町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
ケンネルコフ
2017年12月14日 (木) | 編集 |
「ケンネルコフ」という病気があります。


正確には病名ではなくて、人間で「風邪」と呼ぶのと同じように、各種細菌やウイルス感染によっておこる発熱、発咳などの症状を総称して「ケンネルコフ」と呼んでいます。


「ケンネル」とは犬舎のこと。「コフ」は咳のこと。


ブリーダーやペットショップのような多頭飼育の環境で発症することが多いために、このような呼び名になっているんですね。


特に、ペットショップやブリーダーから新しい家族のもとに引き渡されたころに発症する事が多いようです。


新しい環境・家族とともに過ごすことで、どうしてもストレスがかかってしまうわけですが・・・

そんなストレスの中で免疫力が下がった時に、すでにペットショップやブリーダーのもとで感染していたウイルスや細菌による呼吸器症状が発症してしまうわけです。


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ケンネルコフを発症した子犬ちゃん。生後4か月。
ペットショップから引き取ってから咳が続いているとのこと。
〇で囲んだ部分が白くモヤがかかっていますが、この部分が気管支肺炎を起こした部位。



きちんと治療すれば大事になることはありませんが、こじらせて重度の肺炎になってしまう場合もありますので、早めに受診していただくことが大切です。

町田市 谷口動物病院



短頭種気道症候群
2017年10月06日 (金) | 編集 |
こちらは先日歯科処置をおこなったワンちゃんの処置中の写真です。



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歯科処置中の写真ですが、今回、ご説明したいのは呼吸器の問題について。


写真の症例はチワワちゃん。写真を見ていただくと、小さなお口に対して舌がものすごく大きいのがお分かりいただけると思います。


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御覧のように、大きな舌がのどの奥をふさいでいます。



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処置をしていても、大きな舌が邪魔で大変です・・・



この大きな舌は、咽喉、気管の入り口を圧迫し、呼吸障害を引き起こします。


チワワや、パグ、ブルドックなど、鼻が潰れたようになっている犬種を、「短頭種」と呼びます。


短頭種では、頭蓋骨が成長異常を起こすために、あのような特徴的な顔立ちになるのですが・・・


成長異常を起こして短く・小さくなるのは骨格だけで、軟部組織と呼ばれる舌や咽喉周りの筋肉脂肪組織などは「成長異常を起こす前の本来の容量」のままとなります。


たとえて言うと、お弁当の中身の分量はそのままに、お弁当箱が小さくなった感じ。


当然、お弁当箱の中身はぎゅうぎゅう詰めになりますよね。


ぎゅうぎゅう詰めになった軟部組織は、鼻腔や咽頭などの空気の通り道を圧迫します。


そのため、呼吸障害が起こるのです。


こういった、短頭種特有の呼吸障害を「短頭種気道症候群」と呼びます。


パグやブルドックのような犬種が、普段から口を大きく開いて、ゼエゼエと呼吸している様子をご覧になったことはありませんか?


あれは、単に熱かったり興奮しているわけではなく、口を閉じると軟部組織の圧迫でうまく呼吸ができないからというのも一つの原因になっているのです。



鼻ぺちゃで可愛らしい犬種たちではありますが・・・実はこういった犬種は、生まれながらにして一生「息苦しい」生活を余儀なくされていたりするのです。

町田市 谷口動物病院

誤嚥性肺炎
2017年09月01日 (金) | 編集 |
7月~8月にかけて、なぜだか肺炎の症例が続いていました。




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青丸で囲んだ部分。白っぽくなっているところが肺炎を起こした部分。
右側のレントゲン写真は治療後のレントゲン写真。白くモヤがかかっていた部分が綺麗になっています。







こちらは別の症例。









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左が治療前。肺の右下部分(症例にとっては左肺)が白くぼやけています。
右が治療後。




これらの症例に共通しているのが・・・



「数時間前まではいつも通り元気にしていたのに、ゲホゲホとむせ返った後から急に咳をするようになって、元気がなくなってしまった」



ということです。



「誤嚥性肺炎」です。



誤嚥性肺炎というのは、食物や自分自身の吐物、唾液などを誤って肺に吸入してしまった際に起こる肺炎です。



若い症例に偶発的に起こることもありますが、多くは呑み込みの機能の衰えてきた中高齢の動物で起こることが多い病気です。



軽度の場合は抗生物質と消炎剤の投与で綺麗に治りますが・・・



呑み込みの機能の衰えが原因ですので、また繰り返す可能性があります。



こういった症例では、お食事を与えるときに小分けに与えたり、食器の位置を高くして飲みこみやすい状態にしてあげることも大切です。






短頭種気道症候群
2015年10月10日 (土) | 編集 |
以前にもとりあげたことがありますが、「短頭種気道症候群」についてであります。




まずはこちら。



正常犬の気道のレントゲンのご紹介から。



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鼻からの空気の通り道と、口からの通り道の間に「軟口蓋」があり、その奥で気管へと一つにつながります。



こちらは、あるフレンチブルドッグの気道のレントゲン。



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正常犬に比べて、「軟口蓋」の部分が分厚く、空気の通り道が明らかに狭まってしまっています。



フレンチブルドッグやパグ犬のような「短頭種」と言われる犬種では、通常のワンちゃんに比べて気道が狭くなっていることがほとんどです。



これを、「短頭種気道症候群」と言います。



ぺちゃんこに潰れた鼻、分厚くなった軟口蓋、通常よりも細い気管など、生まれつき気道に不具合が生じるため、普通の犬種に比べてイビキをかきやすかったり、すぐにゼエゼエと呼吸が荒くなったりしやすいのです。



中でも、気道の閉塞が重度な症例では、何かの拍子に窒息死してしまうこともあるのです。



こちらは、より重度な「短頭種気道症候群」のワンちゃん。


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気道の狭窄が重度です。



ここまで重度になると、睡眠中等に窒息する危険があります。



ぺちゃんこに潰れたお顔が可愛らしい「短頭種」ですが、その特徴的なお顔の影には、このような疾患が隠れているのであります。

誤嚥性肺炎
2015年08月31日 (月) | 編集 |
まずは正常な胸のレントゲン写真です。



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真ん中にまるく写っているのが心臓です。


左右の肺は空気を含んでいるので黒く写ります。




続いて、咳と呼吸困難で来院した仔犬ちゃんのレントゲン写真。



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正常なレントゲン写真に比べると、なんだか心臓の形がハッキリしません。



写真左側の肺の一部も白く曇ってしまっています。



これは「誤嚥性肺炎」を示唆する所見です。


「誤嚥性肺炎」のは、食物や嘔吐物などが間違って気管に入り込んでしまった場合におこる肺炎です。



写真で白くなっているところは右肺の「中肺葉」と言う部分で、気管の位置関係の都合で、「誤嚥性肺炎」を起こしやすい部分とされています。



この症例は、自宅に迎えた翌日から咳の症状があり、「ケンネルコフ」というワンちゃんの風邪を患っていたのですが、夜間に激しくせき込んだあとから急に具合が悪くなってきたということで入院治療となりました。



おそらく、激しくせき込んでいるうちに、食物か何かを誤嚥してしまったものと思われます。




悪化させると命にかかわることもあるので、的確に診断し治療を行わなければなりません。