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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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精巣腫瘍
2018年06月16日 (土) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院


先日手術をした睾丸(精巣)腫瘍の症例です。



20180615tah04.jpg



ペニスの横に大きな腫瘤があります。これが精巣腫瘍。



なぜこんなところに精巣があるかというと・・・



このワンちゃんはもともと「停留睾丸(精巣)」だったのです。


ご存知の方も多いと思いますが、睾丸(精巣)は、もともとは女性の卵巣と同じように腹腔内に位置しています。


生まれるまでの間(もしくは生後数か月の間)に移動して陰嚢内に収まるわけですが・・・


先天的な奇形で、陰嚢内に睾丸(精巣)が下降せずに、腹腔内や腹部皮下に留まってしまったものを「停留睾丸(精巣)」と呼びます。



停留睾丸(精巣)は、陰嚢内の正常な睾丸(精巣)に比べて高い温度にさらされるため、正常な機能は失ってしまいます。



さらに、正常な睾丸(精巣)に比べて腫瘍化する危険性が高いといわれています。



犬の精巣腫瘍では、悪性であることが多く、治療には手術が必要ですが・・・



転移する可能性は低く、確実な外科切除で完治することがほとんどです。



20180615tah05.jpg




町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院









子宮蓄膿症 Mちゃんのケース
2018年06月04日 (月) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院



先日もご紹介しましたが、子宮蓄膿症の症例です。



今回ご紹介するのは、柴犬のMちゃん。



数日前から元気・食欲がないということでのご来院です。



食欲はないけども、やたらと水をがぶ飲みするとのこと・・・



カルテを確認すると今年で8歳になる女の子で、未避妊です。



こんな時に我々が一番に警戒するのが子宮蓄膿症



注意深く身体検査を進めると・・・腹部に明らかなふくらみが触知されます。



20180602tah01.jpg
手術中の様子。腹部のふくらみが明らかです。



すぐに血液検査や超音波検査を実施し、子宮蓄膿症と診断。



その日のうちに緊急手術です。



20180602tah02.jpg



大量の膿でパンパンに膨らんだ子宮。



子宮破裂の危険があるので、慎重に摘出を行います。



子宮内に貯留した膿の毒素は全身に影響し、多臓器不全を起こす危険があります。



20180602tah04.jpg



子宮内には大量の血膿が・・・




子宮蓄膿症は、早期に診断し摘出手術を行うことができれば命にかかわることは少ない病気ですが・・・



診断が遅れ多臓器不全を招いてしまうと、手術をしても助からないことも。



子宮蓄膿症になると、元気食欲がなくなるのはもちろんですが・・・



膿の毒素の影響からか、水をがぶ飲みするようになります。



そして、陰部から膿状のオリモノや、出血がみられることも良くあります。



中高齢の未避妊のわんちゃんで、そういった症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診されることをお勧めいたします。



町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院

子宮水腫/粘液症
2018年04月17日 (火) | 編集 |
町田市 動物病院 谷口動物病院

おなかが急に大きくなってきた・・・



ということでご来院いただいたわんちゃん。



中高齢のチワワの女の子。


確かに、ずいぶんと不自然におなかが膨らんでいます。



まだ避妊手術をしていない女の子でしたので、妊娠の可能性について伺いましたが・・・どうもそういったことはないようです。



そこで、腹部レントゲンと超音波検査で確認をすると・・・



20180417tah01.jpg
※腹部超音波検査 *印は液体を貯留して膨らんだ子宮


どうやら、子宮内部に液体が貯留して膨らんでいるようです。


このような所見が得られた際に一番に心配をするのは子宮蓄膿症。
子宮蓄膿症についてはこちら→CLICK


中高齢の未避妊の女の子に多い疾患で、病名通りに子宮内に細菌感染を起こし膿が溜まってしまう病気で、致命的な疾患です。


子宮蓄膿症の場合は、食欲不振や発熱、血液検査で白血球数の異常が観られることが多いのですが・・・


どうも、今回のワンちゃんではそういったようなことはないようです。


とすると・・・子宮蓄膿症ではなく、子宮水腫(粘液症)が疑われます。


子宮水腫(粘液症)の場合は、子宮蓄膿症とは違って子宮内部に細菌感染は見られず、単純に水分や粘液が貯留した状態です。


子宮蓄膿症と違って、すぐに命にかかわる状態ではありませんが、内部に細菌が侵入すると致命的な子宮蓄膿症に進行する恐れがありますので、基本的には診断したら外科的に摘出することが望ましいです。


子宮蓄膿症と子宮水腫(粘液症)を血液検査と超音波検査だけで完全に診断をつけることは難しいことです。


子宮蓄膿症でも、初期の段階では、発熱や食欲不振、白血球の増加は見られないことも珍しくありません。


そういったことからも、子宮に液体貯留が見られた場合には、状況が許す限り速やかに摘出手術を行うことが望ましいと考えています。



20180417tah02.jpg



手術中の様子。


内部に液体が貯留して、パンパンに膨れ上がった子宮。


体重2.5kgの小さなチワワちゃんから、こんなに大きな子宮が出てきました。



町田市 動物病院 谷口動物病院




子宮蓄膿症
2015年10月22日 (木) | 編集 |
御存じの方も多いかと思いますが、ワンちゃんの発情期は春と秋の年2回訪れます。



およそ半年間隔です。



この時期になると我々獣医師が警戒するのが「子宮蓄膿症」。



中高齢の女の子(もちろん避妊手術をしていない)に多い疾患で、発情後の子宮内に細菌感染を起こし、膿がたまってしまう病気です。



この疾患には女性ホルモンの分泌が大きく関与しているため、発情と関連して発症することが特徴です。



症状としては、通常よりも発情の出血が長く続いたり、膿状のオリモノが出てきたり・・・



初期の段階では、元気食欲に影響はないのですが、細菌が増殖するとともに毒素が体内に蓄積し、徐々に食欲が無くなり、最終的には多臓器不全で命を落とす恐ろしい病気です。



20151022tah02.jpg
子宮蓄膿症の症例の超音波検査。
※の部分が膿の溜まった子宮。



この超音波画像は、先日、子宮蓄膿症で緊急手術をおこなったワンちゃんの画像です。



発情が終わったはずなのに、出血が見られたということで来院されました。



この時点ではまだ元気も食欲もあり、一時的にわずかな出血が見られただけ。
普通なら見逃されてもおかしくなかったのですが・・・



たまたま飼い主様が子宮蓄膿症について耳にされたということで、「ひょっとしたら・・・」ということでご来院いただきました。



20151022tah01.jpg
術中の様子。画面右側の子宮が左側に比べて太くなっています。この部分に膿がたまっています。



子宮蓄膿症の治療は、基本的には外科治療。



膿の溜まった子宮を摘出します。



この症例は、飼い主様が初期の段階でお連れ下さったので、膿の貯留はわずかですが・・・



重度の症例では、フランクフルトなみの太さになることも珍しくありません。



20150213tah02.jpg
過去の症例 1

20141003tah01.jpg
過去の症例 2


膿の蓄積が多くなれば、それだけ体内に毒素が吸収されるため、症例の全身状態は悪くなっていきます。



今回の症例では、飼い主様の素早い判断で、体への悪影響も最小限で、翌朝には元気に退院していきましたが、膿の貯留の多い症例では1週間ほどの入院が必要になります。



酷い症例では、手術が成功しても、すでに体内に吸収された毒素によって多臓器不全を起こして亡くなってしまうことも珍しくありません。

停留睾丸
2015年08月10日 (月) | 編集 |
こちらは、ある小型犬の男の子の写真です。


去勢手術前の若いワンちゃんなのですが・・・



20150810tah01.jpg



去勢手術前にもかかわらず、睾丸の所にふくらみが見当たりません。



「毛で見えないだけじゃないの?」と思うかもしれませんが、触診しても睾丸は全く触れることができません。



じゃあ、どこにあるのかというと・・・



20150810tah02.jpg
(超音波で確認した、腹腔内の睾丸の画像)




腹腔内であります。


「停留睾丸」という先天的な異常の一つです。


睾丸は本来、「陰のう」という袋に収まって、股間にぶら下がっているわけでありますが・・・


実は睾丸は、もともとは女の子の卵巣と同一の組織で、胎児のお腹の中で発生します。


腹腔内に発生した睾丸は、赤ちゃんの発育と共に腹腔内から股間の「陰のう」まで移動してくるのであります。


これが、きちんと「陰のう」まで移動せず、腹腔内に残ってしまうことを「停留睾丸」と呼び、小型犬に多い先天性疾患の一つに挙げられています。



腹腔内に停留した睾丸は、正常な睾丸よりも「癌」になりやすいといわれているため、早期の摘出が勧められます。


また、片方だけでも睾丸が下りていれば、繁殖することは可能なのですが、「停留睾丸」は遺伝する可能性があるため、繁殖は勧められません。



20150810tah03.jpg


通常の去勢手術の場合はおちんちんの付け根の皮膚を2cm程切開するだけで摘出することができますが、「停留睾丸」の場合は、開腹手術になります。



開腹した後、腹腔内に紛れ込んだ睾丸を探さなければならないのですが・・・



事前に超音波である程度の位置は確認していますし、睾丸と前立腺をつなぐ「精管」を手繰っていくことが出来れば、腹腔内の精巣を見つけること自体はスムーズ。



ただし、見つけた睾丸がスムーズに摘出できるかどうかはやってみないと解りません。



奇形の一種ですから、睾丸が思ったように腹腔外に引っ張り出せない可能性もあるのです。



20150810tah04.jpg



幸い、今回の症例ではそういった問題はなく、スムーズに手術を終えることができました。




術後の写真を観ると、本来睾丸があるべき位置に、まったくその痕跡が無いのが良くわかりますね。



通常の去勢手術では、睾丸を摘出してもペシャンコになった陰のうが残るのですが、この子の場合は陰のうの痕跡すらありません。