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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
皮下織炎 ②
2010年10月28日 (木) | 編集 |
原因不明の皮下組織炎症によって皮膚欠損をおこしたワンちゃんですが・・・

皮膚炎 3

こういう傷は縫い合わせて閉じようとしても上手くいきません。

以前にもご紹介しましたが、湿潤療法で皮膚を再生させて修復します。

現在では傷口を乾燥させずに皮膚の修復を促す湿潤療法が一般化し、さまざまな専用のドレッシング剤(皮膚の被覆材)が販売されています。

ドレッシング剤

このようなドレッシング剤を傷口の状況に合わせて使い分けます。
傷口の乾燥を防ぎ、修復を促進するような素材になっています。



皮膚炎 4

壊死した組織がすべて落ち切って、皮膚の再生が始まった状態です。




皮膚炎 5

皮膚炎 6

治療開始からおよそ2週間でほぼ治りました。

重要なのはかさぶたができないように、常に密閉し潤いを保つこと。
そうすると傷口が見る見るうちに収縮してふさがっていきます。

周りの正常な部分が「キュッ」と縮むようにしてふさがっていく様子は動物の持つ治癒能力の素晴らしさを感じさせてくれます。


皮下織炎 ①
2010年10月28日 (木) | 編集 |
原因不明の「皮下組織の炎症」を起こしたワンちゃんです。

皮膚炎 1

左肩の皮膚が炎症を起こし、壊死しています。

皮膚の表面ではなく、皮膚の下の「皮下組織」で強く炎症を起こしているようです。

このような炎症の原因で疑われるのは、以前もご紹介した「無菌性結節性脂肪織炎」があります。
ただ、今回はちょっと違うようで、今のところ注射薬に対する過敏反応を疑っています。

現在、注射薬の製造元に調べてもらっているところです。

さて、この皮膚炎は表面よりも、深部の組織のダメージが大きいようです。
このような傷ですと、この後数日のうちに壊死した皮膚が脱落していくことになります。

皮膚炎 2

御覧のように、数日のうちに壊死した皮膚が脱落し始めました。

皮膚炎 3

このような皮膚欠損の場合、まずは壊死した組織を完全に取り除く必要があります。
壊死した組織は細菌感染の原因になりますので、こまめに包帯をとりかえ、壊死した皮膚や皮下組織を除去しなければなりません。

初めの数日はどんどんと傷口が悪化しているように見えるので心配になりますが、この壊死した組織が落ち切らないかぎりは傷口の修復は進みません。

つづく・・・