町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
年末年始の予定
2011年12月27日 (火) | 編集 |
2011年末休診

いまさらですが・・・


すっかりブログでの告知を忘れていましたが、年末年始の診療予定です。


通常診療は今日まで。


年末は午前診療となっておりますので、ご注意くださいませ。


ブログの更新も今年は今日でおしまいです。


来年も、なるべくワンちゃん・ネコちゃんの健康管理に役立つような情報、様々な病気の情報を解りやすくとりあげていきたいと思います。


ぜひ、来年も引き続きブログをご覧いただければ幸いです。。。


では、皆さま良いお年を・・・



そうそう。。。


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この子は、先ほど、里親さんに引き取られていきました。


新しいお家で、年末年始たっぷりとかわいがってもらえそうです。

本日のわんにゃんドック
2011年12月26日 (月) | 編集 |
今年最後のわんにゃんドックは・・・



MIX猫のミーちゃん。



今月3歳になったばかりの男の子です。



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ちょっと緊張のため視線がどっかに行ってしまっていますが・・・



大きな問題もなく、飼い主様にもご安心いただくことができました。



ところで・・・


ミーちゃんの置き土産が・・・



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何だかわかりますか?



大きさは縦横5mm程度の物。



石のように固い代物です。



正解は来年に・・・





脾臓の腫瘍
2011年12月24日 (土) | 編集 |
脾臓という臓器を御存知でしょうか?



肝臓や腎臓に比べれば、ちょっと存在感の薄い臓器ですが・・・


左わき腹の、胃のすぐ横にはりついている臓器です。


どんな働きがあるかというと・・・


免疫機能に関わりを持っていたり、古くなった血液を処理したり、血液を一時的に貯蔵したりという、血液系に関わる臓器です。


血液系に関わる臓器ですので、血液・血管系の腫瘍が発生しやすい部分です。



特に「血管肉腫」と呼ばれる悪性腫瘍が代表的。急速な増殖と、広範囲への転移を特徴とする腫瘍です。


その他にも、結節性過形成(簡単にいえば内臓にできたおでき)や血腫(大きな血豆みたいなものをイメージしてください)など良性のものもできます。


今までは、これらの腫瘍の早期発見は難しかったのですが、最近ではわんにゃんドックなどでの積極的な超音波検査でかなり早期に発見することが増えてきています。


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直径1cmに満たない小さな腫瘤。ラブラドールレトリバー



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ヨークシャーテリア



これらの腫瘍が「悪性なのか?」 「良性なのか?」ということは、超音波検査だけで確定することはできません。


摘出手術をおこなったり、皮膚の上から注射針や特殊な機材で腫瘍部分の細胞を採取して検査することになります。


ただ、この程度の小さな「しこり」の段階であれば、まずは定期的な経過観察で様子を見ます。


このまま特に大きさに変化が無ければ様子見で大丈夫ですし、急な大きさの変化があれば積極的な検査をおこないます。


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こちらの症例は直径5cm近くとだいぶ大きな腫瘍です。


このくらいの大きさの腫瘍でも、必ずしも悪性とは限りません。


ただ、脾臓にできた腫瘍は、良性・悪性に関わらず、巨大化した時に突然大出血をおこして命にかかわることがあります。


そのため、ある程度の大きさのものは、積極的な切除を考えたほうが良いと思われます。


このワンちゃんも、腫瘍の中心よりやや下の部分に黒く抜けた部分がありますが、この部分はおそらく内出血をおこしたものと思われます。


これが、腫瘍内の出血であればおおごとになりませんが、腫瘍の外側に出血をすると大出血になることがあります。


私が獣医師になったばかりのころは、ようやく超音波検査が一般の獣医師にも浸透し始めたばかりの頃。


このように早い段階で内臓の腫瘍が見つかることはほとんどなく、巨大化した腫瘍がある日突然大出血をおこして、ショック状態で動物が担ぎ込まれることがほとんどでした。

うれしい御提案
2011年12月23日 (金) | 編集 |
こちらのお手紙、昨年の6月に歯石治療をおこなった飼い主様からいただきました。



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昨年6月に歯周病治療のために当院にご来院いただいたのをきっかけに、それ以降も定期的に検診等で通っていただいているワンちゃんです。



当院では、「病気を治す」ことはもちろんですが、それ以前に「病気にさせない」ための予防医療に力を入れています。


「わんにゃんドック」での定期健診や、歯周病治療などなど。


そういった、予防医療の大切さを、少しでも飼い主様方に解りやすくお伝えするために、ブログでの情報発信や、待合室に「歯石治療の症例集」を置いておくなどの工夫をしております。


そのことを知った飼い主様が、


「せっかくだから、歯石クリーニングをうけた飼い主さんの感想など載せたらどうかしら?」


と、御提案くださったのです。



「自分自身も、不安な気持ちで歯石クリーニングを受けたけど、やってみてすごく良かったと思っているので、やろうかどうしようか迷っている飼い主さんの参考になれば・・・」


とのお言葉。



こういった、御提案を、飼い主様自らしていただけるというのは、本当に有難く、嬉しいことです。


この御信頼のお気持ちを裏切らないように、スタッフ一同、より一層努力を続けなければいけませんね!

デラックススィート?
2011年12月22日 (木) | 編集 |
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里親さんは決まったものの、引き渡しの日程が決まらず・・・


いまだ居候中。



猫用ケージ内では狭くなってかわいそうなので・・・




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デラックススィートルームに部屋替え・・・


使うことの少ない、大型犬用の2列ぶち抜きケージです。



これでも、遊び盛りには狭い狭い!


段ボールハウスがひっくり返るくらいの大運動会をしてくれます・・・

子供たち・・・
2011年12月20日 (火) | 編集 |
先日の日曜日に、ある集まりに参加してきました。



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こんな気のいい兄ちゃんたちや・・・




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こんな可愛らしいお嬢さんに・・・

ようやくお酒を飲めるようになったばかりの学生さんなどなど・・・



どの参加者も、私よりも10歳~15歳も年下のメンバーばかり・・・



彼らと私にいったいどんな接点があるのかというと・・・



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こんなつながりです。



私は学生時代の6年間(獣医学科は6年制)、体操教室でアルバイトをしていました。


もともと、高校時代に器械体操部に所属しており、大学でも続けたいと思っていたのですが、残念ながら日大の藤沢キャンパスには体操部はありませんでした。

それでも、何か器械体操に関わりたいと思い、スポーツクラブの体操指導のアルバイトに応募したのです。



この日、集まったのは、選手コースで指導に関わった子供たち。


なんだかんだで、在学中の6年間+勤務医になってからも2年間くらい関わってきた子供たちです。

教え始めた頃には幼稚園や、小学校3年生くらいだった子たちが、私が大学を卒業するころには6年生や高校生になり、そして今はほとんどが社会人に・・・

これまで数年ごとに会っていた子もいれば、大学卒業以来10年ぶりに会う子も。

でも、不思議と10年あっていなくても、一目で誰だかわかりました。

皆、すっかり大人になって、服装や髪形も違えば、髭を生やしていたり、お化粧をしていたり・・・

それでも、子供たちの笑顔と眼差しだけは当時と全く変わっていませんでした。


彼らを指導していた頃は、私もまだ19とか20歳になったばかり。

今の彼らよりもまだ若いくらいの年齢。

私自身がまだまだ子供で、彼らに必要以上に厳しくしてしまったり、心ない言葉で傷つけてしまったりしたのではないかと、今でも後悔することはたくさん。

それでも、精いっぱい彼らに体操の技術を伝え、礼儀や人への感謝の気持ちなど、「人としてどうあるべきか」という自分自身の信念も含めて彼らに伝えてきたつもり。

そして、十年以上経って再会した彼らは、皆、私がこうあってほしいと願ったとおりの大人になっていました。


大きな声では言えませんが、当時は、大学の勉強よりも彼らの練習が最優先。

実習を抜け出して練習にいったりしたことも度々。

研究室に入る時も、体操指導の時間が取れることを最重視して研究室を選んだり・・・

大学の同級生との思い出よりも、彼らとの思い出のほうが豊富。


獣医師になってからは、「もっと勉強しとけばよかった」とちょっと後悔することもありましたが、日曜日に彼らに会い、成長した姿を見た時に、

「この子たちの人生に関われて本当によかった。」

と、とても幸せな気持ちになりました。


彼らの中には、現在は指導者として体操に関わっている子たちも多数。


10年後の彼らが、今の私のように、可愛い教え子に囲まれて一杯できるような、厳しくも愛情にあふれた指導をしてほしいものです。


よく、「親は子供とともに成長する」というような事を言いますが、まさしく、私自身も彼らとともに過ごす中で、人としてたくさんの事を学び、成長させてもらいました。

本当に、ありがとう。

もっと、一人ひとりとゆっくり話をしたかったのですが、あっという間に終電の時間になってしまいました。


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中央が私。隣の女性は当時の上司。



最後は一人一人と握手。

男の子たちの手は私よりたくましく、女の子たちの手は柔らかく綺麗な大人の女性らしい手をしていました。

こんなところでも、改めて子供たちの成長を実感。

本当に皆立派になったね!

本日のわんにゃんドック
2011年12月19日 (月) | 編集 |
先週おこなった、わんにゃんドックの御紹介。



今年5歳になったミケネコのまるちゃん。



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まるちゃんの飼い主様は、当院の待合室でもおなじみの「おいでよ動物病院」の作家さん。



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勤務医時代に先代猫のアゴちゃんを診させていただいてからのお付き合いです。



当院が開院して間もない頃に、対談をさせていただいたりもしました。


まるちゃんも初めて診察した時は、まだちっちゃな仔ネコちゃんだったのですが・・・



あれから5年。すっかり大きくなって見違えるようです。



たらさわさんのブログで様子を拝見はしていましたが、実際に会うのは4~5年ぶりではないでしょうか?



以前から、「取材も兼ねて、ドックを受けたい」とご相談を受けていました。



ただ・・・一つ非常に残念なのが、兄弟ネコのビキちゃんという子もいらっしゃったのですが、今年の9月に急な御病気でお星様になってしまっており、まるちゃん1人でのドックになってしまったこと・・・



まるちゃんの身体検査をしながら、5年前にまるちゃん・ビキちゃん二人揃ってワクチンを接種した時の光景を思い出し、あの時のミルクティー色したかわいらしいビキちゃんはもういないんだな・・・と、とても寂しく感じました。



改めて、ビキちゃんのご冥福をお祈り申し上げます・・・

タオルの齧りすぎ? 重度の歯周炎 ②
2011年12月17日 (土) | 編集 |
さて、重度の下顎切歯(前歯)の歯周炎のワンちゃん。


抜歯したはいいけど、抜いた所にぽっかりと大穴があいています。


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このままでも、上手くいけば歯肉が盛り上がって再生する可能性はあります。


ただ、上手く再生するまでに、この部分に食べかすなどが詰まってしまうと、ますます歯肉炎が悪化してしまい、せっかく残した犬歯までダメになってしまう危険性も大きい。



そこで、できればこの穴を塞いであげたいところ。


このまま単純に縫い合わせて閉じることができれば一番良いのですが、このワンちゃんではすでに歯茎の肉の大部分が歯肉炎で壊死してしまって、縫い合わせるための「縫い代」が足りない状態。


そこで、歯茎の肉を一度切り開き、その下の邪魔になる骨などを削って、必要となる縫い代を確保します。


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上の写真は、歯茎の肉を一度切り開いて、顎の骨をむき出しにした状態。銀色の器具で指示しているあたりが下顎の骨。


本来は、犬歯の部分まで骨がおおっていなければいけないのが、歯周炎がひどいため、骨の一部が壊死してしまい、隙間があいてしまっています。


この部分の骨を一部削り取り、歯茎の肉を整形して縫い代を稼ぎだします。


そうやって縫い合わせたのがこの状態 ↓




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歯茎の色が黒っぽい部分があるので解りにくいかもしれませんが、綺麗に縫い閉じて、犬歯の周囲にあった隙間もなくなっています。


ところで、表題には「タオルの齧りすぎ?」とありますが・・・


どういうことかというと・・・


このワンちゃん、今年7歳になるダックスちゃんなのですが、下あごの前歯以外は軽く歯石が付いている程度で、それ程歯周病は進行していませんでした。


ですが、なぜか上下の切歯(前歯)だけが極端に歯周病が進行した状態。その中でも、特に今回ブログでとりあげたように下顎の切歯(前歯)がひどい状態。


なぜそうなったかというと、おそらく「タオルでの引っ張りっこ」が原因と思われます。


このワンちゃん、日常的な遊びとして、お母様との「タオルの引っ張りっこ」が大好きということ。


「タオルの引っ張りっこ」をやると、当然、前歯に強く負担がかかります。


牽引力による負担だけではなく、タオルの線維が歯の隙間に食い込むことによって、歯肉が痛んでいくものと思われます。


どうやら、それによって前歯だけに極端に歯周病が進行したようです。


このワンちゃんには「引っ張りっこ遊び禁止令」を発令することとなりました。

タオルの齧りすぎ? 重度の歯周炎 ①
2011年12月16日 (金) | 編集 |
先日、歯周病治療をおこなったワンちゃん。



特に、下の前歯の症状が重度。



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1~3まで番号をふっているのが、下あごの切歯(前歯)。


3番目の異常は明らかですね。


歯周炎で、歯茎が壊死してしまい、根っこが半分くらい見えてしまっています。

黄色のラインが本来の歯茎の位置。


さらに、その影響で犬歯もかなり危ない状態。


1番、2番は写真では解りませんが、根っこが痛んでグラグラの状態です。


ここまで歯根が痛んでしまうと、抜いてしまうしかない状態。


これを放置してしまうと、犬歯がさらにダメージを受けてしまい、この犬歯まで抜かなければならなくなります。


今ならまだ犬歯を生かすことができそうということで、急いで歯周病の治療をおこなうことになりました。


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前歯を抜いた状態。歯石もクリーニングしているので、一枚目の写真と比べると歯がピカピカです。


歯周炎で歯茎の肉がかなり痛んでおり、一部は壊死してしまっていたため、このままでは縫い閉じることができない状態。


そこで、一度、歯茎の肉を切り開いて、整形してから縫い合わせる手法をとります。


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歯茎を切開し、下にペロンとめくった状態。


写真では見えませんが、私の左の親指でめくった歯茎を押さえている状態。


銀色の器具で押さえているあたりに、角ばった白いものが見えていますが、これは下あごの骨の一部。


ここに前歯がはえていたわけです。


良くみると、犬歯との間にぽっかりと隙間があいています。



ここには、本来なら3番の前歯(最初の写真を参照)を支えるための骨があったはず。


それが、重度の歯周病で骨まで溶けてしまった状態なのです。



つづく・・・

12月15日は・・・
2011年12月15日 (木) | 編集 |
12月15日は当院にとって特別な日です・・・



看板 2


2008年12月15日に開院してから、今日でちょうど3年。


開院記念日です。



院長として病院を考えた時に、診療と経営の両面を考えなければいけません。


3年間たって当院はどのように成長したのか?


診療という面では、たくさんの患者様に御信頼いただき、スタッフも順調に成長し、確実にレベルアップし、質の高い医療を提供できるようになったと自負しております。


この質の高い医療というのは、単に技術面だけの話ではありません。



常に院内を清潔に保ち、快適な待合室・診療室・入院室の空間を維持すること。




わんちゃん・ネコちゃん、そして飼い主様の気持ちを思いやり、ハートに寄り添った受付・診察・看護。



思いやりの心と、確かな技術の両面を、確実に高めていくことが大切。



もちろん、開業当初よりもレベルアップは実感するものの、まだまだ高みを目指さなければいけません。


今日までの3年間蓄積してきたものの上に、さらに努力を積み重ねて、開業から5年、開業から10年と確実に歩みを進めていきたいものです。



一方、経営のほうはというと・・・



これについては、まだまだ思ったようにいかないというところ。



やはり、3月の震災の影響というのは大きいようです。


病院を開くにあたって、テナントの改装費や、医療機器の購入など、数千万円の費用がかかるわけですが、当然、勤務医でそんなお金が稼げるわけがないので、大きな借金を背負って開業するわけです。


勤務獣医師のお給料って、おそらく皆さんが想像するよりずーっと安いんですよ。


で、開業してから数年はその借金の返済に追われるわけです。


開業から3年でもう少しゆとりが持てている予定でしたが・・・やはり、震災含め世界的な不況という今の状況下では致し方ないというところ。


私の目指す理想の医療を実現し、継続するためには、安定した経営というのは不可欠。



最先端の医療知識を学ぶための学会参加費や書籍の購入などの費用。



医療器具・機器の充実にかける投資。



優秀なスタッフに、長く安心して働いてもらうための十分な給与に福利厚生。



いわゆる「もうけ」のためではなく、より質の高い充実した医療を皆さまに提供するための安定した経営・収入になるように、経営者としてはもっともっと努力が必要なようです。



また、新たな一年、信頼のおけるスタッフとともに、一日一日、誠実に診療を続けていきたいと思っています。








本日のわんにゃんドック
2011年12月13日 (火) | 編集 |
こんど2歳になるトイプードルの小町ちゃんです。



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まだ、2歳と若いのですが、「初めてだからこそ、一度全部見ておこう」ということでわんにゃんドックCをうけていただきました。



当院では、一般的には「~5歳まではわんにゃんドックA、5~10歳はB、10歳以上はC」というのを目安にしていますが、小町ちゃんのように、まずはわんにゃんドックCで一度徹底的に調べておいて、それ以降はしばらくはわんにゃんドックAで定期健診というのも良いのではないでしょうか。



10歳を過ぎれば、人間でいえば40代以上ということですから、毎年のわんにゃんドックCをお勧めしますが、それ以前は、たとえば3年ごとにわんにゃんドックCをうけて、その間は毎年Aで簡易チェックをしておくというのもお勧めです。


私も今年の春先に人間ドックを受けまして、脳ドックも含めてフルコースだったのですが、その時に「年齢的に脳ドックは次回3年後で大丈夫」と言われております。


ですので、来年はそれ以外の一般的な項目でドックを受ける予定です。



話はそれましたが、こんな風にその子の状況に合わせてコースを選んでいただけるのが当院のわんにゃんドックでございます。

仔ネコのその後・・・
2011年12月12日 (月) | 編集 |
リクエストがあったので、子猫のその後について・・・




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まだいます。



なんだかんだで2カ月半。




そもそも、このミケコは近所の中学生が保護してきた仔ネコちゃんでした。


当院は保護シェルターをやっているわけではないので、基本的にノラ猫ちゃんの保護は受けていません。
(スタッフ数が少ないため、診療活動を最優先するためです)



治療を希望される場合は、保護者の方に一時的な飼い主様となっていただいて、その方の飼いネコちゃんとして治療をさせていただくことになります。


ただ、今回はいろいろありまして特例として保護に協力。



中学生さんたちには、自分たちで里親さんを探してもらうことにして、病院で保護・治療をひきうけておりました。



私は個人的に、「最後の最後まで面倒みれないなら拾うな」と考えております。



「かわいそうだから・・・」で拾ったはいいけど、「あとは誰かお願い」というのはあまり好きではありません。



一度自分が手を出した命には、最後まで責任を持ってもらいたいのです。


そもそも、ノラ猫ちゃんを拾って、新たな里親さんを探すのが、はたして本当にそのネコちゃんにとっての幸せなのか・・・?


とも思うわけです。


とはいえ、



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こんな顔しているのを見過ごすことができないという気持ちも十分に理解しております。


ですので、中学生さんたちには、病気については私が引き受けるので、この子の行く末については責任をもって考えてもらいたいと思っていたのです。



ただ、現実には難しいだろうなとは思っていました。



そもそもこの子はウイルス性の呼吸器疾患を患っており、この疾患は今後も再発の可能性が常にあります。


また、ノラ猫ちゃんの10~30パーセントはネコの白血病ウィルスや猫エイズウイルスに感染しているというデータがあります。


したがって、この仔ネコちゃんの里親になった方は、再発するかもしれない呼吸器疾患と、最悪、白血病ウイルスや猫エイズウイルスに感染している可能性があることを納得していただいたうえで引き取っていただかなければなりません。



この話を聞いて、いいですよといってくださる方はなかなかいません。




ノラちゃんを保護するということは、こういった伝染病を生まれながらにして持っているリスクも含めて考えなければならないのです。


少なくとも、動物病院で保護したノラちゃんであれば、そういったリスクについて正しくお伝えしたうえで、里親になるかどうかを判断していただかなければなりません。


それが、獣医師の責任ですからね。


で、やっぱり中学生さんが連れて来てくれた里親さん候補も、皆さんこのリスクについて聞いた後は音沙汰なし。


そんなもんです。



中学生さんたちが里親さんを見つけられなければ、当院でなんとかするつもりでいましたので、その辺は覚悟の上。


一度手をだしたら、最後まで責任を持たねばなりません。



とりあえず、保護から2か月は中学生さんたちに頑張ってもらい、そこから先は当院でも積極的に里親さんを探す予定でした。



・・・が、あっさりとスタッフの知り合いの方が引き取ってくださることになったので一安心です。




ちなみに、猫白血病やエイズウイルスについては確認済み。


大丈夫でした。



エイズウイルス・白血病ウイルスの感染の有無は血液検査で調べることができるのですが、ウイルスには潜伏期があるので、保護から2か月以上経たないと正確な結果を得ることができません。



それもあって、結果がはっきりするまでの2か月の間は当院としても積極的に動いてなかったわけです。



「かわいそう」で拾うのは簡単。


そのあと責任もって面倒をみることの大変さ、里親さんに一つの命を託すことの責任の重さを今回のことで知っていただければ幸い。

猫毛フェルト
2011年12月10日 (土) | 編集 |
ネコちゃんの抜け毛でつくる「猫毛フェルト」って御存知ですか?




私も、なんとなく「そんなのがあるみたいだな~」くらいにしか知らなかったのですが・・・





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患者様からいただきました



お家にいる3頭のネコちゃんの毛を使用した作品。



待合室に飾ってありますので、ぜひご覧ください



ムーちゃん・ミーちゃん・モーちゃんありがとう





重度歯槽膿漏 ③
2011年12月09日 (金) | 編集 |
さて、歯周病の犬歯を抜いたのはいいのですが・・・






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重度の歯肉炎・歯周炎で周辺の歯肉が壊死してしまっているため、抜いた後を縫い閉じようにも、歯茎の肉自体が存在しません。



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抜歯前の状態
本来なら黄色いラインのところまで歯肉が存在するはず




じゃ、どうするか?



形成外科の技術を使います。



といっても、初歩的なテクニックですが・・・




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ほっぺたの内側の粘膜を剥離し、抜歯した穴を塞ぐことができるように整形・移動して移植するわけです。



一つ上の写真で、ちょうどガーゼで押さえているあたりの頬粘膜を剥離して移植しています。




こういった処置をしっかりとしておかないと大変なことになります。



先日お話ししたように、犬歯の根っこのすぐ内側は、薄い骨一枚を隔てて鼻の穴になっています。


そこの骨が炎症をおこして壊死してしまうと、鼻の穴と口の中がつながってしまう、「口腔鼻腔ろう」という状態になってしまいます。


これになってしまうと、食べたもの、飲んだものが口から鼻の中に侵入してしまうことになり、慢性的な鼻炎に悩まされることになるのです。


この「口腔鼻腔ろう」は、重度の歯周病が進行した結果として起きることもあります。


今回のワンちゃんも、今回手術をせずにそのまま放置していれば、近い将来そうなっていたかもしれません。

重度歯槽膿漏 ②
2011年12月08日 (木) | 編集 |
さて、歯周病の治療をすることになったワンちゃんですが・・・



今回一番の難敵は・・・



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この左上の犬歯。



重度の歯槽膿漏で周辺の歯茎も顎の骨も溶けてしまった状態。



ヘドロのように溜まった食べかすを除去すると・・・



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いかにひどい状況かが明らかになります。


黄色い点線部分が本来の歯茎の位置。


重度の歯周病で歯茎の肉や顎の骨が溶けてしまい、歯の根っこがむき出しになっています。


犬歯の部分は大変ひどい状態。



この3本の歯を抜いて、壊死組織を除去し無ければならないのですが、写真で見てわかるように、犬歯は非常に頑丈で根っこの深い歯なので、無理やりに引き抜こうとすると重要な血管を傷つけたり、周辺の骨を痛めてしまいます。


特に、犬歯の根っこのすぐそばには重要な血管がありますし、犬歯の内側は鼻の穴と隔てる非常に薄い骨があります。

無理な力がかかると、大量出血や、鼻の穴を隔てる骨が破損してしまうなど、重大な問題がおこるのです。


そのため、この歯は外科的抜歯をおこないます。



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苦手な方はクリック注意!

周辺の歯茎の肉を切開し、ベロッとめくり上げ、犬歯周辺の歯槽骨(顎の骨)をむき出しにします。


次に、犬歯の歯根周辺の歯槽骨をドリルで削り、可能な限り歯根を露出します。


こうすることで、抜歯の際にかかる物理的な力を軽減し、周辺の血管や骨への負担を軽減します。


そうやって抜いたのがこの状態。



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クリック注意!



こうやってみると、いかに犬歯の歯根が顎の骨深いところまで伸びているかが良くわかると思います。


さて、抜いたはいいけど今度は別の問題。



でっかい大穴をあけたはいいけど、この穴をふさぐために必要な歯茎の肉は、歯周病のためにとっくの昔に壊死して無くなってしまっています。


このままでは、この穴を塞ぐことができなくなってしまいます。



さてどうするか・・・



もちろん、手立ては考えていますよ!


つづく・・・

重度歯槽膿漏
2011年12月06日 (火) | 編集 |
先日、歯周病治療をおこなったワンちゃんの歯の状況・・・




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前歯が歯槽膿漏でガタガタです。


11歳の柴系MIX犬の男の子。


今年の9月に狂犬病ワクチン接種のために、初めて当院にいらっしゃった際に見つけました。


こんな状態でも、本人は痛みを訴えることもできず、飼い主様は気づいていらっしゃいませんでした。


いままでも何度もお話ししてきましたが、ここまでの歯周病になって痛くないわけがありません。


ワンちゃんの中には、痛みからご飯を食べなくなったりすることで、飼い主様が気がつくこともあります。


ですが、今回のワンちゃんのように、黙って痛みに耐えていることもあり、その場合は余計に飼い主様の発見が遅れてしまいます。


特に、このワンちゃんはもともと飼い主様が前足に触れたりしただけでも「ウーッ」と唸るようなことがあり、飼い主様もお口の悪臭には気づいていたものの、そこまで観察することができなかったということもあります。


それは仕方が無いにしても、私が「なんでだろう?」と不思議に思ってならないのが、このワンちゃん、今年の9月に当院にいらっしゃるまでの11年間、どちらか別の獣医さんに診ていただいていたようだけど・・・・・






・・・・・・・ま、それは置いといて、



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特に今回の治療で大変なのが、この左上の犬歯の部分。



重度の歯槽膿漏で、犬歯周辺の歯茎の肉が壊死しています。


そこに、大量の食べかすや本人の毛(毛づくろいした時に挟まったもの)が詰まっています。


この写真では見えませんが、壊死したのは歯茎だけではなく、犬歯周辺の上顎の骨も壊死して溶けてしまっています。


つまり、むき出しになった上顎の骨の周辺に、ヘドロのようになった腐った食べかすが詰まっている状態。



これがいかにひどい状態か、自分自身のお口で想像してみてください・・・



こんな状態でも、ワンちゃんは誰かが気づいてくれない限り、耐え忍ぶしかないのです。



もっとも、気づいても治療してもらえないこともあるわけですが・・・




このワンちゃんはもちろん治療をおこなうことになりました。


つづく・・・










本日のわんにゃんドック
2011年12月05日 (月) | 編集 |
わんにゃんドックの話題を2症例ほど・・・




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やや笑顔がこわばり気味のMIX犬の福ちゃん。




昨年もドックを受けていただいており、継続での検診です。



健康診断は継続してうけていただくことが大切。



当院では、飼い主様のご負担を少しでも減らせるようにと、毎年継続してわんにゃんドックを受けていただいた方には、「継続割引」をおこなっております。




続いては、13歳になるラブラドールのホワちゃん。



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ラブラドールで13歳というとかなりの御高齢。



すでに問題を一つ抱えており、それについて今後どう対応していくかを見極めるために、一度、一通りの精密検査をして、「現状をしっかりと把握しておきましょう」ということでのわんにゃんドック。



どちらのワンちゃんも、大きな問題はなく、飼い主様にも一安心していただくことができました。

産後の低カルシウム血症 ②
2011年12月03日 (土) | 編集 |
さて、出産後の低カルシウム血症の続きですが・・・



出産後の過剰な授乳に、体内のカルシウム供給が追い付かずに発症する低カルシウム血症。



カルシウムは、神経の伝達機能に重要な関わりを持っていますので、カルシウムが急激に不足すると、痙攣発作などの神経症状が発現します。



治療は、当然、不足したカルシウムを補うこと。


すぐに点滴を静脈につなぎ、カルシウム剤を投与します。


ただし、過剰なカルシウムの投与は、心機能にも悪影響を及ぼしますので心電図などで監視しながら投与します。



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手足につながっているコードが心電図のコード。



通常は、カルシウムの濃度が上がればすぐに症状は改善します。



ただ、根本的な問題は、母体がミルクの需要を賄いきれないことです。


そのため、低カルシウム血症になってしまった場合は、人工哺乳に切り替え、授乳による栄養的な負荷を軽減する必要があります。


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よっぽど症状がひどい場合は100%人工哺乳の方が安全ですが、様子を見ながら母乳も与えます。


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すごい飲みっぷりです。



お母さんの事を考えると、もうちょっと遠慮して飲んだもらいたいものです・・・

産後の低カルシウム血症 ①
2011年12月02日 (金) | 編集 |
さて、予告から数日たってしまいましたが、産後の低カルシウム血症についてでございます。



「低カルシウム血症」とは、血液中のカルシウム濃度の低下によって発症するわけですが、副甲状腺(カルシウム濃度の調節をする臓器)の異常や腎不全などによって引き起こされます。。。。



。。。が、一番一般的で、急激に症状が現れるのが産後の低カルシウム血症です。



「子癇」とか「産褥テタニー」とも呼びます。



これは、出産後の授乳期に、急激に増加するカルシウム需要(母乳を産生するために)に体が対応できずに、カルシウム不足になってしまうことで発症します。



小型犬に多くみられます。



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体重3~4kg程度しかない体で、体重200~300gの赤ちゃんを何頭も面倒見なければならないので、その栄養的な負担は非常に大きなものです。


単純計算で人間に当てはめると、体重50kgの女性が4~5kgもある赤ちゃんを3人も4人も母乳で育てるようなものです。


出産後、はじめの数日は持ちこたえるのですが、1週間ほどして赤ちゃんが成長し、授乳量が急激に増えるころに症状が出ます。


で、どういった症状が出るかというと・・・




元気、食欲の喪失はもちろん、痙攣発作、発熱、パンティング(ハッ・ハッ・ハッと舌を出す呼吸)がみられます。


特に、産後の低カルシウム血症は症状の発症が急激なのが特徴。


朝まで普通にしていたのが、急に足腰が立たなくなり、ぶるぶると痙攣しはじめます。



カルシウムというと、一般的には骨の成長に関わるイメージが強いと思いますが、実は神経の伝達機能にも非常に大切な関わり思っています。


そのため、急激なカルシウムの低下で痙攣などの神経症状がみられるのです。



当然、緊急治療が必要な状態。


このような事態に陥った場合は、すぐに点滴をつなぎ、カルシウム剤を注射で投与しなければなりません。



続く・・・