町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
膀胱結石
2010年06月29日 (火) | 編集 |
「昨年末に尿検査で尿石が見つかり、治療を続けているがなかなか治らない」とのことで来院されたワンちゃん。

食事療法と飲み薬で治療されていたそうなのですが、半年経っても改善がないそうです。

今まで一度も膀胱のレントゲンや超音波検査をおこなったことが無いそうなので、超音波検査で膀胱内を詳しく調べてみると・・・

膀胱内結石

ありました・・・
立派な膀胱結石です

黄色▽で囲った部分が膀胱で、その中でひときわ白く輝いているところが結石です。

結石は超音波を強く反射するので、結石より下側には超音波が届きません。
そのため、結石の表面だけが白く輝き(超音波の反射)、その下は画像が途切れて黒くなってしまっています。

直径1cmほど、ちょうどパチンコの玉くらいの結石です。

一口に尿石といっても、尿に溶けて出てくるような顕微鏡レベルの尿石(結晶)から今回のように小石と同じくらいの大きさまで様々です。

私が経験した最大の膀胱結石はゴルフボールと鶏の卵の中間くらいの大きさでした

尿結石の病態を正確に把握するには尿検査だけではなく、レントゲンや超音波といった画像診断を同時に行うことが大切です

尿石にはいくつか種類があり、ワンちゃんで一般的なストルバイトという結石であれば食事療法で溶かすことができます。

しかし、今回のワンちゃんは、すでに半年以上も食事療法を続けているにもかかわらず、膀胱内にこんなに大きな石がありますので、食事療法では溶かすことができないタイプの石である可能性が高いのです。

念のために、今まで使われていたのと別メーカーの治療食を一カ月ほど試して、それでも膀胱結石が溶ける様子がなければ手術で摘出することになりそうです

なんとかメスを入れずに済めばよいのですが・・・

無料セミナー開催いたしました
2010年06月28日 (月) | 編集 |
6月27日(日) 無料相談セミナー開催いたしました

ワンちゃん・ネコちゃんを飼い始めて1?2か月ほどの3組方々にご参加いただきました

皆さま、ワンちゃん・ネコちゃんを飼い始めて数か月、やはりなかなか思うようにいかなく、「初めに考えていたよりも動物を飼うって大変」というのが正直なところのようです

ただ、飼い始めて初めの数カ月?1年さえしっかり準備・計画をして、しつけをしていけば後は楽なもんです

この何カ月かが頑張りどころです

逆に、飼い始めてからの数か月を無計画に過ごしてしまうと後から遅れを取り戻すのが大変です

すべての内容をお話しきれたわけではありませんが、今回のセミナーが皆さまとワンちゃん・ネコちゃんとの幸せな生活の一助になれば幸いです

この年齢で?? ②
2010年06月26日 (土) | 編集 |
さて、珍しいネコちゃん(10か月齢)の子宮蓄膿症ですが・・・

先日お話したとおり、子宮蓄膿症はどれだけ早く手術で膿のたまった子宮を取り除くかが治療のカギになります。

手術が遅れれば遅れるほど、子宮内の膿の毒素が体内に吸収されてしまい、体へのダメージが大きくなります。

体へのダメージが大きい場合、手術が成功してもそのあとに命を失うこともあり得るのです。

麻酔中

今回のネコちゃんも、その日のうちに手術になりました。

日中のうちに手術前の検査と点滴治療を進めて、夜診療が終わってからの手術でした。

子宮蓄膿 手術中
注! 手術中の写真です。

子宮蓄膿症の術式は基本的には避妊手術と同様です。
ただ、膿がたまって膨らんだ子宮が破裂する危険があるので慎重に取り扱う必要があります。

今回のネコちゃんは、すでにオリモノとして大部分の膿が排出されていたようで、それ程の溜まり具合ではありませんでした。
それでも正常の子宮の5?6倍の太さには膨らんでいます。

正常な子宮は私が手にしている鉗子(かんし)という器具と同じくらいの太さですので、かなり太くなっているのがお分かりいただけると思います。

摘出した子宮

摘出した子宮の中には御覧の通り茶色い膿がたまっています。

子宮蓄膿 膿

手術が終わってお尻を見てみると膿がオリモノとして排出されていました。
手術中の子宮への圧迫で出てきたようです。

通常、子宮蓄膿症の手術後は、体調が整って退院できるまで1週間ほど入院していただくのですが、さすがに今回は生後10か月と若いせいか回復が非常によく、術後3日で元気に退院して行きました。

今回はネコちゃんの子宮蓄膿症と珍しい症例でしたが、ワンちゃんでは子宮蓄膿症は一般的です。

中高齢のワンちゃんでは、発情後の1?2か月は注意していただいて、「いつもよりオリモノが多い」とか、「一度発情は終わったのにまたオリモノが出てきた」などあれば早めに病院にご相談くださいね。

元気も食欲も無くなって、ぐったりしてしまってからでは手遅れの場合もありますのでご注意ください!

この年齢で?? ①
2010年06月25日 (金) | 編集 |
子宮蓄膿症という病気についてご存知でしょうか?

読んで字のごとし、子宮の中に膿がたまる病気なのですが・・・

中?高齢期のワンちゃん(当然、女の子です)に多くみられる病気で、子宮内に細菌が侵入して感染症をおこします。

子宮蓄膿症の特徴的な症状は、「発情が終わって1?2ヶ月くらいたった頃」に、膿状のオリモノが分泌されるようになったり、細菌感染症のせいで元気・食欲がなくなってしまったりするのです。
また水を良く飲み、おしっこが多くなるのも特徴的な症状です。

子宮蓄膿症は発情のメカニズムの関係で、ネコちゃんではあまり見られません。
私の今までの経験でも、ワンちゃんの子宮蓄膿症を50症例見るうちにネコちゃんは1症例程度の割合でしょうか。

ですが、今回診察させていただいた症例は、なんと生後10か月のネコちゃんでした。
子宮蓄膿症はほとんどが5歳以上の中高齢に発症します。
猫というだけでも珍しいのに、生後10カ月というのは非常に珍しい症例です。
私も初めてです。

麻酔中

来院前日の夜に急にお腹を痛がりオリモノが出てきたとのことで、夜間動物病院にいかれたそうです。

そこで「子宮蓄膿症」と診断され、当院に転院された症例です。

一通り身体検査を終えて、超音波検査機で子宮を確認すると・・・

子宮蓄膿症 超音波画像 2

下腹部に黒い塊が三つ。

超音波では液体は黒く表現されます。
膀胱内には尿(液体)が溜まっているので黒く映ります。

子宮は膀胱のすぐ上にありますので、膀胱以外に黒い映像が得られれば液体(この場合は膿)がたまった子宮であることが分かるのです。

子宮蓄膿症は命にかかわる疾患です。

子宮内にたまった膿の毒素は体内に吸収され、さまざまな内臓にダメージを与えます。
発見が遅れ、膿の毒素が吸収されればされるほど状態は悪くなり、治療しても助けることができなくなってしまいます。

また、膿がパンパンにたまった子宮が破裂してしまい、お腹に膿が漏れ出てしまう危険もあります。
これも致命的です。

できる限り早く手術して、膿のたまった子宮を取り除かなければなりません。
(内科治療もありますが、副作用・再発の問題があり通常は勧められません)

次回につづく・・・

臼歯の歯周炎
2010年06月23日 (水) | 編集 |
昨日(22日火曜)に歯科処置をおこなった症例です。

9歳になるネコちゃんで、臼歯(奥歯)周辺の歯石がひどく、歯周病を起こしているためクリーニングと歯周病治療をおこないました。

臼歯歯周病

すでに大きな歯石は取り除いた後の写真ですが、黄色で囲んだ臼歯(奥歯)の歯と歯ぐきの境目が赤く炎症をおこしています。

これが歯周炎です。

今回のネコちゃんは、まだ症状が軽いので歯周ポケット内のクリーニングと炎症組織の除去だけで済みましたが、歯周炎が歯の根っこを侵している場合は、歯を抜かなければならないこともあります。

このくらいの症例であれば歯石クリーニングも含めて1時間程度で終わりますので、麻酔の覚め具合さえ問題なければ日帰りできます。

ネコちゃんは歯の本数がワンちゃんより少ないので(猫 30本:犬 42本)処置するほうもだいぶ楽なのであります。 

このくらい症状が軽いうちに治療を受けていただければ、ネコちゃんへの負担も少ないですし、飼い主様の費用の負担も少なくて済みますね。



超音波検査の精度
2010年06月21日 (月) | 編集 |
先日、わんにゃんドックを受けていただいたワンちゃんの超音波検査の画像です。

このワンちゃんは昨年も受けていただいたワンちゃんで、今年も健康管理のためにとご依頼いただきました

膀胱内の異常


この画像は膀胱の超音波画像なのですが、膀胱の粘膜表面に一部ふくらみが認められます(黄色矢印)。

膀胱内の異常 (2)


計測してみると、厚み1.6mm 幅5.9mmです。例えると、蚊に刺されたところが膨らんだくらいの感じでしょうか。

おそらく膀胱粘膜が一部分厚くなっただけと思われます。
特に問題は無いと思われますが、ふくらみができている場所が膀胱三角と呼ばれる部分で、腫瘍ができやすい部分でもあるので、万が一を考えて慎重な経過観察を行うことにしました。

超音波画像というのは、慣れていない人が見ると白黒の何が何だかわからない画面ですが、わずか数mmの異常も観察できるほど精度が高い検査機械です。

当院の「わんにゃんドック」はA・B・Cの三つのコースが設定されており、超音波による精密検査はCコースで行うことができます。
わんにゃんドックについて詳しくはこちら→click


高齢期のワンちゃん・ネコちゃんでは内臓に腫瘍ができることも珍しくありません。
10歳を超えたワンちゃん・ネコちゃんではお勧めの検査です

血糖値チェック
2010年06月19日 (土) | 編集 |
以前にご紹介した糖尿病治療中のネコちゃんが、血糖値チェックのために検査入院しました。

血糖値変動


現在は自宅で一日二回のインスリン注射をおこなっていただいているのですが、それによって血糖値が適切に維持されているかをチェックします。

インスリンに対する反応というのは症例ごとに違いますので、実際にインスリン注射後に血糖値がどのように変動するかを半日かけて測定します。

3時間毎に血糖値を測定して、半日の血糖値の変動をグラフに表します。

理想的なのは血糖値を100~200の間に安定させることです。

今回のネコちゃんは、治療初期の頃は50~400の間を不安定に行ったり来たりする状態でした。

治療開始から約2カ月でかなり安定してきて、理想的な範囲で安定してくれています。

ただ、糖尿病治療中のネコちゃんは、思わぬところでバランスを崩すこともあるので、今後も定期的なチェックが欠かせません。



肥満は病気
2010年06月17日 (木) | 編集 |
近年、人医療でも「メタボリックシンドローム」が取りざたされており、「肥満」=「病気」という考え方が一般の方にも浸透しつつあると思います。

動物医療でも同様で、今月の専門誌では「肥満」の特集が組まれています。

肥満

肥満 (2)

自由採食というのは、好きな時に好きなだけご飯を食べているということ。
無節操な食事管理が寿命を縮めかねないということです。

人では重度の肥満に対しての薬物療法などもおこなわれているようですが、薬物依存などの副作用の問題があるそうで、特に重度の肥満患者に限られているそうです。

動物用にも肥満治療薬が海外で販売されています。
食欲抑制作用と脂肪吸収抑制作用があり、減量にたいして効果があるそうです。

私も詳しい情報は持ち合わせていないのですが、副作用などの問題もあるので、人間同様、安易な使用は控えたほうが良いようです。

そもそも、肥満のほとんどは乱れた食生活、運動不足など生活習慣が原因です。(一部のホルモン疾患による肥満は除く)
それをお薬で体の代謝機能に影響を及ぼして痩せさせようというのは、やはり体にとってベストの方法とは言えませんし、お薬で痩せたところで生活習慣を改善しなければまたすぐに太ってしまいます。

だいたい、生活習慣の乱れといったって、ペットの場合は飼い主様の心がけ次第なのです。

停留睾丸
2010年06月15日 (火) | 編集 |
ワンちゃんの生まれついての奇形の一つに「停留睾丸(ていりゅうこうがん)」というものがあります。

人間でもそうですが、睾丸というのは初めはお腹の中で発生して、胎児の成長・出生にしたがって下腹部の陰のう内に下降してまいります。

ワンちゃんでは正常であれば生後1?2か月以内には陰のう内に下降していなければなりません。

これが、何らかの理由により陰のう内にたどり着けず、お腹の中や陰のうの手前の皮膚の下などにとどまってしまうことを「停留睾丸」と呼びます。

小型犬での発症が多い傾向があり、大型犬に比べて2?3倍リスクが高いといわれています。

私が今まで経験した症例も9割が小型犬です。

遺伝が関わっていると考えられており、「停留睾丸」になったワンちゃんというのは基本的には繁殖に使用しないほうが良いとされています。
ちなみに「停留睾丸」でも、片方が陰のう内に正常に降りてきていれば赤ちゃんを作ることは可能です。

また「停留睾丸」は精巣腫瘍の危険性が、正常な睾丸の10倍以上ともいわれているので、なおさら手術がすすめられます。

停留睾丸

この症例は一つは陰のう内に正常に位置しており、もう一つは陰のうの少し手前の皮膚の下に位置しています。
○で囲んだあたりの皮膚が少し膨らんでいるのがわかるでしょうか?

この症例は、触診では「停留睾丸」の位置がはっきりと触れなかったため、事前に超音波検査で確認をしています。

「停留睾丸」は皮膚の下まで出てきているのと、お腹の中に残っているのでは術式がまったく違うので事前にしっかりと場所を把握しておく必要があります。

停留睾丸 エコー像

左側が皮膚の下にある「停留睾丸」、右が正常な位置にある(つまり陰のう内)睾丸の超音波像。
「停留睾丸」のほうが正常なものより2回りほど小さいのがわかるでしょうか。
そのために、触診ではハッキリとはわかりませんでした。

お腹の中に残っている「停留睾丸」の場合は、お腹を開いて睾丸を探さなければなりませんが、今回のように皮膚の下にある場合は皮膚に切れ目さえ入れれば取り出すことができます。

特に今回の症例はかなり陰のうの近くまで降りてきていたので、通常の去勢手術とほぼ同様の術式でおこなうことができました。

停留睾丸 (2)

左側が「停留睾丸」です。
やはり正常のものよりも小さめです。

人間では「停留睾丸」を正常な位置に手術で下降させるという方法もあるようです。

動物医療の場合は、繁殖の目的がない場合は切除してしまったほうがが精巣腫瘍などの危険ものぞけますし、繁殖についても通常は勧められません(遺伝性疾患の疑いがあるため)。

そもそも私の知る限り、外科の教科書にも術式は紹介されていないので、やりようがありません。

乳歯抜歯の重要性
2010年06月14日 (月) | 編集 |
乳歯抜歯の症例です。

乳歯抜歯の症例

ワンちゃんの歯は、生後6?8カ月くらいで乳歯から永久歯に生え換わります。

ですが、チワワやトイプードルなどの小型では乳歯が上手く抜けずに残ってしまうことがよくあります。
以前の症例はこちら→click

今回の症例もしっかりと犬歯が残ってしまっています。

乳歯が残ってしまうと、永久歯の歯並びが狂ってしまいます。
写真の症例も、本来は乳歯がある場所に生えなければならないのですが、乳歯が抜けなかったことで一本内側にズレて生えてしまっています。

さらに、乳歯と永久歯の間に汚れがたくさんたまってしまっています。

この汚れは歯周病の原因になります。

このような乳歯はできる限り早く抜いてあげることで、歯並びが改善することも期待できますし、歯周病の進行も抑えることができるのです。

ライオンと象
2010年06月12日 (土) | 編集 |
素晴らしいいただき物をしました

ドバイ?のお土産らしいのですが・・・

ペーパーナイフ

木彫りのペーパーナイフです。

柄の部分にはそれぞれライオンと象がほってあります

ペーパーナイフ (2)

オブジェとしても素晴らしいものですが、日常でもペーパーナイフは良く使いますのでありがたく使わせていただきます

いままで100円ショップで買ったペーパーナイフはお役御免なのです。

格子の向こうから・・・
2010年06月10日 (木) | 編集 |
格子の向こうから見つめる2対の瞳・・・

格子の向こうは・・・

歯石処置前の麻酔前検査にいらしていただいたネコちゃん×2

兄妹ネコちゃんなので、上から見ると柄がそっくりです。

ギュウギュウ

お顔が白いほうが女の子ちゃん

同じ年齢なので、二人とも同程度の歯石の溜まり具合です。

それ程ひどく歯周病を起こしている状態ではないので、クリーニングだけで済みそうです

クリーニングだけとはいえ、全身麻酔をかけての処置ですからそれなりの費用がかかります。

人間の歯石クリーニングに比べるとずいぶん高額になりますが、費用の大部分は全身麻酔と、全身麻酔時の安全管理にかかわる費用なのです。

とはいえ、2頭分一度にとなるとなかなか大変です

ワンちゃんでもネコちゃんでも兄弟で飼ってらっしゃるという方も多いと思いますが、そういったご家庭で心構えしておかなければいけないのが高齢になってからの医療費です

同じ年頃の兄弟だと、高齢期になってから2?3年のうちに次々に病気を患ってしまい、医療費が思った以上にかさんでしまうということはよくあることなのです。

薬剤感受性試験
2010年06月08日 (火) | 編集 |
ある外耳炎のワンちゃんの検査結果です。

薬剤感受性試験

細菌感染による外耳炎の症例なのですが、どうも治療に対する反応が悪いために検査をおこないました。

皮膚に細菌感染が発生した場合、その多くがブドウ球菌の感染によることが多いため、セフェム系と呼ばれる抗生物質を第一選択として使用することが一般的です。

ですが、中にはこのような一般的な治療法ではうまくいかない症例があります。

抗生物質と一口にいっても様々な種類の薬剤があります。
その中のどのお薬が一番効果的かを調べる検査なのですが・・・

結果をみるとすべて(?)と出ています。
これはつまりどのお薬も効果がないということ。

人間の医療でも問題になりますが、このような複数の抗生物質に対して抵抗力を持つ細菌を「多剤耐性菌」と呼びます。

最近、このような多剤耐性菌による外耳炎が増えているように感じます。

お薬に対する耐性自体は、細菌自身が突然変異などで身につけます。

耐性を身に付けた細菌は本来は少数派です。
ですが、抗生物質を無計画に使うと、耐性を持たない細菌が死滅するなかで耐性を持つ細菌だけが生き残っていきます。
そうすると本来少数派だった耐性菌が増殖をしやすい環境を手に入れて(生存競争の相手となる他の細菌が死滅するため)どんどんと増殖してしまうのです。

また、完治していない状態でお薬を中断することも同様の結果を招きます。

通常、何かしらの細菌感染が皮膚に発生した場合は3?4週間はお薬を投与する必要があります。
そのくらい使わないと細菌をしっかりと退治することはできないのです。

ですが、1?2週間ほどお薬を飲んで見た目の症状が良くなってくると、飼い主様がご自身の判断で「もう治った」とお薬をやめてしまうことが多々あります。
このような状況下で、耐性を持った細菌が増えてきてしまうことがあります。

耐性菌の蔓延を防ぐには、我々獣医師が慎重な抗生物質の使用を心がけ、飼い主様に十分にお薬の継続投与の重要性をご説明することが大切です。

人と犬との違い
2010年06月06日 (日) | 編集 |
先日、あるホームセンターのペット用品コーナーに行った時のことです。

ペット用の飲料水の棚に、犬の尿石予防の効果をうたった飲料水が並んでいました。

説明文を読むと、「マグネシウムを多く含むことで尿石予防に効果あり」(正確な文面は忘れましたが、内容としてはこのような内容です)と書いてあります。

これにはビックリです!!

ワンちゃん・ネコちゃんの尿石症の原因となるのは、ほとんどがマグネシウムを主成分とした「リン酸アンモニウムマグネシウム:ストラバイト」という結石であり、その予防治療のためにはマグネシウムの制限が必要不可欠です。

ストラバイト結晶

マグネシウムを多く含んだ飲料水などは逆効果になってしまいます。

いったいなぜこんな商品が出ているのだろうと気になってインターネットで調べてみると、

人間では尿結石の約8割が「シュウ酸カルシウム」という主にシュウ酸という物質が関わる結石なのだそうです。
そして、この「シュウ酸カルシウム」の予防に「マグネシウムの摂取」が良いというのです。

おそらく、前述の飲料水は人間で言われていることをそのまま動物にも通用するだろうと考えて作られた商品なのではないでしょうか?

ワンちゃん・ネコちゃんでも「シュウ酸カルシウム結晶」は日常的に見られますが、その割合は尿石全体の20?30パーセントとそれほど多いものではありません。
(「リン酸アンモニウムマグネシウム:ストラバイト」は全体の50?60%)

確かに、ワンちゃん・ネコちゃんでも「シュウ酸カルシウム結晶」の場合は適量のマグネシウム摂取は効果があるようですが、あえて過剰に摂取するのは「リン酸アンモニウムマグネシウム:ストラバイト」の危険性を増すことになります。

この飲料水を飲むことでマグネシウム系の尿結石の危険がどこまで高まるかはわかりません。

ですが、過去にマグネシウム系の尿結石が出たワンちゃんで、普段食べているオヤツの煮干し(マグネシウムが豊富)をやめていただくだけで尿結石が治った症例も経験しています。

そのことからすれば、必要以上にマグネシウムを含んだお水は尿石予防には勧められるは思えません。

昨今、さまざまなペット用サプリメントや飲料水などが販売されておりますが、その中には今回の飲料水のように(おそらく)人間で言われていることをそのまま動物にも通用するだろうと安易に開発されたものも含まれているのではないでしょうか?

人間と犬・猫の体内の生理作用、代謝作用などは多くの点で異なります。
以前にキシリトール中毒のお話もしましたが、人間にとって有用なものでも犬・猫にとっては致命的な害を及ぼすこともあるのです。

正直、今のように様々なサプリメント類が販売されている状況では、我々獣医師もどれが有用でどれが害があるのか把握しきれないのが現状です。

サプリメントメーカーさんも商売ですから様々な新商品を開発するのは良いのですが・・・
そのすべてが有用かどうか、どこまで気を使ってくれているのでしょう・・・?

歯石クリーニング
2010年06月05日 (土) | 編集 |
ここ数日、歯石クリーニングの症例が続きました。

歯石 処置前

こちらは、もうすぐ11歳になる男の子のワンちゃんです。

それほどひどい状態ではないですが、全体にまんべんなく歯石が付着しています。

歯周炎

このぐらいの歯石でも、歯石の下では歯周病が確実に進んでいます。
きれいになった歯と歯ぐきの間に血がたまっているのは、炎症を起こした歯ぐきの肉です。

歯肉炎、歯周炎の状態です。

このくらいならば、歯石をきれいに取り除き、歯周ポケット内の汚れや炎症組織を取り除けば元通りに直ります。

これが、もう後何年か放置して、歯の根っこの部分まで炎症が進むと歯を抜かなければいけません。

歯周ポケット

このくらいの歯石の状態、歯周炎の状態でしたら、歯石の除去と歯の表面のポリッシング(歯石をとった歯の表面はザラザラに荒れているので、研磨剤でツルツルに磨きあげます)と合わせて1時間程度で終わります。
麻酔からの回復状態が問題なければ日帰りです。

歯石処置後




ドッグマッサージセミナー
2010年06月03日 (木) | 編集 |
ドッグマッサージセミナーのお知らせです。

犬のしつけ教室「ドッグ・スタディ・スクール」さんから、ドッグマッサージについてのセミナーのお知らせをいただきました。

2010年05月28日11時22分14秒

6月13日(日)12:00?14:00
麻布大学の構内にて開催されるそうです。
詳しい場所については、参加人数などがある程度定まってからになるそうです。

参加費3000円と安くはないですが、なかなかおもしろそうなセミナーです。
6月6日が参加申し込みの締め切りだそうですので、ご興味がおありの方はお早めに!

今日の検査は・・・?
2010年06月01日 (火) | 編集 |
今日のレントゲン検査の対象は・・・


ポリバケツです!

点検

ふざけているわけではなくて定期点検の様子です

放射線被ばくの点検のために、水を張ったポリバケツを被写体に用いて点検をするのです。

獣医療では動物を押さえながらレントゲン撮影するため、人間のお医者さんやレントゲン技師さんに比べて被ばく量が多くなってしまいます。

スタッフの健康管理のためには欠かせない作業です

学生時代に、レントゲンを使った研究をしていた先生がウソかホントか、

「被ばくの影響か、レントゲンを使うことの多い獣医師(男)の子供は女の子が多いんだよね?」

といっていました。

私もそうですし、以前の勤務先の院長のところもお子様お二人とも女性でした。

そういえば八王子で開業している先輩のところも・・・

確かに、周りの男性獣医師には女のお子さんが多いようです・・・