町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
外歯ろう(眼窩下膿瘍) 2
2011年08月29日 (月) | 編集 |
さて、前回の続き。



重度の歯槽膿漏のため、頬骨に穴があいてしまい、膿が目の下から出てきてしまったワンちゃん


これを治療するには、まずは元凶となっている奥歯の歯槽膿漏治療が必要です。


ただ、このワンちゃんは、他の歯も重度の歯石付着と歯槽膿漏で大変な状況。


これらすべてのクリーニングと、他の部分も骨が溶けてしまったりして異常をおこしていないがチェックをしなければいけません。



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前歯もひどい状態。


下の前歯は、歯石で全部の歯がおおわれてしまって「一枚板」のようになっています。


この部分の歯石を除去すると・・・


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歯根の炎症がひどく、周囲の歯茎がグジュグジュに溶けてしまった状態。


これ、そうとう痛いはずです。


ここまでなってしまうと、もう抜歯するしかありません。






こちらは膿が出てきたのとは反対側の奥歯。



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こちらもひどい歯石だったのですが、歯石を取り除くと奥歯の根元に大きな穴が。



どうやら、ここに大穴があいて膿の逃げ場ができたため、こちら側は目の下の骨に影響が出ずに済んだようです。
そうでなければ、こちら側の頬にも穴があいてしまうところでした。





極めつけはこれ。



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今回の処置よりも以前に、自然に抜け落ちてしまっていた部分に穴が開いていたのですが、そこから水を流すと・・・


写真のように鼻からその水が出てきてしまう状態。


「口腔鼻腔ろう(こうくうびくうろう)」という状態。


ワンちゃんの上顎の歯根の部分は、鼻の穴を構成する骨と非常に近くなっています。


そのため、歯槽膿漏がひどい場合、鼻の穴とを隔てる骨が壊死・融解してしまい、口の中と鼻の中がつながってしまうことがあります。


こういった歯は、すべて抜歯。

炎症で壊死した骨は削り取り、穴があいてしまった歯茎の周囲は整形し縫い合わせてと、なかなか神経も使うし、技術も必要な作業になります。


特に、穴があいた部分をふさぐには、歯茎が溶けてしまっているので単純に縫い合わせることができません。
そのため、周辺の歯肉を整形して引っ張り寄せる必要があるのです。そのためには歯槽骨の一部を露出し、ドリルで削ったりという作業も必要。
周辺の骨は、炎症のせいで脆くなっているため、骨折の危険もあり、かなり神経を使います。


歯の治療というと皆さん軽くお考えの方が多いですが、ここまでの歯周病になると、立派な外科手術です。


さらに、御覧のように骨や歯茎の肉が壊死し、内部に膿がたまったような状態というのは、壊死組織や膿の中の細菌などの毒素が体内に常時吸収されており、全身に対する負担も大きなものがあります。


こういう症例を治療するたびに、「自宅での歯磨きの重要性」「早期の歯石クリーニングの重要性」を改めて認識させられます。


前回も書きましたが、口の中の異常というのは、飼い主様の目には触れにくいため、どうしても治療が後手に回りがちです。


ちょっと面倒くさく思うかもしれませんが、日常的な歯磨きにぜひ取り組んでいただき、こういった歯周病で苦しむワンちゃん・ネコちゃんが一頭でも減っていただきたいものです。


こればっかりは、飼い主様にやっていただくしかないことです。

外歯ろう(眼窩下膿瘍) 1
2011年08月27日 (土) | 編集 |
以前にもご紹介しましたが、奥歯が重度の歯周病になると、眼窩(がんか)といって、眼球を囲む骨の部分にまで悪影響が及ぶことがあります。
歯槽膿漏と眼窩


今回も、そんな一例。




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ちょうど目の下に位置する奥歯に、重度の歯周病が発生。


内部にたまった膿が目の下から出てきています。


重度の炎症のため、頬骨も、頬の皮膚も壊死してしまった状態。


眼球周辺の骨もダメージを負っている可能性があります。



歯周病というのは、飼い主様の目に触れにくく(お口の中まで詳しく観察する方は少ないため)、皆さん軽く考えがちですが、重度になるとこのような状態にまで進行してしまいます。




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御覧のように、この部分の臼歯(奥歯)には大量の歯石が付着し、歯茎も赤く腫れ、膿が出てきています。



これだけひどい状態でも、このワンちゃんは食事もとり、一見すると元気そう。


決して痛くないわけではないのですが、ワンちゃん・ネコちゃんはお口の痛みは限界まで耐える傾向にあります。


というか、そもそも訴えるすべを持ちませんし、生きていくためには痛くても食べるしかないということでしょう。


そのため、飼い主様もここまでひどいとはなかなか気づきにくく、動物の歯周病は治療が後手後手に回ってしまうのです。


つづく

ひっつき虫
2011年08月25日 (木) | 編集 |
ひっつき虫って子供のころよく見かけましたよね。



草むらで遊んでいると、いつの間にか服にたくさんついてきたりして。



物によっては友達に投げつけて服にくっつけて遊んだりしたもんですが・・・




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動物の体にくっつくことで、種子を様々な場所に運んでもらうための植物の進化の結果なわけですが・・・



これが動物に危険を及ぼすことがあります。



7月に一度御紹介した足の指の間に皮膚炎をおこしたワンちゃんも、この「ひっつき虫」の犠牲者でした。



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こんな風に、指の間に膿がたまっていた症例。



はじめは一般的な皮膚炎として治療していたのですが、どうもお薬に対する反応がいまいち。



このように、皮膚炎・化膿がなかなかおさまらない場合、皮膚の奥に異物(植物の刺など)が入り込んでいる場合があります。


皮膚の奥まで入り込んでいると、普通に診察しただけでは全くわかりません。



最悪の場合は、メスで皮膚を切り開いて探す必要も出てくるのですが・・・



幸い、今回は治療から2週間以上たったところで膿と一緒に流れ出てきました。


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イネ科の植物でしょうかね?



かなり先端がとがった稲穂のようなもの。



これが奥まで入り込んでいたようです。



お散歩中に踏んづけてしまい、それを気にして舐めているうちに、どんどんと奥へ押し込んでしまったようです。




今回は足の化膿でしたが、こういったひっつき虫の一種や、草の破片などを吸いこんでしまい、気道や肺に異常を生じる症例も稀にあるようです。



草むらなどに顔をつっこんでフガフガやってるワンちゃんは要注意です。



私も、過去に、くしゃみと鼻水がひどいということで診察したワンちゃんで、鼻から10cmくらいの細長い草がでてきた症例を経験しています。


その症例は鼻先からピロッと草の先端が見えていたので引っ張り出すことができましたが、小さな草の破片などではそうもいかず、全身麻酔をかけての処置など大掛かりになるおそれもあります。

また、肺の奥まで吸い込んだ場合は、肺を傷つけたり、胸の中に膿がたまるなど、命にかかわる可能性もあるので、けっこう馬鹿にできない代物です。

ハジラミ
2011年08月23日 (火) | 編集 |
昨日に引き続きまして、寄生虫疾患です。




こちらも、保護された仔ネコちゃんで見つかった寄生虫。




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毛に付着した卵の中にハジラミがみられます。



なんだかエイリアンの卵をほうふつとさせる光景です。




ハジラミはネコちゃんの体表に寄生する寄生虫で、被毛や皮膚のくずを食べて生活しています。



卵を毛に産みつけますので、一見すると毛にたくさんの白いフケが付着しているように見えます。


残念ながら写真をとりそこなってしまったので、その様子はお見せすることができませんが、1mm程度の白いツブツブがたくさん毛にくっついていますのでわかりやすいと思います。


かなりしっかりと毛に付着しているので、手で払ったりシャンプーをしても取れませんので、その場合はハジラミと思って間違いないでしょう。



最終的には顕微鏡で確認します。



ハジラミは、皮膚のカスを食べているだけなので、ネコちゃん自身にあまり症状は出ませんが、大量寄生になると痒みや皮膚炎をおこすこともあるようです。


ちなみに、人間やワンちゃんには感染しません。ハジラミの類は宿主特異性が高く、ネコにはネコのハジラミ、犬には犬のハジラミがしか寄生しません。


また、ノミやダニとは違い、その一生をネコの体表で過ごします。


ノミやダニは幼虫やサナギの姿で草むら等に潜んでいて、時期を見計らって通りがかった動物に寄生します。
そのため、感染が拡大しやすいのですが、ハジラミは宿主の体表から離れては生きていけないため、感染は直接の接触でしか成立しません。



子猫のうちに親猫からうつされたり、仲の良い猫同士でなければ感染は広がりません。



一般的な家庭猫ではまず見かけませんね。



私もかなり久々に見ました。



最後に診たのは8年くらい前でしょうか。


ハジラミは一般的なノミの駆除薬が効きますので、治療もそれ程難しいものではありません。



いずれにせよ、ノラ猫ちゃんなどを保護した際には、ノミやハジラミ、お腹の寄生虫など様々な寄生虫に感染している可能性が高いので、なるべく早めに獣医師の診察を受けておくことが大切です。



今回のネコちゃんも、ノミ・回虫・ハジラミ・ウイルス性鼻炎結膜炎(ヘルペスウィルス)・ウイルス性口内炎(カリシウィルス)と感染症のオンパレードでした。








ミミダニ
2011年08月22日 (月) | 編集 |
先日、保護された仔ネコちゃんの耳に、こんなにたっぷりの耳垢が・・・




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少し湿った土のようなボロボロした感じの耳垢。



こんな耳垢がでたときは、ミミダニを疑います。



顕微鏡でこの耳垢を拡大すると・・・




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耳垢の中にまぎれていました。



こいつがミミダニ。



ミミダニに感染すると、ミミダニの排泄物などによって、特徴的な黒い土みたいな耳垢がでます。



ノラ猫ちゃんに多くみられ、あまり飼いネコちゃんではみませんね。



ノラちゃんを保護した際や、飼いネコちゃんでもお外のネコちゃんと仲良しになちゃうネコちゃんでは要注意です。

日大三高がんばれ!
2011年08月19日 (金) | 編集 |
本日2度目の更新。


つい先ほど、病院を閉めようとしていたら、目の前の道路を日大三高の野球部員を載せた大型バスが2台通過。


明日の甲子園での決勝に向けて、夜通し神戸へ向けてということですね。



日大三高は町田市というだけでなく、私の出身大学が日本大学ということもあって応援したい気分。



一方、青森の光星学院は妻の実家が青森なので、そちらも応援したい気分。


さらに、光星学院は私の故郷の兵庫県代表(東洋大姫路)を準々決勝でやぶっての決勝進出なので、それもあって応援したい気分。



姫路の分までがんばれ!




どちらにせよ、短くも輝かしい青春の一ページ。全力を尽くしてほしいものです。






甲子園で思い出しましたが、私の母校は甲子園には出れませんでしたが、ラグビーで花園にいきました。


一回戦をテレビで応援していたのですが、同点のまま試合終了。どうやって決着をつけるのかとみていたら・・・





両チームの代表による「じゃんけん」で負けてしまいました。


ビックリでした。


それがルールと言われればそれまでですが、高校3年間ラグビーに打ち込んできた最後の勝負が「じゃんけん」で決まるって・・・??


せめて、サッカーのPKみたいに、ラグビーにかかわる部分で勝敗を決めることはできないのかと・・・


サッカーのPKだって運次第といえばそれまでですが、それでも「じゃんけん」よりはサッカーで負けたって納得ができそうなもんですが。じゃんけんじゃね~。


負けてしまったチームキャプテンも、夢の花園まで来て「じゃんけん敗退」、さぞ悔しかったろうな~


応援していた私も、いまだに納得がいきません。


そんなことを先ほど新津さんに話していたら、ブログに書きたくなってしまいました。

乳歯抜歯 ②
2011年08月19日 (金) | 編集 |
さて、昨日の続き・・・




通常の抜歯方法では、エレベーターという細いノミ(大工道具の)ような器具を、歯と歯茎の隙間から差し込み、アゴの骨と歯根の間にある靱帯を断裂させて抜歯します。




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interzoo 小動物歯科より


前歯などの比較的抜歯しやすい歯であればこの方法で何ら問題はないのですが、犬歯のように歯根が頑丈な歯では、なかなかの重労働。


犬の犬歯は乳歯といえども、かなり根っこが頑丈なのです。


今回の超小型犬のようにアゴの骨が脆弱な症例な場合は、力のかかり具合によってはアゴの骨が折れてしまう危険もあります。


そこで・・・


周辺の歯茎を切開し、犬歯(乳歯)を支える歯槽骨(しそうこつ・アゴの骨の一部で歯を支える役目を持つ)をドリルで削る方法で抜歯します。


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右側が歯茎を切開し、歯槽骨を削った状態。左に比べると、歯の根っこが見えているのがわかると思います。。




歯根を支える歯茎・歯槽骨の一部を外科的に排除することで、通常の抜歯よりもスムーズに歯を抜くことができます。


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外科的抜歯と言います。


歯茎にメスを入れたり、アゴの骨の一部を削るので本人へのダメージが大きいように感じますが、むしろ、このほうが抜歯をする際にアゴの骨にかかる力も少なくて済みますし、抜歯にかかる時間も短くて済むのです。



結果、動物に対してのトータルの負担は軽くて済みますし、処置中のアゴの骨折の危険性も軽減できます。
私も、数年前までは外科的抜歯には抵抗があり、通常の方法で抜歯をしていましたが、外科的抜歯をおこなうようになってから、圧倒的に処置時間も早く、動物の痛みなども軽減されているように感じます。


抜歯後は、歯茎を縫い合わせてきちんと元通りに戻します。削った骨も、1カ月程度で元通りに再生しますので心配なし。




で、そうやって抜いた歯がこれ。




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下あごの犬歯(乳歯)なのですが、根っこが非常に太くて長いのがわかると思います。



黄色矢印で示した部分をみると、根っこの長さと、下あごの厚みがほぼ同じ。


こんなに華奢なアゴの骨に、これだけがっちりした犬歯がはえているわけですから、これをほじりだそうというのはかなり大変なことがわかると思います。



アゴの骨よりも、犬歯のほうが丈夫なくらいですから、エレベータを差し込んでいるとアゴの骨が歪むのがわかるくらいです。


ちょっとでも無理な力かけると「こりゃ折れるな・・・」とひしひしと伝わってくる感じ。




そんなこんなで、全部で18本の乳歯抜歯でした。



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左上の4本が犬歯の乳歯。(一本は抜歯前からもともと折れていたもの)
その右に並んでる細いのは前歯の乳歯。
下に並んでいるのが臼歯(奥歯)の乳歯。


こうやってみると、いかに犬歯が頑丈にできているかよくわかりますね。

乳歯抜歯 ①
2011年08月18日 (木) | 編集 |
今までにも何度かとりあげてきましたが、チワワやトイプードルなどの小型犬では乳歯の生え換わりが上手くいかずに、後々の歯並びや歯周病に悪影響を及ぼすことが良くあります。




こちらのチワワちゃんもその一例。



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上顎の状態。
矢印で示した部分が抜け損なった乳歯。



ワンちゃんでは生後4~5カ月ごろから永久歯に生え換わります。


小型犬ではアゴの骨格の小ささなどの問題から、御覧のように乳歯から永久歯への生え換わりが上手くいかず、乳歯が抜け残ってしまうことがよくあります。



こうなると、永久歯の歯並びが崩れてしまいますし、乳歯と永久歯が密集している部分は汚れが溜まりやすく、歯周病になりやすくなってしまいます。



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今回、特に問題になっているのが下顎の犬歯。
抜け残った乳歯が邪魔になり、永久歯が内側にずれてはえはじめています。


このまま永久歯が伸びきってしまうと、上アゴの歯茎にあたったり、本来接触するはずのない上の犬歯と接触してしまったりと、今後の生活に大きな問題をおこす可能性があります。


早急に邪魔になっている乳歯を抜き、正常な位置に移動できるスペースを作ってあげなければいけません。



とはいえ、乳歯といえども、犬歯は根っこがかなり頑丈で、抜くのがなかなか大変な歯です。


しかも、今回のチワワちゃんは、体重1.3kgの超小型犬。


写真からもわかるとおり、アゴの骨が指先でつまめる程度の大きさしかありません。


このように細いアゴの骨ですから、犬歯を抜く際に不用意に大きな力をかけると、アゴの骨が折れてしまう可能性もあります。


たかが乳歯とはいえ、なかなか神経を使う作業なのであります。



つづく・・・

ネコの好酸球性肉芽腫症候群
2011年08月16日 (火) | 編集 |
ネコちゃんの皮膚病です。



「好酸球性肉芽腫症候群(こうさんきゅうせいにくがしゅしょうこうぐん)」というややこしい名前ですが・・・



アレルギーや外部寄生虫、精神的素因などから引き起こされるネコちゃん特有の皮膚疾患です。




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写真のように真っ赤にただれる「好酸球性プラーク」と呼ばれるパターンや、唇がえぐれたようになる「無痛性潰瘍」というパターンなど、症状の現れ方は様々です。




ハッキリとした原因が見つけづらい病気で、食物アレルギーが関わっている場合もあれば、何かしらの環境中のアレルギー物質が関わっている可能性、蚊やノミに対するアレルギーなどいろんな可能性があげられます。




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病変部を顕微鏡で観察すると、「好酸球」と呼ばれるピンク色の顆粒を持った細胞が観察されます。




特徴的な病変に、このような「好酸球」が観察されたら、「好酸球性肉芽腫症候群」と診断します。




治療の基本は、ステロイド剤と呼ばれる「消炎作用」・「免疫抑制作用」のお薬を使用します。




ただし、いろんな要因が重なって発症する病気ですので、完治は難しく、その他のアレルギー性疾患同様、ある程度は一生お付き合いしていかなければいけない病気です。

結晶&細菌尿
2011年08月15日 (月) | 編集 |
お盆休み前におこなったわんにゃんドックにて・・・




尿検査で「尿結晶」と「細菌尿」が観察されました。




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こちらは「尿結晶」。
「シュウ酸カルシウム」というカルシウム系の尿結晶。






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こちらは「細菌尿」。
黒い棒状のものがすべて細菌。




このワンちゃん、特に血尿や排尿時の痛みなど飼い主様が気がつかれるような症状はなかったようですが、わんにゃんドックで偶然発見。



症状は不明なものの、細菌感染を放置するわけにはいかないので、抗生物質での治療を開始したところ・・・



治療開始から、夜中のトイレの回数が減り、日中も今までよりもリラックスして過ごしているようだとのこと。



おそらく、「結晶尿」「細菌尿」のせいで、トイレの間隔が近くなったり、膀胱に残尿感や痛みなどの違和感を感じていたものが、投薬で改善した模様。




おしっこのトラブルというのは、明らかな痛みや血尿などの眼に見える症状が無ければ、なかなか飼い主様は気づきにくいもの。



ただし、痛みや血尿などわかりやすい症状が無くても、良く観察すると、「トイレに行く回数が増える」、「尿の出が悪い(ジョーッと勢いよく出ない)」、「ポタポタと垂らすことがある」といった症状に気がつく場合もあります。


言葉をしゃべることができないワンちゃん・ネコちゃんの健康管理には、食事の様子、水を飲む様子、排便排尿の様子など、普段から意識して観察していただくことが大切です。

お知らせ① 8月休診のお知らせ
2011年08月10日 (水) | 編集 |
色素性角膜炎
2011年08月09日 (火) | 編集 |
パグ犬やシーズー犬、フレンチブルドックなどの鼻ペチャ犬種の目を詳しく御覧になったことがおありでしょうか?





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こんな風に、黒目の部分に茶色く色がついてしまっていることが良くあります。
(目が白く濁って見えるのは光の加減)



これを色素性角膜炎と言います。




慢性的な眼球への刺激が原因。





パグ犬やシーズー犬のような鼻ペチャ犬種は、他の犬種に比べて眼球がギョロッと飛び出していて、目に刺激を受けやすくなっています。



また、鼻の周りの「しわ」のせいで、目頭周辺の体毛が眼球側に傾いていて、それが眼球を常に刺激するようになります。



写真の症例は、右側に鼻があります。その部分の皮膚が「しわ」になって盛り上がり、眼球のほうにせり出しているのがよくわかると思います。




そんなこんなで、日常的に眼球に刺激が加わった結果、慢性的な角膜炎におちいり、最終的には色素が沈着してしまい、ひどい場合は失明してしまいます。



鼻ぺちゃ犬種じゃなくでも、キャバリアやチワワのように目ん玉ギョロギョロ系のワンちゃんでも同様の問題が起きることがあります。



これはもう、生まれ持った顔面の構造が問題になるものなので、予防的に目薬を使用し、悪化を少しでも防ぐくらいしか手立てがありません。



こういったリスクのある犬種を販売する場合は、ペットショップなどでしっかりと説明すべきだと思うのですが、なかなかそういったお店は少ないようです。



なので、こういったことを我々獣医師がしっかりと皆さまにお伝えしていくことが大切ですね。



鼻ペチャのワンちゃん、毛の長いワンちゃん、足の短いワンちゃん、それぞれにかわいらしい特徴がありますが、そのほとんどが人間の勝手都合で品種改良された結果。



かわいい部分だけを伝えるのではなく、それによる弊害というものを、しっかりと「伝える」ことが我々獣医師も含めてペット業界の人間の責任だと思います。


同時に、飼い主様にも、かわいい面だけではなく、こういった問題にも興味を持ち、情報を得るように心掛けていただきたいと思うのです。

本日のわんにゃんドック
2011年08月08日 (月) | 編集 |
先週おこなったわんにゃんドック



ビーグル犬の幸(さち)ちゃんです




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お口の先がちょっと赤いのは、アレルギー持ちのため




飼い主さんが、「写真に撮ると目立つんだよね~」とおっしゃっていましたが、確かに・・・




幸ちゃんには妹犬がいまして・・・




こちら・・・





福ちゃん



福ちゃんです
福ちゃんは昨年の秋にわんにゃんドックを受けていただいています。




二人合わせて幸福ちゃん



とってもフレンドリーでキュートな二人です








消化管内異物
2011年08月06日 (土) | 編集 |
「お腹に小石」のお話しをしたついでに・・・




その他の消化管内異物をいくつかご紹介。





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「ヘアピンを飲み込んでしまったかも??」ということで来院された症例ですが・・・



レントゲンで確認したら、ヘアピンはないけど小石があったという症例。



この子の場合は、小石はすでに胃から腸に移動しており、特につまってしまう様子もなかったのでウンチに出るのを待ちました。


このワンちゃんは、その後もゴム製品を飲み込んでしまって、お薬で吐かせたことがありますので、常習犯ですね。








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吐き気が続くということで超音波で胃の中を確認したワンちゃん。



1cm程度ですが、明らかに人工物が写っています。



幸いお腹に詰まったりすることはなかったようで、ウンチに出るのを待ってもらったのですが・・・



結局、うまく出たところを見つけることが出来ずに、いったい何だったのかは不明。



このワンちゃんも、ゴミあさりや、お風呂の排水溝にたまった髪の毛を食べてしまっただとかで、吐き気や下痢の常習犯。




異物を飲み込む症例はワンちゃんのほうがネコちゃんよりも圧倒的に多いのですが、そのほとんどが常習犯。




普段から、散歩中に拾い食いをするとか、ティッシュを食べるなどをしていることがほとんどです。



ワンちゃんは、食べ物を(食べ物でなくても)良く確認せずに丸のみしてしまう傾向が強いので、普段から怪しい行動をしているワンちゃんは特に注意が必要です!

迷子のネコちゃん
2011年08月05日 (金) | 編集 |
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迷子のネコちゃんです。


首輪などの目立つ特徴はないようですが、ロシアンブルーが外をうろうろしていること自体が珍しいので、見つかりやすいかなと思うのですが。。。


なにか情報がございましたら、病院までご一報くださいませ。


042-711-7612

小石 ②
2011年08月04日 (木) | 編集 |
そんなこんなでお腹をあけることになったエダちゃん。




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胃を引っ張り出してくると、やっぱり小石みたいですね。



指でつまんでいるところにうっすらと透けて見えていますね。



こういった異物が腸に詰まってしまっていたり、鋭利なもので胃を突き破ったりしていると厄介ですが、このように胃の中にコロンとあるだけなら、胃に2cm~3cm程度の穴をあけてつまみだすだけ。





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摘出した小石。


たかだか1cm程度のものですが、体重1.88kgのチワワちゃんでは、これでもお腹に詰まってしまうんですね~。



小石以外にも、梅干しの種や、お菓子の包み紙、プラスチック製のおもちゃの破片、食パンの袋を閉じるプラスチック、靴下、食いちぎったカーテン、ゴムボールなどなど・・・



様々なものをワンちゃんたちは飲み込んでくれます。



こういった症例のほとんどが、ちょっと飼い主様が気をつけていらっしゃれば防げるものがほとんど



お散歩中の拾い食い、御自宅でのゴミの管理、オモチャ類の管理などご注意くださいませ。

小石・・・ ①
2011年08月02日 (火) | 編集 |
さて、昨日ご紹介したエダちゃんですが・・・


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どうして入院していたかというと・・・














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こいつのせい。




先週のことなのですが、「朝から急に何度も吐いている!」とのことでご来院。



朝の9時から9時半までの間に7~8回は吐いたとのこと。



昨日まで元気・食欲も問題なかったとのことです。



今朝も、吐きはしたものの特別にぐったりするような様子もないようです。



こういう突発的な嘔吐を繰り返す場合に疑わしいのは異物摂取。



御覧の通り、おそらく小石でしょうか?



胃の中にハッキリと写っています。



こういう固形物は、胃の中にあるだけなら特に症状はないのですが、これが胃の出口や腸に詰まると激しい吐き気を催します。



レントゲン撮影時は吐き気はおさまっていましたので、おそらく、一度胃の出口に詰まったものの、なんとか外れてくれたようです。



これが腸に入り込んで完全に詰まってしまうと命にかかわります。




一度出口に詰まったということは、これが無事にウンチにでてくることはあまり期待できません。



強制的に吐かせて口から出てくれれば良いのですが、この場合、すでに複数回吐いているにも関わらず出てきませんので、それも期待薄。



試しに、缶詰をたらふく食べさせてお薬で強制的に吐かせてみましたが、出てくるのは缶詰と胃液だけ。
(ちなみに、缶詰をあえて食べさせたのは、異物をフードが包み込んでくれて上手く出てくるのを期待)



やっぱり無理そうです。



色々な状況を踏まえて考えると、外科的に摘出するのが一番良いようです。



つづく

入院中・・・
2011年08月01日 (月) | 編集 |
入院室に二つの影・・・




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チワワのエダちゃんと相棒のハンペンちゃん。



入院室に動物が2頭入っていることは基本的にないので、通りがかるたびにドキッとします。




特に、処置のためにエダちゃんを連れ出しているときに、ケージ内に1人残されているハンペンちゃんをみると、



「うわっ? なんかいる??」



処置に連れ出した時点でケージ内は空だと認識しているために、驚き倍増です。