町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
よいお年を・・・
2009年12月31日 (木) | 編集 |
賀正

通常の診療は29日で終了でしたが、腎不全のために点滴治療に通院中のワンちゃんがいるので、実質的には本日が最終日です。

年末のため棚卸など事務作業が若干残っていますので、それも片づけなければいけません。

今日はこのまま何事もなく終われば、夕方にはお寿司をもって帰宅し、家族でゆっくり大晦日の夜を過ごす予定です。
妻の実家が青森なのですが、おいしそうな毛ガニを送っていただいているので、今夜はそいつでです

年末・年始はワンちゃんもついつい食べ過ぎたり、いつもとは違ったものを食べてお腹をこわしたりしがちですので、皆様ご注意くださいね

それでは皆様よいお年を・・・

オーダーメイド首輪
2009年12月27日 (日) | 編集 |
我が家の愛猫ピノにクリスマスプレゼント

オーダーメイド&ハンドメイドの首輪です 

 オーダーメイド

ネットショップ「Rin-Rin-Ring」さんで購入。素敵な首輪に仕上がりました

実はこのショップは当院に来ていただいてるネコちゃんの飼い主様のショップです。
とっても素敵な首輪を格安で作ってくださいます。

ネコちゃんの飼い主様必見ですよ

ストラップ

首輪とお揃いで携帯のストラップも作っていただけます

お勧めです
のぞいてみてください



実習生
2009年12月26日 (土) | 編集 |
本日から29日まで看護師の学生さんが実習にいらっしゃいます。

点滴準備

看護学校の二年生で冬休みを利用しての自主研修だそうです。

実は2週間ほど前に実習希望の電話をもらい、一度面接をしたのですが、その時に履歴書をみてビックリ

住所が私の以前の勤務先である矢敷動物病院のすぐそばです。

「矢敷動物病院って知ってる?」

と聞くと、

「家の犬がお世話になっています。先生にも診ていただいたことがあるんですよ

とのこと。申し訳ないことに私のほうは記憶にありませんでした・・・
でもそう言われると会ったことがあるような気がしてきます。

しかも、よくよくお話を伺うと、彼女の叔母さん(の飼い猫ちゃん)も矢敷動物病院に通院されていて、その方は私もよく知っている方で、何度も担当させていただいた方でした

実習先をインターネットで探していて、たまたま当院を見つけて、「この先生知ってる!」となったそうです。

偶然って面白いもんです

避妊・去勢手術のメリット
2009年12月25日 (金) | 編集 |
4回に分けてと予定外に伸びてしまった避妊・去勢の話題ですが、今回で終わらせます。

いままで避妊・去勢のデメリット・危険性をお話ししてきましたが、今回はそんなデメリット・危険性を上回るメリットについてお話いたします。


1 乳腺腫瘍(乳がんなど)の予防効果
これは女の子限定ですが、一番のメリットといえるのではないでしょうか。
ワンちゃん・ネコちゃんともに、乳腺腫瘍は女の子に発生する腫瘍の中でもトップ3に入るほど発症の多い腫瘍です。
乳腺腫瘍には良性のものと悪性(乳がん)のものがあるのですが、ワンちゃんでは悪性の確率が50%、ネコちゃんでは悪性の確立が80?90%と非常に悪性度が高い腫瘍になります。

乳腺腫瘍は女性ホルモンとのかかわりが深いことがわかっており、早期に避妊手術をおこなうことでかなりの予防効果が期待されます。

たとえば、ワンちゃんで初めての発情が来る前に避妊手術をしておくと乳腺腫瘍の危険性が避妊しない場合にくらべて1/200にまで減少するというデータがございます。
一度発情を経験すると1/12、二度発情を経験すると1/4と、予防効果は発情を重ねるごとに低下していきます。
ですので、繁殖の予定がない場合は、できる限り早期に避妊手術(当院では生後6?10か月くらいをお勧めしています)をおこなうことが望ましいと考えられます。

2 子宮疾患の予防
これも女の子限定です。
老齢のワンちゃんでは「子宮蓄膿症」という子宮に膿がたまる病気が発生することが多いのですが、避妊をしておけば発症することはございません(卵巣と同時に子宮を切除した場合のみ)。

ネコちゃんではワンちゃんほど一般的ではないですが、たまに見かける疾患です。

これは命にかかわる病気で、治療法としては手術で膿がたまってパンパンに膨れ上がった子宮を取り除くことになります。

3 前立腺疾患の予防
男の子の疾患です。とくにワンちゃんです。
老齢のワンちゃんでは人間の男性のように前立腺肥大などの前立腺疾患を発症します。
こういった生殖器官の疾患には性ホルモンのかかわりが強いため、去勢手術で予防をすることができます。

4 会陰ヘルニアの予防
これはまだ不明な点が多いのですが、男の子のワンちゃんに発生する「会陰ヘルニア」(くわしくはこちら)にたいしても予防効果があると考えられています。

5 マーキングの予防

男の子のネコちゃんではマーキングといって縄張りにおしっこをかけて回る習性があるのですが、この行動も性ホルモンとのかかわりが指摘されています。
早期の去勢手術でこういった行動をかなり抑制することができます。
また、すでにマーキングをおこなっている大人のネコちゃんにも改善効果があります。

6 発情のストレスからの解放
人間と違い、発情期というものに支配されているワンちゃん・ネコちゃんにとって、発情期に自由に異性とめぐり合うことができない状況というのは多大なストレスであると考えられます。

「人間の管理下にあり、自由に交配・出産できない状況で迎える発情期」というのは、「愛し合ってやまないカップルが、自分たちにはどうすることもできない事情により引き裂かれた状態」くらい精神的にストレスになっているのではないかと勝手に想像しております。

繁殖させるつもりがあるのならば別ですが、人間の都合で繁殖を制限するならば、いっそのこと避妊・去勢手術によってこういったストレスから解放してあげるのもよいのではないかと思います。


子宮の病気や前立腺の病気、乳がんなど、避妊・去勢をしなかったからといって、皆が病気になるわけではありません。
ですが、獣医師として診療していると、このような病気で来院する症例はあとをたたず、不幸にして命を失う症例も多いのが実情です。
その多くが若い時期に避妊・去勢をおこなっていれば防げたはずです。

避妊手術・去勢手術には、前回までに述べてきたようにデメリット・危険性があるのも事実です。
ですが、病気予防などのメリットとくらべるとデメリット・危険性は十分に許容範囲内ではないかと考えるのです。

いずれにしても避妊手術・去勢手術は「やる」にしても、「やらない」にしても人間の勝手都合です。
手術をうけるワンちゃん・ネコちゃんにとって本当はどっちがよいかなんてことはわかりません。
むしろ病気予防のメリットがあるとはいえ、手術をうけるほうとしては有難迷惑かもしれません。

そもそもペットを飼うということ自体が人間の勝手都合です。
ですので、人間の勝手都合で手術するにせよ、しないにせよ、飼い主様にはその手術の危険性・メリット・デメリットはしっかりと理解したうえで判断していただきたいと思うのです。

そして我々獣医師は、人間の都合に振り回される小さな命に対して責任を持ち、できる限り安全でストレスの少ない手術をおこなわなければならないと思うのです。

避妊手術・去勢手術の副作用
2009年12月24日 (木) | 編集 |
さらっとお話して終わらせるつもりだった避妊・去勢の話ですが、今回で3回目です

今回は避妊・去勢手術による副作用です。
箇条書きでさらっといきます。

?避妊・去勢後の「肥満」

避妊・去勢手術をするとホルモンバランスが変化します。
男の子であれば男性ホルモンが減少し、女の子であれば女性ホルモンが減少するのです。
このホルモンバランスの変化により、体のエネルギー代謝が影響を受けます。
手術前よりエネルギーを消費しにくくなるのです。

ですので、手術前と同じだけ食事をしていれば肥満につながります。
あと、避妊・去勢手術は大抵が生後1年くらいでおこなわれるのですが、この時期はちょうどワンちゃん・ネコちゃんにとって成長期が終わる時期でもあります。
人間で言うと高校卒業?大学入学くらいでしょうか。
この時期に育ち盛りの中学生?高校生(犬猫では生後5?10か月程度)と同じレベルの食事をしていれば太ってしまうのは当然です。

変化した体のエネルギー代謝・成長期の終了に合わせて摂取カロリーをコントロールすることが重要です。

?避妊・去勢後の失禁(尿漏れ)
性ホルモンというのは排尿のコントロールにもかかわりが深いのですが、手術による性ホルモンバランスの変化によって失禁(尿漏れ)がおこることがあるといわれています。
教科書では発生率は3?20%とされていますが、実際にはもっと少ないようです。
私は過去に雄のワンちゃんで一例経験がありますが、たしか一時的なもので収まったはずです。
(勤務医時代の経験で担当医ではなかったのでうろ覚えです・・・)

?縫合糸反応性肉芽腫(ほうごうしはんのうせいにくがしゅ)

ごく稀な副作用ですが、血管を止血するのに使用した糸(縫合糸)にたいする過敏反応だと考えられています。
(正確な原因は不明)

これが発生すると、体内の糸(縫合糸)の周囲で炎症がおこります。
簡単に言うと糸の周りがジュクジュクしてしまい、膿が出てきたりしてしまいます。

これは体内に糸が存在する限り治らないことがほとんどのようです。
ですので、こうなったらもう一度お腹を開けて炎症を起こしている部分を切除しなければなりません。

これはときどき見かけます。術後の失禁よりよっぽど多いです。
ミニチュアダックスに多いと言われており、実際に私が経験した症例もダックスが多いようです。
この副作用は避妊・去勢に限らず、縫合糸を使用する手術すべてに起こり得る副作用です。

この副作用を防ぐには縫合糸を一切使わないことです・・・が、当然そうもいきません。
血管を特殊な器具で糸を使わずに止血する方法もあるのですが、現状では一般的ではありません。

ただし、この副作用を「起こしやすい糸」と「起こしにくい糸」があるので、なるべく副作用を起こしにくいとされる「モノフィラメントの吸収糸」を使うのがよいとされています。
当院でももちろん「モノフィラメントの吸収糸」を使用しています。(以前の記事はこちら
ちなみに縫合糸反応性肉芽腫を起こしやすいのは「絹糸」だといわれています。

「絹糸」は安くて、なおかつ結び目もゆるみにくいので人の医療でも頻繁に使われているようですが、最近ではこういった副作用が問題視されています。

?子宮断端膿腫(しきゅうだんたんのうしゅ)

切除した子宮の根元が炎症をおこして、ジュクジュクして膿がでるような状態です。
これもそう滅多にあることではないです。私も経験はありません。
これは切除した子宮の切断面を丁寧に処理して縫い合わせることで防げるようです。

当然、当院でもひと手間かけて切断面の処理をおこなうようにしています。

以上、避妊・去勢手術における副作用です。
箇条書きで簡単にと思ったのですが、またしても長文になってしまいました・・・

次回、避妊・去勢のメリットです。
「最終回」です。終わらせます。

避妊手術・去勢手術の危険性
2009年12月22日 (火) | 編集 |
昨日は「日常的におこなっている避妊・去勢も、それなりに危険があるんですよ?」というお話でしたが、今日は実際にどういった危険があるのかをお話しいたします。

避妊手術

避妊手術を例にとって説明いたします。

避妊手術として現在一般的なのは卵巣と子宮をすべて切除する方法だと思われます。

お腹の皮膚と筋肉を3?10cmくらい切開して、お腹の中に埋もれている卵巣と子宮の一部をお腹の外に引っ張り出します。

避妊手術 2

この状態で卵巣につながる血管を糸(外科用の)で縛って止血をしたうえで切断します。
このときに止血が不十分だと術後にお腹の中で出血して命に危険を及ぼします。
ちなみに、この血管の伸び具合は症例ごとに違い、伸びがいい子は切開が小さくてもお腹の外に引っ張り出せますが、伸びの悪い子はお腹をより大きく開かなければお腹の外に引っ張り出すことができません。

お腹の傷を小さくすることにこだわりすぎると、無理に血管を引っ張ることになり血管が切れてしまったり、十分に止血ができずに術後の出血につながったりします。

また、肥満気味のワンちゃんや、老齢のワンちゃんではこの血管の周囲にたくさんの脂肪が付着しており、これが止血を難しくしてくれます。
血管自体は1?2mm程度の太さなのですが(それでも動脈なので切るとかなり出血します)、その周りを1?2cmもの脂肪がとりかこんでいます。
またこの脂肪のせいで止血するための糸がすべりやすくなり、糸をしばる力加減が難しくなります。

避妊手術 3

左右の卵巣につながる血管を切断したあと、子宮につながる血管を同様に止血し、子宮の根元を切断(青い線の位置)します。
これによって、子宮と卵巣がすべて摘出できます。
あとは止血が確実にされているか確認をして、大丈夫ならお腹を閉じて終了です。

卵巣周りの脂肪が少なくて、血管も伸びのよい症例なら20分程度で終わります。
脂肪が多くて、てこずる症例だと40分くらいでしょうか。

さて、手術の危険性をお話しするつもりが、つい術式の話が長くなってしまいました。

手術の危険性としては、いうまでもなく出血です。
これは完全に獣医の技量に左右されます。
慎重な手術を心がけ、止血が確実かをしっかりと確認すれば防げる危険です。

つぎに全身麻酔自体の危険性です。
これは防げる危険と防ぎきれない危険があります。

たとえば生まれつき心臓に奇形があるとか、肝臓血管に奇形があるとか動物側の異常によって麻酔時、麻酔後にトラブルが起きることが考えられます。

当然そういった危険を排除するために事前に身体検査、血液検査、レントゲン、心電図などをおこなうのですが、そういった検査でも100%異常を検出できるわけではありません。

とくに若い症例での避妊手術・去勢手術では身体検査と血液検査のみでレントゲンや心電図が省略されていることも多いので注意が必要です。(若くて健康だから大丈夫だろうという理由で!!)

私はこれはどうかと思います。
心臓の奇形などは身体検査と血液検査だけでは分からないこともあります。

万が一、身体検査や血液検査では分からない異常があったとしたら?
もしその異常がレントゲン、心電図で発見することができるのなら?

私は「万が一」の危険を「10万に1」、「100万に1」に減らすことが大切だと考えていますので、多少費用が余分にかかったとしても、すべての症例でレントゲンと心電図はとらせていただいています。
それでも危険が0になるわけではないのです。

ところで、「肥満」も手術における危険のひとつです。
上述のように腹腔内脂肪は止血作業の妨げになりますし、それによって手術時間が延びるため、体への負担も増えてしまいます。
肥満症例では麻酔の危険性も上がります。
必要以上についた脂肪は心臓や呼吸器系の負担になるのです。
また脂肪は麻酔薬の効き具合にも影響を及ぼします。

正直、まるまると太ったラブラドールのような大型犬の避妊手術は適正体重の小型犬の10倍気を使うのでゲンナリしてしまうのです。

うーん、思った以上に話が長くなりました。
怖い話ばかりになったので次は避妊手術のメリットについて話をしたいのですが・・・
まだ手術の副作用でお話したいことが何点かあるのでした。
次回は「避妊手術・去勢手術の副作用」です。

避妊・去勢って簡単?
2009年12月21日 (月) | 編集 |
当院では避妊・去勢をはじめとする外科手術をおこなう際には、写真のような手術説明書をもちいて、飼い主様に手術の術式や、手術の危険性・副作用などをご説明しています。

手術説明書

避妊手術や去勢手術のような決まりきった術式のものは、御覧のように教科書から転載したイラストや写真でご説明しています。
それ以外の手術に関しては症例ごとに手書きでイラストを書いたりしてご説明しています。

手術説明書 2

これは先日の乳腺腫瘍摘出のときの説明書ですね。

こういった説明書で避妊手術や去勢手術について詳しくご説明すると、たいていの飼い主様が「思ったより大変なんですね・・・」とびっくりされます。

避妊手術・去勢手術というと動物病院でおこなう手術の中で最も日常的で、技術的にも簡単な部類に入ります。
ですので、「避妊・去勢手術は簡単な手術」というイメージをお持ちの方がほとんどだと思います。

確かに技術的には初歩的な手術ですし、基本的には健康なワンちゃん・ネコちゃんにおこなう手術なので安全性も高い手術です。(勤務医時代もふくめて1000件をこえる症例を経験していますが、避妊・去勢で命にかかわるトラブルは幸い経験せずに済んでいます。)

ですが、「全身麻酔」をかけて「子宮と卵巣」もしくは「睾丸」という一つの臓器を取り去る手術ですから、まったく危険や体への負担がないわけではないのです。

たとえば、ご自身が「子宮と卵巣」を切除しなければならないと考えてみてください・・・
妊娠・出産ができなくなるという精神的なショックももちろんですが、「子宮・卵巣」をすべて取り去るという手術そのものを考えただけでもショッキングじゃないでしょうか?

「簡単な手術」と思えるでしょうか?

私は「避妊・去勢」に限らず、ワンちゃん・ネコちゃんに全身麻酔をかけ、その体にメスを入れる時に、その生命を預かっている責任の重さを忘れたことはありません。
いつも心の隅に「もしこの子が無事に麻酔から覚めなかったら・・・」という「不安」を持っています。

「不安」は「責任の重さの自覚」であり、この「不安」があるから「努力」をするのであり、「努力」をするから「自信」も持てるのであります。

そうすると「この子を無事にお家にお返しするのだ」という決意がわいてくるのです。


私が手術を受ける立場なら、安易に「簡単な手術だから大丈夫」と安請け合いする外科医にはメスを握ってほしくないのです。
わずかでも命に危険がある手術に「簡単」はないのです。

ですので、私は当院で手術をお受けする際には、手術の危険性を十分にご説明し、メリット・デメリットについてお考えいただき、そのうえで手術の決定をおこなっていただきたいと思うのです。

そんなこんなで、わずかとはいえ「命の危険」をともなう避妊手術・去勢手術ですが、そのリスクを上回るメリットがあるのです。
だからこそ当院でも早期の避妊手術・去勢手術をお勧めしているのですが、それについてはまた後日詳しく・・・



ところで、ブログのリンクにペットの口コミポータルサイト「petowa」さんを追加しました。
この「petowa」さんについては、またいつか詳しくお話をする予定です。

眼のトラブル
2009年12月19日 (土) | 編集 |
ここ最近、シーズー犬やパグ犬といった鼻ペチャ犬種の目のトラブルがつづいています。

シーズ

シーズー、パグ、フレンチブルetc・・・といった「短頭種」といわれる鼻ペチャ犬種は、本来の犬の骨格からすると上顎や目の周囲の骨格に異常があります。
だからこそ鼻がぺっちゃんこになるわけですが、この骨格の異常が眼のトラブルに大きくかかわっているのです。

鼻が短いということは、散歩中などに地面の臭いを嗅いだ時に、通常のワンちゃんよりも極端に眼が地面に近づきます。

地面に眼が近いということは、それだけ眼に刺激が加わるということです。
砂ぼこりの影響や、草むらに顔をつっこめば草が目に当たるなどなど・・・
とくに冬などは枯れ草や枯れ木の枝なども危険です。
こういったことで角膜(眼球の表面)を傷つけることが多いようです。

そのほかにも、眼球周辺の骨格の変形により眼が飛び出し気味になっているのですが、これによって眼の周りの毛に眼球が常に触れることになり、その刺激で慢性的な角膜炎を起こし、角膜に色素沈着をおこすことが非常に多くなっています。
ひどい場合は失明につながります。

また、もともと眼球が飛び出し気味のため、ワンちゃん同士のケンカなどで顔面を噛まれたときに、本当に「眼が飛び出す」ことも多いのです。(交通事故などでも同様です)

眼球はデリケートな組織ですので、こういった「短頭種」を飼育されている方は、こまめに眼の状態を観察していただくことが重要です。

目に充血がある、眼ヤニが多い、眼をシバシバさせているなどあれば早めに獣医さんにチェックしてもらってください。

1周年!
2009年12月17日 (木) | 編集 |
12月15日(火)は開業1周年の記念日でした

本当は当日に更新するつもりだったのですが、診療で忙しくて時間がとれませんでした
でも、ブログを更新する暇もないくらい患者様に来ていただけるというのは本当にありがたいことです

看板 1

診療後は新津さん、村田さんと三人でお祝いの食事会

食事を楽しみつつ、今まで以上に患者様にとって安心・納得の動物病院でいられるよう、「初心を忘れずに頑張ろう」とさらに結束を固めました

我々の仕事は飼い主様の大切なワンちゃん・ネコちゃんの健康と命を預かる大変デリケートかつ、やりがいのある仕事です。

安心してワンちゃん・ネコちゃんをお預けいただけるような病院環境の整備、きめ細かな看護、迅速かつ的確な事務処理、そして最新の医療知識・技術の習得・・・
獣医師・看護師・受付スタッフのすべてがこの仕事を誇りに思い、日々努力することが重要です。

その点、新津さんも村田さんもこの仕事に心から誇りを持ち、やりがいを感じながら日々努力してくれています。
本当に良いスタッフに恵まれました

まだまだ経験も浅く、病院自体も不備な点がまだございますので皆様にご迷惑をおかけすることもあります。
ですが、「谷口動物病院を選んで良かった」「安心・納得して診療を受けられる」とおっしゃっていただけるよう、これからもスタッフ一同がんばっていきます

臍(さい)ヘルニア
2009年12月12日 (土) | 編集 |
前回と同じ症例の写真ですが、今回は「臍(さい)ヘルニア」についてです。

臍ヘルニア

簡単にいえば「でべそ」のことです。

哺乳類は母親と胎児は「へその緒」で結ばれています。
この「へその緒」によって、胎児は母親から酸素や栄養をもらって成長していくのです。

この「へその緒」は赤ちゃんが生まれた後は乾燥して自然に外れます。
「へその緒」がつながっていた部分も、穴がふさがって「おへそ」になります。

この穴がうまくふさがらずに、内臓脂肪や、穴が大きい場合は腸などが飛び出した状態を「臍(さい)ヘルニア」と呼びます。
写真のでっぱった部分の皮膚の下には内臓脂肪が飛び出て来ているのです。

この「臍(さい)ヘルニア」は遺伝がかかわっていることもあります。
チワワやダックス、トイプードル、シーズーなどの人気小型犬種でよく見受けられます。

人気犬種というのはヘルニアにかかわらず、遺伝的な病気が発現する危険が高いように感じます。

本来は遺伝的な異常をもった個体は繁殖に使うべきではないのですが、「人気犬種」の「需要」に「供給」を間に合わせるために、遺伝的な問題がある個体でも繁殖に使用されているというケースがあるようです。

ワンちゃん・ネコちゃんというのは見方をかえれば「商品」なのです。
なので、「流行りの商品」は流行っているうちに「大量生産」して「販売」し、「儲け」を出さなければいけないという側面もあるのです。
ペットショップにならぶかわいいワンちゃん・ネコちゃんの裏側に潜むやりきれない現実なのです。

とくに、チワワ、ミニチュアダックスはこの傾向が顕著です。
なかには遺伝的な奇形によって、生後一年とたたずに亡くなっていくケースもあるのです。

もちろん、こういった現状を打破すべく、慎重なブリーディングを心がけていらっしゃるブリーダーさんもたくさんいらっしゃいます。

話が横道にそれました。

「臍(さい)ヘルニア」ですが、内臓脂肪がちょっと飛び出しているくらいなら、見た目の問題だけでとくに危険があるわけではありません。

ただ、穴が大きい場合は内臓の一部も飛び出してしまうので、危険がありますので早めの整復手術が必要です。

いずれにせよ、一般的には避妊手術の時に一緒に穴を閉じてあげることがほとんどでしょう。
今回の症例も乳腺の切除に合わせて整復手術をおこないました。

乳腺腫瘍
2009年12月10日 (木) | 編集 |
昨日は乳腺腫瘍摘出の手術でした。

乳腺腫瘍 (2)

黄色で囲んだところが腫瘍です。
写真では分かりませんが、このほかにも数ミリの小さな腫瘍がありました。

その下のもっと目立つでっぱりがありますが、これは「臍ヘルニア(さいヘルニア)」といって、簡単にいえば「でべそ」です。
これも同時に整復手術をおこないましたが、これについてはまた後日・・・

ワンちゃんの乳腺腫瘍は、獣医療でもっとも手術をおこなう機会が多い腫瘍ともいわれています。
一般的には乳腺腫瘍は良性と悪性の確率が50%といわれています。

つまり、乳腺腫瘍で手術をした場合、2頭に1頭は悪性(ガン)だということです。
ですが、実際に私が日常で見ている限りはそこまで悪性は多くないように感じます。
私の感覚では良性65%、悪性35%という感じでしょうか。

いずれにせよ、悪性の可能性が十分考えられることと、おっぱいは左右あわせて8?10個あるので、今後の再発や転移を防ぐためにも、広範囲にわたって切除することが推奨されています。

どの位置に腫瘍ができるかにもよりますが、通常は1/4?1/2の乳腺を切除するようになります。
今回の症例は1/2切除、つまり腫瘍のある側のおっぱいすべてを切除しました。
前足の付け根から股の付け根までを広範囲に切除することになります。

術後

傷が蛇行しているのは切るのが下手なわけではなくて、「でべそ」の整復手術も一緒におこなったからです。

腫瘍が良性か悪性かは検査所の報告待ちになります。

ワンちゃんでもネコちゃんでも乳腺腫瘍は避妊手術で予防できることがわかっています。

ワンちゃんでは初回発情前に避妊手術をした場合、乳腺腫瘍になる危険性が避妊しない場合の1/200になるといわれています。
この予防効果は発情を重ねるごとに効果が下がっていき、発情4回目以降では予防効果はないとされています。

ネコちゃんでは乳腺腫瘍の症例の99%が避妊をしていないネコちゃんだといわれているようで、避妊の重要性がうかがわれます。
とくにネコちゃんの乳腺腫瘍は悪性度が極めて高く(80?90%が悪性)、腫瘍発見から1年以上生存することはまれだとされていますので、赤ちゃんを産ませる予定がないのなら早期の避妊手術をお勧めしています。

もちろん、避妊しなかったからといって皆が乳腺腫瘍になるわけではありませんし、避妊・去勢の是非については様々な意見があるとは思います。

ただ、避妊・去勢で予防できる病気は数多くあり、なかには乳癌や子宮蓄膿症のように命にかかわる病気もございますので、当院では繁殖の予定がないワンちゃん・ネコちゃんでは早期の避妊・去勢をお勧めしています。



パン屋さん
2009年12月09日 (水) | 編集 |
先週から、火曜日と金曜日の夕方にパンの移動販売が病院に来ています。

パン屋さん

横浜エッセンさんです。

ちょうど夕方の小腹が減ったころを狙われてしまいました

新津チョイス

写真は新津さんセレクト。

私のお気に入りはベーコンエピです

クモの巣
2009年12月07日 (月) | 編集 |
入口に・・・

病院の入口の看板の下に・・・

クモの巣

クモの巣です。

今までに何度か撤去させていただいているのですが、数日もすれば再生されています。

どうも、彼だか彼女はこの場所にこだわりがあるようです。

ですが、病院の看板にクモの巣を張らせておくわけにはいかないので、今日もお引き取り願いました。

ちょっと面白かったのが、写真を撮るのに分かりやすいように霧吹きで消毒薬をふりかけたのですが、その振動を感知したクモがものすごいスピードで隠れ家から飛び出してきました。
クモの巣の右上に映っているのがそうです。
で、獲物がかかったわけではないとわかると、すごすごと隠れ家に戻って行きました。

クモの巣は厳密に言うと「巣」ではなく獲物をとらえるための「網」で、クモ自身は別の場所に住処をもっていることが多いそうです。

このクモの場合は、看板と外壁のタイルの隙間に潜んでいたようです。



年末年始の診療について
2009年12月05日 (土) | 編集 |
のどにつまった!! (3)
2009年12月04日 (金) | 編集 |
3回に分けてと長かった「のどにつまった!!」ですが、今回で最後になります。

さて、内視鏡での検査・処置のために矢敷動物病院(以前の勤務先)へ。

到着後、すぐに点滴をつなぎ血液検査をおこないます。

内視鏡をおこなうにも全身麻酔が必要ですので、まずは「麻酔をかけても大丈夫か?」を確認する検査が必要になります。

矢敷動物病院も診療時間は終わっていましたので、矢敷院長とベテランのYK先生とRK先生が残ってくださっていました。
YK先生、RK先生とは勤務医時代の7年間一緒にチームを組んでいましたので、1年ぶりに3人で治療チームを再結成!
一人ですべて判断して治療を進めていくのもやりがいがありますが、チーム一丸となって一つの症例に立ち向かうのもやっぱりいいものです。

そんなこんなで検査も終わり、内視鏡の準備も整ったところで最終チェック!
触診で喉を確認すると・・・

「・・・?・・・異物流れたかも・・・」
さっきまで触れていた食道内の異物が触れません。

この場合、二つのことが考えられます。
一つは幸運にも胃まで飲み込めた可能性。
もう一つは、首のところは通過したが、心臓のところで再び引っかかっている可能性。

実は食道内で一番異物が詰まりやすいのは心臓付近だとも言われています。

そこで、ふたたびレントゲンを撮って確認してみると・・・

閉塞解除後

上が異物が流れた後のレントゲンです。下と比べると首の付けねの「もやもや」が無くなっているのがよくわかると思います。
心臓の付近にも引っかかっている様子はありません。
このレントゲンには映っていませんが、あとで腹部のレントゲンをとると、胃内に異物と思われる影が確認されました。

幸運にも時間がたってふやけた異物が食道を通過したようです。
また、点滴をつないだ時点で食道の炎症を抑える消炎剤を投与したので、それによって食道の腫れが軽減されたこともプラスに働いたのかもしれません。

というわけで、幸運にも麻酔をかけることなく、内視鏡を使用することなく問題が解決してくれました。
ですが、これでもう大丈夫というわけではありません。

ワンちゃんが異物(オヤツ)を飲んでからおよそ2時間半が経過していました。
この間、食道の血行障害がどの程度だったのか?
血行障害の程度によっては翌日以降になって障害が出ることも考えられます。
また、オヤツは胃内へ移動しましたが、それが十分に消化されないまま腸で詰まる可能性もゼロではありません。

そのため、念のため一晩の入院と、数日の慎重な経過観察とさせていただきました。

今回、結果的には「もう少し様子を見てみる」でも問題のなかった症例ではありますが、それは結果論であって、食道内異物が緊急疾患であることには変わりありません。

こういった事故は飼い主様の管理・工夫次第で防げるものがほとんどです。
ぜひ、一度、オヤツやオモチャの与え方を見直していただければと思います。

ところで、食道内異物について調べ物をしている中で、大学病院の症例報告で興味深い症例を見つけました。

左前足の動きがおかしいという症例で、様々な検査でも原因が分からず、CT撮影をおこなったところ、左側の首の付け根に腫瘤(しゅりゅう:できもの)が見つかった。

手術で腫瘤(しゅりゅう:できもの)を切除してみると、なんと中から鉛筆が出てきたとのこと。
つまり、ワンちゃんが飲み込んだ鉛筆が食道を突き破り、首のところで炎症を起こし、結果的にそれが腫瘤になったということでした。それが痛くて左足の動きがおかしかったようです。

この子は幸いにも命にかかわることはなかったそうですが、これがもし心臓の部分で鉛筆が突き抜けていたら・・・


のどにつまった!! (2)
2009年12月01日 (火) | 編集 |
さて、昨日の続きですが・・・

食道に異物が詰まってしまった!どうしよう?

食道内異物

? もう少し待って、うまく飲み込めないか様子をみる。

今回のように喉を通りすぎて、食道の途中に異物がある場合は窒息するというわけではないので様子を見ることは可能です。
食べ物の場合は、時間がたてばふやけて飲み込みやすくなるかもしれません。

ですが、あまりよい方法ではありません。
中途半端に噛み砕いて鋭利な状態になっていれば食道を突き破ってしまうかもしれません。
鋭利な部分がなくても、食道は異物で圧迫されているため血行障害をおこします。
この場合も食道に穴が開く恐れがあります。

食道は左右の肺の間、心臓の真上という体の奥まった位置を通過します。
食道に穴があけば心臓や肺といった重要な臓器にも障害が及びますので、可能な限り早急に異物を取り除くのが望ましいのです。

? 外科手術で取り除く。

食道は首の中央を胸に向かって伸びてゆき、胸の中では前述のように左右の肺と心臓のそばを通り抜けて胃につながっていきます。
今回の症例では胸の手前に異物があるので、首を切り開いて食道にアプローチします。
ですが、この食道のそばには「頸動脈」「迷走神経」といった極めて重要な血管・神経系が存在します。
できればこんなところにはメスを入れずに済ませたいところです。

また、胸の中の食道で異物が詰まった場合はもっと大変です。
肋骨を押し広げ、肺や心臓を押しのけなければ食道に到達できません。
専門の外科器具・設備・技術・人員が必要で、小規模の病院では太刀打ちできません。

? 内視鏡で取り除く

一番動物に対して負担が少なく、一番に選択すべき方法です。
ですが、大きな問題が一つ・・・

当院には内視鏡がないのです。
非常に高価な検査機器、かつ日常の診療では使用頻度が低いため、小規模病院ではまずお目にかかれません。
内視鏡を専門にしている先生なら別ですが・・・

なので内視鏡を備えている病院に搬送する必要があります。
となると・・・麻布大学・・・だめです、夕方6時半では大学には電話すらつながりません。

でも大丈夫!
以前の勤務先の矢敷動物病院には内視鏡があります。
すぐさま電話をかけて状況を伝え、スタンバイしてもらいます。
ちょうど診療時間も終わったので、すぐに病院を閉めて矢敷動物病院へ!

実はこれもかなりギリギリでした。
矢敷動物病院も診療時間は夜7時までなので、もう少し遅ければ電話がつながらなかったかもしれません。

といったところで、次回「のどにつまった!! (3)」に続きます・・・