2017年10月31日 (火) | 編集 |
動物病院で診療していると、特に季節性がある病気でもないのに、なぜか同じような症例が続くことがあります。
今回は、そんななかから副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)という病気をご紹介いたします。
人間では難病指定されており、非常に稀な疾患だそうですが、ワンちゃんでは比較的多く遭遇する疾患です。
副腎皮質と呼ばれるホルモン分泌器官からホルモンが過剰に分泌される疾患で、脳下垂体の異常によってホルモン分泌が過剰になる「下垂体依存性副腎皮質機能亢進症」と、副腎そのものが腫瘍化して異常を起こす「副腎腫瘍性副腎皮質機能亢進症」があります。
・・・漢字が多くて読みにくいですね・・・

副腎皮質から分泌されるホルモンは、ステロイドホルモンと呼ばれ、生体に様々な働きかけを行う、生命維持には不可欠のホルモンなのですが・・・
その分、これが過剰に分泌された際には、様々な臓器に影響を及ぼします。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)では、多飲多尿、腹部膨満、脱毛、パンティング(息が荒くなる)などといった症状が飼主様が初めに気づく変化ですが・・・
重度になると糖尿病や膵炎、肺血栓塞栓症、脳神経症状など、生命にかかわるような病気を合併することもあります。
診断は血液検査で副腎皮質ホルモンの濃度を測定することと・・・
超音波検査での副腎の観察で行います。
(症例によってはCT検査を必要とすることもあります。)

黒く落花生のような形に移っているのが副腎です。
正常犬の副腎のサイズは厚み7mmまでとされていますが・・・写真の症例は9mmとなっていますね。
続いて、こちらは別の症例。

副腎のサイズは厚み5.3mmと正常範囲のように見えますが・・・
ホルモンの数値は異常を示していました。
実はこのワンちゃんは体重5キロ以下の超小型犬であります。
小型犬、超小型犬の場合は、7mmに達していなくても異常な場合があります。
体格差の大きいワンちゃんの診療では、こういった点に注意しながら診療しなければなりません。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の治療には外科療法と内科療法、そして放射線療法があります。
副腎腫瘍性のクッシング症候群では、副腎腫瘍の外科的摘出が必要になります。
脳下垂体性のクッシング症候群の場合は、脳下垂体の状態によって内科療法、外科療法、放射線療法を選択いたします。
とはいえ、副腎の腫瘍は腹部の動脈を巻き込んでいることも少なくなく、手術が困難なことも少なくありません。
また、脳下垂体の外科治療は、脳外科ですから、どんな病院でもできるわけではありませんし、放射線療法も同様です。
そのため、一般的には内科療法で治療することが多いのではないでしょうか。
町田市 谷口動物病院
今回は、そんななかから副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)という病気をご紹介いたします。
人間では難病指定されており、非常に稀な疾患だそうですが、ワンちゃんでは比較的多く遭遇する疾患です。
副腎皮質と呼ばれるホルモン分泌器官からホルモンが過剰に分泌される疾患で、脳下垂体の異常によってホルモン分泌が過剰になる「下垂体依存性副腎皮質機能亢進症」と、副腎そのものが腫瘍化して異常を起こす「副腎腫瘍性副腎皮質機能亢進症」があります。
・・・漢字が多くて読みにくいですね・・・

副腎皮質から分泌されるホルモンは、ステロイドホルモンと呼ばれ、生体に様々な働きかけを行う、生命維持には不可欠のホルモンなのですが・・・
その分、これが過剰に分泌された際には、様々な臓器に影響を及ぼします。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)では、多飲多尿、腹部膨満、脱毛、パンティング(息が荒くなる)などといった症状が飼主様が初めに気づく変化ですが・・・
重度になると糖尿病や膵炎、肺血栓塞栓症、脳神経症状など、生命にかかわるような病気を合併することもあります。
診断は血液検査で副腎皮質ホルモンの濃度を測定することと・・・
超音波検査での副腎の観察で行います。
(症例によってはCT検査を必要とすることもあります。)

黒く落花生のような形に移っているのが副腎です。
正常犬の副腎のサイズは厚み7mmまでとされていますが・・・写真の症例は9mmとなっていますね。
続いて、こちらは別の症例。

副腎のサイズは厚み5.3mmと正常範囲のように見えますが・・・
ホルモンの数値は異常を示していました。
実はこのワンちゃんは体重5キロ以下の超小型犬であります。
小型犬、超小型犬の場合は、7mmに達していなくても異常な場合があります。
体格差の大きいワンちゃんの診療では、こういった点に注意しながら診療しなければなりません。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の治療には外科療法と内科療法、そして放射線療法があります。
副腎腫瘍性のクッシング症候群では、副腎腫瘍の外科的摘出が必要になります。
脳下垂体性のクッシング症候群の場合は、脳下垂体の状態によって内科療法、外科療法、放射線療法を選択いたします。
とはいえ、副腎の腫瘍は腹部の動脈を巻き込んでいることも少なくなく、手術が困難なことも少なくありません。
また、脳下垂体の外科治療は、脳外科ですから、どんな病院でもできるわけではありませんし、放射線療法も同様です。
そのため、一般的には内科療法で治療することが多いのではないでしょうか。
町田市 谷口動物病院
2014年12月12日 (金) | 編集 |
ここ最近、やたらと続いた病気の中からのご紹介です。
「甲状腺」についての病気であります。
「甲状腺」と言うのは、喉のあたりにある臓器で、甲状腺ホルモンを分泌する働きを持っています。
「甲状腺ホルモン」は、生体の代謝機能の調節や、正常な成長・発育に大きな役割を果たしています。
この「甲状腺ホルモン」の分泌バランスが崩れることで、病気として症状があらわれてくるのですが・・・
不思議なことに、ワンちゃんでは甲状腺ホルモンの分泌が低下する「甲状腺機能低下症」が多く・・・
一方、猫ちゃんでは甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる「甲状腺機能亢進症」が多いのであります。

甲状腺機能低下症のワンちゃんの検査結果。
T4・FT4が犬の甲状腺ホルモンの値。
参考値=正常値と考えて下さい。
甲状腺機能低下症では、代謝や発育に係わる甲状腺ホルモンが不足するため・・・
活動性の低下・低体温・無気力・肥満・皮膚症状(脱毛、感染症、フケ症など) といった症状がみられます。

甲状腺機能亢進症の猫ちゃんの検査結果
T4が甲状腺ホルモンの値。
甲状腺機能亢進症では、代謝や発育に係わるホルモンの分泌が過剰になるため・・・
行動の変化(攻撃的・活動的)・体重減少・食欲増進・下痢や嘔吐・頻脈(心拍数の増加)といった症状が認められます。
どちらの病気も、比較的高齢になってから発症する病気ですので・・・
「最近、あまり動きたがらないけど年のせいかしら?」(甲状腺機能低下症)
「最近フケっぽくなって、毛が薄くなってきたけど、年のせいかしら?」(甲状腺機能低下症)
「最近痩せてきたけど・・・年だし仕方ないかな? でも、元気に動き回ってるし、食欲もあるから大丈夫じゃない?」(甲状腺機能亢進症)
と言った感じで、飼い主様が気が付きにくい病気であります。
症状だけを見ると、それぞれ大した症状には見えませんが・・・
生命の根幹である代謝活動に係わるホルモンの異常ですので、長期間放置してしまうと、命にかかわることもある病気であります。
自分で言葉をしゃべることのできないワンちゃん・猫ちゃんの健康管理においては、日頃のちょっとした体調の変化や行動の変化が、重大な病気の発見につながる大切な手掛かりになることも珍しくありません。
「あれ、どうしたんだろう?」
と疑問に思ったことは、どうぞ御遠慮なさらず、獣医師・看護師・受付スタッフにご相談くださいませ。
「甲状腺」についての病気であります。
「甲状腺」と言うのは、喉のあたりにある臓器で、甲状腺ホルモンを分泌する働きを持っています。
「甲状腺ホルモン」は、生体の代謝機能の調節や、正常な成長・発育に大きな役割を果たしています。
この「甲状腺ホルモン」の分泌バランスが崩れることで、病気として症状があらわれてくるのですが・・・
不思議なことに、ワンちゃんでは甲状腺ホルモンの分泌が低下する「甲状腺機能低下症」が多く・・・
一方、猫ちゃんでは甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる「甲状腺機能亢進症」が多いのであります。

甲状腺機能低下症のワンちゃんの検査結果。
T4・FT4が犬の甲状腺ホルモンの値。
参考値=正常値と考えて下さい。
甲状腺機能低下症では、代謝や発育に係わる甲状腺ホルモンが不足するため・・・
活動性の低下・低体温・無気力・肥満・皮膚症状(脱毛、感染症、フケ症など) といった症状がみられます。

甲状腺機能亢進症の猫ちゃんの検査結果
T4が甲状腺ホルモンの値。
甲状腺機能亢進症では、代謝や発育に係わるホルモンの分泌が過剰になるため・・・
行動の変化(攻撃的・活動的)・体重減少・食欲増進・下痢や嘔吐・頻脈(心拍数の増加)といった症状が認められます。
どちらの病気も、比較的高齢になってから発症する病気ですので・・・
「最近、あまり動きたがらないけど年のせいかしら?」(甲状腺機能低下症)
「最近フケっぽくなって、毛が薄くなってきたけど、年のせいかしら?」(甲状腺機能低下症)
「最近痩せてきたけど・・・年だし仕方ないかな? でも、元気に動き回ってるし、食欲もあるから大丈夫じゃない?」(甲状腺機能亢進症)
と言った感じで、飼い主様が気が付きにくい病気であります。
症状だけを見ると、それぞれ大した症状には見えませんが・・・
生命の根幹である代謝活動に係わるホルモンの異常ですので、長期間放置してしまうと、命にかかわることもある病気であります。
自分で言葉をしゃべることのできないワンちゃん・猫ちゃんの健康管理においては、日頃のちょっとした体調の変化や行動の変化が、重大な病気の発見につながる大切な手掛かりになることも珍しくありません。
「あれ、どうしたんだろう?」
と疑問に思ったことは、どうぞ御遠慮なさらず、獣医師・看護師・受付スタッフにご相談くださいませ。
2012年11月03日 (土) | 編集 |
こちら、あるネコちゃんの血液検査の結果です。

T4という項目。正常値の4倍とかなり高い値を示しています。
T4というのは、甲状腺から分泌されるホルモンで、甲状腺機能を調べるときに計測する数値であります。
こちらのネコちゃんは、現在18歳の高齢ネコちゃんで、夜鳴きがヒドイということでご来院いただきました。
「夜鳴き」の原因は、しつけの問題、認知症などいくつか考えられますが、老ネコちゃんの場合は「甲状腺機能亢進症」が原因になることが多いようです。
「甲状腺機能亢進症」は、体中の代謝や自律神経の働きに係わる「甲状腺ホルモン」のバランスが崩れ、通常よりも多くホルモンが分泌される病気です。
「甲状腺ホルモン」は体の「活動性」に係わるホルモンなので、これが多量に分泌されることで、「興奮しやすくなる」、「食欲が増す」、「食べてるのに痩せていく」、「活動性が増す(特に夜間)」といった症状がみられるのです。
「甲状腺機能亢進症」では、基本的には「元気で食欲がある」ように見えるので、飼い主様からすると病気として認識しにくいのですが・・・
過剰に分泌されるホルモンは心臓機能などにも悪影響を与えますので、なるべく早く診断し、治療をおこなうことが大切です。
治療には甲状腺ホルモンの分泌を抑えるお薬を使用します。
8歳以上の老ネコちゃんに比較的多い疾患で、定期的な健康診断、血液検査を受けていただいていれば、それほど発見・治療の難しい病気ではありません。

T4という項目。正常値の4倍とかなり高い値を示しています。
T4というのは、甲状腺から分泌されるホルモンで、甲状腺機能を調べるときに計測する数値であります。
こちらのネコちゃんは、現在18歳の高齢ネコちゃんで、夜鳴きがヒドイということでご来院いただきました。
「夜鳴き」の原因は、しつけの問題、認知症などいくつか考えられますが、老ネコちゃんの場合は「甲状腺機能亢進症」が原因になることが多いようです。
「甲状腺機能亢進症」は、体中の代謝や自律神経の働きに係わる「甲状腺ホルモン」のバランスが崩れ、通常よりも多くホルモンが分泌される病気です。
「甲状腺ホルモン」は体の「活動性」に係わるホルモンなので、これが多量に分泌されることで、「興奮しやすくなる」、「食欲が増す」、「食べてるのに痩せていく」、「活動性が増す(特に夜間)」といった症状がみられるのです。
「甲状腺機能亢進症」では、基本的には「元気で食欲がある」ように見えるので、飼い主様からすると病気として認識しにくいのですが・・・
過剰に分泌されるホルモンは心臓機能などにも悪影響を与えますので、なるべく早く診断し、治療をおこなうことが大切です。
治療には甲状腺ホルモンの分泌を抑えるお薬を使用します。
8歳以上の老ネコちゃんに比較的多い疾患で、定期的な健康診断、血液検査を受けていただいていれば、それほど発見・治療の難しい病気ではありません。
2012年05月15日 (火) | 編集 |
前回、インスリン注射について少しお話しましたが・・・
今回は、糖尿病になった時の症状についてであります。
糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリン(ホルモンの一種)が不足することで引き起こされます。
インスリンというのは、血液中のエネルギー(糖分)を細胞内に取り込む働きを持っています。
そのため、インスリンが不足すると、血液中のエネルギー(糖分)を細胞に取り込むことができないため、血液中にエネルギー(糖分)が余ってしまう=高血糖になってしまうわけです。
血液中の過剰な糖分は、腎臓から排泄されて糖尿になります。
尿に糖分が排泄される際に、水分も一緒に多く排泄されるため、おしっこの量が多くなります。
おしっこに水分が多く出て行ってしまうため、当然、喉が渇き、水を飲む量が増えてきます。
そのため、初期の糖尿病で飼い主様が一番気がつきやすいのが、「多飲・多尿」といった症状になります。
糖尿病がさらに進行すると、今度は「食欲はあるのに痩せていく」という症状が出てきます。
前述のように、インスリンは細胞内にエネルギーを取り込む働きを持っています。
インスリンが不足すると、細胞内にエネルギーを取り込めなくなってしまうため、結果的にはいくら食べても体はエネルギー不足の状態に陥ってしまいます。
そのため、体は生きていくために脂肪を分解して、なんとかそれをエネルギーとして利用しようとするのです。
なので、「食べてるのに痩せていく」という症状がでてくるわけです。
ただし、この「脂肪を分解してエネルギーとして利用する」のには限界がありまして、脂肪を分解した際に発生するケトン体という物質が蓄積すると、中毒症状が発症し、最悪の場合は死にいたる危険がございます。
「食べてるのに痩せていく」という症状は、糖尿病の症状としてはかなり進行し、危険な状況が近づいていることを意味します。
糖尿病は、ワンちゃん・ネコちゃんでも一般的な病気で、ここ近年は人間同様に食習慣や運動不足から症例数が増えているという報告もございます。
やはり、まずは適切な食事管理と運動量。
そして、日ごろからの元気食欲・排便排尿の状態をよく観察していただき、気になる点があれば早め早めに獣医師にご相談いただくことが大切です。
今回は、糖尿病になった時の症状についてであります。
糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリン(ホルモンの一種)が不足することで引き起こされます。
インスリンというのは、血液中のエネルギー(糖分)を細胞内に取り込む働きを持っています。
そのため、インスリンが不足すると、血液中のエネルギー(糖分)を細胞に取り込むことができないため、血液中にエネルギー(糖分)が余ってしまう=高血糖になってしまうわけです。
血液中の過剰な糖分は、腎臓から排泄されて糖尿になります。
尿に糖分が排泄される際に、水分も一緒に多く排泄されるため、おしっこの量が多くなります。
おしっこに水分が多く出て行ってしまうため、当然、喉が渇き、水を飲む量が増えてきます。
そのため、初期の糖尿病で飼い主様が一番気がつきやすいのが、「多飲・多尿」といった症状になります。
糖尿病がさらに進行すると、今度は「食欲はあるのに痩せていく」という症状が出てきます。
前述のように、インスリンは細胞内にエネルギーを取り込む働きを持っています。
インスリンが不足すると、細胞内にエネルギーを取り込めなくなってしまうため、結果的にはいくら食べても体はエネルギー不足の状態に陥ってしまいます。
そのため、体は生きていくために脂肪を分解して、なんとかそれをエネルギーとして利用しようとするのです。
なので、「食べてるのに痩せていく」という症状がでてくるわけです。
ただし、この「脂肪を分解してエネルギーとして利用する」のには限界がありまして、脂肪を分解した際に発生するケトン体という物質が蓄積すると、中毒症状が発症し、最悪の場合は死にいたる危険がございます。
「食べてるのに痩せていく」という症状は、糖尿病の症状としてはかなり進行し、危険な状況が近づいていることを意味します。
糖尿病は、ワンちゃん・ネコちゃんでも一般的な病気で、ここ近年は人間同様に食習慣や運動不足から症例数が増えているという報告もございます。
やはり、まずは適切な食事管理と運動量。
そして、日ごろからの元気食欲・排便排尿の状態をよく観察していただき、気になる点があれば早め早めに獣医師にご相談いただくことが大切です。
2012年05月12日 (土) | 編集 |
先日退院したネコちゃんのお尻です。
こちらは退院直前のお写真。

お尻の両サイドの毛を刈られてしまっています。
これは、別に皮膚病とかではなくて、糖尿病治療のためであります。
人間でも運動不足や肥満といった生活習慣を背景に、糖尿病の患者さんが多くいらっしゃるわけですが、ネコちゃんでもこの30年の間に、糖尿病の症例が増える一方だそうです。
おそらく、人間と生活するなかで、必要以上の栄養摂取、室内飼育が増えたことでの運動不足が関わっているのかもしれません。
さて、糖尿病になると、治療にはインスリン注射がかかせなくなります。
動物用にインスリン注射というものは開発されていませんので・・・
当然、人間用の物を応用せざるを得ません。

こんなちっちゃな注射器で・・・

こんなちょっぴりの量を注射しなければならないのです。
これを、飼い主様に御自宅で一日二回注射していただかなければならないのですが、なれない注射を、動くワンちゃん・ネコちゃん相手に正確に注射するのはなかなか困難。
しかも、こんな小さな注射器でちょっぴりの量となると、余計に大変であります。
そのため、注射する部位が見えやすいように毛を刈っておいたのです。
このあと、飼い主様に注射の練習をしていただいてから、元気に退院していきました。
こちらは退院直前のお写真。

お尻の両サイドの毛を刈られてしまっています。
これは、別に皮膚病とかではなくて、糖尿病治療のためであります。
人間でも運動不足や肥満といった生活習慣を背景に、糖尿病の患者さんが多くいらっしゃるわけですが、ネコちゃんでもこの30年の間に、糖尿病の症例が増える一方だそうです。
おそらく、人間と生活するなかで、必要以上の栄養摂取、室内飼育が増えたことでの運動不足が関わっているのかもしれません。
さて、糖尿病になると、治療にはインスリン注射がかかせなくなります。
動物用にインスリン注射というものは開発されていませんので・・・
当然、人間用の物を応用せざるを得ません。

こんなちっちゃな注射器で・・・

こんなちょっぴりの量を注射しなければならないのです。
これを、飼い主様に御自宅で一日二回注射していただかなければならないのですが、なれない注射を、動くワンちゃん・ネコちゃん相手に正確に注射するのはなかなか困難。
しかも、こんな小さな注射器でちょっぴりの量となると、余計に大変であります。
そのため、注射する部位が見えやすいように毛を刈っておいたのです。
このあと、飼い主様に注射の練習をしていただいてから、元気に退院していきました。