町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
スロープ
2010年10月30日 (土) | 編集 |
病院入口にスロープを設けました。

スロープ

病院の入口には8cm程の段差があります。

それ程気になるような段差ではないのですが、高齢の方で足元に不安がある方にとっては、そのたった8cmの段差も不自由なようです

私はうかつにも気づいていなかったのですが、受付の村田さんが「ときどき高齢の飼い主様で、すごく慎重に出入りなさる方がいるので、スロープなどあるとよさそうです」と提案してくれました

日常の仕事をこなすだけでなく、こういったところに気づいて提案してくれるスタッフというのは大変ありがたい存在です

皮下織炎 ②
2010年10月28日 (木) | 編集 |
原因不明の皮下組織炎症によって皮膚欠損をおこしたワンちゃんですが・・・

皮膚炎 3

こういう傷は縫い合わせて閉じようとしても上手くいきません。

以前にもご紹介しましたが、湿潤療法で皮膚を再生させて修復します。

現在では傷口を乾燥させずに皮膚の修復を促す湿潤療法が一般化し、さまざまな専用のドレッシング剤(皮膚の被覆材)が販売されています。

ドレッシング剤

このようなドレッシング剤を傷口の状況に合わせて使い分けます。
傷口の乾燥を防ぎ、修復を促進するような素材になっています。



皮膚炎 4

壊死した組織がすべて落ち切って、皮膚の再生が始まった状態です。




皮膚炎 5

皮膚炎 6

治療開始からおよそ2週間でほぼ治りました。

重要なのはかさぶたができないように、常に密閉し潤いを保つこと。
そうすると傷口が見る見るうちに収縮してふさがっていきます。

周りの正常な部分が「キュッ」と縮むようにしてふさがっていく様子は動物の持つ治癒能力の素晴らしさを感じさせてくれます。


皮下織炎 ①
2010年10月28日 (木) | 編集 |
原因不明の「皮下組織の炎症」を起こしたワンちゃんです。

皮膚炎 1

左肩の皮膚が炎症を起こし、壊死しています。

皮膚の表面ではなく、皮膚の下の「皮下組織」で強く炎症を起こしているようです。

このような炎症の原因で疑われるのは、以前もご紹介した「無菌性結節性脂肪織炎」があります。
ただ、今回はちょっと違うようで、今のところ注射薬に対する過敏反応を疑っています。

現在、注射薬の製造元に調べてもらっているところです。

さて、この皮膚炎は表面よりも、深部の組織のダメージが大きいようです。
このような傷ですと、この後数日のうちに壊死した皮膚が脱落していくことになります。

皮膚炎 2

御覧のように、数日のうちに壊死した皮膚が脱落し始めました。

皮膚炎 3

このような皮膚欠損の場合、まずは壊死した組織を完全に取り除く必要があります。
壊死した組織は細菌感染の原因になりますので、こまめに包帯をとりかえ、壊死した皮膚や皮下組織を除去しなければなりません。

初めの数日はどんどんと傷口が悪化しているように見えるので心配になりますが、この壊死した組織が落ち切らないかぎりは傷口の修復は進みません。

つづく・・・

膝蓋骨脱臼 ③
2010年10月26日 (火) | 編集 |
膝蓋骨脱臼

さて、今回は膝蓋骨脱臼の治療法についてです。

前回述べたように、膝蓋骨脱臼(先天性の場合)は膝周囲の骨や筋肉など複数の奇形・ゆがみの結果として発生します。

ですので、単に外れた膝蓋骨(ひざの皿)をはめ込むだけでは解決しません。

根本的に治療するには外科手術が必要です。

歪んだ靱帯の付着部を移動したり、筋肉を縫いよせたり、骨を削って膝蓋骨のはまり具合を調節したりと様々な手法を組み合わせて、骨格全体のゆがみを矯正する必要があります。

なかなか大変な手術ですので、すべての膝蓋骨脱臼の症例でおこなうわけではありません。

前々回に膝蓋骨脱臼の重症度をグレード1?4に分類しましたが、グレード1もしくは2くらいであれば手術をせずに体重制限や運動制限でうまく付き合っていくことができます。

また、グレード3もしくは4でも、手術をするかどうかは飼い主様次第というところがあります。
歩き方はおかしくても日常生活に支障がない場合は手術せずに様子を見ることは可能です。

ようは、飼い主様が「多少不自由そうだけど、歩けてるし痛がる様子がないなら、痛い思いして手術しなくてもいいかな」と思うか、「足が曲がって不自由なのはかわいそう。手術はつらいかもしれないけど、足をきちんと治してあげたい」と思われるかです。

手術をするにしても、手術をせずに様子を見るにしても、体重管理と運動制限が非常に重要になります。

肥満による膝関節への負担の増加は膝蓋骨脱臼を悪化させます。
また、過激な運動による膝関節への負担も同様です。

さらに、膝蓋骨脱臼を起こすワンちゃんでは、膝関節が不安定になります。
そのため、正常なワンちゃんに比べて膝周囲の靱帯を痛めやすくなってしまいます。

若いうちはいいのですが、ある程度年をとってきて、肥満や過激な運動で膝に負担をかけてしまい、膝の靱帯を切ってしまうということがよくあるのです。

これは、手術でゆがみを矯正したワンちゃんにも言えることです。
いくら手術で強制したとしても、100%正常な状態に戻るわけではありません。
体重による負担や運動による負担が原因で、症状が再発することが十分あり得るのです。

前回も述べたように、この膝蓋骨脱臼は小型犬の半数近くに見られる疾患です。
なるべく多くの小型犬の飼い主様にこの疾患について知っていただき、普段から体重や運動について注意していただければと思います。

膝蓋骨脱臼②
2010年10月25日 (月) | 編集 |
さて、なぜ膝蓋骨脱臼が発生するのか・・・

脱臼と正常

膝蓋骨脱臼には、膝蓋骨(ひざの皿)が内側に脱臼する「内方脱臼」と、外側に脱臼する「外方脱臼」があるのですが、ここでは「内方脱臼」のみを取り上げます。

膝蓋骨の「内方脱臼」は小型犬に多く発症するといわれています。
脱臼には「外傷性」と「先天性」があるのですが、小型犬の多くが「先天性」、つまり遺伝的な関節の問題で発症していると考えられています。

生まれつき、もしくは成長過程の中で骨や筋肉、靱帯などにゆがみが生じ、その歪みが最終的に膝の皿を脱臼させることになります。

つまり膝蓋骨の脱臼は、生まれつきの筋・骨格のゆがみの結果であって、そもそもの問題は遺伝的な筋・骨格の発育の問題なのです。(先天性の脱臼の場合)

重度な症例ほど骨格のゆがみは大きくなり、初めにご紹介した症例のように後ろ足全体がS字を描くように歪んでしまうこともあります。

骨格のゆがみ

最近の人気犬種である、トイプードルやチワワ、ヨークシャーテリアなど多くの小型犬に発症がみられ、ある研究では小型犬・超小型犬の50%以上に脱臼が認められたとされています。

私の感覚でも、小型犬・超小型犬では半分もしくは半分以上に脱臼が認められると感じています。

その多くがグレード1?2程度で、症状としては軽いものですので、特別な治療が必要になることは少ないですが・・・

本来は10?20kg程度ある犬の体格を、人間の都合で小型犬・超小型犬という体格に繁殖させていく中で、やはり骨格・関節の問題が起きやすくなってしまうのでしょうね・・・

では、膝蓋骨脱臼の治療や対策については、また次回に続きます・・・






膝蓋骨脱臼 ①
2010年10月23日 (土) | 編集 |
さて、膝蓋骨脱臼の本編です。

昨日お話ししたように、「ひざの皿(膝蓋骨)」の脱臼です。

脱臼と正常

右側が正常な膝のレントゲンです。
楕円形をした膝蓋骨(ひざの皿)が大腿骨(太ももの骨)の中央部に位置しているのが良くわかります。

また、大腿骨から脛骨(すねの骨)にかけての骨格のラインが一直線になっているのも良くお分かりいただけると思います。

左が膝蓋骨脱臼を起こしたワンちゃんのレントゲンですが、膝蓋骨が中心からずれており、全体的に骨格が歪んでしまっているのがわかると思います。

膝蓋骨脱臼は軽度のものから重度のものまで4段階に分類されます。

グレード1
膝蓋骨を手で押せば脱臼させることができるが、圧迫をゆるめると正常に戻る。

この段階では、基本的には症状は見られません。ただ、時折、膝に違和感を感じることがあるかもしれません。

グレード2
膝を曲げた時に自然に脱臼してしまうことがある。
脱臼した膝蓋骨は、膝を伸ばしたときに自然に元に戻る。

この段階では、膝を曲げた時に自然に脱臼してしまいます。脱臼した膝蓋骨が元の位置に戻るまで、うまく足を動かせなくてびっこをひくことがあります。

グレード3
膝蓋骨は脱臼したままになる。
手で押せば元の位置に戻すことはできるが、すぐにまた脱臼してしまう。

この段階になると骨格にゆがみが生じて、O脚気味になります。
まっすぐに座ることができず、足を横に崩したようなお座りになってしまいます。
歩行は可能ですが、前足に体重をかけた不自然な歩行になることがあります。

グレード4
膝蓋骨は脱臼したままで、手で押しても戻すことができない。
骨格の変形はより重度となり、歩行に支障をきたす場合があります。

なぜ膝蓋骨脱臼が発生するのか?

それについては次回に続きます・・・

膝蓋骨脱臼 予告編
2010年10月22日 (金) | 編集 |
「この1?2か月で、後ろ足が弱ってしまい歩けなくなった」ということで来院されたワンちゃんの後ろ足のレントゲンです。

骨格のゆがみ

骨盤から大腿骨(だいたいこつ:太もも)、脛骨(けいこつ:すねの骨)を撮影したレントゲンなのですが・・・

足がS字状に歪んでしまっています・・・

膝蓋骨脱臼と、それによって二次的に引き起こされた大腿骨・脛骨のわん曲です。

「膝蓋骨脱臼」
「ヒザの皿」が外れてしまっているということです。

小型犬に非常に多い疾患で、ほとんどは生まれつきの骨格の異常が原因で発生します。

チワワやヨーキー、トイプードルなどの人気小型犬種に非常に多い疾患ですので、次回以降、何回かに分けて詳しく取り上げていきます。

来年の・・・
2010年10月21日 (木) | 編集 |
来年の手帳を買いました

手帳

ここ数年、ずっとこの手帳を使い続けています。

月

見開きで月の予定が書き込め

週

その後ろには週の予定を1日ずつ書き込めるタイプです。
右側にはフリースペースがあるのですが、私はこのスペースを左と同じように7日間に区切って、数行の日記をつけています
その日一日を振り返り、次の日の予定などを考えるついてに3?4行ほど書きとめるだけなので、日記といってもそれ程続けるのが苦痛ではなく、ちょうど良いです。

手帳カバー

こちらお気に入りの手帳カバー。
左側が手帳カバーになっており、右の表紙にメモ帳をはさみこめるようになっています

これがかなり使い勝手が良くて気に入っています

来年の手帳を準備したり、10月に入ってから日が落ちるのもずいぶんと早くなって、もうすぐ一年が終わるんだな?と実感がわいてきます。



心不全とICU装置
2010年10月19日 (火) | 編集 |
当院の入院設備の要であるICU装置です。

ICU

温度・湿度はもちろん、室内の酸素濃度まで調節できる優れモノです

操作パネル

通常の入院治療でも活躍する装置なのですが、この装置が本領を発揮するのは心不全で呼吸困難をおこした症例の集中管理です。

心不全の症例では、肺水腫といって、肺の中に水分が染み出してしまう症状を伴うことが多く、呼吸困難をおこすことがあります。

その場合、心不全の治療をしつつ、高濃度酸素治療で呼吸困難を改善しなければなりません。

通常のケージの扉を密閉し、そこに酸素のホースを突っ込んで簡易酸素室とすることもできるのですが、その方法ではケージ内の湿度や温度が上がりすぎてしまいます。

ワンちゃん・ネコちゃんは体温が上昇した場合、呼吸回数を増やすことで体温調節をおこないます。

高温高湿のケージでは、いくら酸素濃度を上げても、体温調節のために必要以上に呼吸に負担をかけるため、酸素治療の効果が半減してしまいます。
そもそも、呼吸困難で苦しんでいるのに、暑苦しくてムシムシするケージの中で過ごすのはあまりにもかわいそうです

さらに、酸素濃度は高すぎても体に害を及ぼします。
通常、我々が呼吸している空気中の酸素濃度は約21%。
酸素室治療では21%?40%までの範囲で酸素濃度を調節する必要があるのですが、ケージを密閉して酸素を流し込むだけの方法では、酸素濃度の調節が不可能です。

その点、この装置ならば理想的な酸素濃度を維持しつつ、快適な温度・湿度を保つことができるので、中にいるワンちゃんも快適そのもの(心不全があることを別にすれば・・・)です


写真のワンちゃんも心不全で呼吸困難をおこして担ぎ込まれたワンちゃんなのですが、酸素室の中で快適に過ごしてくれているようです



乳歯が邪魔で・・・
2010年10月18日 (月) | 編集 |
先週末に手術をしたワンちゃんのお口の中です。

乳歯遺残

去勢手術がメインだったのですが、本来抜けるべき乳歯が残ってしまっていたので、その抜歯もおこないました。

下顎の写真ですが、両側の乳歯の内側に白く盛り上がった部分があります(○で囲んだ部分)。

これは、本来、両側の乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯が歯ぐきの下に盛り上がってきている様子です。

ワンちゃんも人間同様に、本来は乳歯が抜けた後に永久歯が生えてきます。
ですが、いままでも何度も取り上げたように、チワワやヨーキー、トイプードルなどの小型犬種では、この生え換わりが上手くいかずに、永久歯の歯並びが狂ってしまうことが良くあります。

このワンちゃんも乳歯が抜けずに残ったために、永久歯が内側にずれて生えてきてしまっています。
これを放置すると、永久歯の歯並びが大きく狂ってしまい、最悪の場合上あごにぶつかってしまいます。

幸い、まだ永久歯は伸び始めて間もない状態ですから、この段階で邪魔になっている乳歯を抜いてあげれば、ある程度は本来の位置まで戻ってくれると期待されます。

小型犬にはとても多いトラブルですから、小型犬の子犬を飼ってらっしゃる方は、こまめに歯の様子を観察していただければと思います。

こんな風に、歯が前後二列になりますのですぐにわかると思います。

乳歯抜歯


朝から大荷物が・・・
2010年10月16日 (土) | 編集 |
宅急便屋さんが「重いですよこれ」と持って来てくださった大荷物

大荷物

そうです。
病院で皆さまにお配りする来年のカレンダーです

なんだか、ついこの間まで夏真っ盛りだったのにもう年末に向けての準備です

今年は暑い日が多く、夏が長かったせいで、秋があっという間に過ぎていく気がします

カレンダーは11月に入ったら配布する予定です。

また改めてお知らせいたしますね

子宮蓄膿症 ②
2010年10月15日 (金) | 編集 |
さて、緊急手術をおこなった子宮蓄膿症のネコちゃんですが・・・

癒着
手術中の写真です

写真右側が膿のたまった子宮。
左側の私が指で押さえているのは膀胱です。

今回のネコちゃんは昨日お話ししたように、子宮内の膿が陰部から排泄されない「閉鎖性」の子宮蓄膿症でした。

その分、子宮内での膿の溜まりが多くなります。
また、極度に膨らんだ子宮に穴があいて膿が漏れだす危険もあるのですが・・・

どうやら、このネコちゃんでも穴があいて膿が漏れてしまっていたようです。

本来は子宮と膀胱がこの部分でくっついていることはありません。
子宮の根元の部分で膿が漏れてしまい、それによって周辺に炎症が発生、それによって隣り合った膀胱と子宮が癒着(炎症反応によって臓器同士がくっついてしまう)をおこしていたようです。

手術は無事に終了して、術後の経過も今のところ良好ですが、今後、癒着をおこした膀胱に何か問題が起きないかは注意深く観察しなければいけません。

子宮蓄膿症は高齢期の女の子に多い病気です。
発情に関連して発症することがほとんどですから、普段から「いつ発情が来たか」「どのくらいの期間続いたか」「オリモノなどいつもと違う様子がなかったか」など注意深く観察していただくことが大切です。

治療が遅れれば遅れるほど命に危険が及ぶ病気ですから、発情後の体調不良やオリモノがあった際には、なるべく早く獣医師の診療を受けていただければと思います。

子宮蓄膿症 ①
2010年10月14日 (木) | 編集 |
以前にも取りあげたことがありますが、猫ちゃんの子宮蓄膿症の症例です。
先週手術をおこなった症例です。
(以前の子宮蓄膿症 ? ?

子宮蓄膿症は中?高齢の女の子に発生する病気で、子宮内に細菌感染をおこして膿がたまってしまう病気です。

子宮蓄膿症

黒く抜けている部分が子宮です。

正常な子宮は超音波検査ではほとんど観察されませんが、子宮の中に膿がたまることでこのように観察されます。
黒い部分は子宮の中にたまった膿です。

子宮蓄膿症には、子宮内の膿が外陰部からオリモノとして排出される「開放性」の子宮蓄膿症と、膿が排出されない「閉鎖性」の子宮蓄膿症があります。

「閉鎖性」の子宮蓄膿症になると、膿の逃げ場がないため子宮に多量に膿がたまることになり、最悪の場合子宮が破裂して膿がお腹の中に漏れ出てしまうことがあります。

また、オリモノの排出がないため、「開放性」の子宮蓄膿症に比べると診断が難しくなります。

今回のこのネコちゃんは「閉鎖性」の子宮蓄膿症でした。
身体検査ではオリモノが認められず、超音波検査で診断が確定しました。

子宮蓄膿症になると、まず元気・食欲が低下し、「開放性」の場合は膿や血が混ざったオリモノがみられます。
また発熱し、水を欲しがるといったことも良く見られます。

子宮にたまった膿の毒素によって、内臓全般にも悪影響が及び、放置すれば命にかかわる病気です。

子宮蓄膿症は外科的に膿のたまった子宮を取り除く必要があります。
緊急手術となりました。

つづく・・・

歯肉炎
2010年10月12日 (火) | 編集 |
去勢手術と同時に、歯石のクリーニングをおこなったワンちゃんです。

歯石処置前

まだ4歳と比較的若いワンちゃんですが、すでに歯全体に歯石が付着しています。

特に、犬歯の部分は歯肉炎をおこすほどになっています。

歯周炎

歯ぐきと歯の境目に黒っぽい歯石が付着し、歯ぐきの肉が炎症を起こして一部溶けてしまっています
他の歯と比べると歯ぐきのラインが上にあがってしまっているのは、歯肉炎で歯ぐきが溶けてしまったからです。

これを放置すると、歯ぐきだけでなく歯の根っこや顎の骨にまで障害が及んでしまいます。
そうなると歯を抜かなければならなくなります。

歯石処置後

歯石をすべて取り除き、表面をツルツルに磨きあげます・・・
こんなにきれいになりました

飼い主様にも、臭かった口臭が無くなったと喜んでいただけました

わんにゃんドックにて・・・
2010年10月11日 (月) | 編集 |
先日、わんにゃんドックをおこなったワンちゃんの超音波画像です。

肝臓に・・・

肝臓の超音波画像なのですが、GB(胆のう)と書いてある黒い領域の下に、白っぽい丸い構造物がお分かりいただけるでしょうか?

肝臓に腫瘤ができています。
直径1cm以下の小さな腫瘤ですが、この他にも、もう一つありました。

超音波画像だけでは、この腫瘤が良性なのか悪性なのかはわかりません。

この「腫瘤が何か?」を判断するには、一つには針生検といって、皮膚の上から針を刺してこの腫瘤の細胞を採取し、調べる方法があります。

この方法は麻酔が必要なく、動物への負担は最小限で腫瘤の情報を得ることができますが、針で細胞をとるだけなので情報量が少なく、診断がつかない場合もあります。

その場合はより動物に対して負担の大きい方法(試験開腹、腹腔鏡などの外科処置)で腫瘤の一部を採取して調べる必要があります。

当院でもやろうと思えばこういった検査は可能です。

ですが、万が一、悪性の腫瘍だった場合を考えると、下手に私が手を出すよりは、早い段階で専門医の診断を仰ぎ、最適な検査・治療をおこなっていただくことが、ワンちゃんにとって一番良いことです。

腫瘍の治療は早く始めれば始めるほど成績は良いものです。

我々のような一般の「ホームドクター」は、自分にできることと、2次診療に任せることを的確に判断することが重要です。

飼い主様も専門家による積極的な検査を望まれたので、川崎の日本動物高度医療センターの腫瘍科ご紹介することとなりました。

腫瘍科の専門医の目であれば、超音波画像からでも私よりも多くの情報を読み取れるでしょう。

こんなところから・・・!
2010年10月08日 (金) | 編集 |
角膜潰瘍の症例です。

角膜潰瘍

角膜潰瘍とは、目の一番表面の透明な部分(角膜)が傷ついていることです。

写真をみると、目の表面が白っぽく濁っているのがお分かりいただけると思います。

目に傷が付いているために白っぽく濁っています。

ワンちゃんで目に傷がつくことはよくあることで、散歩中に草むらなどに顔を突っ込んで傷つけたり、シャンプーやトリミングの時に傷つけることが多いようです。

目薬で数日から1週間ほど治療すればきれいに治ることがほとんどなのですが・・・

写真のワンちゃんは、治療開始から数日たっても良くなるどころか悪化しています

目の傷の治りが悪い場合に、まず考えなければいけないのがドライアイ。
涙の分泌が少ないために、角膜の治りが悪くなる(また、乾燥しているので傷つきやすくなる)のです。

ですが、このワンちゃんは検査をしても涙の分泌に異常はありませんでした・・・

ドライアイでないとすると・・・
もうひとつ考えなければならないのはまつ毛の異常です。

逆さまつ毛など、まつ毛の生え方に異常がある場合、そのまつ毛が角膜を刺激し傷つけることがあります。

そこで、よ?????????く探してみると・・・

まつ毛

ありました

まぶたの裏側に3本のほそ????いまつ毛。
肉眼では確認できず、拡大鏡を用いて見つけました
(実は数日前の診療の時にもまつ毛の異常を疑って探したのですが、その時は見つけられませんでしたブリちゃんゴメンね・・・)

写真はティッシュの上にのせたまつ毛なのですが・・・
矢印の先に黒い点があるの見えますか??

長さ1mm程度、太さに至っては10分の1mm以下です
まつ毛ぬきで抜いたのですが、あまりに細すぎて、つかんでいる感触も抜いた感触も全くありませんでした。

このまつ毛、どこから生えていたかというと・・・

まつ毛の異常

こんな風にまぶたの裏側に生えていました
こいつが角膜を刺激して傷をつけていたようです。
睫毛重生という奇形の一種で、ときどきこのように目を傷つけることがあるそうですが、私もここまで見事にまぶたの裏に生えている症例は初めてでした

眼科の専門医の先生なんかから「時々あるから、角膜潰瘍の治りにくい子はまぶたをひっくり返して徹底的に探したほうがいいよ」とは聞いていましたが・・・

なんにせよ、これでうまく治ってくれるとよいのですが・・・



いぬのきもち掲載
2010年10月05日 (火) | 編集 |
いぬのきもち11月号にインタビュー記事が掲載されます

8月の中頃に取材を受けたのですが、今日その見本誌が届きました

「獣医さんの診療室から」というコーナーです

いぬのきもち

当院で力を入れている予防医療や循環器疾患、そして飼い主様向けの無料セミナーなどについてのインタビューでした。

こちらの雑誌、定期購読のみで本屋さんでは手に入らないんですよね。

発売日が10日ということなので、それを過ぎたら待合室に置いておきますので、よかったら御覧ください

いぬのきもち (2)


おねしょ
2010年10月04日 (月) | 編集 |
おねしょが続くということでご相談を受けたワンちゃんの尿検査の画像です。

細菌感染

桿菌といわれる、棒状の細菌が多数観察されます。

細菌感染をおこしているのです。
細菌性の膀胱炎です。

おそらくこれが原因でおねしょをしてしまっていると考えられます。

おねしょをしてしまうとか、家の中で尿を漏らしてしまうといったトラブルはしつけの問題だけではありません。

明らかな血尿などの異常がなくても、尿検査をするとこのように問題が見つかることがあります。

アニコムが変わりました
2010年10月02日 (土) | 編集 |
動物保険のアニコムが10月1日から変わりました

アニコム

いままでは50%保障だったのが、プランによって90%・70%を選択できるようになったのと・・・

ないによりも飼い主様にとって便利なのが使用回数が今までは20回と限定されていたのが、無制限になったことではないでしょうか

今までは20回という回数制限があったため、

「今日は検査などなくて安かったから保険なしで・・・」

とか

「残り回数が半分になったから、何か大きな問題起きた時のためにしばらく保険使うの控えようか・・・」

という風に、残り回数を気にしながら保険を使用される方がほとんどでした。

そうすると、結局何事もないまま保険期間が過ぎてしまい、使用回数が半分以上残ったままということが多々ありました

ま、何事もなかったというのはとても良いことなのですが・・・

使用回数制限がなくなることで、日常のちょっとした診療にも使いやすくなり、飼い主様・ワンちゃん・ネコちゃんにとってより使いやすい保険になったのではないでしょうか

近年、高度化している獣医療。
以前よりもより人間に近い先進の医療を受けることができるようになってきました。

その反面、愛犬・愛猫にできる限りの治療をと望めば、かかる費用も高額になってきています。

不幸にしてワンちゃん・ネコちゃんの身に何か起きた時に、費用の問題で治療を断念せざるを得ないことも出てきます。

何かあったときの備えに、ぜひ皆さまも動物医療保険ご検討いただければと思います

壁紙
2010年10月01日 (金) | 編集 |
病院の内装でこだわったことの一つに、診察室の壁紙選びがあります。

壁紙

通常の壁紙より高価なもので、表面が固くツルッとした壁紙を選んでいます。

診察室ではワンちゃんが外に出たがって壁やドアをがりがりと引っ搔くことがありますので、そういったときに傷つきにくいようにするためと・・・

もう一つはパニックになったネコちゃんが診察室を逃げ回ったときの対策です。

ノラ猫ちゃんなどで時々あるのですが、怖さのあまりパニックになったネコちゃんが診察室内を逃げ回り、高いところに逃げようと壁を駆け上がることがあります

ネコちゃんはパニックになると、平面で逃げようとせず、まず高いところに逃げようとします

そんなときに、柔らかい壁紙だと、爪が引っ掛かるので天井までダーッと駆け上がってしまいます
ま、当然そのあとは落っこちてくるのですが・・・

表面が固くツルツルした壁紙だと、ジャンプしても引っ掛かりがないため、そんなに高くまで駆け上がることができなくて安全なのです。

そんなわけで、こちらは本日、恐怖のあまり診察室でジャンプの連発を演じたミケコちゃん

ミケコちゃん

ノラ猫ちゃんなのですが、避妊手術のために来院されました。

写真は手術後の様子。

鎮静剤が効いているのでちょっとぼんやりしています・・・

ミケコちゃんにとっては、いつもご飯をもらっているお家にいったらいきなり捕まえられて、何が何だか分からないうちに病院に連れてこられて・・・
そりゃ怖くて怖くて必死で逃げようとしても仕方ないですよね?