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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
歯石クリーニング
2018年07月09日 (月) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院



いつもは重度の歯周病治療をご紹介することが多いのですが・・・



本日は一番基本的な歯科処置である歯石クリーニングのご紹介です。
※料金案内


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ワンちゃん・ネコちゃんの歯科処置は、原則、全身麻酔下での処置となります。


※無麻酔での歯科処置の危険性について:日本小動物歯科研究会
http://sa-dentalsociety.com/
http://sa-dentalsociety.com/news/dental%20scaling.pdf




麻酔をかけたら、まずは口腔内を詳しく観察して、麻酔前には見つけられなかったような歯周病などの異常がないか確認いたします。


写真からもわかる通り、前の方の歯に比べて奥歯の歯石が多いですね。


じつは、この部分には唾液腺の分泌口があるため、ワンちゃんのお口の中で最も歯石が付きやすい部分。



この部分はほっぺをめくらないと見えないので、飼い主様が前歯をみて「まだまだ綺麗ね!」なんて思っているうちに、どんどんと進行してしまっていたり・・・



この部分は歯槽膿漏も起こしやすいので入念にチェックです。



チェックが終わったら、超音波スケーラーで歯石クリーニングであります。


人間の歯医者さんでやる歯石クリーニングと全く同じです。


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麻酔をかけないと見ることもできないような奥の方や歯の裏側までしっかりと歯石を取り除いていきます。



歯石クリーニングで最も大切なのは、歯肉縁下とよばれる歯と歯茎の隙間の部分をしっかりとクリーニングすること。



この部分に入り込んだ歯石や歯垢が歯周病の一番の原因になります。




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しっかりと歯石を取り除いたら、研磨剤でツルツルに磨き上げます。




この程度の歯石の量であれば、麻酔処置の時間も含めて40~50分程度で終わります。



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歯の黄ばみやシミ汚れまで取り切れるわけではないので、「真っ白!!」というわけにはいきませんが・・・



かなり綺麗になりましたね!!



麻酔をかけての処置というと、皆さんご心配になるのは当然。


痛みを伴う処置になると麻酔も深くかけなければなりませんが、クリーニングだけなら最小限の麻酔で済みます。


うつらうつらと半分寝てるくらいの麻酔具合で、処置のために体の向きを変えようとすると、それだけで目が覚めかけるくらいの麻酔加減なんですよ。


重度の歯周病になってしまい、大きな負担をかけて治療をするよりは、軽い麻酔処置で済むうちに早め早めの歯石クリーニングを行うのが大切です。



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こうなってしまってからでは、処置の時間もかかるし、麻酔も深くかけなければなりませんし、歯を何本も抜くことになるし、飼主様のお財布にも優しくありません。


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歯科処置 6歳・ペキニーズ
2018年05月17日 (木) | 編集 |
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こちらは、先日歯科処置をしたペキニーズの女の子の様子です。



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まだ6歳と比較的若い症例ですが、奥歯にはしっかりと歯石が付着しております。



奥歯のすぐそばには唾液腺の分泌口があるのですが、そこは最も歯石が付着しやすい部分となっています。




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超音波スケーラーで歯石を取り除き、研磨剤でツルツルに磨き上げます。



ペキニーズやパグ、ブルドックなどの鼻が短い犬種は、お口の中の処置スペースが狭くて大変です。



クリーニングだけならまだしも、歯周病がひどく、抜歯の処置が必要な時などはかなり難儀いたします。


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猫の歯の吸収病巣
2018年03月30日 (金) | 編集 |
町田市 動物病院 谷口動物病院



こちらは先日手術した猫ちゃんの歯の様子。



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〇で囲った部分・・・



歯が溶けて、赤く炎症を起こしていますね。


猫ちゃん特有の歯科疾患で、以前は「破歯細胞性吸収病巣」と呼ばれていましたが



最近は単純に「吸収病巣」と呼ばれています。



人間でいう「虫歯」に似ているようですが、この疾患は「破歯細胞」という細胞の働きによって歯が吸収されて起こる疾患です。



「破歯細胞」は、本来は乳歯の生え変わりの際に働く細胞です。


乳歯を吸収し、歯の生え変わりを助けていると考えられています。


その細胞が、なぜかわかりませんが永久歯に影響を及ぼして、吸収してしまうのです。


原因については諸説ありますが、今のところははっきりしたことは分かっていません。


吸収された病変部には痛みが生じますので、猫ちゃんは食欲が落ちたり、ご飯を食べにくくなったりします。



治療は抜歯。



残念ながら、お薬等で治る病気ではありません。



発症率は28~67%と高く


10歳以上の猫ちゃんではなんと69%。


人間と違って、痛みを言葉で訴えることのできない猫ちゃんでは、飼い主様が気づかないまま痛みに苦しんでいるケースも少なくありません。



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歯周病による歯肉の壊死
2018年02月20日 (火) | 編集 |
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先日歯科処置を行った症例です。


もともとは、眼瞼にできた腫瘍切除を行ったワンちゃんなのですが、その際の身体検査で「歯周病」を発見。


後日改めての歯科処置となりました。



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犬歯に生じた歯周病のせいで、根っこ周辺の歯肉が壊死してしまい穴が開いています。


歯肉が赤黒く変色しています。


空いた穴から見える歯根にまで、茶色く歯石が付着してしまっていますね。


こうなってはもう抜歯するしか手立てはありません。


3歳以上のワンちゃん・猫ちゃんの80%以上にすでに歯周病が認められるというデータもございます。


ご自宅での歯磨きと同時に、病院での定期的なクリーニングで健康な歯を保つことが、ワンちゃん・猫ちゃんの「QOL(quality of life:生活の質」を維持するために非常に重要になってきます。

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口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)
2018年02月05日 (月) | 編集 |
先日、歯科処置を行ったワンちゃん。


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全体的に重度の歯石付着と、歯周病を患っております。


特に、両上顎の犬歯の状態が思わしくありません。




このように、犬歯の歯根部を洗浄すると・・・


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銀色の管が洗浄管。赤く出血しているように見えるのは、血液の混ざった洗浄液です。



洗浄液が鼻の穴から出てきます・・・



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これは、口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)という状態です。


犬歯歯根部の歯槽膿漏が進行し、歯根部周辺の骨組織が壊死し鼻の穴まで貫通してしまっているのです。



こちらは左上の犬歯の様子。


歯肉が壊死して欠損してしまっています。


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犬歯の歯根はとても太く、上顎骨奥まで深く入り込んでいるので、無理やり抜歯しようとすると、周辺の組織に大きなダメージを与える可能性があります。


そのため、歯肉を切開し、あらかじめ歯根を支える骨組織の一部を切削しておきます。


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あらかじめ骨を削り、力の逃げ場を作っておくことで、内側の重要な組織へのダメージを避けるためです。



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抜歯をした後の様子ですが・・・矢印で示した部分が「口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)」です。



犬歯歯根部に生じた重度の歯周病によって、鼻腔周辺の組織が壊死し、穴が開いてしまったのです。
この穴は鼻の穴につながっています。



壊死した組織は綺麗に洗浄してから縫合します。


といっても、歯肉組織が壊死してしまっているので、そのまま傷口を縫って塞ぐことはできません。


頬の内側の粘膜を移植するような形で傷口を塞がなければなりません。



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これでずいぶんとお口の中がすっきりとしたはずです。



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