町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
のどにつまった!!
2009年11月30日 (月) | 編集 |
土曜日の6時半過ぎでした・・・
そろそろ診療時間も終わりという頃になって急患です。

「犬のオヤツを食べさせてから、何度も吐いて苦しそう!」

いやな予感です・・・

12歳と高齢のミニチュアダックスちゃん。
身体検査で喉を触診すると・・・

ありました。
首の付け根あたりに私の親指よりも少し太いくらいの異物。

すぐさまレントゲン撮影です。

食道内異物  オヤツ
飲み込んだオヤツと同じもの

ちょうど首の付け根、胸の入口の所に白くボヤっとしたものが異物(この場合はオヤツ)です。
歯磨き効果をうたったオヤツです。

こういった歯磨き効果をうたった犬用ガムは様々なメーカーから発売されていますが、こういった類のものを与える時には注意が必要です。

時間をかけて咬んだりしゃぶったりすることでの歯磨き効果を狙っているので、「大きい」「かたい」「溶けにくい(消化しにくい)」のが特徴です。

そのため、よく噛まずに飲み込んでしまう子や、噛んで砕いたとしても、その破片が大きいときなどに食道に詰まってしまいます。
また、なんとか食道を通過しても、消化が悪いために大きな塊のまま腸に移動し、そこで詰まってしまう症例も過去にありました。

商品の袋には小さく「喉に詰まることがあるので与える時は目を離さないよう」との注意書きがありますが、私はこれではほとんど無意味だと考えています。

飼い主様が見ていたところで、飲み込むのは防ぎようがないのではないでしょうか?
確かに見ていれば喉に詰まったとしても今回のようにすぐに病院に連れてくることができるかもしれませんが・・・

歯磨きガムに限らず、ワンちゃん用のオヤツは、ワンちゃん自身のお口のサイズに対して大きすぎるものが多いようです。
当院でもワンちゃん用のビスケットを使用していますが、小型犬にそのまま与えるには大きすぎるため、細かく砕いて使用しています。

「商品を売る」という観点からすれば、ある程度の大きさがあり、骨の形など目を引く形のほうが「飼い主様」の興味をひきやすいのでしょうが、安全面を考えればそもそも喉に引っかかることのない大きさにしていただきたいものです。

そのほかにも、乾燥させた「豚の耳」なども見かけますが、これを咬むことで奥歯が割れるというケースも多発しています。
ああいった商品は、「硬い」うえに「弾力」があるので、奥歯で噛んだときに「豚の耳」は割れずに、歯のほうが割れてしまうのです。

ワンちゃんの健康のために歯を磨くということは非常に大切ですが、こんな事故が起こってはたまりません。

もし歯磨きガムを使用するなら、飼い主様が一方を手に持って、もう一方をワンちゃんに時間をかけて噛ませてください。
できれば最終的に食べさせるのではなく、ある程度噛んだら処分してしまったほうが安全です。

また、もし遊びの中でオモチャなどを噛ませて歯磨き代わりにするなら、「絶対に飲み込めない大きさ」で「絶対に噛んでも砕けないもの」を使用してください。

ところで、このワンちゃんがどうなったかは長くなるので明日につづきます・・・

院内模様替え
2009年11月27日 (金) | 編集 |
模様替えというほど大げさなものではありませんが・・・

クリスマス

クリスマスの装いです

兵庫の実家にあったものを送ってもらいました

それと自宅近所の雑貨屋で購入したツリーとスノーマンの置物

クリスマス2

もうどう犬パピー
2009年11月26日 (木) | 編集 |
以前にもご紹介した盲導犬候補犬のウララちゃん

うららちゃん

はじめてのご来院からもう半年です。

ずいぶん大きくなりました

最近では写真のようなシャツを着てお散歩に出ているようです。

まだまだ子供っぽさが残るウララちゃん。
あと、4か月もするとパピーウォーカーさんのもとを卒業して訓練所に入るそうです。

強制給餌
2009年11月24日 (火) | 編集 |
腎不全(おそらく)で通院中のネコちゃん。

強制投与

食欲不振のため、流動食を半強制的に与えています。
腎不全と思われる症例で、飼い主様の意向もあり、詳しい検査は行わずに対症療法をおこなっています。

腎不全に限ったことではないですが、何かしらの疾病で食欲不振になることはよくあることです。

その場合、どうするか・・・
「点滴で栄養を」と思われるかもしれませんが、実は一般的な点滴では栄養(生命活動を維持するに足るだけのカロリーを含む)を補給することは困難です。
一般的な点滴で投与できるのは水分・電解質・ビタミン剤程度です。

糖分濃度の濃い点滴液(=高カロリー)を通常の血管に投与すると、血管へのダメージが大きいため、中心静脈といって心臓に近い位置の血管にカテーテル(点滴を投与するための管)を挿入する必要があります。
この中心静脈へのカテーテル挿入は、よっぽどおとなしい動物なら局所麻酔で可能なようですが、安全性を考えると全身麻酔が望ましいようです。

カテーテル挿入がうまくいっても、その後の管理や感染のリスクなどを考えると、獣医療ではあまり頻繁におこなわれる処置ではありません。
私もやったことはありません。

現実的には写真のように流動食を流し込んで食べさせるか、それが困難な症例では特殊なチューブを胃に設置して、そこから流動食を流し込むようにします。

チューブの設置にはいくつか方法があり、鼻の穴から通す方法、顎の付け根の皮膚に穴を開けて、そこから食道・胃へとチューブを挿入する方法、お腹の皮膚から直接胃にチューブを挿入する方法などがあります。

鼻からチューブを入れる方法なら、おとなしい子なら局所麻酔で設置ができますが、細いチューブしか通りませんので、十分な食事の量を与えるのは困難です。

他の方法では太いチューブを設置することができますが、設置には全身麻酔が必要になります。

写真のネコちゃんは幸い、ポンプからの投与でよく食べてくれるようです。
でも、あまりたくさん入れすぎると・・・

入れすぎ・・・

こうなっちゃいます。

縫合糸
2009年11月21日 (土) | 編集 |
縫合糸
写真は手術に使う縫合糸です。

右側の2種類が今現在当院で使用している糸。
左の2種類は今回、新規導入を検討している糸です。

縫合糸は大きく分けて2種類あります。
「吸収糸」と「非吸収糸」です。


ナイロン糸
こちらは「非吸収糸」。

ナイロン製の糸で、おもに皮膚を縫ったりするのに使用します。
状況によっては体内での縫合にも使用します。
以前おこなった会陰ヘルニアの手術で、シリコンプレートを筋肉に結び付けるのにもこの糸を使用しています。
シリコンプレートをしっかりと支えるためには、体内で溶けてしまう「吸収糸」ではなくナイロン製の「非吸収糸」が適材です。


吸収糸
こちらは「吸収糸」。

おもに体内での縫合に使用します。血管の止血に使用したり、筋肉や臓器を縫合します。
数カ月から半年かけて分解されて吸収されます。
体内で吸収・消失するので、体内に残る「非吸収糸」よりも術後のトラブルが出にくいのが特徴です。

以前は、体内で血管を止血したりするのに「絹糸(非吸収糸)」が使用されていましたが、この絹糸は体内での炎症や細菌感染の原因になりやすいため、現在ではあまり推奨されません。

今回、なぜ新規導入を考えているかというと・・・

実は、今まで使用していた縫合糸と今回取り寄せた縫合糸はかなり「値段」に差があります。
とくに「吸収糸」のほうは倍くらい違います。
手術材料の値段というのは、そのまま手術費用に反映されるので、機能が十分であれば安い糸を使ったほうが患者さまにとってはよいのですが・・・

ある外科専門の先生の話では、
「安い糸は安いなりの性能しかないよ。糸の操作性や結び目の確実性に差が出てくる」とのこと。

この糸の操作性や結び目の確実性というのは手術において非常に重要になってきます。

安全性はもちろんのこと、手術のスピードにもかかわってきます。
実際、避妊手術などでは、メスやハサミを扱っている時間よりも、止血や縫合のために縫合糸を扱っている時間のほうが長いくらいです。
この縫合糸の操作性がよくなれば手術時間の短縮につながり、動物への負担も減らすことができます。

しばらく試して、機能と値段のバランスを考えて、導入を検討しようと思います。

インタビュー記事
2009年11月20日 (金) | 編集 |
いまの動物病院診療機器

先日インタビューを受けた書籍が出来上がりました

掲載

全部で7ページものロングインタビューです
当院を含め、全部で7件の病院が紹介されていて、どの病院さんもいろいろな工夫があり、なかなか参考になる本です。

私のような新米院長もあれば、いくつもの分院を展開されているベテラン院長さんの記事もあり、院長・経営者としての考え方、スタッフの環境の整え方など勉強になることもたくさん載っていました。

前半はこのような病院の紹介記事なのですが、メインは診療機器の紹介ページです。

内容

いろいろな最先端機器を見ていると、物欲が・・・
いろいろ欲しいものはあるのですが、どれもこれも高い

もう少し病院の経営が安定してからでないと手が出ません





ねこのあくび 1月号
2009年11月17日 (火) | 編集 |
先日、監修作業をおこなった「ネコの救急病院」(ねこのあくび1月号 ぶんか社)が発売になりました。

ねこのあくび1月

今回はネコちゃんの腎臓病についてです。
前回分と一緒にファイリングして待合室に置いてありますので、ぜひご覧になってください

ネコの救急病院 11.16


二重苦
2009年11月16日 (月) | 編集 |
避妊手術をおこなったネコちゃん。
手術1時間前の様子です。

ダブルカラー

エリザベスカラーを二重にまかれて落ち込んでいます

なんでこうなったかというと・・・

当院ではすべての手術(麻酔をともなう)において、術前?術後にかけて点滴をおこなっています。
麻酔をかけるとどうしても心臓・血管系が抑制されて、体内の血液循環に悪影響がでてしまいます。
その悪影響を最小限にするための措置なのですが・・・

彼女はこの点滴チューブを咬み切ってしまったのです

まだ一歳にならない子猫ちゃんなので、チューブで遊ぶのが面白いようで・・・

こちらもたぶんやるだろうと思って、初めからエリザベスカラーをつけていたのですが、それだけでは不十分でした

そこで、かわいそうですが手術まで大きめのエリザベスカラーを上からまいて対策しました。

かわいそうだけど、麻酔時の安全確保のためですからしかたありません

新芽?
2009年11月13日 (金) | 編集 |
受付カウンター横にはベンジャミンという観葉植物があります。

ベンジャミン

これです。
写真をとったのはICUの処置台での水やり中です。

このベンジャミンの根元には

その根元に

名前はわかりませんが、こんな植物も植わっています。

さらにこの根元に・・・

新芽?

新芽のようです
かわいらしいのが伸びてきてました

でも、この子が十分に育つにはこの鉢ではちょっと狭そうです・・・

迷子のトイプードル
2009年11月12日 (木) | 編集 |
以前にもご連絡をいただいたトイプードルの「ほたる」ちゃんです

7月に行方不明になって以来、いまだ有力な手掛かりがないそうです。

新しいチラシをいただきましたので再度、掲載いたします。

2009年11月12日15時43分15秒

何かお心当たりがあれば病院までご一報くださいませ。
042?711?7612

破歯細胞性吸収病巣(FORLs)
2009年11月09日 (月) | 編集 |
先日おこなったネコちゃんの歯周病治療の写真です。

右上顎1

上あごの臼歯(奥歯)なのですが、ゴッテリと歯石が付着し、本来の歯がまったく見えません

この歯石を取り除くと・・・

右上顎2

歯が出てきました
でも・・・何かおかしい・・・

よく見ると歯の根元のほうが溶けてなくなっています
赤く見えるのは炎症を起こした歯ぐきです。

破歯細胞性吸収病巣(FORLs)といわれる状態です。

ネコちゃんに見られる原因不明の歯周病で、破歯細胞(はしさいぼう)と呼ばれる細胞が歯を融解して吸収してしまいます。

この破歯細胞性吸収病巣は結構よく見られる歯周病です。
むしろ、歯周病治療をおこなうネコちゃんでこれがまったくないほうが珍しいかもしれません。

抜歯治療が基本なのですが、こいつがなかなか厄介です。
御覧の通り歯が溶けて脆くなっているので、普通に抜歯しようとすると歯が砕けてしまって、根っこだけが残ってしまいます。

この根っこを残すとあとでエライ目にあうことがあります
とり残した根っこのところで酷い口内炎がおこることがあるのです。
この口内炎は根っこが残っている限り治らないことがほとんどです。

なので、根っこを取り残さないために、歯ぐきの肉を切り開き、顎の骨をドリルで削って根っこを掘り出す作業が必要になります。
もはや歯科処置ではなく外科手術の領域なのであります。

こういった歯石の付着が多く、歯の状態が事前に確認できない症例の歯科治療は大変です。
今回も歯石クリーニングのみの予定でしたが、結局顎の骨を削ることになりました。(ほかの奥歯も同様だったので、計4か所でした)

左上顎2
左上の奥歯。吸収が始まっています。

ま、そうなるだろうと思って日曜日の午後に手術を入れていたんですけどね

ノミ糞
2009年11月06日 (金) | 編集 |
昨日に引き続き、寄生虫ネタです。

ノミ糞

みなさんはノミの糞を見たことはありますか?

こちらがノミ糞です。

1mm程度の小さな黒いゴミのようなもので、濡らしたティッシュで拭きとると、御覧のように赤くにじみます。
ノミは血液を吸って生きているので、その糞にも血液の成分が含まれているからです。

ノミ糞は、ノミの寄生したワンちゃんやネコちゃんの皮膚や被毛に付着しており、フケと一緒に落ちてきます。

ですので、ノミがいるかなと思ったら、新聞紙の上などでブラッシングしてみてください。

で、落ちてきたフケを湿らせたティッシュで拭きとるとすぐにわかります。

ワンちゃん、もしくはネコちゃんの体にノミが寄生していると、このような糞だけでなく、ノミの卵も家じゅうにばらまかれることになります。

この卵はカーペットの中や、毛布などにまぎれて冬を越し、家の中で繁殖していくことになります。
ですので、11月に入って「涼しくなったからノミ予防はもういいか」なんて思っていると、実は自宅でしっかり繁殖していたなんてことにもなりかねません。

ノミ予防はできれば11月末?12月末くらいまではしっかりとやっていただきたいものです。
また、一度室内で繁殖してしまったノミは、真冬でも平気で活動を続けます(家の中はあったかいですからね)。
このような場合は、冬場も通してノミ駆除薬を使用する必要があります。

ニキビダニ
2009年11月05日 (木) | 編集 |
ニキビダニ 

ニキビダニというダニの一種です。

重度の皮膚炎のワンちゃんから検出されました。

細長い胴体に、申し訳程度についている短い手足が特徴です。

アカラス、デモデックスなどとも呼ばれることがあります。

このダニは、実は人間を含めた哺乳類(おそらくすべての)の毛穴に寄生していると考えられています。
まったく健康で、皮膚に何ら症状のない人(動物)でも検出されます。

ですので、本来はまったく無害なものと考えられていますが・・・

ワンちゃんでは、何かしらの疾病(ガン・内臓疾患etc)で体の免疫力が低下した時などに、このニキビダニが過剰増殖することで酷い皮膚症状を引き起こすことがあります。

ですので、皮膚病のワンちゃんでこのダニが多数検出された場合は、皮膚の治療だけではなく、何かしらの重篤な病気が隠れていないか全身の精密検査が必要になります。

ちなみに子犬で見られる場合はたいていは一過性で治るのでそれほど心配はありません。

インタビュー記事校正
2009年11月02日 (月) | 編集 |
P1010077_20091102230549.jpg

先日うけたインタビュー記事の校正をおこなっています

カラーでなんと7ページにも及ぶ内容
院内の写真もたくさん入って、素晴らしい記事になっています
このように記事に取り上げていただくと、この内容に恥じない素晴らしい診療をおこなわなければと、あらためて気が引き締まります

このインタビューでは私の理想の獣医療についてお話させていただいたのですが、このように自分の語った理想が活字として目の前に現れると、「言ったからには実現しなければ!」と励みにも、適度なプレッシャーにもなります

専門誌ですので一般の方の目に触れる機会はないでしょうが、これから開業を考える獣医さんたちの参考になればよいのですが・・・

それにしても殴り書きの汚い字です・・・
忙しいときはカルテもこんな感じです・・・
忙しくなくても結構こんな感じです・・・