町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
乳癌の再発
2012年08月31日 (金) | 編集 |
半年ほど前に乳癌の切除をおこなったワンちゃんがいるのですが・・・





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黄色で囲った部分が腫瘍。切除後、専門施設で検査した結果、残念ながらガンであるとの結果。






このワンちゃんが、最近になって「腋にしこりができた・・・」とのことで来院されました。





触診してみると、たしかに2cm程の固いしこりが・・・






すぐに注射針でしこり内部の細胞を採取し、検査をします。







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この様な細胞が採取されました。





ご覧のように、楕円形をした紫の細胞核が多数観察されます。





よくみると、基本的には同じ構造の細胞なのに、一つ一つの大きさがバラバラです。






このように、単一の細胞が多数観察され(=腫瘍の可能性が高い)、なおかつその一つ一つの大きさがバラバラの場合は、腫瘍は腫瘍でも悪性(=ガン)の疑いが強くなります。
※実際には、もう少し細かな基準があります。






このワンちゃんでは、半年前に乳癌の手術をしていますので、乳癌の再発が第一に考えられます。






ワンちゃんの乳癌では、3cmをこえる腫瘍では2年間の無病生存率が23%、再発率は85%と非常に術後の経過が悪いというデータがあります。






術後からたった半年で再発ということで、飼い主様も非常に落胆されているのですが、それだけ、乳癌が恐ろしいということであります。







ワンちゃんでは、早期の避妊手術が乳癌の予防に効果的というデータがあります。





初回発情前に避妊手術をした場合、避妊手術をしなかったワンちゃんに比べて乳癌になる危険性が1/200まで減るというのです。





もちろん、皆がみんな乳癌になるわけではありません。





避妊手術をしなくても、一生問題なく過ごす子もたくさんいます。





ただ、獣医師として診療を続けていると、今回のワンちゃんのようなケースを眼にすることも多く、「この子も、若いうちに避妊手術しておけば防げたのかもしれない・・・」と思うことが多いのです・・・


本日のわんにゃんドック
2012年08月28日 (火) | 編集 |
少し前にわんにゃんドックをおこなったワンちゃんのご紹介です。





8月に7歳になったばかりのマギィちゃんです 






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7歳というと、人間の年齢に換算すると30代後半~40代前半といったところ。






いくつか経過観察が必要な問題も見つかりましたが、基本的には健康状態良好 







人間よりも成長・老化の早いワンちゃんは、7歳~8歳ですでに「中年」と呼ばれる年齢に達してしまいます






一見元気に見えても、早め早めに健康診断を受けていただくことが大切です 

歯周病治療
2012年08月27日 (月) | 編集 |
先日ご紹介した歯周病のネコちゃん。





本日手術でした。





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歯石や膿がべっとりと付いています。




これを洗浄すると・・・






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歯の根っこがむき出しになってしまいひどい状態です。





歯槽膿漏になると、歯茎や歯の根っこの周辺に炎症が続くために、歯茎の肉や顎の骨が壊死してしまい、ご覧のように歯茎も骨もなくなってしまいます。





他の歯も結構ひどい状態。




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下顎の奥歯ですが、歯茎が真っ赤になっています。




この歯茎を切り開くと・・・





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白く見えているところは顎の骨。歯槽膿漏のために骨が溶けてへこんでいます。上の写真で、赤くなっていた歯茎の部分がここです。





上の写真だけを見ると、この歯を抜く必要はなさそうに見えますが、実際にはこれだけ根っこの部分は痛んでしまっています。





これらの歯はすべて抜歯し、顎の骨の中まで入り込んでいる汚れを洗浄してやります。





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抜いた後は、奇麗に縫い合わせて終了です。

短頭種の麻酔
2012年08月24日 (金) | 編集 |
先日の休診日は、会陰ヘルニアの手術でした。




会陰ヘルニアについては、過去に詳しくお話ししておりますので、こちらをご覧ください。

会陰ヘルニア ① 


会陰ヘルニア②



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ヘルニア孔と、飛び出してきた腹腔内脂肪


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シリコンプレートでヘルニア孔をふさぎます。



手術の細かな点は以前の記事をご覧頂くとして・・・




今回の手術症例は短頭種だったのですが、その短頭種の全身麻酔について詳しくお話しをいたします。




短頭種というのは、読んで字のごとし。




ブルドックに代表されるような、鼻ペチャの頭が短い犬種のこと。




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ベチャッと潰れたようなお顔がかわいらしい犬種なのですが、こういったタイプの犬種に全身麻酔をかけるときは通常の犬種にはない危険性がございます。




とくに、全身麻酔から覚醒したばかりの、ぼんやりしている状態のときに危険が潜んでいます。





もともと、鼻ペチャの構造のため、呼吸効率が悪く呼吸困難などをおこしやすい犬種なのですが、全身麻酔後のぼんやりした状態のときに、自分自身のほっぺたの肉が垂れ下がってきたり、舌が垂れ下がって気道をふさいでしまい、窒息してしまうことがあるのです。




人間でも、「睡眠時無呼吸症候群」というのがありまして、喉周りの脂肪による圧迫や、舌が垂れ下がって気道をふさぐことで、いびきをかいたり、一時的な呼吸停止がおこることがあります。




それと似たような状況が起きやすいのが、短頭種。




そして、全身麻酔後の意識がもうろうとした状態では、気道がふさがっても自分で気づくことができずに、そのまま窒息死する危険があるのです。






そのため、短頭種では特に麻酔後の呼吸状態を細かく観察する必要があり、これを怠ると、10分~20分離れている間に窒息死してしまっていたなんてことになりかねないのです。





その他にも、短頭種は呼吸効率が悪い為、熱射病なんかにもなりやすい犬種ですので、まだまだ残暑厳しいこの季節、特にご注意いただきたいものです。

実習生の受け入れについて
2012年08月23日 (木) | 編集 |
おしらせ





当院では、ヤマザキ学園動物看護学部の動物病院実習および、木曽中学校の職場体験に下記日程で協力しております。



期間中は、動物看護学生及び、木曽中学校の生徒が診療の見学をさせていただくことがございます。




何とぞ、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。







8月20日~9月27日 
         ヤマザキ学園看護学部学生





9月10日~9月14日 
         木曽中学校生徒



血圧測定
2012年08月21日 (火) | 編集 |
こちら、最近導入した医療機器。





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小動物専用の血圧計です。







人医療では日常的におこなわれる血圧測定ですが、動物医療の現場ではあまり一般的ではありません。





一つには、動物の場合、どうしても病院内で緊張してしまったり、興奮してしまうことで測定値の信頼性が落ちてしまうこと。






また、動物の場合、測定中に動いてしまうことも問題になります。一般的な血圧計は、振動などが測定誤差につながりますので、なるべく安静な状態で測定しなければなりません。





かといって、ギュ~ッと押さえつけてしまうと、緊張や興奮、恐怖感でますます血圧の測定値の信頼性が落ちてしまいます。





で、もっと大きな問題が、体毛です。





毛が長い子で血圧測定をすると、それこそ厚手のトレーナーを着たまま血圧測定するようなものですから、これも測定値の信頼性が落ちる原因になります。





さらに、毛のせいで血圧計のカフ(腕に巻く部分)が滑ってずれてしまうことも、測定の難しさにつながります。





かといって、血圧測定のたびに毛を刈るわけにもいきませんしねぇ・・・






まあ、そういった測定値が安定しない、測定値の信頼性が低いということに加えて、動物専用の血圧計はとにかく高価!





人間用の安いものなら10~20台くらい買えてしまうような金額。





測定値の信頼性が低いのに、それだけの金額を出すってのはなかなか経営者としては悩ましいところ・・・






そういった諸々の悪条件がありまして、動物医療では血圧測定が一般的にはならないのであります。





ただ、血圧の値というのは、循環器疾患(心臓病)、腎臓疾患などの診察には欠かせない、非常に重要な項目になってきますので、獣医師としては、できる限り測定したい(できれば信頼性のおける機械で)項目であります。







私としても、以前から、なるべく早く測定値に信頼(少しでも!)のおける機種が出ないものかと待っていたのですが・・・






6月に参加した学会で、いろいろとメーカーの説明・デモを聞いたうえで、今回新発売されたばかりの機種を導入いたしました。






まあ、1か月ほど使用した感想としては・・・





やっぱり、動物相手の血圧測定は大変です・・・





最後に、ちょっと面白い事実・・・





ネコちゃんの血圧測定では、「しっぽ」で測定するのが今のところ一番安定して測定できるようです。





「しっぽ」で血圧測定って、意外じゃないですか??


本日のわんにゃんドック
2012年08月20日 (月) | 編集 |
お盆休みも終わり、本日から当院も通常通りの診療となっております。




さて、お盆休み前におこなったわんにゃんドックの症例であります。



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ビーグル犬の幸ちゃんです 





8月でちょうど6歳になったばかりの女の子です 






昨年に続き、2度目のわんにゃんドックです 





わんにゃんドックは、できる限り継続してうけていただくことが大切です 





ドックの第一の目的は、病気の早期発見ですが、もうひとつの目的として、常日頃の血液検査の数値や、レントゲンの画像などのデータを年年蓄積しておくことも非常に重要です。






言葉の喋れない動物相手での診療では、こういった普段のデータの蓄積が、病気の時に非常に助けになってくれるのです。





当院では、継続してわんにゃんドックを受けていただきやすくするために、継続割引や、お誕生日月割引などもやっておりますので、ぜひ一度ご相談くださいませ 

8月のお休み
2012年08月11日 (土) | 編集 |
いつもながら、ブログでの告知を忘れてしまっていました。




8月の休診予定であります。




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気が付いたらもうお盆ですね~




昨日、新津さんにお薬の手配を頼んだら、




「20日まで入荷しませんが、いいですか?」




と聞かれて・・・




「???なんで???」




と聞いたら、





「業者さんがお盆休みですよ」




と言われてびっくりでした。





病因は15日、16日が休診。その他は午前診療と変則的に診療をしておりますので、ご注意くださいませ<(_ _)>




ブログもお盆中はお休みさせていただきます^^

御飯を途中でやめてしまう・・・
2012年08月10日 (金) | 編集 |
「この一週間くらい、御飯を食べてる途中でやめてしまうんです・・・」





ということで来院されたネコちゃん。





こういったご相談で多いのが、やっぱり歯のトラブル。





歯周病などで歯が痛い為に、御飯を食べたくても食べられないということが多いのですが・・・





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やっぱり歯石と歯周病です。





奥歯が真っ黒い歯石で覆われ、歯茎が壊死して穴があいてしまっています。





もう少し状況をつかむために、表面の歯石を除去してみますと・・・





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ピンボケでわかりにくい写真ですが、歯茎の肉が赤黒くなってグジュグジュした感じがおわかりいただけますでしょうか?






この歯は重度の歯槽膿漏で、抜歯治療が必要な状態です。





前歯は全くきれいなのに、奥歯だけずいぶんとひどい状態です。





ワンちゃん・ネコちゃんでは唾液腺の分泌口の位置の問題で、奥歯の部分が一番歯石が付きやすくなっています。




そのため、このように前歯と奥歯で歯周病の進行に差が出てしまうのです




「前歯を見てまだまだキレイだから平気~」なんて思っていたら、奥歯は結構ひどいってことがよくありますので、ご注意くださいませ。

角膜損傷
2012年08月06日 (月) | 編集 |
こちら、角膜を損傷したネコちゃんの検査写真。




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眼の表面(角膜)の一部が黄緑に染まっています。





これは、フルオレセイン染色という特殊な目薬。





角膜の損傷部分に着色することで、角膜の状態を検査する染色液です。





ワンちゃん・ネコちゃんの眼のトラブルで比較的多い角膜の損傷。




同居犬・同居猫とのケンカが原因になったり、シャンプーやドライヤーなどの刺激が原因になったりと、様々な原因で発症します。






「目が痛くて開けられない、シバシバさせている」「眼が充血している」「涙目になっている」などの症状が一般的。




1週間程度の点眼治療で治ることがほとんどですが、傷が深い場合には失明につながる恐れもあるので注意が必要です。


まったりと・・・
2012年08月03日 (金) | 編集 |
診察台の上で、まったりと外を眺めるネコちゃん・・・






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実は点滴中。





ワンちゃん、ネコちゃんでは血管に挿入する静脈点滴以外に、皮下組織に点滴を注入する皮下点滴が一般的。





腎臓病などで、長期にわたって点滴通院が必要な場合は、簡便におこなえる皮下点滴をおこないます。






およそ、10~20分程度の処置。







針を刺す瞬間はチクッとしますが、ほとんどの子が特に嫌がることなくおとなしく点滴を受けてくれます。





ま、ここまでリラックスしている子も珍しいですが・・・
※もちろん、飛び降りたりしないように、すぐそばに飼い主様がいらっしゃいます。





中には、点滴を受けると調子が良くなることを憶えているのか、体調が悪くなると、通院用のバックの前で吠えて、「点滴につれてけ~」とアピールするワンちゃんもいるんですよ