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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
痛いの? 痛くないの?
2009年06月06日 (土) | 編集 |
ここのところ経過が気になっている症例があります。

ネコちゃんなのですが、飼主様が後足(ネコちゃんの)を踏んでしまったみたいとのことで、10日ほど前にいらっしゃいました。

飼主様はそれほど強く踏んだ覚えはないが、ものすごい鳴き声だったとのこと。
診察してみたところ、とくに足を触っても痛がる様子もないですし、関節の曲げ伸ばしをおこなってもウンともスンとも言いません。

歩く様子を見ようと思って床におろしても、病院に来た緊張感で、地面に伏せたままほとんど動こうともしません。

触診で明らかな痛みや腫れが認められないことと、飼い主様ももろに踏んだわけではないようだったので、念のために炎症を抑えるお薬をお出しして経過観察としました。

「ま、一時的にひねって痛がっただけだろう・・・」

だいたい、こういった症例は2?3日もすればけろっとしているものなのですが、数日たって再診にいらしていただくと、「まだ痛がってびっこをひくんです。家で触ろうとすると嫌がって怒ります」
とのこと。

再び慎重に足を触診しましたが、やはり病院ではいくら触っても無反応。
あえて言うと、びっこをひいているという右足首の関節がやや不安定(靭帯が伸びている可能性)のように思えましたが、明らかな異常といえるほどではありませんでした。

実際に歩くところを見てびっこの様子を見たいところですが、今回もやはり緊張のためから這いつくばってしまって歩くどころではありません。

足首


念のためにレントゲン撮影をしても、骨には明らかな異常はありません。(基本的に靭帯や軟骨の異常はレントゲンには写りません)

軽い捻挫程度ならこのままの治療と安静で様子が見れるのですが、それには歩く様子を見てみないといまいち不安が残ります・・・
もし、想像しているよりもひどい状態だったら・・・

そこで、飼い主様に自宅での歩行の様子を動画に撮っていただくことにしました。
今は携帯でもデジカメでも簡単に動画がとれるから便利なものです。

で、昨日、その動画を見せていただくと・・・

ばっちり右後ろ足をピョコンとあげて歩いています。
おまけに触ろうとする飼主様に向けて「シャーッ!!」と怒りまくっています。

幸い、びっこの様子はここ数日で改善してきているとのこと。
やはり捻挫ですね。
このままもうしばらく安静にしていただければ大丈夫そうです。

動画の様子からするとそうとう痛いようなのに、病院では足をどんなに触っても無反応・・・
というより病院が怖くて怖くてそれどころじゃなかったのですね・・・

その時のネコちゃんの心境を思うと気の毒で仕方ありません・・・

動物の診療をおこなっていると、このようなびっこの様子や、ケイレン(ふるえ)の様子など飼主様のお話だけではいまいちイメージがつかめないことがよくあります。

特に、今回のようなケースや、ケイレンの診断にはこういった動画をお持ちいただけると非常に参考になりますので、皆様も自宅で何か異常な様子や行動を見かけたときは動画を保存しておいていただくとよいかもしれませんよ。