町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
指より細い・・・
2012年07月31日 (火) | 編集 |
こちら、生後7か月のトイプードル系ミックス犬のレントゲン写真。






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椅子から飛び降りて骨折。。。




最近の超小型犬・小型犬に多いパターンの骨折です。




写真を見てわかるように、トイプードルやチワワ、ポメラニアンなどの超小型犬の前脚の骨は非常に華奢であります。




「抱っこしていたら飛び降りた」「ソファーから飛び降りた」「御飯を催促して飛び跳ねていた」




そんな、ごく当たり前の日常的な動作でも、ご覧のようにポッキリと折れてしまうことがあります。





小型犬の前脚の骨は、非常に折れやすいうえに、周辺に十分な筋肉組織がない為、回復も悪いのが特徴。




この部位の骨折を治療するには、金属製のプレートとネジで固定する方法や、ピンを骨の内部に差し込んで固定する方法などが一般的ですが・・・



ご覧のように、細い骨ですので、プレートのサイズやネジの太さ、ピンの太さなど、適切なものを選択する必要があります。




下手な手術をすると、癒合不全といって、骨がきちんとくっつかない状態になってしまい、何度も再手術を繰り返すハメになることもあります。




手術法が悪かったために、一生、骨折が治らないままになってしまった悲惨な症例もあると聞きます。




様々なプレートやネジ、ピンの在庫が必要なことと、適切な手術法を選択、実施するための設備・経験が重要になりますので、当院では大学病院等の専門医をご紹介することにしています。




写真のワンちゃんも、川崎にある日本動物高度医療センターに依頼し、手術をおこないました。






そんなこんなで、4月末に手術し、骨にピンを挿入。




6月末にはピンを除去する手術をおこない、7月には、傷口の抜糸、めでたく完治!




・・・・・・・・だったのですが、抜糸の1週間後には・・・





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なんと、再骨折。前回とほぼ同じ位置です。よく見ると、折れた断面の形が少し違います。




今度は、抱っこしていたワンちゃんを下ろそうとしたところ、膝くらいの高さからワンちゃんが先走って飛び降りたとのこと。




本当に、たったそれだけのことで再骨折です。





当然のことですが、飼い主様も大変ショックを受けられており、私としてもなんともやるせない気持ちです。





日本では、テレビCMをきっかけとしたチワワブーム以来、チワワやトイプードルなどの超小型犬の飼育頭数が非常に増えています。



それと同時に、このワンちゃんのように、日常の何でもない動作での骨折という症例が非常に増えています。




小さく、華奢な小型犬の姿はかわいらしいものですが、その裏で、こんな超小型犬ならではの問題があることも、皆様にご存知いただきたいものです。

七夕のなごり?
2012年07月30日 (月) | 編集 |
今までにも、何度かお口に異物が挟まった症例をご紹介しておりましたが・・・





今回はネコちゃん。





数日前から、御飯を食べず、元気がないとのことで来院されました。




お話しを伺うと・・・




「御飯を食べたそうにしているけど、お皿の前で考え込んでしまってやめてしまう・・・」




とのこと。





このような症状でまず疑われるのは、「口の痛み」であります。





歯周病からくる痛みだったり、前述のように口の中に異物が挟まることでの痛みだったりするわけですが・・・






身体検査をしてみると、やっぱり、お口の中になんだか茶色いものが見えます。





看護師さんにしっかりと押さえてもらって、鉗子で引っこ抜くと・・・





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こんな茶色い木の枝のようなもの。




七夕で飾った笹をかじって遊んでいたそうなので、おそらく笹の枝と思われます。





上あごに、真横になって刺さっていました。




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これじゃあ、痛くて痛くて、御飯食べたくても食べようがありません。






人間のように手を自由に使うことができない動物では、このような事故が命取りになりかねません。







実際、野良ネコちゃんの中には、こんなことが原因で命を落としてしまう子もいるのでしょうね。

迷子のワンちゃん
2012年07月27日 (金) | 編集 |
迷子の情報です。



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7月27日 午前8時~9時頃に木曽西4丁目付近で保護されました。

女の子で、おそらく1~3歳程度。



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お心当たりがおありでしたら、当院受付までご連絡くださいませ。



町田市 谷口動物病院 042-711-7612

本日のわんにゃんドック
2012年07月26日 (木) | 編集 |
7月も、もう終わりに近づいてきましたね~




本格的な夏に突入いたしまして、人間だけではなく、ワンちゃん・ネコちゃんでも熱中症にはくれぐれもご注意くださいませ。




さて、タイトル通り、わんにゃんドックのご紹介。




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今度17歳になるMIX猫のモコちゃんです 





もうすぐ17歳とは思えない、キリッとした表情ですね~





わんにゃんドックCを受けていただきました。




さすがに17歳ということで、いくつかの病気を抱えつつではありますが、大きな問題なく日々を過ごしてくれているようです 

そこかよ~
2012年07月23日 (月) | 編集 |
ちょっと反省が必要な症例です。




先日手術をおこなった、消化管内異物の症例。




皮膚病の治療で通院していただいていたワンちゃんなのですが・・・




元気も食欲もバッチリで、特に食事の量や種類も変えていないのに・・・なぜか急激に体重が減少。



そこそこ高齢のワンちゃんですので、「これは何か内臓に異常があるかも??」





と、精密検査をおこなったところ・・・





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胃の中に金属製の異物が・・・





さらに、最後に食事をとってから8時間以上経過しているにもかかわらず、胃の中に食物か異物を疑う内容物が存在します。





これは、おそらく胃内異物によって、消化管内の通過障害が生じており、それによって正常な消化吸収ができなくなっているものと考えられます。





通常、通過障害を起こすほどの異物があれば、吐き気などの症状が出るものなのですが、このワンちゃんは、この状態でも吐き気や下痢などの症状は一切なく、今回レントゲンを撮らなければ全くわかりませんでした。





諸事情あって即手術というわけにはいかず、2週間ほど時間をおいてからの手術でしたが、その間も一切吐き気などはなく、本人は元気いっぱいの状態でした。





手術当日、再度のレントゲン撮影でも同じ部位に異物が確認されたため、試験開腹をおこないます。




レントゲンでは異物は胃の中に写っていますが、ワンちゃんが何を食べたか分からない以上、その他の部位も調べていきます。





通常、消化管内異物がつまりやすい場所というのは決まっておりまして・・・




○胃の出口

○小腸

○小腸から盲腸への移行部


となっております。




盲腸より先は大腸とよばれ、あとはウンチとなって出るのみ。普通はここまで流れたものが詰まることは考えられません。




ですので、胃を開く前に、小腸から盲腸にかけてをくまなく調べていきます。





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そうすると・・・やはり、小腸の中にも異物が・・・




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こんなビニールの塊です。



ビニールは基本的にレントゲンには写りませんので、胃の中だけ探していたのでは見逃すところでした。





前回の症例が大変だっただけに、「今日はすんなり終わるかな~」とあらためて胃の中を確認・・・




レントゲンに写っていた金属製の異物を探してみるのですが・・・




これが、まったく見つからない!




胃に穴をあける前に、触診で異物の存在を確認してからメスを入れるのですが、いくら手でさわっても異物が触れません。




レントゲンを見直しても、どう見ても胃の中に金属製の異物があるはず。




それほど大きな物ではないので、胃の下の方に落っこちて触れないのだろうと、やむを得ずメスで切り開いて探してみても・・・




全く見つかりません Σ( ̄ロ ̄lll)





いくら探しても胃の中に異物が見つけられません。

注)胃を開くといっても、パッカリと大きく開くわけではなく、2~3cm程度の切開部から、器具を使ったり、歯医者さんで使うような小さな鏡を使って探します。





「ひょっとして、手術前にレントゲンを撮ってから数時間の間に胃の中から小腸へ移動したのか?」と思い、あらためて胃の出口から盲腸まで何度も消化管を手繰り寄せて確認しましたが・・・





やはり、小腸から盲腸には全く見当たりません。だいたい、初めに発見してから2週間動かなかったものが、手術直前になって急に動くとは考えにくいことであります。




いつまでも、お腹をあけたまんまむやみに探し回るわけにもいかず、一度手術を中断して、レントゲンで再確認をした方がいいかと考え始めたころに・・・




ふと、「まさか大腸には詰まんないよな~・・・でも、手術を中断する前に念のため・・・」と思い大腸の部分を探ってみると・・・





ありました。ゴリッとした金属製異物の感触・・・




「なんだよ、ここかよ~ ヾ(。`Д´。)ノ」




まったくの盲点でありました。





「大腸まで進んだ異物は排泄される」という今まで教わったことと、経験したことを頭っから信じ込んでおりました。





今まで見てきた症例で大腸に異物が詰まっていたなんてことは皆無でしたし、教科書を見ても「小腸の異物除去」という項目はあっても、「大腸の異物除去」なんて項目一切ありません。



まったく油断しておりました。




実は、レントゲンで胃の位置と横行結腸(今回異物が詰まっていた大腸の部位)は重なりあって映ることがあります。




つまり、今回の症例では、胃の中にあると思っていたものが、実は重なって映っていた大腸の中にあったというオチであります。




胃の中に異物が見つからなければ、一番に横行結腸を疑うべきだったのですが・・・




「結腸に異物は詰まらない」という今までの経験を信じ切ってしまったため発見が遅れてしまいました。





話を整理しますと、この症例は・・・


①金属製異物は大腸の中に詰まっておりそこで通過障害をおこしていた(飼い主様の話では、少し前からウンチの出が悪かったそうです)


②小腸の中にもビニール製の異物(レントゲンには写らない)があり、胃の通過障害はこれが問題であった



という二つの消化管内異物が同時発生していたのであります。






結果的には異物を発見し、無事摘出することができたので手術としては成功ですが、もっと柔軟に考え、早くに大腸の確認をしておけば、手術時間を短縮することができたはずです。




手術時間が長くなれば長くなっただけ、動物にかかる負担は増えるわけですから、その点は大いに反省すべき点です。




これからは、消化管内異物の症例は大腸まで確実にチェック! (*`д´)b








・・・で、結局何が詰まってたかというと・・・





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「四葉のクローバーのピンバッジ」であります。




レントゲンに写っていたのは、バッジの金属部分。




何とも皮肉なモノが詰まっていたもんです・・・

猫の重度歯周病
2012年07月19日 (木) | 編集 |
以前に紹介したネコちゃんなんですが・・・






当時保護猫ちゃんで、なおかつ全身状態も思わしくなかったため後回しになっていた歯科処置をおこないました。





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内服薬での治療をしておりましたので、初めの頃よりは随分とマシになっていますが、まだ腫れがずいぶんと残っています。




初めのころはこんな感じ・・・




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以前のブログでも記載しておりましたが、ご覧のように歯茎がひどく腫れている場合、一つは歯周病による炎症で腫れていることが考えられますが・・・




ネコちゃんの場合は、ガンの一種でもご覧のような状態になることがございます。






そのため、今回の処置でも、歯の処置だけではなく、腫れている部分を一部切除して検査所に依頼をしております。




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歯周病がひどい部分は抜歯してしまいます。




抜いた部分は奇麗に洗浄して縫い合わせます。




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幸い、今回の症例では腫瘍などではなく、単純に歯周病の影響による炎症ということでした。



町田市 谷口動物病院

梅雨から夏にかけて・・・
2012年07月17日 (火) | 編集 |
4~6月は、ワンちゃん達の狂犬病ワクチン接種や、フィラリア予防などで動物病院は業界全体が忙しい時期になるのですが・・・



当院も、連日大忙し (;´▽`A``





新津さん、村田さんも連日残業続きでありましたが・・・





7月になるとちょっとひと段落 (´ ▽`).。o





ただ、この季節になると、今度は皮膚病のワンちゃん・ネコちゃんの診察が増えてきます。




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外耳炎のワンちゃんの耳垢の顕微鏡画像。
青いツブツブが細菌。




特に、ワンちゃんでは細菌や真菌(カビ)の感染による外耳炎が非常に多いのですが・・・




ご注意いただきたいのが、御自宅での耳掃除。




汚れが多いからと綿棒なんかでゴシゴシとこするように耳掃除をしてしまうことが、外耳炎をさらに悪化させることがあります。




ワンちゃんの耳の皮膚は結構デリケート。




綿棒なんかでこすっただけでも、すぐにうっすらと赤くなってしまうこともあるくらい。




外耳炎をおこした耳では茶色っぽい耳垢や、黄色っぽい耳垢が通常よりも多く発生するのですが、これを飼い主様が一生懸命奇麗にしようとして綿棒でゴシゴシと掃除をすることで、かえって炎症がひどくなってしまいます。




炎症を起こしている皮膚というのは、わかりやすく例えると「日焼けをおこした皮膚」と同じような状況。




そんな状態の皮膚を綿棒なんかでゴシゴシこすったら、当然、余計に痛みがひどくなったり、炎症がひどくなるのは容易に想像ができると思います。





「耳垢が多いな」と感じたり、耳を掻くことや、頭をぶるぶる振って耳を気にする様子があったら要注意!





外耳炎の可能性が高いので、なるべく早く動物病院にご相談いただくことをお勧めいたします。

国家試験対策委員会
2012年07月16日 (月) | 編集 |
先日、麻布大学獣医学科の学生さんから手紙が届きまして・・・





いったい何事だろうと読んでみると・・・





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獣医師国家試験対策の資料作成にあたって、当院の症例データを使用したいとのこと。





我々獣医師は、国家資格ですので、大学卒業後に国家試験を受験し、それに合格しないことには獣医師の資格を得ることはできません。





したがって、獣医学生(特に6年生)にとっては、今のこの時期というのは卒業研究・論文の最後の追い込みと、迫る国家試験にむけて不安の募る時期であります。




そんな獣医学生にとって最も緊張の強いられる国家試験受験でありますが、各大学に国家試験対策委員会というのがございまして・・・





その委員会の学生さんたちが、色々と試験対策の資料などを作成し、国家試験の対策を練り、学生全体に情報提供をするのであります。





国家試験対策委員会では、他大学とのつながりもあり、「~の資料は日大のがいいらしい」とか「~は麻布大学の資料が充実しているみたいだ」なんて感じで、他大学の資料も流通したりしていましたね~




国家試験が近付くと、どこからともなく「~について出題されるらしい・・・」とか「今年は~について押さえておけ!」なんて怪情報が飛び交い、学生みんな「え~!そこノーマークだよ!」「そんなこと言われても、間に合わない~」なんて右往左往するわけです。



試験前日になってもそんな情報が飛び交って大変な騒ぎになったりするのですが・・・




いまは、TwitterやFacebookなんかでの情報交換も盛んでしょうから、ずいぶんと怪情報が飛び交うんでしょうね~

歯石クリーニング
2012年07月13日 (金) | 編集 |
先日、歯石クリーニング処置をおこなったワンちゃん。



まだ3歳と若いのですが、そこそこに歯石が蓄積しております。




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こういった黒いシミみたいな歯石は、茶色い歯石に比べて頑固で取りにくいことがあります。




唾液のミネラル成分の違いによるのでしょうか?




パキパキと気持ちよく剥がれる子もいれば、しっかりとこびりついてしまっている症例など、一口に歯石と言っても様々であります。




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歯石はまんべんなく付着していますが、歯周病としてはそれ程のことではありませんので、一通りクリーニングするだけで、抜歯などの処置はございません。





とはいえ、42本ある歯の裏表をすべて歯石除去をし、その後、歯石クリーニング時についた表面の細かな傷を磨き上げるために、「粗磨き」・「仕上げ磨き」と全部で3つの工程がありますので、結構重労働




お口の奥まで磨くために、結構不自然な姿勢をとったりしますので、結構な重労働だったりします




個人的には、肩や腰にかかる負担は、歯科処置が最も辛いのであります。



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ピッカピカです



千葉へ・・・
2012年07月12日 (木) | 編集 |
はじめに御断り<(_ _)>


本日の話題は、獣医療とはまったく関係ございません。





7月11日(水)の休診日は、大きな手術を予定していたのですが・・・





飼い主様のご都合により一時延期。





急に予定が空いた上に、ちょうどワンちゃん・ネコちゃんの入院の症例も皆無・・・





・・・ということで・・・





娘と二人で行ってきました。





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東京ディズニーシー




もともと、6月末頃にいければと思ってチケットを買っていたのですが、その時は入院の症例の都合もあり断念。




開業医となると、入院や手術の都合、通院中のワンちゃん・ネコちゃんの容体の変化等、なかなか休みの予定をたててもその通りとはいきませんので、火曜の夜に最終決定。



娘の幼稚園には水曜の朝に断りを入れてのサプライズ・ディズニーでありました




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妻と長男は体調不良のため留守番。




私たち夫婦は、もともとはディズニーにはほとんど興味はなかったのですが・・・



娘を初めて連れて行った時の喜びように我々も非常に感動し、それ以来すっかり家族でディズニー好きになっております。




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当日のディズニーは平日ということもあり、ずいぶんと空いており、ゆったりと楽しめたのですが・・・




そんな中で、なにやらテレビの収録があった模様。




目の前を歩いてくる「ウド鈴木」さんと4~5人の若い男の子を発見。




急いで写真をとって、自宅で妻(ウドちゃん好き)に見せたら・・・





「となりに写ってるのキスマイじゃない?」




とのこと・・・




ん・・・確かに、周りの中学生くらいの女の子たちは「キスマイだ!」と騒いでいましたが・・・




私、てっきり収録中のテレビ番組の名前が「キスマイ」かと思っていたら、どうやら最近、若い女の子に大人気のアイドルグループとのこと。



どうやら、青森に住む姪っ子も大ファンだそうです。




う~ん、「ウド鈴木」さんをいかに上手く写真に収めるかに集中しておりまして、周りの男の子たちは完全に横顔。




ウドちゃんはばっちりカメラ目線なのですが・・・




とりあえず、横顔でもファンにとっては貴重なものだろうと、拡大プリントして姪っ子に送ってやりましょう。




それにしても・・・




最近のアイドルが全く分からないってのは・・・




すっかり「オジサン」な証拠でしょうか・・・

傷がふさがらない!
2012年07月09日 (月) | 編集 |
ここしばらく通院していただいていたネコちゃん。




別の病院さんで乳腺腫瘍の疑いで、「乳腺全切除術」、つまり左右の乳腺を上から下までごっそりと切除したそうなのですが・・・




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手術から一カ月たっても傷口が治りきらず、4回ほど縫いなおしているそうです。





上写真の黄色丸でかこった部分が問題の個所。





縫合した糸の周りが赤く炎症を起こし、傷口が開いてしまっています。





いくら縫いなおしても、またすぐ傷が開いてしまうそうで、「なんとかならないか?」と当院にいらっしゃった症例です。





さて、このように手術の傷口が治りにくい場合に考えることは・・・




1.手術法、縫合法など技術的な問題

2.何かしらの内臓疾患、皮膚病、ホルモン疾患を併発しているなど動物側の問題

3.1・2の両方



さて、今回の症例はどうかというと・・・




まず、写真を見てわかるように、左右の乳腺をそれぞれ別々に切除しているため、大きな傷口が2本並行に並ぶことになっています。


これを、それぞれに縫合して傷を塞ごうとしているのですが・・・



そうすると、下図のような力が傷口にかかることになります。



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これをもうちょっと整理して考えると・・・





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黄色く書いたお腹の中心線に向かって、右側の傷が開こうとする力に、左側の縫合糸が引っ張る力が合わさって、余計に強く引っ張られることになっていることがわかります。当然、反対側も同様であります。




結果、それぞれの力が一番強くかかる部分の傷が、いつまでたってもふさがることができずにいるようです。




ちょうど、向かい合った部分が塞がらないことでも、そのことが推測できます。




私の今までの経験・知識、手持ちの教科書を調べる限り、「乳腺全切除術」をおこなう場合は、この部分の傷口は一本になるように切除するはずなのですが・・・




どういった経緯で、このように2本の並行した術創になったかは不明ですが、このことが傷口の治りを悪くしているのは間違いないようです。




とはいえ、いまさらどうしようもありませんので、この状態でなんとか上手くいくように工夫しなければいけません。




こういった傷の治癒を考えるには、「治癒を妨げる要因」をいかに排除するかがポイント。





今回のネコちゃんでは、2本平行に並んだ縫合線によって、お互い引っ張り合う力がかかっているのが問題と推測されますので・・・




その引っ張り合う力をいかに分散させ、傷口にかかる負担を減らすかを考えなければいけません。




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んで、こんな風に縫いました。




単純に縫うだけでは今までと同じ繰り返しになるのは目に見えていますので、写真のように、通常よりも太めの糸をつかって、大きく縦方向(傷口と水平)にループ状に縫合してやります。




水平マットレス縫合という縫合法で、このような大きな力がかかる傷口を閉鎖する際の基本的な縫合法です。



このマットレス縫合で、左右の傷にかかる「引っ張り合う力」を緩和しておき、通常の縫合で傷口を塞ぐという2段構えの縫合であります。




その後は、数日ごとに傷口を拝見し、包帯法などの治療も組み合わせること約10日間・・・





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若干、ひきつれた様なあとは残りますが、上手くふさがってくれました。




「乳腺全切除術」は、腹部の上から下までかなり広範囲にわたって、おっぱいをごっそりと切除する手術ですので、このように傷が治りにくいというのは十分に考えられることです。



ですので、手術に臨む際に、そういったリスクについてしっかりと飼い主様にご説明し、御理解いただくことと、万が一、このような事態に陥った場合に、しっかりと対処できるように準備しておくことが大切です。

本日のわんにゃんドック
2012年07月07日 (土) | 編集 |
わんにゃんドックのご紹介。





五朗ちゃんです





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五朗ちゃんは先日御紹介した五月ちゃんと兄弟ネコちゃんなんですよ





こちらが五月ちゃん





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五月ちゃんは吐き気の問題など御心配なことがありましたので、わんにゃんドックCで徹底的に検査させていただきましたが、五朗ちゃんは特に普段気になるような問題はないということでしたので、わんにゃんドックAでの健診でした。





当院では、ワンちゃん・ネコちゃんの年齢や状態に合わせて、わんにゃんドックA/B/Cと3タイプの健康診断を御案内しております




町田市 谷口動物病院 「わんにゃんドック」

一年で・・・
2012年07月06日 (金) | 編集 |
こちらのワンちゃん、右上の奥歯にひどい歯槽膿漏がございます。
歯茎が壊死を起こし、歯の根っこが一部見えてしっています。

もちろん、歯はぐらぐらの状態。




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このワンちゃん、つい1年前に歯石クリーニングをしたばかりのワンちゃんなのですが・・・



「口が痛そう!また歯石のクリーニングしてもらった方がいいかも・・・」ということで来院されました。




診察前は、私も「まだ一年しかたってないし、必要ないでしょ・・・」と思っていたのですが・・・




診察してみると、確かにひどい歯槽膿漏。




しかも、右上のこの部分だけが極端にひどい状態であります。




反対側の歯はこんな状態。




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歯石クリーニングから1年たってますので、それなりに歯石は付いてきていますが、まだまだ大丈夫。




なぜだか右上だけが極端に歯周病が進行してしまっていたのです。





そのワンちゃんの食生活や、普段の遊び方の問題だと思うんですが、、時々、このように極端に一部分の歯を痛めてしまうことがあります。
※たとえば、以前、タオルで綱引きをするのが大好きなワンちゃんで、前歯が極端に痛んでいたワンちゃんがいました。



このワンちゃんに関しては、なぜこの部分だけが極端に歯周病が進行したのかは不明のままです。




さて、このワンちゃん、残念ながらこの右上の歯は抜歯せざるをえませんでした。



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歯槽膿漏で歯の根っこ周辺の骨(歯槽骨)までダメージを受けている状態。




汚れの入り込んだ部分を洗浄し、周辺の歯茎の状態も整えます。






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綺麗に縫い閉じてあげて終了。





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他の歯もピッカピカに磨き上げました。

臍ヘルニア(さいへるにあ)
2012年07月02日 (月) | 編集 |
先日避妊手術をおこなったワンちゃんのお腹の様子。





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中央部がぽっこりと飛び出ていますが・・・




臍ヘルニア(さいへるにあ)と言います。




わかりやすく言えばデベソなわけですが・・・




この部分は、母犬と臍の緒でつながっていた部分。




本来はこの部分は、出生後に臍の緒が取れるのに合わせてふさがるのですが、時々、この部分がふさがらずに穴が残ることがあります。




その穴から、内臓脂肪がポッコリと飛び出た状態が臍ヘルニア。





これは主に美容上の問題で、必ずしも手術しなければならないわけではありませんが・・・




穴から飛び出した内臓脂肪などが、穴の部分に引っ掛かって戻らなくなってしまった場合、その部分の血流が妨げられ、ひどい痛みや炎症を引き起こすことがあります。




そこで、避妊手術などをおこなう際に、ついでに塞いでしまうことが一般的。




こちらのワンちゃんも、避妊手術ついでに穴を塞ぎました。




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左側の、ポツポツと数か所赤くなっているのは、避妊手術をして腹壁を縫った痕。




ズボッと銀色の器具を差し込んでいる部分が臍ヘルニア。




5mm程度の穴が開いていました。



これを縫い塞いであげれば終了です。