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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
膝蓋骨脱臼 ①
2010年10月23日 (土) | 編集 |
さて、膝蓋骨脱臼の本編です。

昨日お話ししたように、「ひざの皿(膝蓋骨)」の脱臼です。

脱臼と正常

右側が正常な膝のレントゲンです。
楕円形をした膝蓋骨(ひざの皿)が大腿骨(太ももの骨)の中央部に位置しているのが良くわかります。

また、大腿骨から脛骨(すねの骨)にかけての骨格のラインが一直線になっているのも良くお分かりいただけると思います。

左が膝蓋骨脱臼を起こしたワンちゃんのレントゲンですが、膝蓋骨が中心からずれており、全体的に骨格が歪んでしまっているのがわかると思います。

膝蓋骨脱臼は軽度のものから重度のものまで4段階に分類されます。

グレード1
膝蓋骨を手で押せば脱臼させることができるが、圧迫をゆるめると正常に戻る。

この段階では、基本的には症状は見られません。ただ、時折、膝に違和感を感じることがあるかもしれません。

グレード2
膝を曲げた時に自然に脱臼してしまうことがある。
脱臼した膝蓋骨は、膝を伸ばしたときに自然に元に戻る。

この段階では、膝を曲げた時に自然に脱臼してしまいます。脱臼した膝蓋骨が元の位置に戻るまで、うまく足を動かせなくてびっこをひくことがあります。

グレード3
膝蓋骨は脱臼したままになる。
手で押せば元の位置に戻すことはできるが、すぐにまた脱臼してしまう。

この段階になると骨格にゆがみが生じて、O脚気味になります。
まっすぐに座ることができず、足を横に崩したようなお座りになってしまいます。
歩行は可能ですが、前足に体重をかけた不自然な歩行になることがあります。

グレード4
膝蓋骨は脱臼したままで、手で押しても戻すことができない。
骨格の変形はより重度となり、歩行に支障をきたす場合があります。

なぜ膝蓋骨脱臼が発生するのか?

それについては次回に続きます・・・