2017年11月21日 (火) | 編集 |
11月も半分が過ぎて、だいぶ朝晩冷え込んできましたね。
そのせいなのか・・・
今週は腰痛症状のワンちゃんが多いようです。
人間同様、ワンちゃんも突然、首や腰が「ピキッ」と痛くなってしまうことがあるようです。
そういったワンちゃんに共通なのが・・・
「数時間前まで元気にしていて、食欲も旺盛だったのに、急に元気がなくなってあまり動きたがらなくなったんです・・・」
我々の腰痛もそうですよね。
さっきまで何ともなかったのに、ちょっとかがんだ拍子とか、重いものを持ち上げようとした瞬間とか・・・

椎間板疾患を疑う症例のレントゲン写真。
〇で囲った部分の椎間が、前後の椎間に比べて狭くなっています。
触診で痛みの反応が出る部位と一致しているので、この部分に軽度の椎間板ヘルニアがあるものと推察されます。
確定診断にはCT/MRI検査が必要。
こういったワンちゃんの診察をするときには、首から腰まで慎重に触診をします。
わかりやすいワンちゃんだと、痛いところを触るとキャン!とないたり、怒って咬みつこうとしてくるのですが・・・
中には、病院では必死にこらえて痛みを表に出さないワンちゃんもいます。
ですが、そんなワンちゃんでも慎重に触診をすれば、痛いところを触ったときに体に緊張が見られたり、かすかに息を止めるような様子があったり・・・
そんな様子から症状を判断し、痛み止めを投与すると、1~2時間もするとケロッと元気になってしまいます。
そうすると、やはり言葉で症状を訴えることはできないけど、頑張って痛みをこらえてたんだなぁと思うのであります。
腰痛の原因は、写真の症例のように椎間板ヘルニア(疑い)であったり、単純な筋肉の疲労などが考えられます。
町田市 谷口動物病院
そのせいなのか・・・
今週は腰痛症状のワンちゃんが多いようです。
人間同様、ワンちゃんも突然、首や腰が「ピキッ」と痛くなってしまうことがあるようです。
そういったワンちゃんに共通なのが・・・
「数時間前まで元気にしていて、食欲も旺盛だったのに、急に元気がなくなってあまり動きたがらなくなったんです・・・」
我々の腰痛もそうですよね。
さっきまで何ともなかったのに、ちょっとかがんだ拍子とか、重いものを持ち上げようとした瞬間とか・・・

椎間板疾患を疑う症例のレントゲン写真。
〇で囲った部分の椎間が、前後の椎間に比べて狭くなっています。
触診で痛みの反応が出る部位と一致しているので、この部分に軽度の椎間板ヘルニアがあるものと推察されます。
確定診断にはCT/MRI検査が必要。
こういったワンちゃんの診察をするときには、首から腰まで慎重に触診をします。
わかりやすいワンちゃんだと、痛いところを触るとキャン!とないたり、怒って咬みつこうとしてくるのですが・・・
中には、病院では必死にこらえて痛みを表に出さないワンちゃんもいます。
ですが、そんなワンちゃんでも慎重に触診をすれば、痛いところを触ったときに体に緊張が見られたり、かすかに息を止めるような様子があったり・・・
そんな様子から症状を判断し、痛み止めを投与すると、1~2時間もするとケロッと元気になってしまいます。
そうすると、やはり言葉で症状を訴えることはできないけど、頑張って痛みをこらえてたんだなぁと思うのであります。
腰痛の原因は、写真の症例のように椎間板ヘルニア(疑い)であったり、単純な筋肉の疲労などが考えられます。
町田市 谷口動物病院
2017年04月17日 (月) | 編集 |
今月は、なぜだか同じようなケガをするワンちゃん・ネコちゃんの診療が続いております。
そのケガというのが・・・
前十字靭帯にまつわるトラブル。
前十字靭帯というのは、膝関節の安定性に重要な働きを持つ靭帯であります。
膝に負担がかかるような運動をしたときに痛めることが多く、人間ではサッカー選手やバスケットボール選手、スキー選手など、ジャンプや急激な方向転換など、膝に過剰なストレスがかかるスポーツ選手に多いようです。

前十字靭帯を損傷したワンちゃんのレントゲン写真
前十字靭帯には、膝関節の前方への移動を制限する働きがあるのですが、そこを損傷したため、脛骨(脛の骨)が前方へ変位してしまっています(右)。
左は正常な膝関節の状態を示しています。
今月は、なぜかこの靭帯を損傷する症例が続いており・・・
高いところから飛び降りた猫ちゃんや、シャンプー後にお部屋を走り回っていたワンちゃん、ドッグランで大はしゃぎしていたワンちゃんなどなど・・・
雪が降った時などは、足元が滑る中はしゃぎまわって膝を痛めるわんちゃんが立て続けに病院にいらっしゃることはありますが、今回はそういったこともなく、それぞれに違う状況でたまたま同じケガが続いておりました。
治療法は大きく分けて二つ。
外科手術で膝の安定性を取り戻す治療法がまず一つ。
様々な手術法が考案されていますが、断裂した靭帯の代わりに、筋膜を使用したり、人工物を使用して膝関節を安定化させます。
もう一つは、保存療法。
手術をせずに、運動制限を行いながら、消炎鎮痛剤で炎症・痛みをコントロールすることで、数か月ほどで日常生活に支障のないレベルに回復することができます。
もちろん、靭帯そのものが再生するわけではなく、周辺組織が安定化したり、痛みや炎症が鎮まることで、日常生活に支障がなくなるということです。
小型犬や猫ちゃんは体重が軽く、4本足で活動するため、このような治療でも大きな障害なく過ごせることも多いのです。
いずれの治療法を選択しても、歩行機能が十分に回復するには3~6か月程度の時間が必要です。
一般的には、外科手術を行ったほうが回復は早いとされていますが、体重の軽いワンちゃんでは、保存療法でも思った以上に早く回復することもあります。
いずれの治療にしても、膝の機能が100%もとに戻るわけではなく、一度痛めた膝関節は生涯にわたってケアが必要なのは変わりありません。
そのケガというのが・・・
前十字靭帯にまつわるトラブル。
前十字靭帯というのは、膝関節の安定性に重要な働きを持つ靭帯であります。
膝に負担がかかるような運動をしたときに痛めることが多く、人間ではサッカー選手やバスケットボール選手、スキー選手など、ジャンプや急激な方向転換など、膝に過剰なストレスがかかるスポーツ選手に多いようです。

前十字靭帯を損傷したワンちゃんのレントゲン写真
前十字靭帯には、膝関節の前方への移動を制限する働きがあるのですが、そこを損傷したため、脛骨(脛の骨)が前方へ変位してしまっています(右)。
左は正常な膝関節の状態を示しています。
今月は、なぜかこの靭帯を損傷する症例が続いており・・・
高いところから飛び降りた猫ちゃんや、シャンプー後にお部屋を走り回っていたワンちゃん、ドッグランで大はしゃぎしていたワンちゃんなどなど・・・
雪が降った時などは、足元が滑る中はしゃぎまわって膝を痛めるわんちゃんが立て続けに病院にいらっしゃることはありますが、今回はそういったこともなく、それぞれに違う状況でたまたま同じケガが続いておりました。
治療法は大きく分けて二つ。
外科手術で膝の安定性を取り戻す治療法がまず一つ。
様々な手術法が考案されていますが、断裂した靭帯の代わりに、筋膜を使用したり、人工物を使用して膝関節を安定化させます。
もう一つは、保存療法。
手術をせずに、運動制限を行いながら、消炎鎮痛剤で炎症・痛みをコントロールすることで、数か月ほどで日常生活に支障のないレベルに回復することができます。
もちろん、靭帯そのものが再生するわけではなく、周辺組織が安定化したり、痛みや炎症が鎮まることで、日常生活に支障がなくなるということです。
小型犬や猫ちゃんは体重が軽く、4本足で活動するため、このような治療でも大きな障害なく過ごせることも多いのです。
いずれの治療法を選択しても、歩行機能が十分に回復するには3~6か月程度の時間が必要です。
一般的には、外科手術を行ったほうが回復は早いとされていますが、体重の軽いワンちゃんでは、保存療法でも思った以上に早く回復することもあります。
いずれの治療にしても、膝の機能が100%もとに戻るわけではなく、一度痛めた膝関節は生涯にわたってケアが必要なのは変わりありません。
2016年10月17日 (月) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
先日診察したシーズ犬のレントゲン写真。
まだ5~6歳と比較的若いワンちゃんですが、右前脚を痛がるということでした。

レントゲンで診てみると、右肘の関節の隙間が左に比べて狭くなっています。
変形性関節症(骨関節炎)です。
「変形性関節症」とは、簡単な言い方をすれば慢性の関節炎。
関節への体重や運動による損傷、加齢による変化などによって、関節軟骨や関節構造が傷んでしまった結果に生じる疾患です。
「変形性関節症」が進行すると、関節軟骨がすり減ってしまったり、関節周辺の骨が変形をおこしたりして、痛みや可動域の減少が生じます。
一般的には高齢になってから問題になる疾患なのですが・・・
症例のワンちゃんは5~6歳と比較的若いワンちゃんですが、なぜこのように若い年齢で発症してしまったのでしょうか?
それは、シーズー犬という犬種の特徴が関わっています。
下の写真は、同症例の前足のレントゲン写真なのですが・・・

腕が大きく湾曲してしまっています。
シーズー犬や、ダックスフンドのような足の短い犬種は「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれています。
「な骨異栄養性犬種」は遺伝的に軟骨の形成・成長に異常があります。そのため、手足の骨の成長異常が生じ、結果としてあのような足の短い体型になるのです。
今回のワンちゃんも、手足の骨格の成長異常の為、写真のように腕の骨が大きく湾曲してしまっているのです。
つまり、あのように短くなった手足と言うのは、シーズー犬やダックスフンドにとっては正常なことですが、犬と言う種族にとっては奇形であり、病気の一種なのであります。
このように骨が湾曲してしまうと、当然ですが肘関節の関節にも歪みが生じます。その歪みが原因で、今回のように比較的若い年齢で「変形性関節症」を発症してしまったものと考えられます。
シーズーやダックスのような足が短い犬種、パグやブルドックのように鼻ペチャの犬種・・・
人間の都合で品種改良されてきたワンちゃん達。
一般的には「かわいい!」「ブサカワ!」といって注目される独特の外見ですが・・・
その裏には、このような人間の都合で歪められた骨格が原因で発症する病気も少なくないのです。
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
先日診察したシーズ犬のレントゲン写真。
まだ5~6歳と比較的若いワンちゃんですが、右前脚を痛がるということでした。

レントゲンで診てみると、右肘の関節の隙間が左に比べて狭くなっています。
変形性関節症(骨関節炎)です。
「変形性関節症」とは、簡単な言い方をすれば慢性の関節炎。
関節への体重や運動による損傷、加齢による変化などによって、関節軟骨や関節構造が傷んでしまった結果に生じる疾患です。
「変形性関節症」が進行すると、関節軟骨がすり減ってしまったり、関節周辺の骨が変形をおこしたりして、痛みや可動域の減少が生じます。
一般的には高齢になってから問題になる疾患なのですが・・・
症例のワンちゃんは5~6歳と比較的若いワンちゃんですが、なぜこのように若い年齢で発症してしまったのでしょうか?
それは、シーズー犬という犬種の特徴が関わっています。
下の写真は、同症例の前足のレントゲン写真なのですが・・・

腕が大きく湾曲してしまっています。
シーズー犬や、ダックスフンドのような足の短い犬種は「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれています。
「な骨異栄養性犬種」は遺伝的に軟骨の形成・成長に異常があります。そのため、手足の骨の成長異常が生じ、結果としてあのような足の短い体型になるのです。
今回のワンちゃんも、手足の骨格の成長異常の為、写真のように腕の骨が大きく湾曲してしまっているのです。
つまり、あのように短くなった手足と言うのは、シーズー犬やダックスフンドにとっては正常なことですが、犬と言う種族にとっては奇形であり、病気の一種なのであります。
このように骨が湾曲してしまうと、当然ですが肘関節の関節にも歪みが生じます。その歪みが原因で、今回のように比較的若い年齢で「変形性関節症」を発症してしまったものと考えられます。
シーズーやダックスのような足が短い犬種、パグやブルドックのように鼻ペチャの犬種・・・
人間の都合で品種改良されてきたワンちゃん達。
一般的には「かわいい!」「ブサカワ!」といって注目される独特の外見ですが・・・
その裏には、このような人間の都合で歪められた骨格が原因で発症する病気も少なくないのです。
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
2015年11月30日 (月) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
「1か月ほど前から後ろ足に力が入らないみたいで・・・」
と言うことでご来院いただいたワンちゃん。
様子を見ると、たしかに右後ろ足をかばうような動きをしています。
そこで、レントゲン撮影をしてみると・・・

左の膝関節に比べて、右側がなんだか白っぽくなってモヤモヤしたように見えます。
「変形性関節症」です。
解りやすく言えば「関節炎」。
関節への日常的な負荷(肥満、過剰な運動など)や加齢によって関節構造が消耗、変形していく疾患です。
痛んだ関節軟骨は擦り減り、骨組織の表面はガタガタに荒れていきます。
今回の症例のレントゲンでは、右膝周辺の骨表面が荒れて不整に見えますね。
関節軟骨や周囲の骨が摩耗・変形すると関節の痛みや、可動域の減少につながります。
「変形性関節症」によって生じる軟骨や骨の変化は「不可逆性」です。
つまり、「元に戻ることはない」ということ。
したがって、痛み止めやサプリメント等を使って、症状を緩和し、進行を遅らせることはできても、一度変形を生じた関節を元取りにすることは不可能だということなのです。
一度関節がこのような状態になってしまうと、一生痛みや関節の不具合に悩まされることになってしまうのです。
近年、人間同様にペットとして飼育されているワンちゃん・ネコちゃんでは肥満が大きな問題になっています。
こういった関節疾患も日頃の食事管理が大きく関わっていますので、皆様にはご注意いただきたいと思います。
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
「1か月ほど前から後ろ足に力が入らないみたいで・・・」
と言うことでご来院いただいたワンちゃん。
様子を見ると、たしかに右後ろ足をかばうような動きをしています。
そこで、レントゲン撮影をしてみると・・・

左の膝関節に比べて、右側がなんだか白っぽくなってモヤモヤしたように見えます。
「変形性関節症」です。
解りやすく言えば「関節炎」。
関節への日常的な負荷(肥満、過剰な運動など)や加齢によって関節構造が消耗、変形していく疾患です。
痛んだ関節軟骨は擦り減り、骨組織の表面はガタガタに荒れていきます。
今回の症例のレントゲンでは、右膝周辺の骨表面が荒れて不整に見えますね。
関節軟骨や周囲の骨が摩耗・変形すると関節の痛みや、可動域の減少につながります。
「変形性関節症」によって生じる軟骨や骨の変化は「不可逆性」です。
つまり、「元に戻ることはない」ということ。
したがって、痛み止めやサプリメント等を使って、症状を緩和し、進行を遅らせることはできても、一度変形を生じた関節を元取りにすることは不可能だということなのです。
一度関節がこのような状態になってしまうと、一生痛みや関節の不具合に悩まされることになってしまうのです。
近年、人間同様にペットとして飼育されているワンちゃん・ネコちゃんでは肥満が大きな問題になっています。
こういった関節疾患も日頃の食事管理が大きく関わっていますので、皆様にはご注意いただきたいと思います。
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
2015年11月20日 (金) | 編集 |
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
ワンちゃんの診療で、時々あるのが・・・
「昨日までは普通に元気にしていたのに、今朝からなんだか元気が無くてあまり動かないんです・・・」という症例。
吐き気や下痢は? 食欲はどうですか?と聞いてみると・・・
「吐き気や下痢はありません。御飯は食べているけど、いつもよりもゆっくり食べているような・・・」
さて・・・どんな病気でしょうか?
こんなときは、まず通常の身体検査に加えて、首や腰などの触診を慎重におこないます。
首を上下左右にゆっくりと伸ばしたり、まげたり・・・
首から腰まで背中の筋肉を圧迫していったり・・・
わずかな動物の筋肉の緊張や、表情の変化を観察しながら触診していくと・・・
「あ、ここ痛いのかな?」というポイントが見つかります。
「キャン!」と鳴いてくれる子は解りやすいのですが、ほとんどの子はうんともすんとも言いません。ですが、痛いポイントになるとわずかに表情が曇ったり、筋肉に強張りが出ます。
そこでレントゲンをとって見ます。
写真の症例は、首を左に曲げたときにわずかに抵抗があった症例です。

写真右側が動物の左
写真右側の筋肉が、左側に比べると腫れているのが解ります。

黄色いラインで首の筋肉を示しています。
画面左側の筋肉に比べて右の筋肉が白く膨らんだように見えます。
白く膨らんだように見える部分は、「炎症」が起きていると考えられます。
ここが痛い為に、動きたがらず、御飯を食べるのもイマイチ勢いがないのですね。
我々人間にも時々ありますね。朝起きたらなんだか首が痛くて曲げられない時。
そんな時には、立ち上がったり歩いたり、振り返ったり・・・そんな日常の行動の度に首が痛くて、動きがぎこちなくなったりしますよね。
どうやらワンちゃんにも同じような事が起きているようです。
こういった症例に鎮痛剤を処方してあげると、あっという間に元気になります。
ひとこと「首が痛い」といってくれれば苦労はないんですが・・・
言葉をしゃべることの無い動物の診療では、色々な可能性を考えながら慎重に触診、観察することが大切であります。
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院
ワンちゃんの診療で、時々あるのが・・・
「昨日までは普通に元気にしていたのに、今朝からなんだか元気が無くてあまり動かないんです・・・」という症例。
吐き気や下痢は? 食欲はどうですか?と聞いてみると・・・
「吐き気や下痢はありません。御飯は食べているけど、いつもよりもゆっくり食べているような・・・」
さて・・・どんな病気でしょうか?
こんなときは、まず通常の身体検査に加えて、首や腰などの触診を慎重におこないます。
首を上下左右にゆっくりと伸ばしたり、まげたり・・・
首から腰まで背中の筋肉を圧迫していったり・・・
わずかな動物の筋肉の緊張や、表情の変化を観察しながら触診していくと・・・
「あ、ここ痛いのかな?」というポイントが見つかります。
「キャン!」と鳴いてくれる子は解りやすいのですが、ほとんどの子はうんともすんとも言いません。ですが、痛いポイントになるとわずかに表情が曇ったり、筋肉に強張りが出ます。
そこでレントゲンをとって見ます。
写真の症例は、首を左に曲げたときにわずかに抵抗があった症例です。

写真右側が動物の左
写真右側の筋肉が、左側に比べると腫れているのが解ります。

黄色いラインで首の筋肉を示しています。
画面左側の筋肉に比べて右の筋肉が白く膨らんだように見えます。
白く膨らんだように見える部分は、「炎症」が起きていると考えられます。
ここが痛い為に、動きたがらず、御飯を食べるのもイマイチ勢いがないのですね。
我々人間にも時々ありますね。朝起きたらなんだか首が痛くて曲げられない時。
そんな時には、立ち上がったり歩いたり、振り返ったり・・・そんな日常の行動の度に首が痛くて、動きがぎこちなくなったりしますよね。
どうやらワンちゃんにも同じような事が起きているようです。
こういった症例に鎮痛剤を処方してあげると、あっという間に元気になります。
ひとこと「首が痛い」といってくれれば苦労はないんですが・・・
言葉をしゃべることの無い動物の診療では、色々な可能性を考えながら慎重に触診、観察することが大切であります。
町田市 相模原市 動物病院 谷口動物病院