FC2ブログ
町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
肥満と糖尿病
2009年03月26日 (木) | 編集 |
2009/03/26

皮下脂肪

先日わんにゃんドックをおこなったネコちゃんのレントゲン写真です。
黄色い矢印は、肋骨から皮膚表面までの距離を示しています。

この距離およそ2.5cm。
これは皮下脂肪の厚みを表わしています。

けっこうな肥満です。
肝臓周囲の脂肪

こちらは内臓脂肪の様子です。
黄色く破線で囲ったところは肝臓です。
矢印の部分が肝臓周囲の脂肪です。この距離およそ3cm。

もともとこの部分は脂肪が多い部分ですが・・・ちょっと多すぎます。

人では最近メタボリックシンドロームが話題になっていますが、過度な肥満が健康に悪影響を及ぼすのはワンちゃん・ネコちゃんでも同様です。

ある研究では、循環器疾患・がん・皮膚疾患・関節疾患などにおいて、肥満犬は正常犬の1.5?3倍も発生率が高いというデータがでています。

また、人でもよく言われることですが、肥満と糖尿病は重要な関連があります。

「インスリン抵抗性」という状態があります。
肥満動物では、正常動物に比べてインスリンの作用が弱くなるというのです。

ぽっちゃりネコ

インスリンというのは膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種で、血糖値をコントロールするのに重要な働きをもっています。(血糖値を下げる働きがあります。)
糖尿病患者の方は体内でインスリンが十分に働かないため、注射をして補わなければならないのです。

肥満ネコでは、このインスリンの作用が弱くなることで血糖値のコントロールに不具合が生じます。
そうすると膵臓(すいぞう)はよりたくさんのインスリンを放出しようとします。
弱った作用を補うのに多量のインスリンを放出するのです。

この状態が続くと膵臓に負担がかかり、いずれは膵臓のインスリン放出機能は枯れ果ててしまいます。

そうすると、体内でインスリンが不足し血糖値がコントロールできず高血糖になってしまいます。
糖尿病になってしまうのです。

早い段階で治療をおこない、肥満を改善すればよいのですが、治療が手遅れになると生涯にわたってインスリンの注射が必要になってしまいます。

発見・治療がおくれれば命を落とすこともあります。

今回のネコちゃんも血液検査で血糖値202と高血糖でした。
ネコちゃんの正常値は80?160程度です。

幸い、まだ症状もなく、尿糖も出ていないので糖尿病予備軍といったところでした。
しかし、このまま放置していれば近い将来、実際に糖尿病を発症する可能性大です。
さっそく、食事管理をはじめダイエットを始めていただきました。

先日の体重測定では早くも効果が出始めていましたので一安心です。


厳しい言い方になりますが、ホルモン異常などの病気でない限り、動物の肥満の原因は基本的に飼主様にあります。

ほしがるままに必要以上の食事をあたえる、いろいろなおやつを与えすぎる、与える割には十分な運動をさせていない・・・

食事制限のお話をすると「だって、ほしがるのにあげないのはかわいそう・・・」とおっしゃる方が多いのですが、我々からすればその挙句に健康を害するほうがよっぽど可哀そうです。

かわいい! ほしがる! おいしいものたくさん食べさせてあげたい! という気持ちはわかりますが、少し冷静になってワンちゃん・ネコちゃんへの本当の愛情というものについて考えていただければと思います。

また、現在、子犬・子猫ちゃんを飼っていらっしゃるかたは、今のうちから整った食生活を心がけていただければと願ってやみません。






迷い犬見つかりました!
2009年03月26日 (木) | 編集 |
2009/03/26

先日お知らせした迷い犬、飼主様が見つかったそうです。
一安心ですね。