町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
本日のわんにゃんドック
2011年06月30日 (木) | 編集 |
こちら、火曜日にわんにゃんドックをおこなった柴犬のヒメちゃん



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まだ2歳の女の子ですが、以前の検査で心臓内に異常血流が認められたため、経過観察をおこなっているワンちゃんです。



ですので、今回もわんにゃんドックAに加えて、心電図と心臓超音波検査をおこない、心臓の状態を詳しく調べました。




結果、以前認められた異常血流は観察されず、その他の検査結果も改善していました




引き続き、慎重な経過観察は必要ですが、まずは一安心といったところです

-15%
2011年06月28日 (火) | 編集 |
「-15%」といえば・・・



もちろん節電




当院でも当然取り組んでいます。



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ネットで購入した日除け。

本当はゴーヤを育てて日除け節電&チャンプルーで楽しむ予定でしたが、失敗してチャンプルーはともかく、節電できなくなると困るので断念。


当院の受付・待合室は日当たりの良いことこの上なし



冬は暖房費が節約できてよいのですが、夏場はクーラー全開にしてもまだ暑いくらい



ここを、いかに効率よく冷やすかが当院の節電戦略上、最重要項目だったのですが・・・



日除け。かなり効果的です



エアコンの設定温度を、昨年よりも2℃程度高く設定することができました。



この日除けの効果。当院のように、もともとの日差しが強い部屋ほど効果を発揮しそうです。



患者様からも「日除けの効果どう?」と聞かれます。皆さん、やっぱり節電に対して関心が高いんですね。



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一番暑くなる昼の1~5時くらいまでは、内側のロールカーテンも下げて冷房効率



それでも暑いという方には団扇も準備



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犬の鼻と体温調節
2011年06月27日 (月) | 編集 |
夏至も過ぎて、一年で最も日が長いこの季節。


今日は涼しげな雨ですが、ここ数日は急な暑さで体調を崩されている方も多いのではないでしょうか?



震災の影響で、今まで以上の節電が避けられない今年の夏。



心配なのが、熱中症。



人間でも、特に高齢の方などを中心に、高温多湿の夏場には心配されることですが、ワンちゃんでも同様。



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特に、心配されるのがパグやフレンチブルドックに代表される、「短頭種」のワンちゃんたち。


ワンちゃんが舌を出して、息をハッ・ハッ・ハッとすることで体温調節をしているのは皆さんご存知かと思います。



これを、「パンティング」と言います。



「短頭種」のワンちゃんでは、鼻がつぶれていたり、気管の構造自体に問題が生じやすいため、この呼吸での体温調節が苦手であります。



鼻がひしゃげているということは、その分鼻の穴がせまくなるため、呼吸の通りが悪いわけです。



さらに、最近の研究では、ワンちゃんの体温調節には鼻の粘膜が非常に重要な役割を果たしていることがわかっています。



つまり、湿った鼻粘膜の表面を空気の気流が通り抜けるときに生じる「気化熱」で体温を下げるというのです。



「短頭種」の場合、鼻がつぶれているため、この鼻の粘膜への気流が阻害されてしまうため体温調節が効率良く行えないのです。



そのため、他の犬種に比べて「熱中症」を非常におこしやすく、温度管理には特に注意が必要です。



飼い主様が御在宅の場合は扇風機を使用したり、窓を開けての換気にご注意ください。




お留守にされる場合は、なるべくクーラーを使用されることをお勧めいたします。







歯石クリーニング
2011年06月24日 (金) | 編集 |
今月は歯科処置が多い月のようです。



6月前半に行った歯石クリーニングの症例。



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こちらは3歳になったばかりのMIX犬の女の子。


すでに、全体に歯石が付着しています。


幸い、まだ歯周病は進行していないので・・・



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ピカピカのツルツルに磨き上げて終了



続いて・・・


こちらは9歳になったばかりのネコちゃん。



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この子も、歯石は全体に付着していますが、歯周病は初期の段階だったので、クリーニングのみで済みました。


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歯ぐきのふちが赤くなっているのは、この部分が歯石の影響で歯周病をおこしていたから。




これがもっと進行すると、歯ぐきの肉が炎症で壊死してしまいます。

こんな風に・・・↓





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この症例は、歯周病が進行して、前歯周辺の歯ぐきの肉が壊死して無くなってしまっています。

本日のわんにゃんドック
2011年06月23日 (木) | 編集 |
20日の月曜日におこなったわんにゃんドック。




今年の春に11歳になったばかりのウランちゃん




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わんにゃんドックCをうけていただきました。



こちらのワンちゃんも、もう11歳と高齢ですので、日ごろから治療している問題はあるのですが、それも含めて大きな問題なく、飼い主様にも一安心していただくことができました






とっても嬉しいお知らせ^^
2011年06月22日 (水) | 編集 |
先日、とっても嬉しいお知らせをいただきました



以前にもご紹介したことのある盲導犬候補生のウララちゃん


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無事に盲導犬としてデビューしたそうです



微力ながらも、当院が関わったワンちゃんが、目の不自由な方のお力になれる・・・


素晴らしく、ありがたいことです


とっても明るく、人懐っこかったウララちゃん。
きっと、パートナーの方と毎日幸せに過ごしていることと思います

緑内障
2011年06月21日 (火) | 編集 |
さて、ある日、突然に目が充血して白くなってしまったワンちゃん。



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「目が白くなった」と聞くと、「白内障」を思い浮かべる方が多いと思いますが・・・


このワンちゃんの目が白いのは、「角膜浮腫」によるもの。


昨日もお話ししましたが、この「角膜浮腫」は目の外傷や炎症などの障害に伴って発生するのですが・・・


このワンちゃんの場合は「緑内障」が原因で「角膜浮腫」をおこしていました。



したがって、治療すべきは「角膜浮腫」ではなくて、大元の原因である「緑内障」です。



「緑内障」って目が緑になるんじゃないの?


と、思うかもしれません。


「緑内障」の進行過程の中で、そのように見える場合もありますが、実際には「緑内障」の特徴としては、写真のような重度の充血と目の痛み、角膜浮腫があげられます。



「緑内障」とはどういう病気か?


眼球の中には、「房水」という水分が循環しており、その「房水」が眼球内に満たされていることで、眼球の形が保たれています。
ようは、眼球は中に液体をためた水風船のような状態。


「房水」は、常に新しいものが産生され、古いものは排泄されて循環しているのですが、排泄が上手くいかなくなって、内部に液体がパンパンにたまった状態が「緑内障」。


内部の圧力が高まる=「眼圧が高い」という状態になります。



「眼圧」が高くなると、「網膜」や「視神経」、「角膜」に圧迫が加わります。



「角膜」に圧迫が加わると、「角膜」の透明性が維持できなくなり「角膜浮腫」になります。



「網膜」や「視神経」に圧迫が加わると、最悪の場合は「失明」します。



「高眼圧」の状態が48時間以上続くと「失明」しまうといわれています。



ですので、「緑内障」で重要なのは、早期診断と早期治療。



「緑内障」の治療は、いかに素早く「眼圧」を下げるかがカギになります。



色々と方法はありますが、基本的には目薬を数種類組み合わせて治療します。



写真のワンちゃんは、残念ながらすでに発症から48時間経過した状態でしたので、「失明」の可能性が高い状態です。


「緑内障」は遺伝が関わっているケースもあり、柴犬やコッカースパニエルなどは特に危険性の高い犬種ですので注意が必要です。



この病気、はじまりは「ちょっと充血してるかな?」「ちょっと目をシバシバさせて痛そうにしているかな?」なんて様子を見ているうちに、どんどんと悪くなってしまうこともあります。


目はデリケートな組織で、障害がひどい場合は「失明」という最悪のケースにおちいることも多いため、異常を感じた際には、早め早めにご相談いただくことをお勧めいたします。






目が白い!
2011年06月20日 (月) | 編集 |
「急に目が白くなった!」と聞いて、皆さんはどんな病気を想像されますか?



たぶん、「白内障」を思い浮かべる方がほとんどかと思います。




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ですが、写真の症例のように、充血がひどく、ある日突然に目が白くなるといったパターン・・・



これは「角膜浮腫」という状態です。



「角膜」というのは目の一番表面の透明な部分。



この部分が、外傷や炎症などによって障害をうけ、透明性を失ってしまった状態。




「角膜浮腫」をおこしている場合、失明につながるような重大な問題をおこしている可能性があるので、緊急性が高い状態です。




といったところで、今日は時間が無いので後日に続きます・・・



里親さん募集
2011年06月18日 (土) | 編集 |
先日とりあげた、ミケネコちゃんは、無事に里親さんが見つかりました



と、思ったら。。。


またまた仔ネコちゃんの里親さん募集。


7月11日追記

里親さんすべて見つかったそうです。


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女の子ちゃんばかりで、どの子もかわいらしいですね~



お問い合わせは病院受付まで・・・

042-711-7612

休憩・・・
2011年06月17日 (金) | 編集 |
午前の診療時間と、午後の診療時間の間・・・


当院では12:00~15:30までの3時間30分


この時間帯、休憩時間だと思っていらっしゃる方が多いのですが・・・


もちろん、昼食休憩も取っていますが、昼食の後は手術や時間のかかる検査などをおこなう時間になっています。


手術や検査の入っていない日でも、経営関連の事務や機器のメンテナンス、医薬品の在庫管理、院内の清掃などなどやることはたくさん。



で、一通りの仕事を終えて、午後の診療までつかの間の休息・・・


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アイスコーヒーと、いただき物のオヤツで至福のひと時



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ココアパウダーを混ぜ込んだ落雁。


ココアのほのかな苦みと、和三盆糖の上品な甘みが絶妙~



幸福パパ様、いつもいつもありがとうございます

もらってください!!
2011年06月16日 (木) | 編集 |
6月18日追記

無事に里親さんが見つかりました

里親さん募集です!
茨城(栃木?)のゴミ捨て場で保護されたミケネコちゃん。


とっても人懐っこい女の子です


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おそらく生後2カ月程度と思われます。


かわいがってくださる方探しています。


ご興味がおありの方は、病院受付まで御連絡ください


042-711-7612

本日のわんにゃんドック
2011年06月14日 (火) | 編集 |
心房破裂のお話しが続いていたので、ちょっと前の話題。。。


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ビーグル犬の音理(ねり)ちゃん


今年の秋で15歳になる女の子です



音理ちゃんも、毎年継続してわんにゃんドックをうけていただいています。


今回で3回目。



もう15歳と高齢ですので、日ごろから治療している問題などもあるのですが、今回も特に大きな問題はなく、飼い主様にも一安心していただけました

心房破裂 ④
2011年06月13日 (月) | 編集 |
さて、無事に「心タンポナーデ」の状態から回復したワンちゃん。



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この出血性の「心膜液」の原因を探ります。


出血性の「心膜液」の原因として考えられるのは、先日もお話した通り・・・


「心臓腫瘍」か「心房破裂」か。



「心臓腫瘍」は、「右心房」か「大動脈周辺」にできることが一般的。



超音波検査で詳しく調べるわけですが、この症例については心臓腫瘍はなさそうです。



そうすると「心房破裂」??



このワンちゃん、実は生後数か月の時点から「僧帽弁閉鎖不全症」と診断されていたそう。


治療が必要となるほどの症状が無かったため、無治療のまま経過観察していたそうですが、どうもこの「僧帽弁閉鎖不全症」の悪化で「心房破裂」をおこした模様。



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心臓の超音波画像。


左側は、左右の心房の大きさを比較しています。
「僧帽弁閉鎖不全症」をおこしている「左心房」側は、右心房の倍の大きさに膨らんでいます。


右側は、赤い色は左心房から左心室に向かう正常な血流をあらわし、青い部分は逆流をおこした血流をあらわします。


正常な心臓では、血液は常に一方向に流れるのですが、「僧帽弁閉鎖不全症」になると、血液の逆流が生じます。



この逆流する血液。秒速5~6mもの勢いで逆流し、左心房の壁を押し広げます。


この秒速5~6mの逆流。5歳児の握りこぶしくらいの大きさの心臓の中で、「ビューッ!」と5~6m一気に噴き出すような水鉄砲を一分間に140回くらいのペースで365日毎日撃ちまくっている様子を想像してみてください。



この状態が何年も続くことで、「左心房」は大きく膨れ上がり、弱り切った「左心房の壁」が破裂してしまうのです。


「心房破裂」が起こると、噴出した血液は心臓の表面を覆う「心膜」の間に溜まります。

そのおかげで、一定量以上の出血は起こりませんが、今回の症例のように「心タンポナーデ」をおこしてしまいます。



今回のチワワちゃん。


なんとか一命は取り留めたものの、この先、またいつ心房破裂をおこすか心配な状況が続きます。

心房破裂 ③
2011年06月12日 (日) | 編集 |
やっぱり、5月を過ぎると狂犬病のワクチン接種やフィラリア予防などでワンちゃんの来院が増えるので、ブログも更新が滞り気味・・・


さて、「心タンポナーデ」のワンちゃんの続き。



万全の態勢を整えて、「心膜液」の除去をおこないます。



超音波画像で確認した、心膜・心臓までの距離をイメージしつつ、注射針を挿入します。


20110607st.jpg


まず肋骨の位置を確認し、肋骨付近の血管を傷つけないように、肋骨と肋骨の間のちょうど真中に針を刺します。
皮膚と肋骨の間の筋肉を抜けて数ミリ針を進めると、かすかに「プツッ」と心膜を突き抜ける感触があります。
そこからさらに3mmほど針を進めて・・・

針につないだ注射ポンプで「心膜液」を吸い出すと・・・



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出ました。これが心臓周囲に溜まっていた「心膜液」。約5cc。



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「心膜液」を除去した後の超音波画像。わずかに「心膜液」が残っています。
一番上の画像と比べると、右心房の圧迫がなくなっていることが良くわかります。






「心膜液」の性質は、原因によって様々です。


淡い透明なイエローの液体のこともあれば、このように真っ赤な液体のこともあります。


この液体の性質を分析してみると、ほぼ「血液」と同じ数値になりました。



つまり、この液体は「出血」によって心臓の周囲にたまったと考えられるのです。



「出血」による「心膜液貯留」の原因として一般的なのが「心臓腫瘍」。



その他には、「心房破裂」が考えられます。


「心膜液」を除去し、「心タンポナーデ」による危機的な状況を脱した後は、なぜ「心膜液」が溜まったのか、原因を見つけ、それに対する治療をおこなわなくてはいけません。



つづく・・・

6月12日(日)は休診させていただきます
2011年06月10日 (金) | 編集 |
本日、2度目の更新です。


今度はお知らせ。


ホームページ上では以前からお知らせしておりましたが、6月12日(日)は、学会出席のため休診とさせていただきます。


御不便・御迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

心房破裂 ②
2011年06月10日 (金) | 編集 |
さて、先日のお話しの続き・・・


心臓の周りに液体が貯留する「心膜液貯留」をおこしたワンちゃん。


無事に、 「胸水」を抜いて呼吸状態を少し改善したところで、いよいよ心臓周囲の液体を抜いていきます。



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「心膜液」をおおっている白い膜構造が「心膜」



さて、この「心膜液貯留」ですが、以前にもとりあげたことがありますが、心臓の表面を覆う「心膜」と「心臓」の間に、何らかの原因によって液体がたまる症状です。

原因は、心臓病だったり、心臓腫瘍だったり、特発性(=原因不明)だったり様々です。

そして、心臓周囲にたまった液体による圧迫で、心臓の動きが制限され、心不全症状が発現したのが「心タンポナーデ」という状態です。(「心膜液貯留」=「心タンポナーデ」ではない)


上の写真をみていただくと、心臓周囲にたまった液体によって「右心房」が押しつぶされてしまっているのがお分かりいただけると思います。


このように、特に右心房が圧迫されてしまい、心臓のポンプ能力が激減してしまうのが「心タンポナーデ」の特徴です。


この状態は、いつ心臓が止まってもおかしくない状況。


早急に心臓周囲にたまった「心膜液」を排除しなければいけません。



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どうやって「心膜液」を抜くかというと・・・


普通に注射針を肋骨の隙間から突き刺して吸い出します。


といっても、胸の皮膚の表面から心臓までの距離はわずか12.9mm。
液体が溜まっている空間は、およそ6mm。

この液体のたまった6mmの空間に、超音波の画像を頼りに注射針を刺して液体を吸い出すのです。


なかなか細かい作業のようですが、実はこの6mmの空間に針を進めるという作業自体はそんなに難しいことではありません。


目標までの距離が正確にわかっているので、まずはそれに合わせた長さの針を選択します。


もちろん、ピッタリ同じ長さの針があるわけではないので、感覚的に一番使いやすい針を選択します。


今回は25mmの針。


あとは、この針を液体を抜くのにちょうど良い距離、およそ8~9mm(針全体の長さの1/3)刺せば良いだけです。


おまけに、液体が溜まっている「心膜」に針を刺す瞬間は、かすかに手ごたえがあるので、その感触を逃さないように慎重に針を進めれば良いのです。


こういった作業は、我々が日常的におこなう採血と同じ理屈です。


血管までの距離を目測、もしくは手の感触で探り、血管壁を突き抜ける感触を目安に針を進めるのと同じ。


と、このように針を6mmの空間にさすことそのものは、ある程度経験を積んだ獣医師なら難しいことではないのですが・・・


実際には、目標となる心臓は、一分間に180回とか200回といったものすごいスピードで拍動しています。


なおかつ、心臓発作の状態で、呼吸状態も不安定なため、呼吸に合わせて胸そのものも不安定に動きます。


そして、一番のネックは動物自身が暴れる可能性があるということ。


「心タンポナーデ」をおこして、心臓発作の状態にある症例に全身麻酔をかけることは危険ですので、局所麻酔(針をさす時の痛みを和らげる)での処置になります。


そのため、ワンちゃんの性格によっては、体を横に寝かせて押さえられること自体に抵抗して暴れる可能性があります。


針を刺している時に暴れられ、針が心臓周囲の重要な血管を傷つけてしまうと致命的です。


それどころか、すでに心臓発作をおこしている状態なので、暴れて興奮した時に心臓が止まって亡くなってしまう可能性もあります。


この治療の成否には、まずワンちゃんを押さえる「保定」を確実におこなう看護師の技量が一番重要。


次に、実際に処置をおこなう獣医師の、動物が暴れた際に素早く針をひきぬく反射神経。これかなり重要。


相手(動物)の動く気配を察知し、考えるよりも早く指先を動かす打撃系格闘家的センス。


危険は承知。でも、やらなければ助からない状況。


生きるか死ぬかの瀬戸際。


ただし、今回、いつもとは違うプレッシャー。。。


飼い主様は若い御夫婦で、奥さまはいつ赤ちゃんが生まれてもおかしくない状態。


奥さま、ワンちゃんがとても心配でならない御様子。


旦那様は、そんな奥さまとワンちゃんと両方が心配でたまらない御様子。


無事に元気な赤ちゃんを産んでいただき、新しい御家族をワンちゃんともども迎えていただくためにも、成功させなきゃいけないプレッシャーひしひしです。

つづく・・・

心房破裂 ①
2011年06月07日 (火) | 編集 |
先週の日曜日に来院された急患のワンちゃん。



今年7歳になるチワワちゃんで、生後3カ月の時点で心雑音(おそらく先天的な弁の異常)を指摘されていたそうです。



今まで特に症状は無かったため、投薬などはしていなかったそうですが、5月の中頃から急に症状がではじめたとのこと。



心臓の周りに液体が貯留する「心膜液貯留」をおこしていると診断されたものの、注射針での液体除去にはリスクが伴うため、飲み薬での治療をうけていたそうです。

ひとまずは症状は落ち着いていたようですが、5月29日の朝になって、さらに状態が悪化したとのことで当院に御連絡をいただきました。


電話口では、すでにワンちゃんはぐったりと横になって呼吸困難をおこしている様子。


どうやら、心臓の周りにたまった「心膜液」が心臓を圧迫することで急激に心不全に陥る「心タンポナーデ」をおこしているようです。



こうなると、早急に心臓周囲の液体を除去するしか救命する手立てはありません。



ただネックになるのが、今回御連絡いただいた患者様は、車で1時間はかかる距離。



「心タンポナーデ」をおこしている状態では長距離の移動のストレスが命取りになる可能性もあります。



移動中に亡くなってしまう可能性も御考慮いただいた上で、当院にご来院いただくことになりました。



1時間半ほどして、到着したワンちゃんを診ると、お電話いただいた時よりは呼吸状態が落ち着いているようです。



無事の御到着に一安心しつつ、超音波検査で心臓の状態を確認すると・・・



20110607胸水



たしかに「心膜液」が貯留し、心臓を圧迫しています。


ただ、その心膜液の外側にもう一層、液体の貯留した部分があります。


こちらは「胸水」です。


「心膜液」は心臓と、心臓を包む心膜の間に貯留する液体ですが、「胸水」は胸腔(心臓や肺を納めるスペース)と肺の間に貯留する液体です。


「胸水」は心不全の症状の一つなのですが、「胸水」が貯留すると、肺が圧迫されてしまい呼吸困難をおこします。


どうやら、心タンポナーデによる急性の心不全から胸水貯留が起こったようです。



心タンポナーデを治療するには貯留した「心膜液」を除去しなければいけませんが、それより先に、この胸水を除去しなければいけなくなりました。


といっても、「胸水」の除去はそれ程難しい処置ではありません。



酸素吸入で呼吸を確保しつつ、胸に針を刺して液体を抜いていきます。



20110607ks.jpg


抜けました。


およそ150mlの胸水。


たったこれだけですが、体重3kgのチワワちゃんの胸にとっては大変な量です。


さて、これで呼吸状態は少し改善されましたので、続いて心膜液を抜きます。


ですが、今度は心臓から数ミリの位置に針を刺さなければいけないので、胸水を抜くときよりも繊細な作業になります。


つづく

本日のわんにゃんドック
2011年06月06日 (月) | 編集 |
金曜日におこなったわんにゃんドックの症例です。



今回はネコちゃんです



今年16才になるモコちゃん



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今回で3回目のわんにゃんドック。



毎年うけていただいています



継続してうけていただけると、毎年のデータと加齢による変化などを総合して判断することができるので、より的確な健康状態の把握につながります

手に咬みついて来て困る ②
2011年06月04日 (土) | 編集 |
さて、昨日の続き・・・


子犬が手に咬みついてきて困るというしつけ上のお悩み。


昨日もお話ししたように、基本的には飼い主様が「手に咬みつく行動」を助長していることがほとんどです。


「手に咬みつく行動」を防ぐには、

① そもそも手であやして遊ばないこと

② 咬みつく力を抑制する事を学ばせること

が重要になります。


① そもそも手であやして遊ばないこと

これが最も重要です。

「手に咬みついて困る」とおっしゃる方のほとんどが、日常的に手を子犬ちゃんの前でヒラヒラと動かして遊ぶ遊びをやっていらっしゃいます。

子犬にとっては手に咬みついて遊ぶことが習慣になっているのです。

それを、ある日突然、咬む力が強くなったからやめさせたいと思ってもなかなか上手くいきません。

ですので、そもそも手を使って遊ばないこと。

ただし、子犬にとっては、兄弟犬や人間の手に飛びついたり、咬みついたりするプロレスごっこは重要な遊びです。

子犬を数匹一緒に育てていれば問題ありませんが、そうでなければボールやロープのオモチャなど咬みついて遊ぶオモチャを用意しておく必要があります。
(このオモチャの選び方にも重要なポイントがありますが、それについてはまたいずれ)




② 咬みつく力を抑制することを学ばせること

昨日も書きましたが、子犬は兄弟同士で取っ組み合いのプロレスごっこをする中で、お互いどれだけの力で咬むと相手を傷つけてしまうのかということを自然に学びとります。

強く咬みすぎると、相手が怒って本気のケンカになるかもしれません。もしくは、嫌がった相手が遠ざかってしまい遊びが中断してしまうかもしれません。

そんな経験を繰り返す中で、子犬は「咬む力を抑制すること」を学ぶのです。

本来ならば兄弟同士が遊びの中で学ぶことを、飼い主様がしつけの中で学ばせなければなりません。



方法はいろいろありますが・・・

現在、一般的に推奨されているのが・・・


遊びの中で、子犬が興奮して咬みついてきた時には、「痛い!」と声をあげて、遊びを中断してその場から立ち去ります。

または、飼い主様の気をひこうとして「あまがみ」をするような場合は、一切相手にせず(目も合わせず、声も出さずに)無視し、その場から立ち去ることです。

こういったことを繰り返すことで、「咬みついたら、遊びが中断されたり、無視されたり何もいいことがない」といこと学ばせます。


よく、咬みついてきたら「子犬の鼻をつかんで強く叱る」方法が良いとおっしゃる方もいらっしゃいます。

その方法も間違いではないのですが、子犬が悪いことをしてから、叱るまでのタイミングが素早くなければ効果が出ません。

適切なタイミングで叱ることができなければ、子犬にとってはなぜ叱られているかがわからず、ただ人間に対しての恐怖心だけが残ってしまう場合があります。


ですので、よっぽど犬の扱いに慣れていらっしゃる方でなければ勧められない方法です。



いつもセミナーの時にお話しするのですが、「犬のしつけ」というのは子犬が家にきたその瞬間から始まります。


子犬のしつけにとって、一番重要な時期は生後5カ月までの間といわれています。

子犬の成長は非常に早く、1年で成犬に成長します。

人間で考えていただければわかりやすいと思いますが、人間の基本的な「しつけ」や「人格形成」は小学校や中学校に入る前にある程度できていますよね?

人間では6~12年の時間をかけて、そこまで成長します。

そして、子犬にとっては生後5~6か月が人間でいう小学生~中学生くらいの成長段階なのです。


人間で、中学校入るまでわがままし放題に育って、社会のルールを学ぶ機会の無かった子供が、中学校に行って上手く適応できるでしょうか?

そんな子を、中学校に入ってから団体生活がおくれるように教育するのにはかなりの困難をともなうのではないでしょうか?


ワンちゃんも一緒です。


衝動的に子犬を買ってきて、はじめは「かわいい!かわいい!」の毎日。
その後、数カ月たってから「無駄吠え」や「咬みつき」に困って、「まずい、しつけしなきゃ」と思っても遅いのです。


子犬を飼うためには、「子犬が家に来てから」もしくは「しつけに困ってから」しつけの勉強をしたのでは遅いのです。


「子犬を飼う前に」十分なしつけについての知識を身につけておくことが、ワンちゃんとの楽しい生活を送る上でもっとも重要なポイントになるのです。



手に咬みついて来て困る①
2011年06月03日 (金) | 編集 |
当院では「動物をこれから飼おうと思っていらっしゃる方」もしくは、「飼い始めて1~2か月の方」を対象にした無料相談セミナーを毎月開催しております


次回は6月26日(日)に開催予定。詳しくはホームページをご覧ください。



で、このセミナーで皆さまからよく御相談をいただくのが・・・
「ワンちゃんが手に咬みついて来て困る
というお悩み。


生後数か月のワンちゃんが、遊びの一環として飼い主様の手に咬みついて来て、興奮してくると咬む力が強くなって痛くて困るとのお悩みが多いのですが・・・



さてさて・・・


これはワンちゃんが悪いのでしょうか


興奮しやすい性格のワンちゃんなのでしょうか


凶暴な性格のワンちゃんなのでしょうか


ある程度は、そのワンちゃんのもともとの気質が関わっていますが、実際にはこの問題の原因は飼い主様にあることがほとんどです。



成長期のワンちゃんは、通常は兄弟犬と一緒に過ごすなかで、お互い取っ組み合いをして咬んだり・咬まれたりのプロレスごっこみたいなことをよくおこないます。

そういった遊びを通じて、運動能力を発達させ、将来、自立した時に獲物を自力でとらえる能力を身につけるのです

また、遊びの中で、お互い咬みつきあうことで、「どこまで強く咬んでも大丈夫か?」という力加減を学ぶことになります。


ある程度以上強く相手を咬んでしまうと、相手はキャインとないて嫌がって離れて行ってしまいます。
もしくは、自分が咬まれて痛い思いをすることもあります。


そうすると、「ここまで強く咬んだら相手が嫌がるんだ」ということを学び、「咬む力の抑制」を学ぶことになります。

こういった、遊びを通じた学習というのは幼少期のワンちゃんの成長には非常に重要になるのですが・・・




大抵の子犬は、生後2カ月程度で母犬や兄弟犬から離され、飼い主となる方の御家庭に引き取られます。

そこでは、一緒になって取っ組み合いをする子犬がいないことがほとんどですから、当然、遊び相手は飼い主様になります。

目の前でひらひらと動く手のひらは恰好の遊び相手になります。

はじめのうちは、咬む力が強くないので飼い主様も好きなように手を咬ませていたり、さらに興奮させるように激しく手を動かして遊んだりします。



そんな日々が1~2か月続くと、徐々にワンちゃんの咬む力も強くなってきて・・・

「手に咬みついて来て困る

となるわけです。



これを、ワンちゃんの立場から考えてみると・・・


ある日突然、母犬や兄弟犬と引き離されて見知らぬお家で独りぼっちに・・・


一緒に楽しく遊ぶ兄弟は周りにいない・・・


でも、目の前には何だか楽しそうにひらひら動く手のひらが・・・


「エイッ」と飛びついてみると飼い主さんが「かわいい~」と大喜び

さらに手を動かして遊びを誘ってくる。

そうか!こうやって手のひらに咬みついて遊ぶのは楽しいことなんだ!

激しく飛びついたり、咬みついたりすればするほど皆大騒ぎで楽しそう!

ボク(アタシ)もとっても楽し~!


で・・・1~2か月して咬む力が強くなってきた途端に・・・


「この子、手に咬みついて来て困るんです!咬む力が強くて痛いんです!興奮し出すと手に負えないんです!」なんて言われてしまう。


それまで、さんざん手で遊ぶのをあおっておいて、ある日、然都合が悪くなると凶暴犬扱いです。


これじゃあワンちゃんはたまったもんじゃありません。


この問題には二つポイントがあります。


まず、そもそも手を咬まれていやなら「手で遊ばせない」こと


次に、もっと早い段階で「咬みつきの強さを抑制させるしつけ」をおこなわなければならないということ


ちょっと長くなってしまったので、明日に続きます・・・






急な吐き気
2011年06月02日 (木) | 編集 |
ここのところ、わんにゃんドックや里親・迷子ネコなどの話題が続いていたので・・・


今日は「吐き気」の話題です。


5月はなんだか「原因不明の急性胃炎」が続いた1カ月でした。



20110531st.jpg
胃炎をおこした症例の超音波画像。
正常であれば4~5mm程度である胃壁が8mm前後と肥厚し、運動性も低下した状態。
見た目にも固く縮んだように見えます。



20110531st 2
同症例の治療後の超音波画像。
胃壁が5mmと正常に戻り、運動性も改善。



「急性胃炎」
ワンちゃんに多くみられる消化器症状で、「急性の嘔吐」が特徴です。



原因は様々。



腐った食物の摂取、異物、有毒植物、薬剤に対する胃炎などなど・・・



ワンちゃんは、あまり食物を選り好みせずに食べてしまう食習慣があります。



そのため、散歩中に落ちていたものをパクッと食べちゃったり、生ごみをあさって食べてしまったりといった事故が絶えません。



観葉植物やお花でも、胃炎をおこす成分を含んでいるものは多いので注意が必要です。




5月に続いた胃炎の症例のワンちゃんは、どの子も原因がはっきりしませんでした。



特に散歩中に拾い食いした様子も、自宅で生ゴミをあさった形跡もないとのこと・・・



こうなると、大抵は迷宮入りです。



飼い主様が見ていないところで何かあったか、何かしらのウイルスや細菌によるものか??




症状の程度は様々で、1~2回吐いただけでケロッとしている子もいれば、2~3日のあいだ吐き気が続く子もいます。




身体検査や、必要に応じて超音波検査やレントゲンをおこなって診断し、まずは点滴や胃薬の投与などで様子を見ます。



単純な胃炎であれば2~3日ですっかり症状は治まるはずですが、「2~3日経っても吐き気が改善しない」もしくは「2~3日のうちにどんどん悪化する」といった場合は、何か別の大きな問題が隠れている可能性があるので詳しい検査が必要です。



胃炎以外に考えられる疾患としては、「急性膵炎」「異物による閉塞」「パルボウィルス感染」などなど・・・




どれも、場合によっては命を落としかねない疾患です。




ところで、自宅で急な吐き気があった場合の対処法・・・



2~3回の軽い吐き気で、元気がある状態なら、半日程度食事をぬいて胃を休めます。


その後、特に吐き気が続く様子が無ければ、少量のふやかしたドッグフードや缶詰フードなどを与えて様子を見ます。


軽い胃炎であれば、それで十分。


その後、2~3日は食事をふやかして、いつもの7割量くらいとセーブしてあたえて様子を見ていただければ大丈夫。




ただし、翌日も吐き気が続いたり、5~6回以上も吐くようでしたら、点滴や胃薬の投与が必要になるのでご来院いただく方が良いです。


または、2~3回の軽い吐き気でも、それが月に何度か繰り返されるような場合も注意が必要です。



いずれにせよ、言葉がしゃべれないワンちゃん・ネコちゃん。


見た目以上に症状が深刻な場合もありますから、基本的には病院に御相談いただいたほうが安心です。