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こちら、東洋眼虫という寄生虫。目蓋の裏側に寄生する虫です。




関西や九州に多くみられる寄生虫で、関東ではあまり見かけないそうです。




私も、今回で3例目であります。




この「東洋眼虫」は、ハエが媒介する寄生虫であります。




ハエがワンちゃんの目にとまったときに、小さな幼虫を足にくっつけて、他の動物に広げて回ります。




人間にも寄生するそうですよ。




この寄生虫自体が目に大きな問題を起こすことは少ないようです。



今まで私がみた症例では、眼脂が多くなる程度の症状でした。




ただ、今回のワンちゃんは、この虫がモゾモゾと動く不快感から、目をこすったりしているうちに角膜を傷つけてしまったようです。




さらに、傷ついた角膜の表面をこの寄生虫が刺激するために、傷の治りが悪くなってしまっていたようです。




この寄生虫を駆除するには、地道にピンセットでつまんで摘出するしかありません。





ただ、やっかいなのが、この寄生虫は身の危険を感じると、小生意気なことに目蓋の裏の奥へ奥へと逃げて隠れてしまいます。



ワンちゃんやネコちゃんには、「第三眼瞼(だいさんがんけん)」という、人間に無い構造があり、その奥に隠れられるとどうにもなりません。




今回のように目に傷が付いている症例では、できる限り早く、すべての寄生虫を摘出する必要がありますので、全身麻酔下で、目蓋をめいっぱいひっくり返して摘出することとなりました。




結果、合計3匹の東洋眼虫が摘出されました。



たった1cm程度の寄生虫3匹相手に、全身麻酔をかけなければならないのが、なんとも納得がいかないところです・・・

本日のわんにゃんドック
2013年03月23日 (土) | 編集 |
本日のわんにゃんドックです 




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4歳になったばかりのスコティッシュフォールドのタラちゃん 




写真撮影しようにも、モゾモゾと動き回ってしまうので、お父様にムギュッと押さえていただいての写真撮影 


やや不機嫌そうな顔になってしまいました 




基本的な健康状態は問題なかったのですが、超音波検査でやや気になる問題が・・・ 




半年から1年に一度の定期健診をお勧めし、今後慎重に経過観察をおこなうこととなりました。



異常が見つかってしまうのは、飼い主様にとって残念なことではありますが・・・



こうやってドックを受けていただくことで、大きな問題になる前に異常を発見し、早期対処ができますので、前向きに考えていただいて、今後の健康管理の一助にしていただければ幸いです 

新人動物看護師ご紹介
2013年03月22日 (金) | 編集 |
本日から、新人動物看護師の中村さんが研修をおこなっております。




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この3月に動物看護専門学校を卒業したばかりですので、まだまだ知識・経験も不足しておりますので、当分は院内雑務や初歩的な検査業務に従事していただくようになります。




動物看護師の業務は多岐にわたります。



院内の清掃業務に始まり、入院動物の看護、手術補助、診療補助、飼い主様へのしつけご指導、予防医療ご指導、検査業務などなど・・・



専門学校で、ある程度の知識と経験を積んできたとしても、実際の診療ですぐに通用するわけではありません。



まずは1年かけて、基本的な看護師の業務を、1つづつしっかりと身につけていってもらいたいと思います。



やや人見知りな面があり、飼い主様との自然な会話に初めは苦労しそうですが、自分の弱点を克服しようと真面目に努力する姿勢がみられ、今後の成長に期待大であります 



初めのうちは、皆様にご迷惑をおかけすることもあるかも知れませんが、1年もすれば、きっと当院に欠かせない人材に育ってくれると期待しています。ぜひ、皆様にも温かい目で見守っていただければと思います <(_ _)>



割れてる!
2013年03月18日 (月) | 編集 |
先日、歯石クリーニングをおこなったワンちゃん。




8歳になるミニチュアダックスの女の子。




かなり分厚く歯石が付着していたのですが・・・




それを剥がしていって、ビックリ!




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奥歯割れとるやん!





見事に真っ二つであります。




ここまでいってしまうと、抜歯するしかありません。



たぶん、日常的に痛かったと思うのですが・・・ おそらく、この部分を避けて御飯を食べるようにしていたのでしょうね。




反対側も、表面が欠けてしまっていました。



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このように、奥歯のは破折事故というのは、結構よくみられまして・・・




その原因の多くが、乾燥させた「豚の耳」や「ウシの蹄・豚の蹄」といったワンちゃん用のオヤツであります。




ネットで検索すると、「歯の健康に」とか「アゴの強化に」なんてうたい文句で販売されておりますが、これとっても危険なオヤツです。



乾燥させた「豚の耳」や「牛や豚の蹄」は、かなりの固さと弾力のため、無理な力がかかったときに、ワンちゃん自身の歯が負けてしまって、ご覧のように割れたり折れてしまうのです。




牛皮を加工した、いわゆる「犬のガム」は、豚耳ほど固くないので歯が欠けるようなことはあまりないようですが、大きな塊のまま、丸のみして喉に詰まらせたり、腸に詰まる事故がよく起こるので、注意が必要。



獣医師としては、まったくお勧めできないオヤツなのです。




じゃ、どんなオヤツならいいのか?



・まずは固さ。飼い主様自身がが咬んでも、平気そうなものにしてください。豚の耳は無理でしょ~?


・飲み込んだときに喉に詰まらせない大きさ。ワンちゃんは、物を丸のみする習性があります。


・できれば低カロリー。きちんと主食とのバランスを考えて与えてくださいね。



最低限、上記3点にはご注意いただきたいと思います。

喘息 2
2013年03月14日 (木) | 編集 |
つづき。



さて、喘息と診断し、治療をおこなっていたネコちゃん。


幸い、お薬がよく効いて、咳もほとんど気にならないくらいになっていたのですが・・・



飼い主様のお仕事の都合などがあり、1か月ほどお薬が切れてしまいました。




そしたら、今年の1月になって急激に症状が悪化。



重度の呼吸困難で入院治療となってしまいました。




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レントゲンを撮ると、左右の肺の中央部に三角形に写る二つの白い影。



この所見は、肺の一部が、酸素が取り込めなくなった状態を示します。



「喘息」になると、肺全体の気管支が収縮し細くなり、さらに炎症を起こした気管支粘膜から分泌物が分泌されます(気管支炎)。



気管支は、肺の奥に空気を取り込むための「気道」ですから、これが細くなったり分泌物で詰まってしまったりすると、呼吸障害を起こします。



この状態を解りやすくイメージしてもらうには、「花粉症の鼻づまり」を思い浮かべてもらうとよいと思います。



「鼻炎(花粉症)」になると、鼻の穴の粘膜が腫れて鼻の通りが悪くなり、鼻水がたくさん出て、鼻で息ができなくなります。それと同じ状況が肺の奥深くの気管支の部分に起こるのです。




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この症例のレントゲンで白く影になっている部分は、細くなった気管支の内部に分泌物が詰まって、完全に換気できなくなってしまった状態なのです。(鼻づまりの場合は口をあけて呼吸ができますが、気管支ではそうもいきません。)





幸い、酸素室での1週間ほどの集中治療の甲斐あって、何とか呼吸困難の状態からは回復。




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右側の肺(本人にとっては左肺)はかなり奇麗になりました。



ですが、残念ながら左の中央部(本人にとっての右肺)は白くつぶれたままです。





特に、右肺の中央部分は、気管支の走行方向と、重力の関係から分泌物がたまりやすく、このように治療しても回復させられないことが多いようです。
(右肺中央部に向かう気管支は、動物が4本足で立った時に、地面に対して垂直になるため、分泌物などが流れ込みやすいのです)




幸い、この程度であれば、日常生活には支障が出ないレベルですので(もちろん、過激な運動は無理ですが)、今後はしっかりと投薬を続けていけば問題ないかと思われます。




「喘息」というと、「咳が続いて苦しい」というイメージは皆さんお持ちかと思いますが、このように肺の一部が機能しなくなることもあるというのは、割とご存知ないかと思います。



ネコちゃんで咳を起こす病気は少なく、咳の症状がみられた場合は「喘息」であることが多いですので、「あれ?」と思ったら、早めに動物病院にご相談くださいね。

喘息 1
2013年03月11日 (月) | 編集 |
2011年3月11日の東日本大震災から2年がたちました。


あらためて、震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。




昨日はヒドイ天気でしたね 



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「いよいよ町田にも黄砂か?」と驚きましたが、「煙霧」という土埃による自然現象だそうですね~



「黄砂」でないにせよ、あれだけの土埃と強風ですから、花粉症の症状が悪化したうえに、どうも昨夜から咳と喉の痛みに悩まされております 



さて・・・というわけで、本日は呼吸器疾患の話題であります。



まず、こちら。1年ほど前に撮影した、あるネコちゃんの胸のレントゲン写真。


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特に問題ありません。



続いて、昨年の12月中ごろに撮影した同じネコちゃんのレントゲン。苦しそうに咳をしているということで来院されました。

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上の写真と比べると、左側の肺がモヤモヤと白っぽくなっています。(ネコちゃんにとっては右肺)



「喘息」を疑う所見です。




「喘息」というと、人間ではおなじみの呼吸器疾患ですが、実は人間以外の動物では非常に稀な病態です。



今のところ、人間以外で「喘息」という病気の特徴に当てはまるのは、ネコちゃんの「喘息」だけだそうです。



ネコちゃんの「喘息」では、人間同様に、何らかのアレルギー物質を吸引することで、気管支にアレルギー性の炎症が発症、それによって、咳や呼吸困難などの症状が見られるようになります。



人間ではハウスダスト(ダニ類)が、喘息の最も重要なアレルゲンになっているそうですが、ネコちゃんでは今のところどういったものがアレルゲンになっているかは、ハッキリと解っていないようです。




これを治療するには、気管支拡張薬やステロイド剤(アレルギー性の炎症を抑える)の飲み薬を使用するのが一般的です。



本来ならば、人間のように吸引式の薬剤を使用出来ればよいのですが、ネコちゃん相手では吸引式の機材は思ったようには使用できません。



このネコちゃんも、飲み薬で治療を開始。2週間ほどでずいぶんと咳もおさまって、調子がよくなっていたようなのですが・・・



続く・・・



マイクロチップ挿入後の登録について
2013年03月08日 (金) | 編集 |
つい最近、Facebookを始めました。



といっても、プライベートでは全く使用しておらず、あるFacebook上のグループに参加するのが目的です。



「VetNoteプロジェクト」という、800人以上の獣医師が集まるグループであります。



そこでは、様々な意見交換や情報交換、症例検討が日夜おこなわれているのですが・・・



そこで、気になる情報を目にしました。


マイクロチップのデータ登録についてです。



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ご存知の方も多いかと思いますが、最近では、マイクロチップが動物の体内に装着され、迷子や地震等の災害時の個体識別に役立てられています。




ペットショップなどから購入したワンちゃん・ネコちゃんでは、初めからマイクロチップが挿入されていますね。



飼い主様は、装着したマイクロチップの番号と飼い主様のお名前、御住所、御連絡先などをデータ管理団体に登録します。


保健所や動物病院には専用のマイクロチップリーダーが配備されており、これで読み取ったデーターをデータ管理団体に照会することで、飼い主様を特定することができるのです。



このシステムが有効に働くためには、すべてのマイクロチップデータが、関係行政機関と連携することができる全国的かつ公的な団体によって管理されなければなりません。



その団体が、AIPO(動物ID普及推進会議)であり、AIPOは(財)日本動物愛護協会 (社)日本動物福祉協会 (社)日本愛玩動物協会 (社)日本獣医師会 の4団体から構成される公的な組織であります。



我々獣医師がマイクロチップをメーカーから購入すると、もれなくAIPOへの登録申請用紙が付属してきます。


マイクロチップの挿入は獣医師がおこないますので、すべてのマイクロチップのデータはAIPOに登録されるはずなのです。



ところが、一部の大手ペットショップグループで販売されたワンちゃん・ネコちゃんのマイクロチップデータが、「Fam」という、我々獣医師が聞いたこともないような団体に登録され、管理されているというのです。
(獣医師どころか、マイクロチップを卸している業者さんも全く知りませんでした)



試しに、インターネットで「Fam マイクロチップデータ管理」と検索してみても、全くその様な団体は見当たりません。




これはいったいどういうことなのか?



VetNoteプロジェクトに参加されている獣医師が、日本獣医師会に問い合わせたところ・・・



もともとはこのペットショップグループは日本獣医師会とマイクロチップ登録について契約をしており、2011年10月までは毎月登録申請が来ていたそうです。


ところが、それ以降、突然申請がストップし、問い合わせても「ちょっと立て込んでいるから」というような回答で、いまだに、その会社が自らその様な登録を行っていることについて、直接の説明がないそうです。



日本獣医師会でも、このような登録は「実効性がない登録であり、飼い主様に不利益が生じる」と判断し、環境省動物愛護管理室と連携し、対策を検討しているようですが・・・



登録について法規制をおこなうことは難しく、有効な手だてが打てていないのが現状のようです。





いくら法的に問題ないとはいえ、獣医師会やマイクロチップメーカーに全く知らされないまま登録管理団体が設立されているというのは、いったいどういうことなのでしょう?



さらには、日々多数のワンちゃん・ネコちゃんを販売する大手ペットショップグループが、大切なお客様のワンちゃん・ネコちゃんの個体識別に欠かせないデータを、その様な実効性の乏しい登録管理団体に登録するというのは、いったいどうしてなのでしょう?




マイクロチップのデータは、AIPOに登録されていなければ、保健所や動物病院で検索することができません。




当院でマイクロチップを挿入したワンちゃん・ネコちゃんは、間違いなくAIPOにデータ登録されていますが、ペットショップで購入された方は、一度書類を確認していただき、「AIPO(動物ID普及推進会議」」への登録がされているかどうか確認されることをお勧めいたします。


発作疾患 4
2013年03月05日 (火) | 編集 |
思ったより長くなってしまいましたが、今回で最後にしたいと思います。



さて、「てんかん(特発性てんかん)」の治療であります。



「てんかん(特発性てんかん)」を治療するかどうかは、その発作のパターンと、発生頻度がカギになってきます。



発作パターンは、主なものは「部分発作(焦点性発作)」と「全般発作」の2パターンです。



「部分発作(焦点発作)」というのは、脳の一部分に過剰な興奮が起きた状態。

以前お話しした、チューイングガム発作(口をくちゃくちゃするだけの発作)などはこれにあたります。



「全般発作」というのは、脳の全体で過剰な興奮が起きた状態です。

白目をむいて、全身ガクガクブルブルといった発作がこれにあたります。
「全般発作」の場合は、呼吸に必要な筋肉もケイレンを起こすので、呼吸困難を起こす危険もあります。



次に、発作の頻度。



これは、単純に年に何回か? 月に何回か?という回数の問題と、発作の持続時間が問題にないります。



発作には、単発で終わるものがほとんどですが、中には一日の間に発作を起こしたり、おさまったりを数回繰り返すことがあります。

これを「群発発作」と言いいます。



また、それ以外に「発作重責」という発作があり、これは一回の発作が30分以上も続くような発作です。
これは非常に危険な状態。



放置すると、脳に深刻なダメージが及ぶ可能性があるので、緊急で治療をおこなう必要がある状態です。





こういったいくつかの要素を総合的に判断して、治療を開始するかどうかを見極めます。




たとえば、1~2分程度の「部分発作」を年に3~4回程度起こすくらいの症例であれば、治療をせずに様子を見ていくことができます。
※ただし、このケースでも、発作の持続時間が3分~5分と長くなるようだったり、発作の頻度が増えてくるようなら治療が必要になります。





次に、「全般発作」の場合は、1~2分の発作で、年に3~4回という症例でも、呼吸困難や、激しいケイレンによってケガ(階段から落ちる、舌を咬む、爪を傷めるetc)をする危険がありますので、なるべく早めに治療を開始したほうがよいと考えられます。




また「群発発作」や「発作重責」が起きた場合は、年に何回とか関係なく治療を開始するべきです。





治療には、「抗てんかん薬」というものを使用します。




脳の興奮を抑えるお薬で、鎮静剤や麻酔薬に似たような働きをするお薬です。これで、脳の過剰興奮を予防したり、治療するわけです。




そのため、必要以上に使ってしまうと、普段からボンヤリしてしまったり、足元がふらついたりという副作用が出ますので、「血中濃度の測定」をおこなって投与量が適切かを監視しなければなりません。




てんかん発作を起こした脳というのは、脳内に過剰な興奮が発生するため、発作が長時間に及んだり、何度も起こしていると、脳へのダメージが蓄積して症状が悪化する危険があります。




そのため、発作のパターンや、頻度をよく見極めて治療をすすめるべきかどうか判断しなければならないのです。





最後に、てんかん発作を起こしたワンちゃん・ネコちゃんに御自宅でなにをしてあげれるか?




まず必ずやっていただきたいのが、発作の様子の記録です。



専用の手帳やカレンダー等に、発作を起きた日や時間帯、発作の持続時間などを記録していただくことが、診療・治療を進めるうえで重要な情報になります。



また、携帯電話やデジカメの動画機能で様子を撮影していただくのも、とても有力な情報になります。



それと同時に、発作中のワンちゃん・ネコちゃんがケガをしないように、周辺の物をどけたり、落下の危険があるような場所であれば移動させてあげてください。




飼い主様の心情としては、抱っこして落ち着かせてあげたいと思われるでしょうが、部分発作ならともかく、全般発作を起こしている場合は、飼い主様が咬まれてしまったり、ひっかかれたりして怪我をする危険があるので、あまりお勧めできません。


また、せっかく動画に取っていただいても、抱っこした状態では、発作の様子を正確に観察できなくなってしまいます。



後は、ついつい心配で頭をなでたり、意識を回復させようと軽く叩いたり、大きな声で呼びかけたりしてしまうのもお勧めできません。



てんかん発作は脳に「過剰な興奮」が起きている状態ですので、それを悪化させるような刺激は避けた方がよいのです。



かわいいわが子が発作を起こしている際に、「冷静に記録を」と言われても難しいとは思いますが、「てんかん発作」は、診療をおこなうときにはおさまっていることがほとんどですから、御自宅で飼い主様がいかに正確に記録を残してくださるかが非常に重要になります。



自分も主治医の一人というつもりで、観察をしていただければと思います。

発作性疾患 3
2013年03月04日 (月) | 編集 |
さて、続きです。



「てんかんと思われる発作」を起こした動物では、まず一般身体検査や血液検査をおこなって「脳以外の病気による発作」を除外しなければなりません。




「脳以外の病気による発作」を除外したら、今度は脳の問題について考えるわけですが・・・



獣医療では、「てんかん」を、「症候性てんかん」と「特発性てんかん」の2つに分けて考えます。
※例外あり



「症候性てんかん」というのは、脳腫瘍や脳の奇形、脳の外傷など、脳内に明らかな異常が認められる場合の「てんかん」です。

この場合、脳に明らかな障害があるので、てんかん発作以外にも、神経症状が認められます。
(運動障害、顔面神経の異常などなど・・・)




「特発性てんかん」というのは、CT検査やMRI検査をおこなっても、脳に明らかな異常が認められない場合の「てんかん」です。唯一、脳波検査では異常な波形が出るそうです。

この場合は、脳に明らかな異常はない為、てんかん発作以外の症状は出ません。
解りやすく言えば、生まれつき脳の回路のどこかに不具合があり、時々ショートを起こすが、普段の生活には全く支障がない状態です。





一般的に獣医師が「この子はてんかんですね」と言った場合は、この「特発性てんかん」をさすことが多いと思います。



「症候性てんかん」の場合は、「この子は脳腫瘍からの発作です」「脳奇形からの発作です」と表現するのが一般的ではないでしょうか。





さて、実際に「てんかん」と思われる症例が来たら、どう診断を進めるのでしょうか?



ちょうど、先日「てんかん発作」でご相談を受けた症例があるので、その子を例にお話ししてみます。



症例は3歳8カ月のワンちゃん。もともとは皮膚病や尿石症で2012年5月から通院していただいているワンちゃんです。



カルテの記載によると、2011年11月、2012年7月、2013年2月にてんかん発作が見られた症例です。
※その他にも、数回起きているそうです。





まずここで確認するのは、発作以外の症状があるかどうか?



このワンちゃんについては、皮膚病で通院中でしたので、すでに一般身体検査は済ませており、明らかな神経異常もなければ、元気食欲も問題なく、内臓疾患の疑いも非常に低い状態です。
(本来は血液検査までおこなうのが理想ですが、とりあえずは「脳疾患以外からの発作の可能性」は極めて低いと判断します。)



次に考えるのは、てんかんが「症候性てんかん」なのか? それとも「特発性てんかん」なのか?




「症候性てんかん」だったとすると、脳腫瘍や脳の奇形、脳の外傷などが考えられます。



ただ、症例の年齢からすると脳腫瘍の可能性は低そうです。



では、脳奇形はどうでしょう? 脳奇形は生まれつきの問題ですので、若いうちから発生します。


ただ、てんかん発作を起こすほどの脳奇形であれば、普段から何らかの神経症状が見られていると考えるのが妥当ですので、これもこのワンちゃんには当てはまりません。




一方、「特発性てんかん」の場合は、生まれつきの脳内の回路の問題ですので、症例の様にごく若いうちから発作が認められます。(むしろ、高齢になってから突然発作を起こすのはまれで、このようなケースは、脳腫瘍を疑います。)


さらに、てんかん発作以外の神経症状などは認められません。





となると、このワンちゃんは「特発性てんかん」である可能性が高くなります。




実は、「特発性てんかん」を正確に診断するためには、CTやMRI検査で確実に脳に異常がないことを確認し、さらに脳波検査をおこなって、特徴的な脳波を検出しなければなりません。





ですが、ワンちゃんの場合はMRI検査には全身麻酔が必要になりますし、脳波測定は限られた施設でしか実施できません。



さらに、「特発性てんかん」の場合、発作の頻度が年に2~3回程度の場合は、治療を必要としないことがほとんどなのです。



その様なことを考えると、今すぐ治療の必要性がない病気を確定するために、全身麻酔をかけてMRI検査をする必要があるのか?



費用対効果を考えると、ちょっとそこまでは・・・というのが実際のところではないでしょうか?

※ただし、てんかん発作以外の症状がみられた場合は、脳腫瘍などの可能性が高くなるので、MRIなどで脳内を正確に調べる必要があるのは言うまでもありません。





そんなこんなで、このワンちゃんの飼い主様には、



「おそらく、てんかん(正確には特発性てんかん)でしょう。」


「発作の回数が年に数回程度でしたら治療の必要性はないので、経過観察で十分です。」


「ただし、発作の回数が増えてきたり、年に数回の発作だとしても、一回一回の発作の時間が長くなるようでしたら治療が必要です。」



とお話しさせていただきました。



あとは、今後、経過観察中に神経症状などが出てこないかを注意しておけばいいわけです。





さて、「特発性てんかん」をいつから・どうやって治療するか・・・ですが



それについては、また続きます。




発作性疾患 2
2013年03月02日 (土) | 編集 |
さて、前回の続きであります。



「発作(脳の)」≠「てんかん」って書きましたが、ちょっと書き方に問題ありですね 




正しくは、


「てんかん発作を起こす=脳の病気」とは限らない



という書き方の方がよかったと思います。ちょっと、訂正させていただきますね。




さて、訂正させていただいたところで本題。




「発作」というと、脳に問題があるのでは?



と思いがちですが、実は脳が正常でも発作を起こすことがあるのです。




低血糖や、腎不全、電解質異常、肝臓病などなど。




たとえば、腎不全。




腎不全になると、体内の老廃物を尿へと排泄する機能が低下します。
結果、体内に老廃物が蓄積し、それが脳に影響を及ぼして発作を起こすことがあります。




また、先天的な肝臓血管の奇形で門脈体循環シャントという病気があるのですが、この病気では、肝臓での解毒機能が正常に働かないために、脳に影響が出て発作を起こすことがあります。




このような、脳以外の原因で起こる発作は、「非てんかん性発作」として、いわゆる「てんかん発作」とは区別されるのです。




「発作をおこした」という症例を診察するときには、まず「脳以外に病気がないか?」をきちんと確認しないと、まったく間違った治療をおこなうことがあるので重要なポイントになります。





さて、身体検査や血液検査で「脳以外の異常がない」ことを確認したら、いよいよ「てんかん発作」の原因探しです。





またまた続きます。

発作性疾患 1
2013年03月01日 (金) | 編集 |
「発作」と聞くと、どういった様子を想像するでしょうか?



一般的に「発作」と聞くと、「てんかん発作」か「心臓発作」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?



今回は、「てんかん発作」についてのお話であります。



「てんかん発作」ときくと、どういう状態をイメージするでしょうか?



意識がなくなって、全身をガクガクブルブルと震わせ、白目をむき、口からは泡をふいて・・・





そんな様子をイメージするのではないでしょうか?



実は、「てんかん発作」の症状には、非常に幅があり、一見すると発作のように見えない症状も含まれるのです。



普通は、「てんかん発作=けいれん」というイメージをお持ちかと思いますが・・・



「発作(脳の)」を獣医学的な言葉で解説すると、「発作とは、脳における異常な電気的放電の結果として起こる、突発性のけいれん、感覚異常、行動異常、意識の変化、記憶の混乱を伴う徴候」となります。


なんだかややこしいですが、解りやすく言うと・・・


脳のどこかで神経回路がショートをおこし、けいれんをおこしたり、異常な行動をしたり、幻覚を見たり、意識がなくなったりするのが「発作(脳の)」なのであります。



つまり、発作だからといって、必ずしもけいれんが見られるわけではなく、「チューイングガム発作」といって、口をクチャクチャさせるだけの発作もあれば、「フライバイト(ハエ咬み)」といって、まるで目に見えないハエを追っかけて噛みつくようなしぐさを見せる発作もあるのです。

※YOU TUBEなどで「犬 てんかん発作」と検索していただくと、様々なパターンの発作の動画をご覧いただけます。



ところで・・・「てんかん発作」とよくいいますが、




「発作(脳の)」≠「てんかん」




って、ご存知でした?



つづく・・・



続きを書こうと読み直していたら、この書き方はまずかったので書き直しますね



「てんかん発作を起こす=脳の病気」とは限らない。



ってご存知でした?



と、文章を改めたところで、次に続きます <(_ _)> (2013年3月2日)