町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
鼻炎が治らない・・・
2018年04月27日 (金) | 編集 |
町田市 動物病院 谷口動物病院

2月のことなのですが・・・


「数日前からゲッ、ゲッ!と何か吐きたそうにしているんです・・・」


ということで来院された猫ちゃん。


確かに、診察室でも咽喉~鼻にかけて違和感がある様子で、咳こむような様子が見受けられます。


熱も出ているし、レントゲンを撮ってみると咽喉周辺に炎症が起きている様子。


咽頭炎を疑って抗生物質と消炎剤で治療です。


しばらく治療したところで、ある程度症状が改善したので


「では、お薬飲みおわったら終了です」


と治療終了したはずなのですが・・・


今月になって


「どうも治りきっていないようで、まだ鼻水や鼻血がでてくるんです・・・」


とのお電話が。


嫌な予感です。


鼻水や鼻血の症状が長期間続く場合は、腫瘍や異物混入の可能性を考えなければなりません。


その場合は、通常のレントゲンでは診断は困難で、CT撮影が必要になります。


動物にとっても、経済的にも負担の大きな検査になります。


はたして・・・診察室にはいると・・・



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カルテより・・・


心の中でズッコケました。


診察室で待っていたのは、鼻から植物の破片が飛び出した猫ちゃん。


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こんな大きな植物の破片が出てきました。

どういうわけか、こんなに大きな草の破片を吸い込んでしまい、それが原因で慢性の鼻炎・咽頭炎を起こしていたようです。


2月に診察にいらっしゃったときに、喉の周りに起きていた炎症はこれが原因だったんでしょうね。
※気道内に侵入した植物の破片をレントゲンで見つけることはほぼ不可能です。


消炎剤や抗生剤で炎症が和らぎ、症状がやや治まったものの、原因となるこの植物が鼻の中に残ってしまったために、完治しなかったというわけです。


ずーっと鼻の奥に残っていたものが、ちょうど診察の時になってくしゃみと一緒にピョコっと鼻の穴から飛び出てくるミラクル。


ピンセットでそ~っと取り出して事なきを得ました。


わんちゃんでは、散歩中に草むらに顔を突っ込んで臭いをかいでるうちに草の破片を吸い込んでしまうことはよくあるのですが・・・


猫ちゃんで、しかもこんなに大きなものを吸い込んでいる症例は初めて見ました。


おそらく、ネコジャラシのような草を齧っているうちに、間違って飲みこんでしまったものの、喉に引っかかって咽頭炎を起こし・・・


それをゲッ!ゲッ!と吐き出そうとしているうちに、今度は鼻の方に入ってしまったのでしょうね。


むせた時にご飯粒が鼻の中に入ってくるのと同じですね。


年齢的に異物の可能性よりも腫瘍の心配をしていただけに、ほっとしましたが・・・まさかこんなに大きな異物を吸い込んでいるとは・・・


いまだに動物の診療では、思いもよらないことで驚かされます・・・


町田市 動物病院 谷口動物病院


ケンネルコフ
2017年12月14日 (木) | 編集 |
「ケンネルコフ」という病気があります。


正確には病名ではなくて、人間で「風邪」と呼ぶのと同じように、各種細菌やウイルス感染によっておこる発熱、発咳などの症状を総称して「ケンネルコフ」と呼んでいます。


「ケンネル」とは犬舎のこと。「コフ」は咳のこと。


ブリーダーやペットショップのような多頭飼育の環境で発症することが多いために、このような呼び名になっているんですね。


特に、ペットショップやブリーダーから新しい家族のもとに引き渡されたころに発症する事が多いようです。


新しい環境・家族とともに過ごすことで、どうしてもストレスがかかってしまうわけですが・・・

そんなストレスの中で免疫力が下がった時に、すでにペットショップやブリーダーのもとで感染していたウイルスや細菌による呼吸器症状が発症してしまうわけです。


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ケンネルコフを発症した子犬ちゃん。生後4か月。
ペットショップから引き取ってから咳が続いているとのこと。
〇で囲んだ部分が白くモヤがかかっていますが、この部分が気管支肺炎を起こした部位。



きちんと治療すれば大事になることはありませんが、こじらせて重度の肺炎になってしまう場合もありますので、早めに受診していただくことが大切です。

町田市 谷口動物病院



短頭種気道症候群
2017年10月06日 (金) | 編集 |
こちらは先日歯科処置をおこなったワンちゃんの処置中の写真です。



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歯科処置中の写真ですが、今回、ご説明したいのは呼吸器の問題について。


写真の症例はチワワちゃん。写真を見ていただくと、小さなお口に対して舌がものすごく大きいのがお分かりいただけると思います。


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御覧のように、大きな舌がのどの奥をふさいでいます。



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処置をしていても、大きな舌が邪魔で大変です・・・



この大きな舌は、咽喉、気管の入り口を圧迫し、呼吸障害を引き起こします。


チワワや、パグ、ブルドックなど、鼻が潰れたようになっている犬種を、「短頭種」と呼びます。


短頭種では、頭蓋骨が成長異常を起こすために、あのような特徴的な顔立ちになるのですが・・・


成長異常を起こして短く・小さくなるのは骨格だけで、軟部組織と呼ばれる舌や咽喉周りの筋肉脂肪組織などは「成長異常を起こす前の本来の容量」のままとなります。


たとえて言うと、お弁当の中身の分量はそのままに、お弁当箱が小さくなった感じ。


当然、お弁当箱の中身はぎゅうぎゅう詰めになりますよね。


ぎゅうぎゅう詰めになった軟部組織は、鼻腔や咽頭などの空気の通り道を圧迫します。


そのため、呼吸障害が起こるのです。


こういった、短頭種特有の呼吸障害を「短頭種気道症候群」と呼びます。


パグやブルドックのような犬種が、普段から口を大きく開いて、ゼエゼエと呼吸している様子をご覧になったことはありませんか?


あれは、単に熱かったり興奮しているわけではなく、口を閉じると軟部組織の圧迫でうまく呼吸ができないからというのも一つの原因になっているのです。



鼻ぺちゃで可愛らしい犬種たちではありますが・・・実はこういった犬種は、生まれながらにして一生「息苦しい」生活を余儀なくされていたりするのです。

町田市 谷口動物病院

誤嚥性肺炎
2017年09月01日 (金) | 編集 |
7月~8月にかけて、なぜだか肺炎の症例が続いていました。




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青丸で囲んだ部分。白っぽくなっているところが肺炎を起こした部分。
右側のレントゲン写真は治療後のレントゲン写真。白くモヤがかかっていた部分が綺麗になっています。







こちらは別の症例。









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左が治療前。肺の右下部分(症例にとっては左肺)が白くぼやけています。
右が治療後。




これらの症例に共通しているのが・・・



「数時間前まではいつも通り元気にしていたのに、ゲホゲホとむせ返った後から急に咳をするようになって、元気がなくなってしまった」



ということです。



「誤嚥性肺炎」です。



誤嚥性肺炎というのは、食物や自分自身の吐物、唾液などを誤って肺に吸入してしまった際に起こる肺炎です。



若い症例に偶発的に起こることもありますが、多くは呑み込みの機能の衰えてきた中高齢の動物で起こることが多い病気です。



軽度の場合は抗生物質と消炎剤の投与で綺麗に治りますが・・・



呑み込みの機能の衰えが原因ですので、また繰り返す可能性があります。



こういった症例では、お食事を与えるときに小分けに与えたり、食器の位置を高くして飲みこみやすい状態にしてあげることも大切です。






短頭種気道症候群
2015年10月10日 (土) | 編集 |
以前にもとりあげたことがありますが、「短頭種気道症候群」についてであります。




まずはこちら。



正常犬の気道のレントゲンのご紹介から。



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鼻からの空気の通り道と、口からの通り道の間に「軟口蓋」があり、その奥で気管へと一つにつながります。



こちらは、あるフレンチブルドッグの気道のレントゲン。



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正常犬に比べて、「軟口蓋」の部分が分厚く、空気の通り道が明らかに狭まってしまっています。



フレンチブルドッグやパグ犬のような「短頭種」と言われる犬種では、通常のワンちゃんに比べて気道が狭くなっていることがほとんどです。



これを、「短頭種気道症候群」と言います。



ぺちゃんこに潰れた鼻、分厚くなった軟口蓋、通常よりも細い気管など、生まれつき気道に不具合が生じるため、普通の犬種に比べてイビキをかきやすかったり、すぐにゼエゼエと呼吸が荒くなったりしやすいのです。



中でも、気道の閉塞が重度な症例では、何かの拍子に窒息死してしまうこともあるのです。



こちらは、より重度な「短頭種気道症候群」のワンちゃん。


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気道の狭窄が重度です。



ここまで重度になると、睡眠中等に窒息する危険があります。



ぺちゃんこに潰れたお顔が可愛らしい「短頭種」ですが、その特徴的なお顔の影には、このような疾患が隠れているのであります。