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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
鼻づまりが治らない・・・ ①
2010年09月11日 (土) | 編集 |
16才と高齢のネコちゃんなのですが、2か月ほど前から鼻水と鼻づまりがあるとのことで、治療をうけていたそうです。

2か月治療をおこなったものの、改善が見られないため当院にご相談にいらっしゃいました。

診察時には鼻水は観察されませんでしたが、鼻詰まりが酷いようで、呼吸するたびに「ブーブー」と苦しそうな音がしています。

ネコちゃんで鼻水や鼻詰まりがある場合、一般的にはウィルスや細菌感染による鼻炎やアレルギー性の鼻炎が考えられます。

しかし、2か月も抗生物質や消炎剤の投与をおこなっても改善が見られず、むしろ悪化しているということは、単純な鼻炎ではなく、鼻の奥に腫瘍などができている可能性を考えなければなりません。

さっそくレントゲンを撮って鼻腔内を確認します。

鼻腔内病変

中央に白い縦線がはいっていますが、ここが鼻を左右に分ける隔壁となる骨です。
この左右の細長い空洞が鼻の穴です。

左右を比べると、右側のほうが全体的に白っぽくなっているのがわかります。

つまり、こちら側の鼻の奥が鼻水か腫瘍かはわかりませんが、詰まってしまっているということです。

鼻の奥の腫瘍の場合、鼻が詰まるだけではなく、増殖した腫瘍によって、周辺の骨の構造が破壊されてしまうことが良くあります。

鼻のレントゲンを撮った際には、どちらの鼻が詰まっているかだけではなく、その周辺の骨構造に変化がないかを見なければなりません。

今回のネコちゃんは、このレントゲンで見る限りは骨に異常は無いようです。

ただ、レントゲンで骨に異常が見えるのは、腫瘍がかなり進行してからです。
今現在異常がないといっても腫瘍の疑いは消えません。
今までの治療経過などからすると、腫瘍の可能性が極めて高いと考えられます。

通常のレントゲンではこれ以上の診断は下せません。
ここから先は、全身麻酔をかけて鼻の奥の組織を採取して検査する必要があります。

鼻の奥から採取した組織を検査所で調べることで腫瘍かどうかがわかります。

ただ、せっかく全身麻酔をかけるのなら、CT検査でより詳しく鼻の奥の状況を見たほうが正確な診断が行えます。

CT撮影をおこなえば、レントゲンよりも高い精度で鼻の奥の骨の構造や、腫瘍の広がりを調べることができます。

また、万が一、鼻の奥に腫瘍があるとなると、放射線治療が必要になることがほとんどです。

鼻の奥の組織を検査するだけなら当院でもできますが、CT撮影や放射線治療は2次診療施設にお願いしなければなりません。

だったら、我々のところで中途半端に手をつけるよりは、この時点で2次診療施設にお任せしたほうがよさそうです。

飼い主様に状況をお伝えし、川崎市の日本動物高度医療センターをご紹介することとなりました。

つづく・・・