町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
秋の装い
2010年09月30日 (木) | 編集 |
病院の待合室が秋らしくなりました

ハロウィン

クマさんの手前にある「黒猫とかぼちゃの天秤」。
今月初めごろに新津さんが買ってきてくれたんですが、その時にはハロウィンなんてずいぶん先の話だな?と思っていましたが、ここ数日すっかり涼しくなって・・・

なんだか残暑が無く、猛暑からいきなり秋になった感じがしますね?

ハロウィン2

小型犬に多いです
2010年09月28日 (火) | 編集 |
以前にも何度か取り上げていますが、チワワやヨーキー、トイプードルといった犬種では、乳歯が抜けずに残ってしまうという症例が多くあります。

今回は生後七ヶ月のポメラニアン。

乳歯抜歯

本来は人間同様に乳歯が抜けてから、同じ場所に永久歯が生えるのですが、御覧のように乳歯が残ったまま永久歯が生えてしまっています。

このままでは歯並びが狂ってしまいまし、通常よりも歯に汚れがたまりやすく、歯周病など問題をおこしやすくなります

避妊手術ついでにすべて抜くことになりました。

乳歯抜歯926

全部で17本

乳歯は全部で28本生えますので、半分以上が抜けずに残ったことになります



まだ9月なのに・・・
2010年09月27日 (月) | 編集 |
昨日は無料相談セミナー「どうぶつを飼う前に」を開催いたしました

三組四名様にご参加いただけました

ありがとうございました。
セミナーでお話した内容が、ワンちゃん・ネコちゃんとの幸せな生活の一助になれば幸いです

ところで、今日の雨は涼しいを通り越して寒いですね?
つい先週までクーラーをガンガンに効かせていたのに・・・

今日は暖房です

暖房

新津さんもカーディガンを羽織っての作業です。

カーディガン


尿道結石 ③
2010年09月24日 (金) | 編集 |
普段の手術は新津さんが器材係と麻酔係を兼任します。

麻酔管理(私の指導・管理のもと)をおこないながら、必要な機材を手渡してくれます。

ただ、一緒に手術着を着て手術に参加する助手はいませんので、一人で手術をこなすには色々と工夫が必要です。

本当ならばもう一人獣医師か看護師がいて専属の助手を努めてもらえればだいぶ楽なのですが・・・

はやくそうなるように頑張って病院を成長させなくては

手術

膀胱の手術をする場合、膀胱内に触れた器具というのは、その時点で「汚染」されます。
そのため、膀胱内に触れた器具とそうでない器具をきちんと分けて管理しなければなりません。

膀胱切開

手前の金属トレーに「汚染された器具」を置いて管理します。
こういったことを専属の助手にやってもらえるとずいぶん楽になります。

右手に持っている器具は先端が小さなスプーンのようになっていて、これで尿石をすくい取っているところです。

左手は親指と人差指で二本のモスキート鉗子(かんし)をコントロールし、小指では膀胱に引っかけた糸をひっぱたりゆるめたりして膀胱から尿があふれないようにコントロールしています。

こういった小技を使いこなせると、かえって助手に持ってもらうよりも自分の思うように動きがコントロールできるので、作業しやすかったりします。

一番助手が欲しくなるのが縫合の時です。
「ここに針を通したいんだけど、脂肪が上からかぶさって・・・あ?だれか押さえてて?
となるわけです。
縫合というのは両手をフルに使う作業なので、それ以上に何か必要になったときにとても困ってしまいます。

さて、話がそれてしまいましたが・・・

尿石

これが今回取り出した尿石です。
小さいですね?

一番大きなものでも3?4mmでしょうか。
小型犬だとこのサイズでも尿道に詰まってしまってどうにもならなくなってしまうのです。

手術が終わった後は、2日間ほど尿道にカテーテルを通したまま過ごしてもらいます。

術後

切開したばかりの膀胱に負担がかからないよう、尿を膀胱にためないように常時カテーテルから排出するのです。

術後しばらくは血尿が出ます。

このワンちゃん、超音波検査で膀胱内・前立腺内を確認しましたが尿石の取り残しはなさそうです

今日のお昼から尿道のカテーテルをはずして様子を見ていますが、尿の出具合も順調そうなので、心配した尿道内の尿石の取り残しもなさそうです。

レントゲンに尿石が写ればこんな心配しなくていいのですが・・・

あと2日ほど尿の状態など観察して問題がなければ退院です。


尿道結石 ②
2010年09月23日 (木) | 編集 |
さて、尿道結石のワンちゃんの続きです。

尿道内に詰まってしまった尿石を膀胱に押し戻さなければなりません。

尿道結石

尿道にカテーテル(管)を通しながら、生理食塩水を勢いよく流し込んで水流で尿石を押し戻します。

膀胱結石

無事に尿石を膀胱内に押し戻すことができました

通常、尿石の手術をする際には、超音波だけでなく、レントゲン撮影をおこなって尿石の正確な数や位置を確認します。
超音波はリアルタイムで石の状況を確認するには良いのですが、正確な数の把握や位置の確認はレントゲンのほうが勝っています。

尿石過去の症例。このようにごく小さな尿石もハッキリと確認できます。

そこでレントゲン撮影をおこなったのですが・・・ここで大問題発生

尿石レントゲン

レントゲンに尿石が写らないのです
尿石はその主成分によっていくつか種類がわかれるのですが、種類によってはレントゲンに写らない場合があるのです。

どうやら、今回の症例の尿石はレントゲンに写りにくいタイプのようです。

これは困ったことになりました

レントゲンに尿石が写らないということは、まず尿石の正確な数がわからないため、手術時に石を何個とれば終わりなのかがわかりません。
そして、手術後に取り残しがないか確認したくても、確認ができません。
膀胱内の尿石は手術中に指で確認ができますが、尿道内に小さな石が残ってしまったのは確認のしようがないのです

しかたありません・・・
可能な限り尿道をカテーテルで洗浄し、取り残しの可能性をできる限り低くするしかありません
で、術後に超音波で可能な範囲で確認するしかなさそうです。

飼い主様に、取り残しの危険性をご説明したうえで手術をおこなうこととなりました・・・

つづく

尿道結石 ①
2010年09月22日 (水) | 編集 |
休診日ですが新津さんと村田さんが何か処置をおこなっています・・・

毛刈り

バリカンを持っていますが・・・
トリミングにしては様子が変ですね?

毛刈り (2)

実は尿石症の手術のための準備です。
手術のためにお腹周りをツルツルに毛刈りします

本日は尿道結石のワンちゃんの手術です。
時間がかかる手術なので休診日での手術です。

尿道結石
膀胱を出てすぐの尿道内(前立腺の内部を通ります)に尿石が詰まっています
おしっこはなんとか出るものの、チョビチョビとしか出ない状態です

尿道結石を取り除く場合、この詰まった部分を手術で切り開くことはしません。
尿道を切開すると術後に尿道が狭まってしまい、尿の出が悪くなる危険があります。

そこで、通常は尿道にカテーテル(管)を通して、尿道内の結石を膀胱まで押し戻してから手術します。

尿カテーテル

さて・・・上手くいくかな??

つづく・・・

鼻づまりが治らない ?
2010年09月20日 (月) | 編集 |
ちょっと間があきましたが、鼻腔内腫瘍のネコちゃんのその後です・・・
(前回、前々回はこちら→ ? ?

紹介先の日本動物高度医療センターからCT画像が届きました。

鼻腔内腫瘍

中央に左右の鼻腔(鼻の穴の奥)が写っていますが、左側が真っ白になっています。
腫瘍や血液、鼻水で鼻腔が完全にふさがっています。

丸で囲んだ部分を良く見ていただくと、左右の鼻腔を分ける中隔が崩壊し、腫瘍がわずかに右の鼻腔に侵入しているのがお分かりいただけると思います。

通常のレントゲン画像ではここまで詳細にみることはできません。

組織検査の結果も出て、「鼻腔腺癌」という診断でした。

抗がん剤の効果の低い腫瘍で、放射線治療が必要になります。

放射線治療とは、放射線のもつ細胞障害作用を利用して、癌組織を攻撃する治療法です。
通常のレントゲンとは桁違いのパワーをもつ放射線発生装置を使用するため、この装置の設置には大規模な設備が必要になります。

また、副作用も強いため、専門のスタッフによる厳密な治療計画が必要になります。

放射線治療中は、癌組織以外の正常組織への被ばくを防ぐため、動物の体が動かないようにする必要があります。
そのため、治療中は全身麻酔を施し、全身を専用のマットで固定しておこないます。

動物医療では、週に3回×4週間の放射線治療をおこなうことが多いようです。
つまり、1カ月に12回の全身麻酔が必要になるということです。

そのため、放射線治療を望んだとしても、動物の体調が麻酔に耐えられない状態であれば治療をおこなうことができません。

今回のネコちゃんは、高齢かつ腎臓病を患っているため、積極的な放射線治療は断念せざるを得ませんでした。

ただ、放射線治療には癌の根治を目指す以外に、症状を緩和することを目指した治療法があります。

この場合は、週に1回の放射線治療を4回程度おこないます。
それによって、癌の根治には効果が不足しますが、一時的に鼻腔内の腫瘍を縮小させることが期待されます。

そうすれば、現在ネコちゃんが苦しんでいる呼吸困難(腫瘍によって鼻腔がふさがっているため)を緩和し、日々の生活の質を改善することが望めます。

もちろん、回数は少ないとはいえ全身麻酔を1?4回程度おこなうことになりますので、リスクはあります。
ですが、飼い主様が現在の呼吸困難の改善を強く希望されたため、放射線治療による緩和療法をおこなうことになりました。

高度医療センターで放射線治療計画の立案と、ネコちゃんの全身状態を再評価して治療に耐えられるかを最終チェックすることになりました。

最近せかされます
2010年09月19日 (日) | 編集 |
以前にもブログで取り上げましたが、当院では来院されるワンちゃんのストレスを和らげるため、診療後にご褒美のおやつをご用意しています

ごほうび

病院というと、どうしても注射や検査などワンちゃんにとっては嫌なことばかりなので、ご褒美のオヤツで少しでもストレスを和らげ、病院嫌いを防ごうという目的なのですが・・・

最近、それがかなり浸透してきたようで、ワンちゃんにご褒美のオヤツをせかされることが増えてきました

今日も、足の怪我で包帯交換に通院中のワンちゃんが、包帯交換中は嫌がって飼い主様にしがみつこうとしていたのに、包帯交換が終わって包帯を片づけはじめると・・・

すぐに側に寄ってきてお座りをして、「オヤツくれるんでしょ」と瞳をキラキラさせていました。

思わず飼い主様も私どもも苦笑いです・・・
あんなに包帯交換中は嫌がってたのに・・・

一応、いい子で診察させてくれた事に対するご褒美なのですが・・・

ま、嫌な治療も終われば笑顔で帰っていただけるのが一番です

消化管内異物 ③
2010年09月17日 (金) | 編集 |
種

今回は梅干しの種でしたが、消化管内異物には様々な物がございます。

たとえば・・・

○果物のタネ
生ごみをあさって食べてしまったり、台所で落としたものをあっという間に飲み込んでしまったりといったケースが多いですね。

○トウモロコシの芯
これ結構多いです。生ごみをあさって食べてしまったというケースが多いですね。
ワンちゃんでは結構大きな塊でも丸のみしてしまいます。

○紐・糸の類
特にネコちゃんに多いですね。
いらなくなったジャージのズボンの紐で遊ばせていたらいつの間にか飲んでしまった・・・なんて事がありました。
もしくは「紐のついたネズミのおもちゃ」で遊ばせていたらいつの間にか食べちゃってた・・・なんて事故もあります。

○オモチャ類
ワンちゃんの咬んで遊ぶようなオモチャ類。
かじって遊んでいるうちに飲み込んでしまいます。
ボールなんかもよく飲んでしまいます。

○布・靴下
脱ぎ散らかした靴下を丸のみしたり、カーテンをかじって食べてしまうようなこともあります。

○焼き鳥などの串
食べ終わった串でも、味が付いているので食べてしまいます。
つまようじなんかも要注意ですね。
胃や腸を突き破って、肝臓などの臓器を傷つけることもあり、非常に危険です。

○犬のガム類や乾燥させた骨のオヤツなど
これは結構盲点です。
食べ物だからと油断していると、大きな塊のまま丸のみしてしまって喉に詰まらせたり、腸に詰まったりすることがあります。
人間だって、こんにゃくゼリーやお餅を喉につまらせれば命にかかわりますからね。

どれもこれも、ちょっと人間の方がゴミの片づけを気をつけたり、オモチャで遊ばせるときに目を配っているだけで防げることばかりです。
オヤツ類なんかも、「これを丸のみしてしまったら危ないかも・・・」とちょっと気を配るだけで事故は減らせます。

どのワンちゃん・ネコちゃんでもあり得る事故ですので、「家の子は大丈夫だろう」ではなくて、「うちの子に万が一があったら大変」というつもりで、日ごろ気をつけていただければと思います。

あと、いま思いつきましたが、結構多いのが「人間のお薬」です。

腸に詰まったりという危険はあまりないですが、お家の方の常備薬を飲んでしまうワンちゃんというのは結構多いです。

不思議と糖尿病治療のお薬を飲んでしまうワンちゃんが多いのですが・・・
何か美味しそうな香りでもするのでしょうか・・・?
それとも、それだけ糖尿病を患っていらっしゃる方が多いのか・・?

特に痛ましい出来事だったのが、市販の風邪薬を留守番中に大量に飲んでしまったワンちゃんでした。
飼い主様が帰宅したら、すでに中毒を起こして意識不明の状態。
入院していただき、一晩手を尽くしましたが、残念ながら助けることができませんでした・・・

消化管内異物 ②
2010年09月16日 (木) | 編集 |
消化管内に異物による閉塞がみつかったら、基本的には手術で摘出になります。

消化管内異物

「一時的に詰まっただけで、上手く流れてくれるかも・・・」と期待して待つことも可能ですが、その間、異物が詰まった部分の腸では血行障害や炎症が起こります。

それをあまり長時間放置してしまうと、異物がうまく流れたとしても、腸自体のダメージによって命を失うこともあります。
もちろん、上手く流れなくて結局手術になったとしたら、手術が遅れた分、腸へのダメージが大きくなってしまい、手術がうまくいったとしても腸炎や腹膜炎で命をおとすこともあり得ます。

十二指腸

写真は異物の詰まっている十二指腸。
真っ赤に充血して炎症を起こしています。

異物が十二指腸に詰まった場合に考慮しなければならないのが、膵炎や胆管炎などの二次被害です。

膵炎

赤くなった腸の内側のクリーム色の部分が膵臓です。
膵臓の一部分が赤く充血しています。膵炎が起きています。
左右の指の間の腸の中に異物があるのですが、うっすらと形がわかるでしょうか?

十二指腸は、胃から出た直後の部分なのですが、この部分は膵臓や胆のう(肝臓)とつながっています。

異物閉塞

そのため、十二指腸に異物が詰まってしまうと、腸炎だけではなく膵炎や胆管炎(胆のう、肝臓への炎症)まで起きてしまうのです。

特に膵炎は悪化させると致命的な事もあるので、注意が必要です。

今回の症例はすでに膵炎をおこし、血液検査でも肝臓に炎症が起きていることが示唆される状況でした。
手術で異物を取り除いたとしても、膵炎や胆管炎(胆のう・肝臓の炎症)がひどければ、それで命を落とすこともあり得るのです。

種

やはり梅干しの種でした。

つづく・・・



消化管内異物 ①
2010年09月14日 (火) | 編集 |
先日、吐き気がおさまらないネコちゃんでバリウム検査をしたというお話をしました。

バリウム検査
バリウムは胃から腸へ問題なく流出

幸いその子に関しては消化管内に大きな問題はありませんでしたが・・・

こちらは、問題があった症例のバリウム検査のレントゲンです。

消化管内異物 (2)

バリウムが胃から出てすぐのところでピタッと止まってしまっています。

消化管内異物

横から見るともっと良くわかりますね。

良く見ると、楕円形の異物で腸がふさがっているように見えます。

大きさからすると、「梅干しの種」のように見えます。

異物による消化管の閉塞は命にかかわります。

できる限り早急に手術をして取り除かなければなりません。

つづく・・・


鼻づまりがなおらない・・・②
2010年09月13日 (月) | 編集 |
鼻づまりが治らないということで来院されたネコちゃん。

症状、経過、レントゲン検査から鼻腔内腫瘍が疑われます。

鼻腔内病変


CT撮影による詳しい検査、および必要に応じて放射線治療などをおこなうために、川崎市にある日本動物高度医療センター(JARMeC)にご紹介することとなりました。

民間の施設ではあるのですが、2次診療(一般的なかかりつけ医からの紹介診療のみ)に特化しており設備・規模ともに大学病院と同等の施設であります。
2006年にできたばかりの新しい施設で、私も循環器科の非常勤研修医として不定期で研修させていただいていました。

当院では町田市という地理条件から、普段は相模原市にある麻布大学付属動物病院にご紹介することが多いのですが、状況によってはJARMeCであったり、藤沢市の日本大学(私の母校)にご紹介することもあります。

JARMeCでは、検査・診療の経過を詳細な報告書として紹介元の病院に届けてくださいます。

報告書

それによると、やはり鼻腔内の腫瘍性病変が強く疑われるとのこと。
通常のレントゲンでは骨に異常は見当たりませんでしたが、CT検査では軽度から中程度の骨の破壊・変形も認められたそうです。

最終的な診断にはあと数日かかるそうで、その結果によって治療法を検討するそうです。



鼻づまりが治らない・・・ ①
2010年09月11日 (土) | 編集 |
16才と高齢のネコちゃんなのですが、2か月ほど前から鼻水と鼻づまりがあるとのことで、治療をうけていたそうです。

2か月治療をおこなったものの、改善が見られないため当院にご相談にいらっしゃいました。

診察時には鼻水は観察されませんでしたが、鼻詰まりが酷いようで、呼吸するたびに「ブーブー」と苦しそうな音がしています。

ネコちゃんで鼻水や鼻詰まりがある場合、一般的にはウィルスや細菌感染による鼻炎やアレルギー性の鼻炎が考えられます。

しかし、2か月も抗生物質や消炎剤の投与をおこなっても改善が見られず、むしろ悪化しているということは、単純な鼻炎ではなく、鼻の奥に腫瘍などができている可能性を考えなければなりません。

さっそくレントゲンを撮って鼻腔内を確認します。

鼻腔内病変

中央に白い縦線がはいっていますが、ここが鼻を左右に分ける隔壁となる骨です。
この左右の細長い空洞が鼻の穴です。

左右を比べると、右側のほうが全体的に白っぽくなっているのがわかります。

つまり、こちら側の鼻の奥が鼻水か腫瘍かはわかりませんが、詰まってしまっているということです。

鼻の奥の腫瘍の場合、鼻が詰まるだけではなく、増殖した腫瘍によって、周辺の骨の構造が破壊されてしまうことが良くあります。

鼻のレントゲンを撮った際には、どちらの鼻が詰まっているかだけではなく、その周辺の骨構造に変化がないかを見なければなりません。

今回のネコちゃんは、このレントゲンで見る限りは骨に異常は無いようです。

ただ、レントゲンで骨に異常が見えるのは、腫瘍がかなり進行してからです。
今現在異常がないといっても腫瘍の疑いは消えません。
今までの治療経過などからすると、腫瘍の可能性が極めて高いと考えられます。

通常のレントゲンではこれ以上の診断は下せません。
ここから先は、全身麻酔をかけて鼻の奥の組織を採取して検査する必要があります。

鼻の奥から採取した組織を検査所で調べることで腫瘍かどうかがわかります。

ただ、せっかく全身麻酔をかけるのなら、CT検査でより詳しく鼻の奥の状況を見たほうが正確な診断が行えます。

CT撮影をおこなえば、レントゲンよりも高い精度で鼻の奥の骨の構造や、腫瘍の広がりを調べることができます。

また、万が一、鼻の奥に腫瘍があるとなると、放射線治療が必要になることがほとんどです。

鼻の奥の組織を検査するだけなら当院でもできますが、CT撮影や放射線治療は2次診療施設にお願いしなければなりません。

だったら、我々のところで中途半端に手をつけるよりは、この時点で2次診療施設にお任せしたほうがよさそうです。

飼い主様に状況をお伝えし、川崎市の日本動物高度医療センターをご紹介することとなりました。

つづく・・・



本日のわんにゃんドック
2010年09月09日 (木) | 編集 |
先月末から続いていたわんにゃんドックの波も今日でいったん終了です

今日はヨークシャーテリアの杏奈ちゃん

16才と高齢で、数年前から心臓病と腎臓病を患っているそうです。

先月末に初めてご来院いただいたのですが、今後、当院で治療をおこなっていくにあたって、心臓と腎臓の状況を正確に把握しておく必要があるため、わんにゃんドックCと心臓の超音波検査をおこなうことになりました。

杏奈ちゃん

健康診断としてだけではなく、今まで患ってきた病気の正確な病状の把握にもわんにゃんドックは有効です

皮下点滴
2010年09月08日 (水) | 編集 |
動物病院で日常的に行う処置の一つに「皮下点滴」があります。

点滴中 (2)

このように、首の後ろの皮膚から点滴を入れます。
人医療では一般的な方法ではないようですが、動物医療では一番簡便な水分補給・薬剤投与の手段として用いられています。

一回に100?200ml程度を投与することが多いのですが、およそ10?20分程度で終わります。
点滴液は皮膚の下にたまり、肩や腕がむくんだようになります。
その後、数時間かけて完全に体に吸収されていきます。

血管に点滴を流す場合は、点滴を投与するスピードが早すぎると心臓に負担をかけるため、慎重に調節しなければなりません。
動物のサイズによりますが、100?200mlの点滴を安全に投与するには数時間かけて投与しなければなりません。
日常的に通院されるわんちゃん・ねこちゃんにおこなうには、飼い主様の拘束時間や、動物のストレスなどを考えるとちょっと現実的ではありません。

皮下点滴の場合は、投与するスピードが早くても心臓に負担をかけることがないため、治療のために点滴に通っていただくようになっても、飼い主様の拘束時間が短くて済むのです。
また、動物に対してのストレスも最小限に済みます。

点滴中

吐き気が続くということで、皮下点滴で水分補給と胃薬の投与を受ける富士丸君。
御覧のようにケロッとした顔で点滴を受けています。

本日のわんにゃんドック
2010年09月06日 (月) | 編集 |
先月好評だったわんにゃんドックですが、先週も2件続けて受けていただくことができました

らぶちゃん

シーズー犬のらぶちゃん。

腎臓病で通院中のわんちゃんなのですが、腎臓の定期健診を兼ねて「わんにゃんドックC」を受けていただきました。

わんにゃんドック

超音波検査で腎臓の状態を詳しく調べます。

もう一頭のわんちゃんはまだ4歳のミニチュアダックスの男の子でした。

ちょっとバタバタしていて写真掲載のお願いをし忘れてしまったので写真はありません

お知り合いのワンちゃんが急に具合が悪くなって病院に行ったら、お腹の中の腫瘍が見つかって、結果的にはお亡くなりになったそうです。

そのことをきっかけに「定期健診てやっぱり大事なんだな」とご相談をうけて、今回わんにゃんドックAを受けていただくことができました。

これを機会に、定期的なわんにゃドックを病気の早期発見・予防に役立てていただき、一日でも長く元気に過ごしていただければなによりです

秋の気配・・・
2010年09月05日 (日) | 編集 |
現在、9月5日(日)の午後11時

入院中のネコちゃんの処置のために病院にいるのですが・・・

先日お話したように流動食をあたえなければならないのですが、あまり一度にあたえると吐いてしまう危険があるため、一度の食事を少量ずつ5?6回に分けて与えます。

一口ごとに5?10分ほど間をあけるため、その間はネットなどしながら時間を潰しているのですが・・・

するとICUの奥から「ジリリ・・・ジリリ・・・」と何やら怪しげな音が・・・

ICUの奥で・・・

どうやらICUの奥にあるバックヤード(食事の在庫や洗濯機が置いてあります)から音がしているようです。

ICUの奥で・・・


この時点で、「ひょっとして・・・」とピンと来るものがありました。

洗濯機の裏を見てみると案の定・・・

こおろぎ

コオロギです

実はおととい、どこから紛れ込んだのか診察室でうろちょろしていたのを捕獲して外に逃がしたばかりだったのです。

まさかその時と同じコオロギではないとおもいますが・・・

こんな異常に暑い日が続いていても、秋の気配がちかづいているようですね?

こうしてブログを書いていても、病院内に涼しげな音が響いています

おしらせ
2010年09月04日 (土) | 編集 |
9月の無料相談セミナー「どうぶつを飼う前に」の情報を病院ホームページに掲載しました

9月26日(日) 受付 13:30?  開始 14:00?

参加ご希望の方は電話にてご予約ください。
042?711?7612


どうぶつをこれから飼おうと考えている方、もしくは飼い初めて1?2か月程度の方を対象としたセミナーです

わんちゃん・ねこちゃんを飼ってみたものの、「思ったよりも大変だった」「しつけが大変!こんなはずじゃなかったのに・・・」なんて事にならないように、飼い始める前からしつけや動物の習性のことを勉強して備えておくことが大切です


バリウム造影
2010年09月03日 (金) | 編集 |
肝リピドーシスで入院中のネコちゃん。
入院当初から吐き気があったのですが、どうも治療をしてもなかなか吐き気がおさまりません。

ワンちゃん・ネコちゃんの吐き気が酷い場合、肝臓や腎臓などの内臓疾患のほか、胃や腸などの消化管での腫瘍や、異物摂取などが疑われます。

今回の症例は膵炎や胆管肝炎からの肝リピドーシスを疑っており、異物や通過障害の疑いはあまりありません。

ですが、あまりに吐き気のおさまりが悪いので、「異物や通過障害が無いことを確認するため」にバリウム検査をおこないました。

異物や通過障害の可能性が低くても、検査で明確にしておかないと、「いつまでたっても吐き気がおさまらないと思ってたら、実は胃の中に異物があった」なんてことになったらとんでもないことです。

バリウム投与

このように注射ポンプで強制的にバリウムを飲ませます。
ごくまれに自分から進んで飲んでくれる場合もありますが、ほとんどは嫌がってなかなか飲んでくれません

バリウム検査

バリウムを飲ませた後、数十分から数時間おきにレントゲンを撮影して、バリウムの流れていく様子を観察します。

異物があればそれが映し出されますし、通過障害があればそこでバリウムの動きが止まります。

消化管内の異物は超音波検査でも見つけることはできますが、胃などはガスが多くたまっている状態だと超音波が反射されて上手く見ることができない場合があります。

ですので、超音波検査をやって問題がないようでも、吐き気がおさまらない場合にはバリウム検査をおこなったほうが確実です。

ところで、レントゲン写真でバリウムが数珠状に連なっている部分がありますが・・・

あたかも球状の異物が並んでいるように見えますが、正常なネコちゃんの十二指腸ではこのように写ります。

強制給餌
2010年09月02日 (木) | 編集 |
黄疸

現在、入院中のネコちゃん。

「黄疸」がでています。

「黄疸」というのは、血液中に「ビリルビン」という色素が増加してしまうことで、全身の粘膜や皮膚が黄色みを帯びることです。
肝臓疾患が原因になることが多いのですが、今回の場合は「肝リピドーシス」という病気が原因になっています。

「肝リピドーシス」というのは、何らかの原因で食欲不振に陥ったネコちゃんが、栄養不良を補うために自分自身の脂肪組織を分解・代謝する過程で肝臓に脂肪が蓄積してしまい、それによって肝障害がおこってしまいます。
くわしくは以前のブログをご覧ください→CLICK

この病気を治療するには、まず食欲不振の原因となった疾患を治療しつつ、肝臓の保護治療をおこないます。
そして、一番重要なのは、無理やりにでも食事をあたえて、体内の栄養障害を早急に改善することです。

強制給餌

このように流動食を専用のポンプで強制的に与えます。
場合によっては食道にチューブを入れてあたえることもあります。