町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
本日のわんにゃんドック
2012年03月31日 (土) | 編集 |
本日もわんにゃんドックの御紹介です





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7歳になるミケちゃんです 



ミケちゃんは、昨年に引き続きのわんにゃんドック。


前回のドックで、腎臓に少し気になる点がございましたので、今回はわんにゃんドックCでの精密検査でした



結果、問題はなく飼い主様にもご安心いただけましたが・・・



ただ、去年よりも体重がグ~ンとでしたので、要注意であります 




ところで、このミケちゃんの昨年のわんにゃんドックは3月11日でした。


ミケちゃんの検査が終わり、報告書をまとめ終えてコーヒーで一服しようとしたところにあの大震災・・・


おかげで、ミケちゃんの結果報告では、レントゲンを窓の明かりに透かして見る羽目に・・・



大変な一年でしたが、ミケちゃんが元気に過ごしていたようで一安心です 


町田市 谷口動物病院

本日のわんにゃんドック
2012年03月30日 (金) | 編集 |
先日おこなったわんにゃんドックのご紹介です 



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こちら、今年の秋で5歳になるトイプードルのうめちゃん



2年前にも一度、わんにゃんドックCをうけていただいております。



今年も、わんにゃんドックCでしっかりと健診させていただきました



そして、こちらが・・・



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弟のあずさくん 


今月1歳になったばかりの男の子です。


なんと、あずさくんのお誕生日は2011年3月11日 



あの、大震災の日に生を受けたワンちゃんであります。



あずさ君はまだ年齢も若いので、わんにゃんドックAでの検診をさせていただきました



わんにゃんドックCは腹部超音波検査に時間がかかるため、一日一件の受付ですが、わんにゃんドックAやBであれば、予約のすいている日なら複数同時にお受けすることができます 



今回のうめちゃん・あずさ君のように、わんにゃんドックCとAもしくはBという組み合わせも可能です。



年に一度の健康診断、ぜひご検討ください 



町田市 谷口動物病院

盗み食いの結果・・・
2012年03月29日 (木) | 編集 |
先月、骨が挟まってしまったというワンちゃんを御紹介しましたが・・・



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今回はネコちゃんでした。




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飼い主様が御留守にされている30分程度の間に、ゴミ箱をあさって鳥の骨を齧ってしまったようです。




上あごの奥歯を橋渡しするような感じで、綺麗に挟まっていました。



そんな状態でも、本人はあまり気にしないようで、普通にご飯も食べていたようです・・・




良く言われることですが、鳥骨は飲んでしまうと危険とされています。



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こんな風に、断面がとがってわれるから、食道を傷つけたり、腸を傷つけてしまうからというのが理由ですが・・・



でも、野生のヤマネコなんかが小鳥をとらえた時はどうするんでしょうね?


骨だけ残しているのでしょうか?



そのあたりは私もわかりませんが、ただ、ペットのワンちゃん・ネコちゃんでは飲み込んだ骨(鳥に限らず)が十分に消化されないまま腸に詰まってしまって開腹手術に至るケースも実際にありますので、こういったものは「与えない」、「盗み食いさせない」ことが大切です。


町田市 谷口動物病院

歯石クリーニング
2012年03月27日 (火) | 編集 |
現在8歳のワンちゃん。



避妊手術と一緒に歯石クリーニングをおこないました。


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上の歯。
全体にまんべんなく歯石が付着しています。




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下の歯。
上同様に、歯石が付着しています。




この程度の歯石なら、特別な治療は必要なく、通常のクリーンング処置をおこないますが・・・



歯石クリーニングの工程は、まず超音波スケーラーで歯石を取り除きます。


超音波スケーラーは微細な振動の力で歯石を粉砕・除去していくのですが、その際に、歯の表面をどうしても傷つけてしまいます。


そのままにすると、細かな表面の傷に汚れが入り込んで歯石がつきやすくなってしまいますので、研磨剤で表面を磨き上げる工程が必要になります。


粗磨きと仕上げ磨きの2段階に分けて歯の表面をツルツルに磨き上げます。



そんなことを、全部で42本ある歯におこなっていきます。


1本の歯につき、最低でも1分~1分半はかかる作業ですので、すべての歯を磨きあげるには1時間弱の作業となります。


結構時間がかかるものなのです。



歯周病が重度の場合は、磨き上げるだけでももっと時間がかかりますし、その他に抜歯処置や縫合処置などの時間も必要になりますので、2~3時間かかることも珍しくありません。



歯科処置って、たぶん皆さんが思っている以上に大変な処置であります。




乳腺腫瘍について・・・
2012年03月25日 (日) | 編集 |
先日、乳腺腫瘍の症例をとりあげましたが・・・



それについてもう少し詳しいお話しであります。



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ワンちゃんでは、他の動物に比べ乳腺腫瘍の発生率が高く、人の発生率の3倍との報告があるようです。


人間の女性でも、乳腺腫瘍というのは大きな問題でありますが、それ以上に、女の子のワンちゃんにとっては重要な問題になってきます。


腫瘍には、「悪性」のものと「良性」のものがあります。



「悪性」=「乳がん」ということになるのですが、ワンちゃんの乳腺腫瘍の50%が「悪性」であると報告されています。

さらに、「悪性」であった症例の50%で診断時にすでに転移が認められると報告されており、「乳腺腫瘍の50%ルール」などと呼ばれたりしています。


「悪性」の確率が50%というと、ずいぶんと高い気がしますが、私の今までの経験した症例では、良性と悪性の比率は6:4くらいで、幸いにも「良性」のほうが多く経験しています。


ところで、ネコちゃんにも当然、乳腺腫瘍が発生することがあります。


ワンちゃんに比べると、発生率は格段に低いのですが・・・


ただ、ネコちゃんの乳腺腫瘍は極めて悪性度が高いのが特徴。


80~90%以上の確率で悪性であるという報告があり、実際に私が今まで経験した症例も、すべて悪性でした。


再発や、転移も非常に多く、手術後1年以上生存することは難しいとされています。





さて、切除した腫瘍が「悪性」であった場合の、その後の経過は、腫瘍の大きさや、転移の有無によって変わってきます。


ステージ分類というものがあり、「腫瘍の大きさ」「リンパ節転移の有無」「遠隔転移(たとえば肺転移など)の有無」によって、ステージ1~4に分類します。


その分類ごとに、術後の余命のデータがあり・・・(注:ワンちゃんのデータです)


たとえば、ステージ1(腫瘍が3cm未満の大きさで、転移が認められない)症例では、外科切除さえ行えば、98%近くの症例が術後2年以上生存するというデータがありますが・・・


一方で、ステージ4(肺転移がある症例)では1年生存率が15%以下とされています。



上記のデータはネコちゃんには当てはまらず、ネコちゃんでは腫瘍の大きさが2cm以下のものであれば、切除後数年生存するケースも報告されていますが、3cmを超える腫瘍の場合は、ほとんどが術後の余命が数カ月となってしまいます。



乳腺腫瘍の発生については、まだ原因不明の部分も多いのですが、女性ホルモンが大きく関わっていると考えられています。


実際に、ワンちゃん・ネコちゃんでは、早期の避妊手術で乳腺腫瘍が予防できることがデータとして出ておりまして、ワンちゃんでは初回発情前に避妊手術をしておくと、乳腺腫瘍になる危険を1/200まで減らせることができるといわれています。


ネコちゃんでは、もともとの乳がんの発生が少ないこともあって、ワンちゃんほどの高い効果はないようですが、それでも1/10程度にまで危険性を下げることができるとされています。


人間では、乳がん予防のために避妊手術というのはあり得ない考えですが、伴侶動物として一代限りの寿命をともに過ごすワンちゃん・ネコちゃんであれば、不用意な妊娠を防ぐ意味も兼ねて、早期の避妊手術というのは生命に関わる病気のリスク回避ということで非常に有効な手立てになります。

本日のわんにゃんドック
2012年03月23日 (金) | 編集 |
本日のわんにゃんドックは、ノルウェージャン・フォレスト・キャットのシエル君です。


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キリリと凛々しい顔立ちです


今年の夏で4歳になる男の子です。



当院が開院してすぐのころからずっと診察させていただいているネコちゃんで、わんにゃんドックも毎年うけていただいています。



年齢的にはわんにゃんドックAでも良いくらいなのですが、今年は食欲の様子や排便の様子などいくつか気になる点がおありだということでしたので、わんにゃんドックCでしっかりと検査することになりました



結果としては、特に問題は無く、飼い主様にも一安心していただけました



町田市 谷口動物病院

乳腺腫瘍
2012年03月22日 (木) | 編集 |
今月の初めごろに手術をしたワンちゃんなのですが・・・


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特におかしいところはないように見えますが・・・





実は・・・




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黄色○で囲ったところに腫瘍があります。
黒い線は切除予定ライン。右側の、四角く囲った部分にも1cm程度のしこりがあります。


これだけ大きくても、毛に隠れているために見た目だけではわかりません。


こちらのワンちゃんは、2月末に「耳が痒いみたい・・・」ということで来院されたのですが、その際の身体検査でこの腫瘍が見つかりました。



こんなに大きな腫瘍ですが、飼い主様は全く気がつかれていませんでした。


こちらのワンちゃん、最後に当院で診察させていただいたのが4か月ほど前になります。


その時には、まったく異常はありませんでしたので、それから4か月の間にここまで大きくなったということです。



さらに心配なのが、1月にトリミングショップに行かれたそうなのですが、その時にも特に何も言われなかったそうです。



ということは、たった1~2か月のうちにここまで大きくなったということか?



乳腺腫瘍は、女の子のワンちゃんではもっとも一般的な腫瘍です。


教科書的には、悪性(つまり乳がん)と良性の乳腺腫の確率は50%と言われています。


良性か悪性かを正確に判断するには、切除した腫瘍組織を顕微鏡で調べる必要があります。


今回のワンちゃんでは、見た目にも大きな腫瘍と、1cm程度の小さな腫瘍と2個の腫瘍がありましたので、確立で言えばどっちかは悪性ということになります。


さらに言えば、4か月程度で急速に大きくなったということは、やはり悪性の疑いが強くなりますので、積極的な切除をおこなうことになりました。


乳腺腫瘍の切除には、腫瘍部分だけを部分的に切除する方法や、腫瘍周辺の乳腺を切除する方法(右上半分、右下半分だけなど)、片側の乳腺すべて切除する方法など、腫瘍の状況に応じて術式を選択します。


今回は、腫瘍のある右側の乳腺すべてを切除する術式になりました。


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手術翌日の様子。


鎮痛剤などで痛みの管理をしっかりとしておけば、これだけ大きな手術でも翌日から元気にご飯を食べて、散歩にも行けるくらいです。


こちらのワンちゃんでは、術中の出血が想定よりも多くなったため、6日間の入院となりましたが、経過が良ければ3~4日で退院することもあります。


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切除した乳腺は、専門の検査所に送って、詳しく調べてもらいます。



今回のワンちゃんのように、お腹側にできた腫瘍というのは、飼い主様が気がつきにくく、早期発見が難しいことがほとんどです。


普段から、頭や背中を撫でるだけでなく、意識してお腹の内側や、女の子(特に避妊をしていない)であればおっぱいの部分などを注意して触っておくことが大切です。



迷いネコちゃん
2012年03月20日 (火) | 編集 |
迷子のネコちゃんの情報です。


2012年03月20日10時41分45秒_ページ_1


お心当たりがおありの方は、病院までご連絡くださいませ。


谷口動物病院 042-711-7612

本日のわんにゃんドック
2012年03月19日 (月) | 編集 |
こちら、9歳になったばかりの黒猫のクロエちゃん。



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アレルギー性の皮膚炎で通院中なのですが、ここのところ頻繁に吐くことと、それに合わせて体重が減少傾向にあることが心配されていましたので、9歳のお誕生日に合わせてわんにゃんドックCで詳しく健康状態を調べることになりました。



元気・食欲に問題は見られないとはいえ、やはり心配ですからね。



結果、胃腸の運動性の低下が見られたものの、大きく問題になるようなことはありませんでしたので、飼い主様にも一安心していただけたようです。

胸腔穿刺
2012年03月17日 (土) | 編集 |
さて、前回は「胸に水がたまる」という題名で、「肺水腫」と「胸水」の違いについてお話ししましたが・・・



本日は、そのうちの「胸水」について・・・


「胸水」が溜まると、肺が圧迫されて空気を取り込むことができなくなるため、呼吸困難をおこします。



診断には、まずは視診。


呼吸状態を観察して、呼吸困難の様子をチェックします。


呼吸困難の症例では、必要以上に胸を大きく動かして呼吸しようとする様子が観察されます。


次に、聴診器で肺音のチェック。


「胸水」では、肺が圧迫されて、空気を取り込むことができなくなっているため、一生懸命呼吸している割には、肺の音があまり聞こえてきません。



続いて、レントゲンや超音波検査で確定診断を下していきますが・・・



超音波検査が可能であれば、レントゲンを撮影するよりは、まず先に超音波検査をおこなう方が良いと考えます。


レントゲンを撮影するには、体を横に倒して押さえたり、必要に応じてうつ伏せや仰向けの姿勢に固定して撮影しなければならないのですが、呼吸困難を起こしている動物にとって、このような姿勢は非常にストレスがかかります。


重度の呼吸困難の症例では、仰向けにしてレントゲンを撮ろうとしているうちに心肺停止に陥ることも。



その点、超音波検査では、動物にとって一番楽な姿勢のままで検査をおこなうことができますし、さらに、後述しますが、超音波検査からそのまま「胸水」を抜きとる「胸腔穿刺」にスムーズに進めることができます。




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超音波画像。
黒く写っている部分が、胸の中にたまった液体。


超音波で液体の貯留を確認したら、細かい診断は後回しにして、まずはこの液体を除去しなければなりません。


先日お話した「肺水腫」の場合は、肺の内部に液体が溜まっているため、物理的に液体を除去することは不可能なのですが、「胸水」の場合は、皮膚の上から胸の中に針を刺して、吸い取ってあげることができます。


胸の中の液体さえ除去してあげれば、肺そのものの働きは通常は問題ないため、劇的に呼吸状態が改善されます。


とはいえ、「胸水」が溜まってしまう原因となる疾患を治療しない限りは、再び溜まってきてしまうのですが・・・


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やや太めの注射針を、肋骨の間から胸の中に刺し込み、注射器で内部の液体を吸い取っていきます。


針を刺す時に「チクッ」と痛みはありますが、ほとんどの症例で特に麻酔など必要なく処置することができます。
必要になるとしても、針を刺す部位に軽く局所麻酔をかけるくらいです。


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この症例では約150mlの液体が溜まっていました。
血液成分を少し含むので、御覧のように薄いピンク色をしています。


この液体を分析したり、レントゲン検査や心電図検査、血液検査などのデータから、「胸水」が溜まってしまう原因になる疾患を探していきます。


心臓病が原因になって「胸水」が貯留することが一番多いようですが、その他には胸腔内腫瘍や肺腫瘍などもありえますので、慎重に診断しなければいけません。


写真の症例は、ネコちゃんなのですが、色々と検査・治療と手を尽くしたにもかかわらず、残念ながら救うことができなかった症例です。


おそらく、何らかの悪性腫瘍であった可能性が高いのですが、診断の決め手を欠くまま、病状が悪化して亡くなってしまい、非常に悔しい思いをした症例です。


横浜から毎日のように面会に通ってくださる飼い主様のためにも、なんとかお家にお返しできる状態までもっていきたかったのですが・・・


改めて、ご冥福をお祈りいたします・・・

胸に水がたまる
2012年03月16日 (金) | 編集 |
先日、天皇陛下が心臓バイパス手術後に、「胸に水がたまったために、それを除去する」というニュースがございましたね。


「胸に水がたまる」もしくは、「肺に水がたまる」ということがあります。


どちらも、同じ意味に聞こえますが・・・



実際にはこんな違いがあります。


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「肺に水がたまる」のは「肺水腫(はいすいしゅ)」

「胸に水がたまる」のは「胸水(きょうすい)」


症状としては、どちらも呼吸困難をおこします。


「肺水腫」では、空気を取り込む風船の内部に水がたまった状態。

空気を取り込むスペースがなくなり、肺のガス交換が上手くいかなくなって呼吸困難に陥ります。


一方、「胸水」では、空気を取り込むスペースそのもには問題はありませんが、その周りに水が溜まってしまった状態。

これでは、風船(肺)が膨らむことができず、結果的にガス交換ができなくて呼吸困難におちいります。

天皇陛下の「胸に水がたまる」はこっちの「胸水」のほうです。


「肺水腫」と「胸水」はレントゲンや、超音波検査で比較的簡単に区別がつきます。


どちらも、原因となる疾患が共通しており・・・


心臓病、肺腫瘍、感染症などが一般的。


ただ、実際の診療現場で遭遇する「胸水」や「肺水腫」の7~8割は、心臓病が原因のように思います。


心臓病におちいると、心臓のポンプ機能が低下し、全身の血流が滞るようになります。


血流が滞った血管からは、血液中の水分が漏れ出てしまい、それが肺の中にたまれば「肺水腫」となり、胸の中にたまれば「胸水」になるわけです。

腫瘍が原因の場合は、腫瘍組織による炎症反応によって、周辺組織に水がたまるわけですが、それが肺の中なら「肺水腫」、胸の中なら「胸水」といった具合です。


したがって、「肺水腫」・「胸水」のいずれにせよ、治療法はほぼ同じ。
まずは原因となる疾患を治療することになります。



ただ、唯一、決定的に違うのが、「胸水」は物理的に内部の液体を除去することができるということです。


つづく・・・

虫歯ですか? 2
2012年03月13日 (火) | 編集 |
さて、歯周病のため、麻酔をかけての処置となったワンちゃんの続きでございます。


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全体に中程度の歯周病があるのですが、特に右下あごの犬歯の部分がひどく、痛みもかなりの様子。



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前歯はどうにもならないので抜いてしまいました。


こうやってみると、歯茎の大部分が壊死して無くなってしまっているのが良くわかります。


処置前は、隣の犬歯もおそらく抜かなければならないと考えていたのですが、思ったよりも歯周病が進んでおらず、残して治療することができそうです。


とはいえ、あと数カ月治療が遅れいていたら、この歯もダメになっていたでしょうが・・・


さて、上の写真のように、前歯がなくなった後には、歯肉が広範囲に欠損してしまい、大穴があいています。


このままでは、すぐに食べかすなどが穴に詰まってしまい、せっかく残した犬歯があっという間に歯周病でダメになってしまいます。



かといって、これだけ歯肉が欠損してしまうと、単純に縫い合わせることもできませんので・・・



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頬と下唇の粘膜の一部を移植して穴をふさぎました。


写真で黒い塊に見えるところは縫合した糸です。



このほかの部分も、すべて歯石を取り除き、ピカピカに磨き上げております。



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手術前の状態と比べると、ピッカピカになったのがよくお分かりいただけると思います。


手術前にあった痛みもすっかりと軽減されて、ずいぶんと楽になったようです。



町田市 谷口動物病院

虫歯ですか? 1
2012年03月12日 (月) | 編集 |
「歯が緑色になっているんですが、これは虫歯ですか?」



ということでご来院いただいたワンちゃん。



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歯の付け根が黄緑色になって見えますが・・・



これは「虫歯」ではなくて、「歯石」と「歯石に付着した食べかすなどの汚れ」が混然一体となったものです。


「虫歯」とは、医学的には「齲蝕・うしょく」と言いまして、食べ物に含まれる糖質を、口の中の細菌が分解した際に発生する「酸」によって歯が溶けてしまうことを言います。


ワンちゃんでは、歯の構造、食生活、唾液の性質の違いから、人間のように「虫歯」をおこすことはめったにありません。




ワンちゃんで問題になるのは、歯槽膿漏などの歯周病であります。




写真のワンちゃんでは、付着した歯石や食べかすなどの汚れが原因で、歯茎の肉が壊死してしまっています。



他の歯も結構ひどい状態。



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全体的に歯石と汚れが付着し、歯周病が発生していますが、特に右下顎の犬歯の部分(一枚目の写真)が重度です。


この犬歯は抜かなければいけないかもしれません。


犬歯は一番見た目に関わる部分なので、抜かずに済めば良いのですが、歯周病が重度の場合はそうもいっていられません。


特に、この部分は痛みも激しいようで、このせいで食事も思うようにできていないようです。



こちらのワンちゃんは、今年8歳になったばかり。


歯磨きなどを全くやっていなかった小型犬としては、標準からやや重度の歯周病の進行度合いといったところでしょうか。



これ以上放置すると、他の歯も抜かなければいけなくなってしまいますし、何よりも、現在、痛みのせいで非常にストレスをうけている状態。


早急に対処しなければなりません。


つづく・・・


町田市 谷口動物病院

ムッシュとマダム
2012年03月10日 (土) | 編集 |
本日は、獣医療とは全く関係のないお話しでございます。



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先日、ある方からいただいた物なのですが・・・



コーヒー豆でございます。



お知り合いの方が珈琲店を経営されているそうで、そこで自家焙煎された豆だそうです。



「簑島珈琲珈房 ムッシュ」さんというようですが・・・



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こちら「ムッシュブレンド」。こちらは深煎りの豆のようです。





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こっちは浅煎りのようですね。「マダムブレンド」



キャラクターのオジサンの絵とともに、なかなか渋いネーミングであります。



どちらも、美味しくいただいております。


ちなみに、今はムッシュブレンドをいただきながらパソコンに向かっております。


そうそう、右端に写っている「じゃがポックル」。これも私大好物であります。


北海道産の厳選したジャガイモを使用し、塩も「オホーツクの焼き塩」なるものを使用。
人の目の行き届く小さな窯で、手作業の工程も多いこだわりの逸品だそうでございます。


これと同じ製造法のお菓子で「ジャガビー」というのがあるのですが、そちらは大きな釜で機械化されたラインでつくる大量生産品。
原料も北米産のじゃがいもだそうです。


この二つ、食べ比べるとハッキリと違いがわかります。


「じゃがポックル」のほうが、「ホックリ・サクサク」した食感が一段上でございます。


北海道限定品ではありますが、機会があったら是非ご賞味くださいませ。




口が開かない?? 2
2012年03月09日 (金) | 編集 |
さて、「咀嚼筋炎」を疑い、大学に送ったワンちゃんですが・・・



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アゴの筋肉がこわばって、お口が開きません。



大学でも、やはり一番に「咀嚼筋炎」が疑われるということで、血液検査をおこなうことになりました。


全身麻酔を必要とするような検査は、血液検査で上手く診断がつかなかったときに考慮するということでした。


ただ、その検査がアメリカの検査機関に依頼する必要があるため、結果が出るまでに2週間近くかかるとのこと。


その間、無治療のままでは、筋炎が進行し、アゴの硬直がさらに悪化する恐れがあります。


前回も書きましたが、「咀嚼筋炎」は免疫機能の異常が原因と考えられており、その治療には「免疫抑制剤」を使用することになります。


ただ、このお薬を正確な診断が下る前に使用してしまうと、後々に再検査や別検査が必要になった時に、正確な診断の妨げとなってしまうのです。


つまり、血液検査で上手く診断がつかない場合は、筋肉を一部切除して検査し「実際に筋炎が起きている」ことを確認する必要があるのですが、免疫抑制剤を先に使ってしまうと、筋炎が「治まってしまう」ために、後々に検査をしても正確な診断が出なくなってしまうのです。


ここが非常に悩みどころ。


「免疫抑制剤」という、ある程度副作用もあるお薬を長期間つかっていくことを考慮すれば正確な診断を優先すべきですが、これ以上、筋肉の委縮を進行させてしまうと、治療薬を使用したとしても開口障害が改善しなくなる恐れがあります。


正確な診断・治療を優先すべきか、それとも正確な診断はあきらめ、症状のコントロールを優先するか・・・


ここは、「極めて咀嚼筋炎の疑いが強く、これ以上の症状の進行も好ましくない」と判断し、治療を優先することになりました。


血液検査の結果を待つことなく、「免疫抑制剤」の投与がはじまりました。


結果、ワンちゃんのアゴの動きは改善されつつあるのですが、残念ながら血液検査では診断がつきませんでした。


となると、次は筋肉を一部切除して検査することになるのですが、そのためには一度、投与中の免疫抑制剤を中止して、症状が再発(つまり再び筋炎が起こった状態)にしてからでなければ正確な判断ができません。


これもまた悩みどころになります。


「せっかく良くなったのにまた再発させるの??」ということになってしまいます。


ここでも、「正確な診断」を優先させるか、「症状のコントロール」を優先させるかで飼い主様と大学で話し合いがもたれました。


その結果、「正確な診断」のために、症状を悪化させたり、全身麻酔をかけてアゴの筋肉を採取したりするよりは、副作用が許容範囲内ならこのまま「症状のコントロール」を優先させたいという飼い主様のご意向にそった治療をおこなうことになりました。


獣医師サイドとしては、「病気について正確に知りたい」という欲求が常にあるものですが、それ以上にまず優先させるべきは「ワンちゃん・ネコちゃんの健康・生活にとって何が一番重要か?」ということ。


私にとっても「咀嚼筋炎」を疑う症例は初めてでしたので、「正確な診断結果」を望んでいたのですが、「正確な診断はつきましたが、アゴの動きは治らないまま」ではお話になりませんからね。


町田市 谷口動物病院

口が開かない??  1
2012年03月08日 (木) | 編集 |
今日ご紹介する症例は、昨年末から2月にかけて、大学病院と連携して診断した症例でございます。



そもそもの始まりは、昨年12月末に「昼ごろから急に元気が無くて、ぐったりしている」とのことで来院されました。


身体検査で39.8度と発熱がみられたものの、それ以外には明らかな異常は見られませんでした。


念のために血液検査をしたところ、炎症に関わる数値の上昇が認められたため、抗生物質と消炎剤で治療をおこないました。


この時点では、「目に見える部分に明らかな炎症は見当たらないものの、何らかの原因による炎症・発熱による食欲不振」と診断。経過観察としました。


その後、投薬から数日で元通り元気になったということで安心をしていたのですが・・・



それから2週間ほどして、また症状が再発。

今度は、「なんだか口が上手く開かないみたい・・・」とのこと。


こちらのワンちゃん、もともとちょっと病院嫌いで、診察しようとすると嫌がって咬みつこうとしてきてしまうのですが・・・


どうも、その咬みついてくる口も上手く開かない様子。


ただ、詳しく調べようにも咬みつこうとして動き回ってしまうため、ちょっとかわいそうですが看護師さんにしっかりと押さえてもらって、お口に点滴チューブをかけて口を開きます。


私だってできれば咬まれたくないですからね~


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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、上あごと下あごに点滴のチューブを引っかけて、それでお口を上下に引っ張っているところです。


かなりの力で引っ張っているのですが、お口がまったく開きません。


がっちりとこわばった状態です。


ただ、判断が難しいのが、もともと診療を嫌がるワンちゃんなので、「お口が開かない」のか、歯を食いしばって「お口を開けない」のかが微妙なところ。


とはいえ、御自宅でもご飯を食べる時も上手くお口が開かないということでしたし、ワンワン吠える時も口を開けずに吠えているということでしたから、これはやはり開口障害があると判断するべきでしょう。



このような症状で一番に疑われる病気の一つに、咀嚼筋炎(そしゃくきんえん)という病気がございます。


免疫機能の異常でおこる病気と考えられており、自分自身の筋肉組織が炎症をおこしてしまう疾患です。


「咀嚼筋炎」では主に「咀嚼」に関わる筋肉群、つまりアゴ周りの筋肉が侵されます。


アゴを動かす際に痛みが生じたり、重度の症例では、筋肉が委縮(固くこわばって動かなくなる)してしまって、完全に口が動かせなくなってしまいます。


おそらく12月末の発熱と炎症反応はこれが原因だったのでしょう。
一時的に投薬で症状が治まったものの、それから少しづつ進行してきたようです。


もし「咀嚼筋炎」であった場合、「免疫抑制作用」のあるお薬を長期間にわたって投与する必要があります。



ある程度の有害作用もあるお薬になりますので、正確な診断をしたうえで投与を始めなければいけません。
(ちなみに、12月末に投与したタイプのお薬では、痛みを押さえることはできますが、症状の進行を抑えることができません)


この病気を診断するためには、特殊な血液検査が必要になったり(国内では測定不可)、筋肉組織を一部切除して検査したりする必要があります。


また、「咀嚼筋炎」以外にも、顎関節の異常の有無などを詳しく調べなければいけませんので、全身麻酔下での検査や、CT撮影なども考慮しなければなりません。



「咀嚼筋炎」であった場合は、治療を早くおこなうことができればアゴの機能は回復しますが、治療が遅れて完全に筋肉が委縮してしまうと、その機能が回復することは非常に難しくなります。


そのため、飼い主様と相談に、早急に大学病院と連携して診断を進めることにいたしました。

つづく・・・


町田市 谷口動物病院

本日のわんにゃんドック
2012年03月06日 (火) | 編集 |
米田ハル2012


こちら先月2歳になったばかりのハルちゃんです



昨年わんにゃんドックをうけていただいてから、もうすぐ1年なのですが、今年も継続して検査をうけていただくことになりました。



ちょっとアレルギー持ちではありますが、まだまだ若く健康そのものですので、わんにゃんドックAで基本的な健康状態をチェック



当院では、ワンちゃん・ネコちゃんの年齢や状況に合わせて、A~Cの3つの検診コースをご用意しております。



ハルちゃんのように、若いうちから基本的な健康診断を継続していただけると、万が一病気になった時も、蓄積してきたデータをもとに、正確に病状を把握することができます


また、人間に比べて寿命が短いワンちゃん・ネコちゃんですから、1年1年の体の老化、病気の進行も人間以上に早いものです。


そういった変化を見逃さず、適切な健康管理をする上でも、日常的な健康診断は非常に有効。



当院が力を入れている診療分野の一つが「わんにゃんドック」や「歯石クリーニング」などの「予防医療」です。




「病気になってから」ではなく、「病気にならないように」皆さまの大切なワンちゃん・ネコちゃんの健康に是非お役立てくださいませ

京橋にて・・・
2012年03月05日 (月) | 編集 |
日曜日の診療後、急いで町田駅へ向かい、小田急線から東京メトロと乗り継いで、銀座をすぎて京橋へ・・・





向かった先は・・・








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明治の「100%チョコレートカフェ」







・・・では、ありません。





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用事があるのはこっち。





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麻酔・疼痛管理に関するセミナーでした。


明治製菓には製薬部門がありまして、そちらが主催する勉強会でした。



本当はゆっくり昼食をとってからの参加のつもりだったのですが、午前中の診療が長引いてしまい、駅に到着したのが開始20分前。


空腹のまま3時間の講義は厳しいので、とりあえずスタバのサンドイッチを購入しての参加でございました。



それにしても、先ほど「100%チョコレートカフェ」のホームページを見ましたが・・・




「チョココロネ」おいしそうですね~


昼間は外に行列ができるくらいでしたが、帰りはガラガラだったので寄ってみれば良かった・・・

尿閉(にょうへい)
2012年03月03日 (土) | 編集 |
「尿道閉塞」を獣医療者は略して「尿閉(にょうへい)」と呼ぶことが多いのですが・・・



原因は様々・・・


尿道結石で閉塞することもあれば、尿道栓子(にょうどうせんし)といって、膀胱炎の際の炎症産物やミネラル分がドロドロの塊になったものが詰まることもあります。



特に、オス猫ちゃんに多い疾患です。

「尿閉」になると、おしっこをしたくても出ないわけですから、「何度もトイレに行くのに、ほとんどおしっこがでない」ということになります。

通常の膀胱炎でも、同じように何度もトイレに行く症状が見られますが、「尿閉」の場合は、尿が出ずに固く緊張した膀胱を触診することですぐにわかります。


最悪の場合は膀胱破裂をおこしてしまい、命に関わることもあるので、注意が必要です。



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オス猫の尿道は非常に細く、特にその出口の部分は1~2mm程度の太さしかありません。


そのため、砂粒程度の尿石や、前述の尿道栓子のような些細なものでも閉塞をおこしてしまうのです。


上の写真は「尿閉」をおこしたネコちゃんのペニスの先端。


赤く腫れているのがわかると思いますが、ここに「尿道栓子」がつまっています。



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つまった尿石や栓子は、まずカテーテルで一度押し込むような形で除去します。

そして、採取した尿をしらべて、閉塞の原因になった物質を特定し、それに対しての治療をおこないます。


尿石なら手術で取り出したり、尿石症用の食事に変更したり。

膀胱炎による炎症産物が栓子を形成しているようなら、膀胱炎の治療といった具合。


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こちらのネコちゃんは、どうやら膀胱炎が原因のよう。
肉眼で見ても、尿の中に白いモヤがういているのがわかります。膀胱炎の際に発生した、血液細胞や炎症細胞などがこのようにモヤモヤとして見えています。


これが集まって塊になったものが、尿道に詰まってしまうわけです。







狂犬病検診
2012年03月02日 (金) | 編集 |
こちらの書類・・・

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咬傷事故の際の「狂犬病検診」の書類です。


どういうことかというと・・・



「飼い犬が誤って人を咬んでしまった場合は、その旨を24時間以内に最寄りの保健所に届け出るとともに、48時間以内に獣医師による狂犬病の検診を受けさせなければならない」


ということが東京都の条例で定められております。(町田市ホームページ


そのための書類ですね。



通常は事故発生から48時間以内に1回。その後、1週間間隔で1~2回の検診を受けて、咬傷事故をおこしてしまった
ワンちゃんが「狂犬病にかかっていないこと」を確認いたします。




「ワンちゃんが人を咬んでしまったら届け出が必要」って御存知ない方のほうが多いのでは?


こういったことをしっかりと手続きしておかないと、「無責任な飼い主だ!」と相手の方(怪我をさせてしまった)を必要以上に怒らせてしまうことにもなりかねません。

スギ花粉アレルギー
2012年03月01日 (木) | 編集 |
昨日は近年まれにみる大雪でございましたが、今日の午前中は春の陽気でしたね。



ずいぶんと変化の激しいお天気です。


明日以降からは、また徐々にあったかくなってくるようです。


そうなると、いよいよ本格的な花粉シーズンの到来ですね。


人間ではスギ花粉というと鼻炎や結膜炎などの症状をおこす「花粉症」が代表的ですが、ワンちゃんでは皮膚の痒みが生じる「アレルギー性皮膚炎」が一般的。



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こちら、スギ花粉のアレルギーで皮膚に痒みが生じてしまったワンちゃんの写真。


毛が白いのでわかりにくいですが、膝の部分の毛が短くなってしまっています。



痒くで自分で齧っているうちに毛が擦り切れてしまったのです。




どのようなメカニズムで発症するかというと・・・


皮膚に付着したスギ花粉のアレルギー成分が、皮膚から体内に侵入していき、それによってアレルギー反応が発生します。


驚くことに、スギ花粉やハウスダスト(チリダニの糞や死骸)などのアレルギー物質には「酵素作用」があり、それが皮膚細胞の構造を破壊してしまうことで、アレルギー物質が容易に体内に侵入してしまうというのです。

それ以外にも、スギやヒノキの花粉には、体内の炎症物質と似た性質の物質が含まれているそうで、それ自体も皮膚炎を悪化させる働きがあると考えられています。


ですので、アレルギー性皮膚炎をおこしているワンちゃんでは、いかにしてアレルギー物質の体への付着を防ぐかが大切。


それと同時に、付着したアレルギー物質をいかに素早く除去するかということも重要です。


お散歩のときにはお洋服を着せてなるべく肌の露出を避けることも有効。


また、散歩から帰った時には、ブラッシングや、タオルでふくなどして、付着した花粉などを落とすことも大事です。