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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
供血犬
2010年05月06日 (木) | 編集 |
先日狂犬病のワクチン接種にいらしていただいたビビちゃん

ビビちゃん1

カルテをみるとビーグル×ラブラドール×セッターのミックス犬となっています。

ずいぶん珍しい組み合わせだな?と思いながら身体検査をしていると・・・

刺青

耳に刺青を発見

飼い主様に詳しくお話を伺うと、ビビちゃんもともとは獣医大学の付属動物病院で「供血犬」として飼育されていたそうです

「供血犬」というのは輸血のための血液を確保するために飼育されているワンちゃんのことです。

人間医療のように献血 → 輸血というシステムのない動物医療では、各病院が輸血用の血液を独自に確保する必要があります。

そのため、ある程度の規模を有する病院では、輸血時の血液確保のために「供血犬」「供血猫」という名目でワンちゃん・ネコちゃんを飼育する事があります。

輸血のために動物を飼育するというと、抵抗を感じる方もいらっしゃるかとは思いますが、そうしなければ治療のための血液を確保することができないのが現状です。

大学病院のように、輸血を必要とする高度な手術、治療を頻繁に行う施設では「供血犬」は必要不可欠なのです。

「供血犬」はある程度の年齢に達するとビビちゃんのように一般家庭に引き取られいくそうです。


ところでビビちゃん、ビーグル×ラブラドール×セッターという組み合わせにはきちんと理由があるそうです。

その理由とは「採血」のしやすさ。
輸血のための採血は首の静脈から行うのですが、性格の穏やかさ、血管の太さや、血管の見やすさなど採血の行いやすさを追求した結果の組み合わせだそうです。

確かに、ビビちゃん診察台の上でも非常におとなしく、人懐っこいワンちゃんでした

輸血のために飼育されていたというと「かわいそう」というイメージがあるかもしれませんが、少なくともビビちゃんは「供血犬」時代もたっぷりと愛情を受けて育ててもらっていたように感じました。

というのも、診察台にのせてもまったく緊張することもなく、非常に穏やかで、ワクチン注射の時も極めて平然としていたからです。

これは、「供血犬」時代、採血する時など常に研修医さんや学生さんから愛情をもって接してもらっていたからなんだろうな?と思うのです。

愛情も受けず、ただ採血のためだけに飼育されていたのでは、こんなに人懐っこく、診察台で落ち着いてふるまえるワンちゃんには育ちませんものね