町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
♡ 里親さん募集 ♡ 
2012年10月31日 (水) | 編集 |
ももちゃん




※避妊手術 10月13日にすんでます。


ご興味がおありの方は病院スタッフまでお問い合わせくださいませ 



12月16日 里親さん見つかりました


谷口動物病院 042-711-7612




乳歯が残ったことで・・・
2012年10月29日 (月) | 編集 |
こちらは、先日歯科処置をおこなったワンちゃんの、下顎の前歯と犬歯の写真です。






20121029tah01.jpg





黄色い丸印を付けたところが、抜けずに残ってしまった乳歯。




この乳歯によって歯並びが崩れてしまっています。




さらに、抜けずに残った乳歯と永久歯の間に汚れがたまり、その部分だけひどく歯石が付いている様子がよくわかります。




今までに何度もとりあげてまいりましたが、チワワやトイプードル、ヨークシャーテリアといった小型犬種では、乳歯から永久歯へのはえ変わりが上手くいかずに、ご覧のように歯周病になることが多くみられます。




この写真を見ると、歯周病の進行が明らかに他の部分よりも早いのがよくわかります。






正常なワンちゃんの歯のはえ変わりは、生後5カ月ころから始まります。





人間と同じように、乳歯が抜け落ちた後、同じ場所に永久歯が生えてくるのが正常。





乳歯が残りやすいのは、上下の犬歯、前歯の部分です。




乳歯は永久歯に比べれば細く尖った形状をしていますので、良く観察すれば、割と簡単に見分けがつくはずです。




こまめにお口の中を観察していただき、「なんだか2枚歯になってるかも・・・」とおもったら、なるべく早く獣医さんにご相談下さいね 

尿道閉塞
2012年10月26日 (金) | 編集 |
少し前の症例なのですが・・・




あるオスネコちゃんから採取した尿です。





中央部に白っぽい塊が浮いているのが見えるでしょうか?





20121026tah01.jpg





膀胱内の「尿結晶」が塊になったもので、ネコちゃんの尿道に詰まっていたものです。





このネコちゃんは、「前日の夜から急におしっこがでなくなった!」ということで朝一番に来院されました。





トイレに何度も行くのに、おしっこが全く出ないということ。





こういった症状で疑われるのは、まずは「膀胱炎」。





膀胱に違和感があり、おしっこがたまってないのに何度もトイレに行きます。




おしっこはたまってないので、いくら力んでもポタポタとしか出ません。



それでも、膀胱炎で違和感があるので、またトイレに行く・・・この繰り返しです。





次に疑われるのは「尿道閉塞」。



尿道に尿石等が詰まってしまっておしっこが出なくなる状態。




これを見分けるのはそれほど難しくなく、触診で膀胱を確認して、膀胱が空っぽなら「膀胱炎」。




おしっこがたまって固くなった膀胱が触れれば「尿道閉塞」であります。




今回は写真に写っているように、細かな尿結晶がネバネバとした塊になったものが尿道に詰まっていました。




一個一個は小さな顕微鏡レベルの尿結晶なのですが、それが固まってご覧のような白い塊になっていたのです。




オス猫の尿道は非常に狭く、特に出口の部分は1mm程度の細い穴になっています。




そのため、この程度の塊でも尿道を詰まらせてしまうことになるのです。




おしっこが出ない状況が続けば、「膀胱破裂」や「急性腎不全」で命にかかわります。




治療は、尿道に管を通して尿の排泄を確保し、膀胱洗浄をおこないます。




今回のネコちゃんでは、「尿道閉塞」してからのご来院されるまでの時間が短かったおかげで、腎臓などへのダメージもなく、閉塞解除後はお薬と食事療法だけですぐにお家に帰れました。

歯周病治療 Nちゃんのケース
2012年10月25日 (木) | 編集 |
こちらヨークシャーテリアのNちゃん。




まだ8歳とそれほど高齢では無いのですが・・・




20121025tah01.jpg



ご覧の通り、歯石がひどく、歯周病も重度の状態。




犬歯をはじめ、多数の歯がすでにぐらついており、抜歯治療が必要な状態です。




20121025tah03.jpg




まずはクリーニングし、歯石や歯垢などの汚れを除去し、歯茎・歯根の状態を確認いたします。



下顎の前歯周辺は、重度の歯周病で歯茎がグジュグジュの状態。



歯もぐらぐらです。




20121025tah06.jpg



こうなったら抜歯せざるを得ません。歯を抜いた後、歯茎を整形し縫合します。






20121025tah02.jpg




左右の犬歯も歯槽膿漏でひどい状態です。




黄色いラインが本来の歯茎の位置。歯の根っこが傷んでしまい、指で押すとわずかにグラつく状態です。




これも抜歯治療が必要な状態です。




20121025tah04.jpg





犬歯は歯根が太く頑丈で、そのままスポンと抜けるような歯ではありません。



歯茎を切開し、歯槽骨(歯を支える顎の骨の一部)を削るなどし、慎重に作業をしなければいけません。




これを強引に引っこ抜こうとすると、鼻の穴を構成する骨を骨折させてしまったり、重要な血管を傷つける恐れがあります。




20121025tah05.jpg




こちらも抜歯後は、歯茎の肉を整えて縫合します。





20121025tah07.jpg




抜歯した歯の一部。



根っこの部分まで歯石が付着しています。



これは、歯の根っこが完全にガタガタになって、根っこの奥まで汚れが入り込んでいることを意味します。





「全身麻酔」、「歯茎を切開」、「骨を削る」と聞くと、何ともおっかない処置ですが、こういったしっかりとした歯科治療をおこなわずに、「表面の歯石だけ取っておしまい」では治療としては意味がないのです。

福島にて・・・ 動物保護シェルター 2
2012年10月22日 (月) | 編集 |
福島の動物保護シェルター SORAさんの続きであります。





わんちゃん達の室内犬舎。



20121022tah01.jpg




夜間や雨の時などはこの中に。




夜間はクマが出る恐れがあり、雨雲の出ているときは落雷の危険もあるとのこと。




20121022tah02.jpg




震災後に急ぎ作られた施設ですが、しっかりと排水なども考えられ、衛生的な作りになっているそうです。




大工さんや、趣味で大工仕事やってらっしゃる方などがボランティアで作って下さったようです。






20121022tah03.jpg



こちらはネコちゃん達の保護施設。




ワンちゃん達とは別の場所にあるそうで、場所は非公開だそうです。




その理由が何とも腹立たしくも悲しいもので・・・




「場所を公開すると、ネコちゃんを捨てて行く人がいるから」・・・だそうです・・・




写真を見ると、なんだかダンボール箱が散らばってて、一見乱雑に見えますが・・・これはネコちゃん達にとっては非常に快適な空間 




ネコちゃん達にとっては、平面の広さよりも、高低差がたくさんある立体的なスペースが重要。




さらに、身を隠せるスペースや、すっぽりとまるまって眠れるダンボール箱などが頭数分以上あるというのがポイント。



多頭飼育する際の、縄張り争い等の問題を軽減するのには非常に有効です。




20121022tah04.jpg





このように、それぞれにお気に入りの場所を確保。




20121022tah05.jpg




ワンちゃんほど集団生活に適応しないネコちゃん達では、多頭飼育をすると必ずと言っていいほど縄張り争いの勝ち負けが出てしまい、弱いネコちゃんがストレスを受けながら生活することになりがち・・・




たくさんの高低差と、隠れ家を用意することで、そういったストレスを軽減することができます。




20121022tah06.jpg




立場が弱いのか、このテーブルでしか生活できないネコちゃん・・・



食器も、トイレもこのテーブルで・・・





前回もお話ししましたが、こちらのシェルターには常駐スタッフの方はたった一名。




あとは、ボランティアの方々の助けで維持しているような状況です。




震災から1年半が過ぎた今でも、多くのワンちゃん・ネコちゃんの引き取り手が見つからず、今後いつまでこの状況が続くのか、震災からの復興も含め先が見えない状況。




そんな中、我々のように被災地から遠く離れた地にすむ人々にとっては、原発の問題や、被災地の復興などの問題
が徐々に意識から薄れ始めているのではないでしょうか。





決してあの悲惨な災害を忘れるわけではありませんが、それぞれの日常の忙しさに没頭し、被災地のことを意識する時間が確実に減っているのが現実だと思います。





現地で保護活動をおこなっていらっしゃる方々にとって、このように震災・復興の話題が風化することは一番の不安だと思われます。





震災から月日が流れるほどに、ボランティアの人手は集まりにくくなるでしょうし、ボランティアに当初参加していた方々も、就職や結婚など生活環境が変わり、ボランティアに行くことができなくなる方もいるでしょう。





そんな中、自分自身が現場に行くことができなくても、こういった話題をとりあげることで、少しでも現地の状況を伝える手助けができれば、それも我々にできる支援と思うのです・・・

福島にて・・・ 動物保護シェルター 1
2012年10月19日 (金) | 編集 |
先日、当院受付スタッフの村田さんが、休日を利用して福島に行ってまいりました・・・






向かった先は・・・





20121019tah01.jpg





福島市内にある、被災動物保護シェルター((社)SORAさん)です。





被災地での動物保護活動に何か協力をということで、村田さんが個人的にボランティアへ。






20121019tah02.jpg




シェルターに保護されているワンちゃん・ネコちゃん。震災から1年半が過ぎましたが、いまだにこれだけのワンちゃん・ネコちゃんがシェルターに・・・






飼い主様は見つかっているものの、飼い主様自身が避難生活のために引き取りたくても引き取れない子もいれば・・・




どうにも飼い主さんが見つからない子たち・・・




中には、飼い主様は見つかったものの・・・





「転居先で新しい子を飼ってるからいらない」




と言われ・・・挙句の果てには、後日連絡があり、




「やっぱり、1頭(2頭いるうちの)は高い金出して買ったから返して」




と言われたケースも・・・




20121019tah03.jpg
清々しい福島の青空の下、散歩の順番待ち♪ 





20121019tah04.jpg
日中はテラス付きの犬小屋でまったりと・・・



一頭一頭、十分に距離をとり、犬小屋だけではなく屋根付きのウッドデッキと、至れり尽くせり。



この写真を見て、「本当に一頭一頭のことを考えて、愛情を持って関わっていらっしゃるんだな~」と感動。




夜や雨の日は屋内の犬舎で過ごすそうです。






20121019tah05.jpg





20121019tah06.jpg
もともと2頭で飼われていたような子たちは仲良く一緒に・・・




20121019tah07.jpg





20121019tah08.jpg
アレルギー用の療法食しか食べることのできないワンちゃんも・・・



一般的な食事は支援物資等で手に入っても、特別な療法食は不足がちだそうです。




微力ながら、当院からも村田さんが持ち込める範囲でご協力させていただきました。





20121019tah09.jpg





20121019tah10.jpg
新しい飼い主さんのもとへ・・・






たった1名の常駐スタッフの方が、これだけのワンちゃん・ネコちゃん達をみていらっしゃいます。




そこに、地元の学生さんや、村田さんのように県外からのボランティア、なかには広島県からトリマーさんなど、たくさんのボランティアの方たちの協力があり、このシェルターが成り立っているそうです。





村田さんからこのシェルターの活動の話を聞いて感動したのが、とにかくワンちゃん・ネコちゃん一頭一頭の性格、性質を良く把握して、現状でできる最大限の活動をされているんだということ。





どの写真からも、一頭一頭のワンちゃん達に対する配慮と愛情が感じられます。





獣医師・受付・看護師が各一名という当院の規模では、病院をあげて協力をするいうことは難しいですし、私自身が病院を空けて協力させていただくというのも、入院のワンちゃん・ネコちゃん達のことなど考えれば困難な現状。




そんな、現場に行ったこともない私がこうやってブログに取り上げさせていただくのもおこがましいように感じますが、それでも、このブログを見てくださった方が、SORAさんの活動に興味を持たれて、何かその方なりのアクションをおこすきっかけになればと思ってブログにとりあげさせていただきました。




人手も、物資もまだまだ不足している状況のようです。




上記のように、常駐スタッフの方はたった1名。



ワンちゃん・ネコちゃん達の世話をする人手は常に不足し、ワンちゃん・ネコちゃん達の食事やペットシーツなども、日々驚くほどの勢いで消費される状況とのことです。



自分自身が募金やボランティアをおこなうことができなくても、こういった施設があって、こういったワンちゃん・ネコちゃんたちがいるんだよということを広めることも支援だと思います。



よろしければ、リンク先のSORAさんのホームページもご覧いただければと思います。



つづく・・・


社団法人SORAさん


本日のわんにゃんドック
2012年10月16日 (火) | 編集 |
久々にわんにゃんドックの話題です。





20121016tah.jpg






ミックス犬のきなこちゃん 





8歳になる女の子です 






昨年もわんにゃんドックを受けていただいており、継続しての受診でした 






健康診断は毎年継続してうけていただくことがなによりも大切です 





毎年継続してドックを受けてくださる方には、継続割引もおこなっています 





「病気になってからの動物病院」ではなく、「病気にならないために・病気になる前に」。



皆様の大切なワンちゃん・ネコちゃんの健康管理に、ぜひわんにゃんドックをご利用ください 




町田市 谷口動物病院 わんにゃんドック

心房中隔欠損
2012年10月15日 (月) | 編集 |
避妊手術前の検査をおこなったネコちゃんでのこと。




当院では、避妊手術や去勢手術をおこなう際には、まず全身麻酔を安全に実施できるかどうかを確認するための、麻酔前検査をおこなわせていただいています。




血液検査・心電図検査・胸部レントゲン検査をすべての症例で実施させていただき、安全性を確認したうえで手術に臨むのですが・・・




その際に、心電図と胸部レントゲンで「心拡大」が疑われたネコちゃんです。




飼い主様のお話しでも、他の兄弟ネコちゃん達に比べて、普段から疲れやすく、息がハアハアすることが多いということでした。




まだ、生後7か月と若いネコちゃんでしたので、先天性の心疾患の可能性もあるため、超音波検査で心臓を詳しく調べさせていただきました。




そうすると・・・





20121015tah01.jpg



右心房(RA)と左心房(LA)を隔てる「心房中隔」に大穴が・・・




「心房中隔欠損症」という先天性の心奇形です。




20121015tah02.jpg
赤い色が左心房(LA)から右心房(RA)に流入する血液です。




カラードップラーという方法で観察すると、左心房(LA)から右心房(RA)に向かって血液が流れ込んでいるのが解ります。




皆様ご存知かと思いますが、心臓内部は上下左右4つの部屋に分かれています。




「心房中隔」は心房上部を左右に隔てる隔壁の役割をしているのですが、ここに穴があいてしまうと、本来なら内臓や筋肉に流れるべき「動脈血」が右心房を経て「肺」に流れて行ってしまいます。





2012年10月15日16時53分02秒_ページ_1





こうなると、「肺」に通常よりも大量の血液が流れることになるため、肺血管に負担がかかり、呼吸困難などの症状が現れます。




欠損孔が小さな場合は、肺への負担は最小限で、特に問題なく一生を過ごすことができます。




ですが、欠損孔が大きな場合は肺への負担が大きくなり、成長とともに呼吸困難などの問題が顕在化してきます。




これを治療するには、手術で欠損孔を塞ぐ以外ないのですが、小動物の小さな心臓では治療に限界があります。




このネコちゃんでは、今のところ心機能に大きな問題は出ていませんが、今後も注意深く経過を見守る必要があります。


両側会陰ヘルニア 3
2012年10月12日 (金) | 編集 |
さて、無事に手術成功した会陰ヘルニアのワンちゃんですが・・・




20121009tah06.jpg




術後の麻酔覚醒時に問題発生。




自分がなぜ手術を受けているか理解できないワンちゃん、ネコちゃんでは、麻酔から目覚めた際に一時的にパニックになって、バタバタ手足をばたつかせたり、不安から吠えたり鳴いたりすることがあります。




今回のワンちゃんも、麻酔から覚めた瞬間に一時的に混乱し、ワンワンと強く吠えたのですが・・・





その際に、お腹に強く力が入ったために「直腸脱」をおこしてしまったのです。





「直腸脱」というのは、肛門からまっすぐに直腸が飛び出る状態。





会陰ヘルニアの手術では、ヘルニア孔はふさぐことはできても、直腸憩室によって発生した腸のたるみは残ってしまいます。





強く吠えたときの腹圧(お腹にかかる力)が原因で、たるみの分だけ直腸が押し出されてしまったのです。





20121009tahh04.jpg





これが術後の一時的なものであればよいのですが、あまり頻繁に発症するようだと、腹腔内で直腸を固定するような特殊な手術が必要になることもあります。





幸い、今回のワンちゃんでは術後に一時的に発生しただけで、その後数日間の入院期間の間に発生することはありませんでした。




ヘルニア手術直後は手術部位が不安定で、直腸脱やヘルニアの再発の心配がありますが、1~6か月程度の間にシリコンプレート内に線維組織が侵入し、手術部位の強度が増してきます。




そうなれば、再発や直腸脱の危険性はぐっと減ってきます。




このワンちゃんでも、それを期待してこのまま様子をみることにしました。




ちょうど手術から2週間が過ぎたところですが、今のところ問題ないようですので一安心しているところです。

両側会陰ヘルニア 2
2012年10月11日 (木) | 編集 |
さて、先日の続きであります。




会陰ヘルニアを治療するには、虚弱化した骨盤隔膜(外肛門括約筋、肛門挙筋、尾骨筋)を外科的に再建する必要があります。




20121009tahh02.jpg



手術法はいくつかありますが、当院ではシリコン製の専用器具を用いて骨盤隔膜を再建する方法をとっています。




体内に異物を挿入するため、感染症などをおこした場合にシリコンの摘出手術が必要になるといったデメリットはありますが、それさえ気をつければ、手術時間も短く、神経圧迫や血管圧迫といった合併症も少なく、非常に優れた手術法と思われます。



この手術法を考案した先生の報告では、146症例おこなったうち、感染症の発生が1例。ヘルニアの再発が1例だったのこと。



他の手術法では再発率が20%前後なんて報告もありますので(もちろん、手術する人間の技術・経験に大きく左右されますが)、それに比べれば随分と成績が良いようです。




さて、実際の手術については、以前もご紹介しましたが・・・





20121009tah02.jpg
切開部から飛び出してきている黄色っぽいものが、ヘルニアをおこした内臓脂肪






20121009tah03.jpg
内臓脂肪を押し戻すと、私の人差し指が根元まで入るくらいの穴があいてしまっています。
骨盤隔膜(外肛門括約筋、肛門挙筋、尾骨筋)がしっかりしていれば、指が入ることはありません。






20121009tah04.jpg
シリコン製のプレートでヘルニア孔をふさぎます。





20121009tah05.jpg
こんな感じ。まだ縫合固定していないので、上部から内臓脂肪が飛び出てきてしまっています。





20121009tah06.jpg
手術後の様子。肛門が膨らんでいるのは、中にガーゼを詰めているから。
手術中にウンチが漏れたら大問題ですからね。




片側40分程度の手術ですが、これを両側おこなわなければいけませんし、片側おわるたびに手術着を着替え、手術部位の消毒をやり直したりするのに20分ほどかかります。




さらに、ヘルニアの手術と同時に去勢手術もおこないますので(会陰ヘルニアは男性ホルモンの影響で発生すると考えられるため)、毎回毎回消毒しなおして、手術着を着替えてと、なんだかんだで3時間くらいの手術時間になります。




3つの手術を連続しておこなうことになるので、集中力を保つのがなかなか大変です。






さて、このワンちゃん。手術は無事に終了しましたが、術後にちょっと気になる問題が発生。





つづく・・・

両側会陰ヘルニア ①
2012年10月09日 (火) | 編集 |
今年の春先にもとりあげましたが、会陰ヘルニアの症例です。

以前の症例→    




20121009tah01.jpg




会陰部というのは肛門周りのこと。



肛門周囲の筋肉(外肛門括約筋・尾骨筋・肛門挙筋)が弱体化してしまい、脱腸をおこしてしまうことを会陰ヘルニアといいます。




【正常な会陰部の構造】
20121009tahh01.jpg





上のワンちゃんの写真を見ていただくと、肛門周囲がプックリと膨らんでいるのがわかると思います。




これは、肛門周囲に内臓脂肪が飛び出してきたためです。




会陰ヘルニアは、主に中高齢の未去勢のオス犬に発症します。



去勢済みのワンちゃんや、女の子ではほぼみられないため、男性ホルモンが肛門周囲の筋肉の弱体化に関わっていると考えられています。



ヘルニアになると、肛門周囲を支える構造が弱体化するため、排便困難におちいります。





【筋肉が弱体化し、ヘルニアをおこした会陰部】
20121009tahh02.jpg





ウンチが出にくいのを、無理にきばって出そうとするため、ますます脱腸が起きやすくなったり、内臓脂肪が大きく飛び出てくることになります。




この状態が長く続くと、肛門出口にたまった便によって直腸が膨らんでしまい、直腸憩室という状態になってしまいます。





通常は左右どちらか片側に発生するものなのですが、今回のワンちゃんでは困ったことに両側がいっぺんにヘルニアになってしまっていました。




【両側の会陰ヘルニア】
20121009tahh03.jpg





憩室も大きくなるため、より症状が重くなります。





治療には外科手術が必須です。





手術法は様々ですが、失われた肛門周囲の「支え」を再建しなければなりません。




つづく

脱毛・色素沈着(痒みなし)
2012年10月05日 (金) | 編集 |
「痒がる様子はないんだけど、毛が抜けて、皮膚が黒くなってるんです・・・」





ということで来院されたワンちゃん。





20121005tah01.jpg





まだ生後6か月の女の子です。





胸の部分だけではなく、指先にも同じような症状が・・・





20121005tah02.jpg






顕微鏡で調べてみると・・・






20121005tah03.jpg






ニキビダニです。




上が頭で、両側に短い手が並んでます。





名前の通り、ニキビ(毛穴)に住みつくダニで、どんな哺乳類にもそれぞれ特有のニキビダニが寄生しているそうです。




そう、ブログをご覧いただいている皆様の毛穴にも潜んでいるんですよ。





本来は病原性はなく、正常な動物の毛穴に寄生しており、生後間もない時期に母親から感染いたします。





ただ、仔犬の時期に一時的に過剰増殖し、写真のような脱毛したり、毛穴が黒くなるような症状がでることがあります。





一般的には成長とともに自然に治るとされており、症状が軽度であれば特に治療はせずに様子をみることになります。





写真のワンちゃんも、飼い主様とご相談のうえ、特に治療はせずに経過観察中です。





そんな本来無害で、正常でも皮膚に寄生しているニキビダニですが・・・





ある状況下では、爆発的に増殖し、全身性に激しい皮膚症状を示すことがあります。




それは内分泌疾患(ホルモンバランスが乱れる病気)や肝臓疾患などの重度の内科疾患です。




そういった病気によって、体の免疫機能に障害が出た場合に、本来は無害であるニキビダニが爆発的に増殖し、極めて重度の皮膚炎を起こすことがあります。




ニキビダニに限らず、重度の皮膚疾患には内臓疾患やホルモンバランスの乱れなどが影響していることもあるので、そういったことも含めて総合的に判断しなければならないことがあります。

乳歯が折れた
2012年10月02日 (火) | 編集 |
トイプードルやチワワなどの小型犬で、乳歯が抜けずに残ってしまったという症例は今までも何度もご紹介してきましたが・・・






今回は、抜けずに残った乳歯が折れてしまったという症例。





20121002tah04.jpg







写真中央が折れてしまった乳歯。






歯髄といって、血管や神経を含む歯の中心部分がむき出しになってしまっています。





この状態では痛みもありますし、感染症などの危険もあるため、早急に抜歯処置をおこなう必要があります。






20121002tah02.jpg





周辺の歯石を除去し、クリーニングしてから抜歯をおこないます。





今までもお話ししてまいりましたが、犬歯の根っこは乳歯といえども頑丈なため、歯肉を切開する外科的抜歯をおこないます。




良く見ると、折れてしまった乳歯の色が変色しています。





実はこの歯は折れてしまってから数カ月以上経過していますので、すでに歯の組織が死んでしまった状態です。




この部分が痛くて、柔らかいものしか食べられない状況でした。




20121002tah03.jpg





抜歯が済んだ後は、奇麗に歯肉を縫合しておしまいです。






顎の小さな小型犬では、乳歯が抜けずに残ったり、重度歯周病などのトラブルが大型犬に比べて非常に多いのが特徴です。




ワンちゃんは自分で痛い・つらいを訴えることができません。




日ごろからお口の様子を観察していただき、歯石の付き具合や、歯肉の様子で気になることがあれば、早め早めにご相談いただければと思います。